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「虎の子」の一頭・馬場虎太郎

【桜花賞】外有利のトラックバイアスが発生しそう

 阪神芝は先週からBコース替り。今春開催のなかでは週末の天候も良好。路盤の状態が良いため、日曜は私独自の馬場判定では軽い馬場コンディション。

 外回りの多頭数で行われた4R、10Rはトラックバイアス「外有利」。軽めの馬場コンディションで行われた際の阪神芝外回りでは発生しやすいトラックバイアスだ。さらに、内回りで行われたメインレースの大阪杯もトラックバイアス「外有利」と判定した。

 実際のコース取りだけならば、勝ったラッキーライラック、3着のダノンキングリー、人気薄ながら4着に健闘したカデナが勝負どころで最内追走。たしかに、直線だけは内を回った馬が有利に見えるかもしれない。しかし、名前を挙げた3頭は全て5枠より外の「外枠」だった。そして、このレースは4枠より内の内枠だった馬が軒並みパフォーマンスを落としている。

 最内枠だったロードマイウェイは6番人気で最下位に凡走。2枠のサトノソルタスは10番人気で10着。3枠のブラストワンピースは3番人気で7着。4枠のワグネリアンは5番人気で5着。内枠の上位人気馬はすべて人気を裏切った。レースをみても、内枠の馬がスムーズさを欠いている。外枠の馬が思い通りのポジション、コース取りでレースを運ぶことができていた。

 外を通ったとしてもスムーズに運べることのほうが有利。大阪杯で内と位置取りにこだわりすぎて能力を発揮できなかった馬がいたことを見れば、わかりやすいのではないか。

 今週も週中、週末ともに良好な天気予報。先週と大差ない馬場コンディションになることが想定される。

 近年の桜花賞では2019年や2016年と近い馬場コンディション、状況になりそう。2019年はトラックバイアス「外有利」。2016年はトラックバイアス「外有利・超差有利」と判定。この2回では6番人気以下で3着内に好走したシゲルピンクダイヤ、アットザシーサイドの2頭がどちらも5枠より外から最初のコーナーを二桁位置取りで通過。

 内回りの大阪杯ですら「外有利」だった今年は、2019年や2016年と同等かそれ以上に顕著なトラックバイアスが発生する可能性もある。末脚のしっかりしたタイプ、そのなかでも外枠の馬を狙いたい。

 デアリングタクトの前走はエルフィンステークス。トラックバイアス「外有利・差し有利」と判定する今回と似たような状況で6枠から後方追走し、4馬身差の圧勝。当時の京都芝は馬場コンディション「標準」。3歳牝馬にとっては決して走りやすい馬場の状態ではなかったにも拘わらず、勝ちタイムはエルフィンステークス史上最速となる1分33秒6。

 単純な比較をするべきではないものの、2位は後にGIを6勝するウオッカが記録した1分33秒7。3位は後に桜花賞を制するマルセリーナだが、1分34秒4。GI馬とすら大きな差がある。トラックバイアスに恵まれた面はあったにしても、まだ余力すら感じさせる非常に優秀な内容。

 今回も前走時と似たような「外有利の」トラックバイアスが想定される。新馬戦から一気に道中の追走と決着タイムが速くなったエルフィンステークスでパフォーマンスを上げていることから、軽めの馬場コンディションになってもペースに戸惑ってパフォーマンスを下げる心配は少ない。

 ただし、デアリングタクトは内枠に入った場合は、割引が必要。トラックバイアスが外枠有利になりやすいことに加え、この馬自身にとっても能力を発揮するのに、内枠は不利。

 新馬戦は3枠からのスタート。終始馬群の中を追走し、直線も半ばまで包まれたまま。外へ出すと一瞬で突き抜け余力もあったが、このレース単体のパフォーマンスとしては評価できるものではなかった。

 エルフィンステークスは6枠からのスタート。馬群の外側で終始前に壁のないスムーズな追走ができたことにより、優秀なパフォーマンスを示した。





回収率向上大作戦・須田鷹雄

【桜花賞】チューリップ賞組は負けてきた馬に妙味

大事なのはその「並べ方」


 桜花賞といえば、まずはなんといってもチューリップ賞組。いまは阪神芝1600mが枠順による有利不利の少ないコースになり、外回りコースの直線の長さは流行りの血統を持つ上位人気馬にとって有利な条件になっている。

 紛れが少なくなると阪神JF→チューリップ賞→桜花賞で好走馬が似てくるのは当然なのだが、かといってチューリップ賞組を前走着順の通りに買えばよいかというとそうではないのが競馬の難しいところだ。

 以下は、阪神が新コースになって以降の桜花賞(2007年以降)のチューリップ賞組における、前走着順別成績である。

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 勝ってきた馬は半分以上が馬券に絡んでいるが、人気にもなるので回収率はそれほどでもない。むしろ複回収率が良いのは負け組だ。

 チューリップ賞8着だったプリンセスジャック(桜花賞14番人気3着)や同11着のクルミナル(桜花賞7番人気2着)のようなタイプは的中頻度を考えると狙いづらいが、惜敗組を狙うだけでも十分期待値は上がる。

 もちろん別路線組の食い込みについても考えなくてはならないが、まずチューリップ賞組についてその「並べ方」を考えたい。



重賞データ分析・小林誠

【桜花賞】あの新種牡馬の産駒が大混戦を断つ!

■桜花賞(GI・阪神芝1600m外)フルゲート18頭/登録23頭

★3行でわかる! 桜花賞 攻略の糸口
1.近年は順当決着傾向。中穴は来るが大穴は来ない!
2.中枠が強い。内枠は低調な成績も過剰な割引は禁物。
3.差し・追い込み優勢。外国人騎手は最強クラスの強さ。

データ特注推奨馬
 ★該当なし

 桜花賞というレースは、データ派にとってはなかなかの難物。なぜかといえば、「特徴がないのが特徴」だからである。強力な取捨選択材料となりうるレースデータは見当たらず、コースにもクセや偏りがない。チューリップ賞組や瞬発力タイプが強いというのも、誰もが知っているのでオッズに織り込まれてしまう。パドックや返し馬といったアナログな手法のほうが、いい馬券が獲れそうな気がしてくるほどだ。

 もちろん、データ的な傾向はある。近年の桜花賞は順当決着傾向が強いレースとなっており、ふたケタ人気馬の成績は壊滅的。ただし、7~9番人気の好走率はかなり高く、積極的に狙っていく価値がある。また、人気サイドが強いが「1番人気よりも2~3番人気のほうが好内容」というのも、押さえておきたいポイントといえる。

 枠番は、中枠である馬番7~12番がメチャクチャ強い。対照的に低調な結果に終わっているのが、内枠である馬番1~6番だ。とはいえ、人気のない馬が内枠に偏ったのがその大きな理由で、近年は内枠の人気馬がコンスタントに活躍。コース形態から考えても、内枠を大きく割り引く必要はないと思われる。本来は、外枠のほうが不利なコースだ。

 脚質については、かなり差し優勢。阪神ジュベナイルFやチューリップ賞もそうだが、末脚のキレが高いレベルで問われるレースとなることが多い。あとは、外国人騎手が素晴らしい結果を残しており、鞍上の乗り替わりがマイナスには働かないことも、覚えておいて損はないはず。「前走奇数馬番→今回偶数馬番」のパターンがやたらと強いという小ネタも、取捨選択に迷った際には役立ちそうである。


【コース総論】阪神芝1600m外 Bコース使用
・コースの要所!
★10~12番人気の激走率が高めも基本的には人気相応に走る癖のないコース。
★外枠がやや不利だが、内枠有利ではない点に注意。極端に大きな差はない。
★中団からの差しも決まるがイメージほどではない。勝率が高いのは先行勢。

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 バックストレッチのやや2コーナー寄り地点からスタート。緩やかな坂を上りながら3コーナーに進入するのもあって、序盤から速いラップが刻まれるケースは珍しい。しかし、勝負所からはペースが一気に加速。その区間は下り坂でもあるため、加速もつけやすい。かなり緩急のあるラップが刻まれやすいコース形態といえるだろう。

 まずは人気別成績だが、こちらは大きな特徴なし。1番人気の信頼度は「並」程度で、上位人気~中位人気は、どのゾーンも人気相応に走っている印象だ。いちばん狙って面白そうなのは、大穴である10~12番人気あたり。勝率2.8%、単勝適正回収値153.1という好内容で、波乱含みのレースならば思いきった穴狙いもできそうである。

 枠番データにも大きな偏りは見られないが、外枠である馬番13~18番は信頼度がやや低く、回収値やギャップ値もイマイチ。コース形態からも外枠が有利になるとは思えず、こちらは少し割り引いて考えたほうがよさそうだ。だからといって、内枠が有利ではないので勘違いは禁物。内容的には、内枠よりも中枠のほうがいい。

 最後に脚質面について。外回りで最後の直線が長く、しかも急坂コースでもあるので「差し優勢」というイメージがあるが、実際はそうでもなさそう。勝率が高いのは圧倒的に先行勢で、中団待機組は2~3着に取りこぼすケースが多いのである。「上がり最速馬よりも2位馬のほうが勝率が高い」のが、その裏付けだ。


【レース総論】桜花賞(GI) 過去10年
・レースの要所!
★人気サイドは強いが内容がいいのは2~3番人気。穴なら7~9番人気が狙い目。
★中枠が素晴らしい成績。内枠が低調な結果も実際はそこまで大差はないはず。
★コースデータよりも差し優勢で追い込みも決まる。前走芝1600m組を高評価。
★外国人騎手はかなりの強さ。継続騎乗と乗り替わりでの差がなくなってきた。

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 レースの平均配当は、単勝940円、馬連3829円、3連複1万7123円。3連複平均だけはそれなりだが、馬連平均の低さはかなり目立つ。一昔前は、桜花賞といえば「波乱」がつきものだったが、近年はかなり順当決着傾向が強いレースと化している。ふたケタ人気馬が過去10年で2回しか馬券に絡めていないことからも、極端な穴狙いは避けたい。

 人気別では、人気サイドの好調さが目立つ。ただし、1番人気の信頼度は「並以下」であり、実際は2番人気や3番人気のほうが好内容だ。トータルで「上位人気が強いレース」ではあるのだが、1番人気の過信は禁物といえる。穴での狙い目は7~9番人気で、なんと4~6番人気よりも高信頼度。当然ながら、単勝適正回収値は194.3と非常に高い。逆に、信頼度が低いふたケタ人気馬に手を出すのは、かなりリスキーである。

 次に枠番について。近年の桜花賞で「内枠がメチャクチャ弱い」のは、よく知られるところだろう。実際、内枠である馬番1~6番は、トータル[1-2-2-53]で連対率5.2%、複勝率8.6%というていたらく。ただし、平均人気の10.2という低さを考えると、ある程度は仕方のない結果ともいえる。弱いことは弱いが、大きく割り引く必要まではないのでは──というのが、個人的な印象だ。

 ひとケタ人気馬に限定した枠番データでも、中枠である馬番7~12番が圧倒的な強さを見せている。しかし、単純に内外で比較したデータでは、かなり差が小さくなっているのが見てとれるだろう。それにここ数年は、一昨年のラッキーライラックに昨年のクロノジェネシスなど、内枠に入った人気馬が結果も出している。やはり枠番に関しては、「中枠の馬をややプラス評価」くらいの扱い方をしたほうがいいと思われる。

 コースデータとは大きく異なる結果が出ているのが、脚質面だ。勝率、連対率、複勝率のいずれも、4コーナーを13番手以下で回った後方待機組がトップ。単勝適正回収値82.9、複勝回収値83と、内容もけっして悪くない。また、上がり最速馬が[4-2-1-4]で勝率36.4%と優秀な結果を残しているのも、「差し&追い込み優勢」を後押しする。鋭い決め脚が大きな武器となるのは、間違いない。

 続いて、前走レースや距離について。チューリップ賞組の強さやフィリーズレビュー組の弱さは、もはや周知の事実なので、データは掲載しなかった。より厳密にいえば、桜花賞で強いのは「前走芝1600m戦組」で、トータル[9-9-7-74]と馬券に絡んだ馬のほとんどを占めている。もう、この組以外は基本的に消しといっても過言ではないレベルだ。

 騎手関連データでは、外国人騎手の強さが目立っている。数あるG1でもトップクラスの好成績で、日本人騎手が上位を独占したのは、近年だと2014年くらいのもの。今年も確実に上位へと食い込んでくることだろう。そして、鞍上の乗り替わりについては、とくに気にする必要なし。G1ではマイナスと捉える人も多いであろう乗り替わりだが、信頼度の差はほとんどなく、回収値は乗り替わり組のほうが高かったりする。

 最後に掲載したのは、アノマリー系のデータも含む小ネタ集。なぜこんなものを載せているかといえば、コレという「説得力のある偏り」を持ったデータが、今回サッパリ見当たらなかったからである。それだけクセのないコース&レースで、順当決着傾向が強いのも、ある意味納得。とはいえ、「そんなの知ってるよ!」という内容ばかりでは面白くないので、こちらを用意した次第だ。

 個人的なイチオシは「前走奇数馬番→今回偶数馬番」のパターンで、ひとケタ人気ならばトータル[5-5-3-13]で連対率38.5%、複勝率50.0%と高信頼度。回収値の高さも文句なしで、昨年は該当馬3頭のうち、シゲルピンクダイヤとクロノジェネシスが馬券絡みを果たした。過去10年の連対馬10頭のうち半数が該当しているのだから、今年も狙ってみて損はない……はずだ。


【血統総論】

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 血統面では、エピファネイア産駒とキズナ産駒をプラス評価の対象とした。現3歳世代が見せている活躍は素晴らしいもので、とくにエピファネイア産駒が見せているコース適性の高さは「破格」。特定馬の複数回好走によって出されたデータではなく、バラバラの馬がガンガン穴をあけているのだから、データ母数が少ないとはいえ説得力は十分にある。デアリングタクトもおそらく、かなり高いコース適性を秘めているはずだ。


★特別登録馬 総論×各論

 今年はトライアルの上位馬がトラブルもなく、順調に桜花賞へと駒を進めてきそう。2歳女王レシステンシア、そのレシステンシアにチューリップ賞で逆転したマルターズディオサとクラヴァシュドール。アーモンドアイを彷彿させるローテでここに挑んできたサンクテュエールなど、本当に粒ぞろいのメンバーである。

 この上位拮抗の大混戦を断つと期待するのが、2戦無敗のデアリングタクト。前走のエルフィンSはまさに「圧勝」で、ポテンシャルの高さは相当なモノだ。実績馬との対決は桜花賞が初となるだけに過信は禁物だが、プラス評価となった項目の多さはトップクラス。エピファネイア産駒というのも魅力大で、その勢いに賭けたい。

 二番手評価にマルターズディオサ。阪神ジュベナイルの2着馬で、なおかつチューリップ賞の勝ち馬でもあるのだから、同舞台の桜花賞でも勝ち負けになって当然。初年度産駒が絶好調のキズナ産駒と、こちらも血統的に勢いがある。近年の傾向にそぐわない部分もあるが、戴冠最右翼の能力馬であるのは間違いなしだ。

 三番手評価にサンクテュエール。ルメール騎手が継続騎乗するディープインパクト産駒で、牡馬を相手にシンザン記念を制した実績は高く評価できるものだ。阪神では今回が初出走だが、問題なくこなせると判断したからこそ、本番でもルメール騎手が乗るのだろう。ローテも含めて、今の桜花賞でいかにも来そうなプロフィールの持ち主である。

 四番手評価にクラヴァシュドール。1勝馬ながら、阪神ジュベナイルFやチューリップ賞でトップクラスと互角以上に張り合っている。「チューリップ賞で僅差負けの馬が強い」というのもレース傾向のひとつで、M.デムーロ騎手の継続騎乗も強い買い材料。クラシック本番での逆転が十分に期待できる1頭といえる。

 以下はリアアメリア、ミヤマザクラ、レシステンシア、ヤマカツマーメイド、マジックキャッスル、チェーンオブラブ、ウーマンズハートという序列だが、その差は本当にわずかなもの。それだけハイレベルな混戦模様ということで、レースも馬券も今から本当に楽しみだ。現時点では、デアリングタクトから流す馬連・馬単で勝負してみるつもりである。




鈴木康弘「達眼」馬体診断

【桜花賞】レシステンシア100点!動から静へ立ち姿が一変

 無観客のクラシックに満開を告げるのは八重の桜だ。鈴木康弘元調教師(75)がG1有力候補の馬体を診断する「達眼」。第80回桜花賞(12日、阪神)では昨年の2歳女王レシステンシアに唯一の満点を付けた。達眼が捉えたのはNHK大河ドラマ「八重の桜」の主人公、新島八重のような男勝りの体躯(たいく)と穏やかなたたずまい。大河ドラマ第1作(63年の「花の生涯」)が放送開始になったのが57年前の4月7日だった。そこで桜花賞有力候補を大河のヒロインになぞらえて解説する。

 緊急事態宣言を前に花見どころではない桜花賞ウイーク。
 春を彩る桜がちょっと目を離した隙にたたずまいを変えるように、競走馬も短期間に立ち姿を一変させることがあります。それにしても、わずか4カ月でここまで変化するとは…。スペイン語で「抵抗する女」(レシステンシア)と名付けられた3歳牝馬。その姿に触れた途端、思わず息をのみました。2歳の暮れとは別馬のように穏やかにたたずんでいます。

 昨年の阪神JF時にはこんな指摘をしました。「ダイワメジャー譲りの気性が勝った顔立ち。鋭い目つき、きつく立てた耳。激しく攻め立てようとする猛牛のように気負い込んでいます」。レースでも駆け引きなしで猛牛のようにテンから突進するとみていました。ところが、今回は目と耳を静かにカメラマンへ向けながらゆったりと立っています。4カ月で気性が急成長したのか。それとも、別の理由があるのか。ともあれ、心境の大きな変化をうかがわせる立ち姿です。

 動から静へ。その変貌は、NKH大河ドラマ「八重の桜」(13年放送)で綾瀬はるかが演じたヒロイン、新島八重を想起させます。戊辰戦争で明治新政府軍に最後まで抵抗した会津藩の砲術指南として鶴ケ城に男装で立てこもり、銃砲隊を指揮した幕末のレシステンシア(抵抗する女)。ところが、残されている晩年の写真を見ると、かつての抵抗する女のイメージとはほど遠い穏やかで物静かな容貌です。

 抵抗する女馬も気性を一変させましたが、男勝りの体つきは変わってない。野太い首、分厚い肩とトモ、立派なキ甲、大きな腹袋、太い尾…。血は争えないと言いますが、筋肉マッチョな父ダイワメジャーの特徴をそのまま受け継いでいます。特に発達した臀部(でんぶ)は、この親にしてこの子あり。15年阪神JF、16年のNHKマイルCを押し切った同産駒メジャーエンブレムにも匹敵する豊富な筋肉量です。

 新島八重も「女関取」とささやかれるほど恵まれた体格でした。13歳の時には4斗(60キロ)の米俵を4回も持ち上げることができた、と自ら語ったほどの怪力マッチョ。鶴ケ城の籠城戦では銃弾入りの重たい箱を担いで隊員に配り歩いたとも言われています。競走馬の八重は筋肉で発達した上半身に比べて下半身がいささか頼りない。飛節や膝下が小づくりで、管囲も細い。それでも、四肢の腱はしっかり浮いています。脚元の心配もありません。

 敗北は成長の糧といいます。その伝に従うなら、戊辰戦争ならぬチューリップ賞の敗戦がレシステンシアの気性を成長させたのでしょう。桜がたたずまいを変えるように、競走馬も立ち姿を一変させます。その満開を迎えた桜の名は八重の桜。(NHK解説者)


【桜花賞】ミヤマザクラ95点 篤姫の才女ぶり素質は一級品

 深山(みやま)桜は初夏になると、若葉を伸ばし、花径2センチぐらいの小さな白い5弁花を各地の深山に咲かせます。今が見頃のソメイヨシノから2カ月遅れの開花。馬の深山桜もまだ咲いていません。キ甲(首と背の間の膨らみ)が未発達。肩に比べてトモも未成熟。いい筋肉をつけてパワーアップするのはこれからです。

 とはいえ、素質は一級品。父ディープインパクトの柔軟性をそのまま受け継いでいます。460キロ前後の馬体重以上にフックラと見せるのは柔らかいせいでしょう。腹袋にもゆとりがあります。骨格は機能性が高い。例えば、トモ。筋肉量が不足とはいえ、その角度は絶妙です。飛節は角度、大きさとも申し分なく、トモのパワーを逃さず推進力に転換できます。気性もいい。利口そうな顔立ち、従順そうなハミの受け方。尾を自然に垂らしながら、3歳牝馬らしからぬゆったりとした大人っぽい立ち方をしています。

 このまま成長すれば、どんな名牝になるのか。12年前に放送されたNKH大河ドラマ「篤姫(あつひめ)」のヒロインになぞらえたい。天真爛漫(らんまん)な薩摩の篤姫が幕末の将軍徳川家に輿(こし)入れし、江戸無血開城へ大奥を束ねていく。江戸末期の才女の成長物語。深山桜は成長すれば、白い5弁花を総状に付けます。馬の深山桜もG1の冠を付けられる。まだ青くさいつぼみでも篤姫のような際立った才女です。


【桜花賞】デアリングタクト90点 激しい気性の「政子」

 英語で「大胆な戦法」(デアリングタクト)と命名された青鹿毛の特長はトモにあります。尾の付け根が上に付いている馬はトモが見栄えしづらいもの。それでも格好良く映るのは筋肉が質量ともに際立っているからです。トモは馬のエンジン部に相当します。筋肉で隆起したトモがあれば大胆な戦法も取れます。前肢も負けていない。滑らかな肩の傾斜、良く抜けた首差し。冬毛は少し残っていますが、肋(あばら)もパラリと浮き、いつでもスタンバイOKといった仕上がりです。

 顔立ちは非常にきつい。鋭い目、とがらせた鼻、ハの字に広げた耳。激しい気性がうかがえます。少々古いが41年前のNHK大河ドラマ「草燃える」のヒロイン、北条政子をイメージさせます。夫の源頼朝亡き後、鎌倉幕府を動かした尼将軍も激しい気性で知られていました。浮気した頼朝を懲らしめるため、愛人の屋敷を打ち壊す大胆な戦法を取ります。

 激しい気性はしばしば闘争心に転化する。デアリングタクト(大胆な戦法)を可能にする大きなエンジンも搭載した青鹿毛の政子です。


【桜花賞】サンクテュエール90点 絶妙なバランス「文」

 バランスの良さならサンクテュエールが一番でしょう。首差しから肩、トモまで絶妙に調和が取れている。飛節などの骨格も適度な筋肉量にふさわしい大きさと角度。全ての部位が見事にまとまっているため、ここが凄いという目立ったところもない。日本産馬として史上初の北米ダートG1制覇(芝G1も優勝)を飾ったヨシダの半妹。血統は派手ですが、馬体はまとまり過ぎて控えめな印象さえ与えます。

 「花燃ゆ」のヒロインは吉田松陰の妹・文(ふみ)。松下村塾(幕末に松陰が指導した長州=現・山口県萩市=の私塾)を陰から支え、明治維新後は日本の近代化に尽くした女性です。強い意志と明晰(めいせき)な頭脳を持ちながら、目立たず控えめな性格だったそうです。文と同じ名前の兄を持つサンクテュエールも聡明(そうめい)な表情をしている。キ甲は未発達。もう少し顎っぱりも欲しいが、牝馬なら許容範囲です。毛ヅヤは良好。手入れも蹄まで行き届いている。蹄油を塗られて光っています。


【桜花賞】リアアメリア85点 流麗なボディーライン「ガラシャ」

 美女コンテストがあれば、リアアメリアが圧勝するでしょう。流麗なボディーライン。柔らかそうな筋肉をバランス良く付けています。黒鹿毛が放つ光沢も美しい。しばし見とれてしまう黒髪の美女。「真田丸」や「功名が辻」など大河の常連になっている細川ガラシャみたいです。明智光秀の娘で細川忠興に嫁した「たま」(洗礼名ガラシャ)は絶世の美女といわれましたが、筆遣いも美しかった。リアアメリアの輪郭のように流麗な筆跡の書状が国立国会図書館に残されています。
 体が美しいだけではない。昨年の阪神JF時は「もっとリラックスして」と注文をつけましたが、今度は一転、注文通りにゆったりとハミを受けています。


【桜花賞】マジックキャッスル85点 「寧々」の聡明な目

 マジックキャッスルの馬体には長所が多いが、最も際立つのは目です。とても聡明そうな瞳。美しくクリアな瞳を持つアーモンドアイの次代を担う牝馬です。利口そうな顔を正面に向けながら、尾を気持ち良さそうに風になびかせている。大河初の女性単独主人公となった「おんな太閤記」の寧々になぞらえます。偉人の後ろに賢妻あり。夫・豊臣秀吉が天下統一を成し遂げたのは賢い寧々がそばにいたからだといわれます。

 馬の寧々は体つきも良い。430キロとは思えないほど首にボリュームがある。ただし、トモを遠慮しながら立っているように映るのは奥ゆかしいからではありません。飛節の角度が深い曲飛気味のせいです。祖父サンデーサイレンスも曲飛でした。


【桜花賞】マルターズディオサ80点 体に張って大きく見せる「直虎」

 マルターズディオサは440キロ前後の体重以上に体を大きく見せます。それだけ体に張りがあるからです。腹袋もふっくらしていて、460キロと表記されていても疑わないでしょう。「おんな城主 直虎」のヒロイン、井伊直虎も実際の身長より10センチ以上高い1メートル60超の大女(当時の成人女性の身長は平均1メートル50程度)とみられていたとか。井伊家を守るために奮闘した姿が大きく見えたのでしょう。馬の直虎は立ち姿にも余裕があります。井伊家の名城、彦根城から南西40キロに位置する栗東の出張馬房にも慣れたのか、ゆったりと立っています。


【桜花賞】エーポス80点 しなやか体つき「貞奴」

 毛ヅヤの輝きならエーポスが一番。栗毛が黄金色の光沢を放っています。よほど体調がいいのでしょう。「春の波濤」のヒロインは日本の女優第1号となった川上貞奴。「輝く象牙の浮き彫り」と言われた明治の大女優のような毛ヅヤです。牝馬らしい細身でしなやかな体つきも「細い柳の枝」と表現された貞奴をイメージさせます。

 それでも、トモにはボリュームがある。肩は未発達ですが、キ甲が抜けてくれば連動して立派になってきます。今後、もうひと回り成長して、目指すはターフの大女優。


【桜花賞】クラヴァシュドール80点 立派な強いトモ「まつ」

 クラヴァシュドールはハーツクライの子にしてはトモに立派な筋肉を付けています。ハーツ産駒の3歳馬は総じてトモが頼りなく、古馬になって成長するタイプが多いのですが、この馬のトモは頼もしい。「私にお任せくださりませ」の決めぜりふが流行語になった「利家とまつ」のヒロイン、前田まつ。まつの力強い言葉に支えられた夫・前田利家はやがて加賀百万石の大大名へ出世していきます。牝馬のまつも頼りになるトモと脚元の持ち主。ただし、やや細くなった腹周り、白目を見せて力んだ立ち姿は頼りない。


【桜花賞】ウーマンズハート75点 大器晩成型の「江」

 ウーマンズハートは新潟2歳Sを優勝しましたが、馬体は未完成です。キ甲が全然抜けていない。ハーツクライの3歳産駒らしくトモもまだ頼りない。良くもあしくも大器晩成型。長い道のりの末、ファーストレディーになった「江~姫たちの戦国」のヒロイン、江に例えたくなります。浅井3姉妹の末っ子に生まれた江は2度の落城で父(浅井長政)、母(お市の方)も失い、3度目の結婚で徳川2代将軍、秀忠の正室に。江戸城に大奥を作り上げた遅咲きの女帝です。牝馬の江も今後どう成長していくか。首から肩にかけていい筋肉をつけているのでトモも発達するはずです。


【桜花賞】インターミッション75点 立ち姿には大物感「春日局」

 インターミッションは柔らかそうな筋肉をつけている半面、全体に線が細い。腹はすっきりし過ぎているぐらいに映ります。立ち姿には大物感がある。スタッフが正面を見るように引き手を持ち上げても、どこ吹く風。横のカメラマンに流し目を送っています。良く言えば動じない気性。「春日局(かすがのつぼね)」のヒロイン、おふくを想起します。何事にも動じない気性で徳川家光の乳母を務め、やがて老中をしのぐほどの権勢を振るう大奥の女帝・春日局となります。馬のおふくも体に幅が出れば、ターフの春日局になれるかも。


【桜花賞】ヤマカツマーメイド75点 乱の予感「富子」

 ヤマカツマーメイドは体つきはいいが、目つきがきつい。力を入れて耳を前に倒し、ハミを強くかみながら、悪びれる様子もなく立っています。希代の悪女と呼ばれたのが「花の乱」のヒロイン、日野富子。室町末期、足利将軍・義政の正室として理財の才を武器に幕政を私物化し、応仁の乱を引き起こしました。ヤマカツはそこまで悪女ではありませんが、富子同様のきつい気性をのぞかせている。つなぎは短めですが、体つきには張りがあります。毛ヅヤも良好。きつい気性にものをいわせて、花の乱ならぬ、桜の乱を起こすか。




【漆山“教授”のGI因数分解】サンクテュエールV筆頭候補
2020年4月7日(火) 05:04
©サンケイスポーツ

 東大卒の知性派、漆山貴禎記者がGI的中への解法を探る「漆山教授のGI因数分解」。春のクラシック開幕戦となる桜花賞は、ローテーションなどを分析し、現時点ではディープインパクト産駒のサンクテュエールをVの筆頭候補に挙げた。2歳女王レシステンシアがチューリップ賞で3着に敗退し、今年は難解なレース。週末の漆山記者の結論に注目だ。

 節目の第80回を迎える桜花賞には、重賞ウイナー8頭を含む豪華メンバーが集った。まさに「百花繚乱」という表現がふさわしい。まずは昨年の最優秀2歳牝馬の取捨から論を進めていこう。

 (1)2歳女王、危うし!?

 チューリップ賞では単勝1・4倍の支持を集めた阪神JF馬レシステンシアが3着に敗れた。ソエ(骨膜炎)による調整遅れやスローペースなど複数の敗因が考えられるが、“赤門データ”からは本番でも黄信号が点灯する。これまでに3歳を迎えての初戦で連対を外して第1冠に臨んだ2歳女王は9頭いるが、1997年メジロドーベルの2着が最高と苦戦傾向だ。さらに付け加えれば、この9回中6回で阪神JF不出走組が制している。今年は新興勢力の台頭に注意したい。

 (2)隠れた好ステップ

 桜花賞の最重要トライアルといえばチューリップ賞だが、近年はシンザン記念で牡馬相手に好走した馬の存在感が高まっている。過去20年でシンザン記念3着以内の実績があった出走馬7頭のうち、5頭が桜花賞馬に輝いている。しかも、ディープインパクト産駒に絞ると2011年マルセリーナ、12年ジェンティルドンナと2戦2勝だ。

 (3)女傑超え

 もうひとつ忘れてはいけないのが、同じ京都マイルで行われるエルフィンSだ。歴代の勝ち馬からは、のちに6頭が桜花賞を制している。歴代の勝ちタイム上位10頭の桜花賞成績では、走破時計と本番での結果にはある程度の相関が認められる。今年は07年ウオッカを上回るレースレコードで決着した。

★注目馬

 シンザン記念を制したディープ産駒サンクテュエールは、3連覇のかかるルメール騎手の手綱も心強い。間隔をあけての参戦は、最近のトレンドに合致する。デアリングタクトはエルフィンSを圧巻の4馬身差で大勝。当時4着のエーポスがフィリーズレビューでVとレベルも高かった。

 阪神JF組が上位を占めたチューリップ賞との比較や、他の新戦力の分析は週末までの課題としたい。 (漆山貴禎)
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こんにちは

先週は【大阪杯】
「良く見えたのはクロノジェネシス、ダノンキングリー、ジナンボー、ラッキーライラック、ロードマイウェイ。ここからダノンキングリーをトップ評価とします。ほんとは本命とします、としたんですけど強い馬がいますからね」1~3着馬までいました。

いつもの私ならダノンキングリーを本命にしていたと思いますが、ライバル馬の馬体も良かったこと、古馬G1で結果がでていない実績もあり慎重に判断しました。

今週は桜花賞、田辺騎手がチューリップ賞を勝って挑みます。目が離せません。

【桜花賞】

インターミッション:アバラが目立ちギリギリの状態に見えます。

ウーマンズハート:競馬ラボ特注馬。悪くは無いですが、チューリップ賞から大きくは変わらず。

エーポス:ジャスタウェイのように胴長ですね。これからの成長次第。

クラヴァシュドール:競馬ラボの№3。チューリップ賞と全く同じシルエットのようにみえます。ですが血管の浮き上がりが目立ちデキはいいです。

サンクテュエール:藤沢和雄厩舎の馬。バランスのいい成長をしているのは好感が持てますが、筋肉に張りがもっと欲しい気がします。

デアリングタクト:競馬ラボの№2。いい馬ですね。男馬のような力強さがあります。

マジックキャッスル:新馬が1200Mですが、クビが太くスプリンター候補。

マルターズディオサ:うーん、どうでしょうね。チューリップ賞は

マルターズディオサ:やっぱり阪神JFに続き今回も良く見えます。無駄肉がそげてシルエットが綺麗になって来ました。


今回はさらに絞れています。前走後栗東滞在で調教されているはずです。前走444㌔ですが440㌔切ってしまいそうです、不安ですね。前走で頑張り過ぎたか?

ミヤマザクラ:いいシルエットしてますよね、いい馬です。

ヤマカツマーメイド:短距離向き。

リアアメリア:競馬ラボの№1。成長真っただ中という感じ、ここよりもオークスの方が良いのではないでしょうか。

レシステンシア:強い1頭ですが、2歳時の写真が一番良く見えるというのがね。

「良く見えたのがデアリングタクトとミヤマザクラ」
こんにちは

先週も紹介しましたYouTube動画M'sチャンネル (エムズチャンネル)さま、今週も覗いて見ました。


先週は
大阪杯 2020消去データ
該当馬ダノンキングリー、ブラストワンピース、ラッキーライラック、クロノジェネシス、ワグネリアン、ロードマイウェイ
結果はラッキーライラック1着、クロノジェネシス2着、ダノンキングリー3着でした。

今週は
桜花賞 2020消去データ
該当馬レシステンシア、デアリングタクト、サンクテュエール、マルターズディオサ、クラヴァシュドール、ミヤマザクラ



こんにちは

2020年4月5現在で田辺裕信騎手は
           1着 2着 3着 4着 5着
11位 田辺裕信   21  21  25  31  23


今週の田辺騎手は、土日2日間で17鞍騎乗で、1着3回、2着3回、3着2回という成績でした。
境和樹の穴馬券ネオメソッド

大阪杯&ダービー卿CTの回顧

第64回大阪杯(GⅠ)
1着ラッキーライラック
2着クロノジェネシス
3着ダノンキングリー

ラップ:
12.9-11.7-12.3-11.9-11.6-12.1-11.7-11.3-11.2-11.7
時計:1.58.4


土曜日は若干ながら馬場の真ん中あたりが優勢だった阪神芝ですが、日曜日になると徐々にBコース替わり初週らしく内前有利の設定に移行。このトラックバイアスに加えて、前後半5F60.4-58.0秒の後傾ラップ。レース上がり34.2秒ですから、これでは、外を回した組はいくら脚を使っても内を立ち回った組と脚色が一緒になってしまうというもの。

上がりの速い持続戦にあって、内ラチ沿いでジッと脚を溜めていたラッキーライラック。
直線半ばでまだ前が開かず追い出すことができずにいましたが、結果的にはここで脚が溜まったことが最大の勝因。2着クロノジェネシスが外を回って脚を使っていたのとは対照的でした。
2、3着馬が11.7-11.2-11.3-11.7秒と持続戦を戦う中、1頭だけ瞬発力を繰り出した形の勝利。巧みなコース取りと、慌てず前が開くのを待ったデムーロ騎手の好騎乗が光りました。

2着クロノジェネシスは負けて強し。先述の通り、勝ち馬とは通ったコースの差だけで、そもそもの枠順の優劣も含めて最強の競馬はしています。やはりこの馬は直線の長いコースより、コーナー4つの内回りコースでこそ良さが出るタイプだと改めて感じさせられました。

3着ダノンキングリーは、ハナを切る形も想定していたのかどうかは分かりませんが、不慣れな形だったことに加え、他馬の格好の目標になってしまったのは痛かった。
また、戦績が示す通り、この馬が最も力を発揮できるのは1800という距離。1ハロン長いとまでは言いませんが、ベストの距離でなかった分、着順が下がってしまったという側面もあると思います。

私が期待したカデナは本当に惜しい4着。脚色から2~3着ならあるかな? と思わず声が出ましたが、あと一歩、届きませんでした。
スタート直後にインに潜り込み、直線はそのまま最内へ。ペース的にああするしかなかったわけで、鮫島駿騎手は最高に乗ったと思います。直線で捌くのに手間取るのは仕方ない話。人気薄で一発を狙うにはあれしかないという競馬をしてくれました。悔いはありません。

勝ったラッキーライラックは、母父に米国GⅠ馬フラワーアレイを持っており、予想コラムで指摘した「米国ダート血統」というテーマを満たしていた存在。
2着クロノジェネシスは、母父がヴァイスリージェント系クロフネで、3着ダノンキングリー(ついでに言えば、11人気小差4着カデナも)はディープ×ダート型Nダンサー系という配合馬。

やはり、大阪杯は馬力の要求値が高いレース。

来年も、「米国ダートGⅠ血統」「ディープ×ダート型Nダンサー系」を中心に、狙い馬を探してみようと思います。


第52回ダービー卿チャレンジT(GⅢ)
1着クルーガー
2着ボンセルヴィーソ
3着レイエンダ

ラップ:
12.2-11.1-11.0-11.1-11.7-11.6-12.0-12.1
時計:1.32.8


土曜日の中山芝は、馬場差-0.6秒。少し時計の出やすい設定だったことを考えれば、1.32.8秒の決着時計は標準的なもの。突出した内容とまでは言えないと思います。

流れは、前後半半マイル45.4-47.4秒と2.0秒の前傾戦。昨年も45.1-46.6秒の前傾戦だったので当然と思われるところですが、実は、このレースは意外と中山マイル重賞らしからぬ後傾戦になることも多く、昨年や今年のような流れはむしろマイノリティーだったりします。

その流れを上手く活かしたのが、勝ったクルーガーと3着レイエンダ。時計の出やすい馬場で淀みの無い前傾戦になると、どうしても外々を回らされる組は負荷が大きくなるため、内をソツなく回った馬が有利になりやすい。そのセオリー通り先述2頭は、道中、内ラチ沿いをキープしていたクチ。特に勝ったクルーガーは、好枠を活かしました。
昨春にはオーストラリアの偉大な名馬ウィンクスの2着と、ある意味で日本より有名になったのではないかと思わせる実績持ち主。ダービー卿CTは、高齢馬が好走しにくいレース(過去、7歳以上の馬は【0-1-4-66/71】連対率1.4%)ということもあり、個人的には軽視していましたが、前走の東京新聞杯もそう大きく負けているわけではありませんでしたし、なるほど、このくらい走れる下地はあったと見るべきだったようです。

勝ち馬と同じく、内にこだわる競馬が奏功した3着レイエンダ。本質的にマイル適性がそう高いわけではない中、この前傾戦を追走できたのは収穫だったと思います。

2着ボンセルヴィーソ。これはレース終了後の改めて見てビックリしたのですが、これまでの重賞成績【0-3-4-1】!17年の京成杯AHで11着に敗れた以外、なんと全て馬券圏内。中にはGⅠ・NHKマイルC3着も含まれており、直近の重賞挑戦だった京都金杯も3着。
OP特別で連敗したことで、今回は完全に人気薄の立場でしたが、そこで重賞好きの個性を爆発させての大穴提供。いやはや、これには驚きました。こういう馬もいるのですね。

期待したケイアイノーテックは、直線よく伸びるも4着まで。この流れで外を追い上げる形は苦しいです。むしろ良く伸びている方だと思います。まだ力の衰えはないと考えていいでしょう。

1人気5着プリモシーンも、終始外々を回る形。少し無策に乗り過ぎた感じを受けました。ただ、それ以上にラストでケイアイノーテックに交わされたところに少し不満が残りました。やはり直線の長いコースの方が持ち味が活きるのでしょう。





アンカツさんのつぶやき

ダービー卿CT
「ダービー卿CTはハンデ戦らしく、内目を上手く立ち回った順に決まっとる。ただ、クルーガーはオーストラリアに行くつもりで仕上がり進んでたのかな。8歳で目標切り替えて勝つんやから、陣営も大したもん。プリモシーンは紅一点だった分があるかも。昨年同様のローテとすればヴィクトリアMで見限れない。」

大阪杯
「ラッキーライラック。それぞれが悪くない運びしとるんやけど、ミルコの位置取りと友一の仕掛けにつられない我慢が瞬発力に繋がった。スミヨンが教えたことを馬も学習しとる。クロノジェネシスは王道の強い競馬したけどな。あの並びだと先に動かないと勝てないし、負けて強しの一言で片付けていい。」

「ダノンキングリーはラッキーライラックの位置が理想やったと思うけど、行かないと勝負にならん馬場を読んだノリの奇襲。ワグネリアンやブラストワンピースのような結果を回避できたわけやし、理想ではない展開の中で頑張った。驚いたのはカデナ。先行馬ペースを直線入って持ったままで追い上げてきた。」