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スプリングS、阪神大賞典 レース回顧
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スプリングS(中山・G2・芝1800m・良)

2歳チャンピオンに輝いたダノンプラチナ、ハービンジャー産駒の雄として脱落したくないベルーフ、そして無敗のままクラシックへ突き進みたいリアルスティール。
メンバーは少頭数だが多士済々。

馬場としては古馬1000万下で2:00.0を切っているように、抜群にいいとは思えないけどまあまあ。
返し馬だとベルーフがちょっと熱くなっているように見え、マイネルシュバリエの真後ろを走ることで落ち着かせようとしてたのが印象的な位。

スタートはミュゼスルタンが出遅れた以外は揃った綺麗なスタート。
外からフォワードカフェやダノンプラチナは良いスタート。

キタサンブラックを1コーナーで交わしてタケデンタイガーの逃げ。
フォワードカフェ、ダノンメジャー、マイネルシュバリエと続いてダノンプラチナ。
その後ろにベストミックス、リアルスティール、内にベルーフと続き、ブラックバゴ、マイネルサクセサーと続き最後方にミュゼスルタン。

1:02.5というペース(1000M通過が)。流れているようで全く流れてない。リアルスティールは大体1:03.0位で通過。
ダノンプラチナはかかっていないけど、前向きな気性は画面越しに伝わる感じ。同じことがリアルスティールにも。
でもこのペースなら当然だし、それ自体が悪いことではない。
ある程度の力があれば、フラワーカップより約1秒遅い流れなら行きたがって当然。

タケデンタイガーが直線入り口で早々に潰れたため、スムーズに先頭に立ったキタサンブラック。
ダノンの同じ勝負服が並び、内でベルーフ。
リアルスティールは直線入り口でかなり置かれてしまった。小回りが苦手か?4コーナーの勢いはあったと思うけど、勝負所でダノンプラチナから2馬身位遅れている。中山だと致命的。
単純に反応が鈍いというのではなさそうな印象。コーナー回って真っ直ぐ向くまでモタモタしてた感じがある。


46.5-34.5のレース上がり。
キタサンブラックは前を適度に行かせて最内からスイスイと2番手追走。
アルビアーノと同じように、直線入ってすぐにスパートで後続を近寄らせなかった。騎乗もはまったし、ペースもはまった。勝つときはそういうもんだろうけど。
これで3戦3勝。
父はブラックタイドに母父サクラバクシンオー。ディープばかりではないということを兄貴が示した。
前にいけるのは強みだし、最後も11.5で締めたように1頭になってもキッチリ走って粘りっこい。年明けデビューだけど完成度は高いと思う。

リアルスティールは最後の脚だけは見事。でもちょっと脚を余しすぎ。力は見せたと思うけど、この感じだと皐月賞はやられる。
あのコーナーから直線での走りを見ると、直線入り口で遅れそう。そうなると中山の直線では届かない。
今回も上がり33.6という猛烈な時計で上がっているが、福永騎手繋がりで言えば、サトノクラウンとは勝負所でのシュンという反応が違う。
ダービーではなく、皐月賞というレースだけで考えるとサトノクラウンが一歩リードか。


ダノンプラチナは評価が難しい所。上がり34.0だから伸びてないとはとても言えない。
スタートも良く、途中行きたがっているけどあの程度に収めたし、レースセンスはあるのは分かる。
休み明けというのはあるが、これ以上の上がり勝負は苦手かも。この馬もゴールドシップではないが、ある程度消耗戦向き?
そして相変わらずマイルの方がいい気がする。これから1F伸びて良くなる感じはないんだよなぁ。でもペースが流れる本番は違うか?取捨に悩む1頭になるのは間違いないことは分かる。

ベルーフは直線の口向きが悪いシーンがあったのが気になる。
最内を選択し、伸び負けしている訳ではないが、逆に言えば目立ったのはそれだけ。上がり34.1。
勝ち馬から2馬身遅れているので強気にはなれない。この馬が2番手集団の先頭かな。穴をあける可能性は否定できないけど。何かの助けが2つ位必要だろう。

骨折明けで出遅れて大外回して上がり33.6で7着だったミュゼスルタン。
今回はチグハグだったけど、次は悪いレースはしないかも。

勝ち時計1:49.1は前日のフラワーカップより0.4秒上回るだけの平凡なもの。
今日の馬場だと2000mを2:00.0位で走れるレースになれば、結果的に1:48.5位に収まるかなって思っていたので、レース前に思った勝手な想像より遅い。だからなんだというのはその通り。

皐月賞戦線で言えばトライアルはこれで終わり。
リアルスティールは東京なら当然違うだろうけど、中山だと「?」がついてしまう敗戦だし、キタサンブラックもフロックとは思えないけど、あまりにも上手く行き過ぎた。

今の所だと弥生賞組、というかサトノクラウンが近年では最高の数値であるレーティング113ポンドが示すとおり、一歩リードした状態は変わらず。



阪神大賞典(阪神・G2・芝3000m・良)

トーホウジャッカル回避の時点で、実際ゴールドシップがどうなのよ?というのが注目のレース。
前回の敗戦は気まぐれ故のものなのか、それとも年を重ねたことによる衰えか。

得意の阪神。そして3000mの距離。
少なくともここでAJCCと同じような感じだと、いくらゴールドシップであっても言い訳ができなくなる。

スタートから押してスズカデヴィアスとメイショウカドマツが。ラブリーデイ、フーラブライドも早め追走。
ゴールドシップも押しながら中段まで上がりデニムアンドルビーと並んで追走。ただ、スタートは今日は悪い。逆にデニムアンドルビーはとてもスタートが良かった。
その後ろにラストインパクトが。

前の2頭(スズカデヴィアスとメイショウカドマツ)が良いペースで逃げる。
1:00.4という1000m通過。
そこからペースを落としながら正面スタンド前へ。

スズカデヴィアス、メイショウカドマツ、ラブリーデイ、フラーブライド、カレンミロティックという並びの後ろからゴールドシップ。ラストインパクトは後方で気分良く追走しているように見えた。

ラップは3分割すると60.4-65.0-60.5。
落ち着いた所で様々な駆け引きがあるのが長距離レース。

向正面に入ってゴールドシップが残り1200m位から一旦前に進出。スーッと上がる感じが出るときはこの馬はいい時なので、「これはいい日だ」と思った人も多かっただろう。
それにガチンコでついていったデニムアンドルビー。
ラストインパクトは後方でじっくりだったが、こちらは残り800m付近からの進出。

この辺りの駆け引きが長距離レースの面白さ。
早めに動けば潰れる可能性もあり、とはいえ離されるとラストの脚は短距離と違って余力が少ないためにズバッと切れるのは難しい。
待ちながら一歩先に仕掛けたゴールドシップは、緩んでいる時に動いた。対してラストインパクトは少しラップが上がった時に仕掛けている。
どっちが正しいと言う事ではない。
ゴールドシップは先に上がって暫く馬なり追走。ラストインパクトは前半休むだけ休んでラスト800mを一気に駆け抜けるという戦法。
馬の特性にもよるので、良し悪しではない。色々あっていい。


3コーナーでは3番手の外で前を見ているゴールドシップ。
内にラブリーデイ。その後ろでピッタリマークをしているデニムアンドルビー。

4コーナーを回る時にはまるで直線のようなアクションで岩田騎手が動き、ゴールドシップが前を捕らえに。
コーナーで内のラブリーデイは振り切られているので、この辺でスタミナの差が出てる。

直線はさすがのスタミナ。ゴールドシップ。
デニムアンドルビーも堂々の競馬だったけど、最後まで差を詰めることができず。
大外を回したラストインパクトもゴールに向かうにつれて失速。

勝ち時計3:05.9。上がり48.3-35.9。
後続もバラバラとゴールしているように、バテた馬から順々に脱落するハードなレースを物語っている。
こういうレースになるとやっぱり強い。阪神というかこの上がりのスタミナ勝負だとまだまだ健在だということを示した。

この結果とAJCCや有馬記念の結果から導かれることは、体の衰えは考えにくい。ただ、国内で良いレースができるのは今の所宝塚記念しかなさそう。
少しでも軽い馬場、34.0位の上がり勝負、多頭数が見込まれるレースになってしまうと…。

確かに色々と条件が付くだろう。それでもJRA重賞10勝目。阪神大賞典の3連覇。この勝利でディープインパクト、シンボリルドルフ、ニホンピロウィナーと並んだ。

有馬記念を戦った3頭がワンツースリー。やっぱり有馬記念ってすごいのかなぁって。

ラストインパクトは最後は離されたが、この馬はどちらかと言えばもう少し軽い馬場の方がいい。
悪いレースではないし、京都の3200mならもう1つ2つ順位を上げても不思議ではない位置にいる。
ただの伏兵ではなく、もうそういうクラスの馬だ。


ラブリーデイはG2の2連勝で満を持してココでこの結果。
ある程度の上がりが出る勝負にならないといいレースができないかな。3000mの阪神を乗り切るだけのスタミナが無かったということになる。
ただ、春の天皇賞は200m距離延長も京都の馬場。悩みどころだろう。

カレンミロティックは直線で内の選択が結果だけ見れば失敗。
最後までバテてなく、ジワジワ伸びているので、まともならラストインパクトとはもう少し際どかったはず。
前が疲れてしまったスズカデヴィアスというのも不運だった。

デニムアンドルビーは強い競馬だと思う。最後まで差は詰まらなかったが、同じ差を保っていた。
これは路線どうするんだろう?マイルで良いはずも無く、この結果だと天皇賞か?

そしてこれでゴールドシップの今年はどうなる?宝塚までお休みだともったいない。体も絞っていい感じだったし。
雨降ったら回避とか晴れたら回避とか欧州では見かけるが、そういうのはできない。
とりあえず天皇賞に登録して、スカッと晴れたら回避というのがベストなんだろうけど…。
当然面白いから出てほしいのは山々だけど、過去2年良い思い出がないからなぁ。「あんな馬場走りたくねーし」って思ってそうで。
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