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【日本ダービー】レイデオロ100点! 耳一変で増した集中力

 戦国ダービーを制す黄金の輝き!鈴木康弘元調教師がG1出走馬の馬体を診断する「達眼」。第84回ダービー(28日、東京)ではレイデオロに唯一の満点を付けた。休養明けの皐月賞では5着に敗れたが、達眼が捉えたのは一変を告げる立ち姿。スペイン語で「黄金の王」と名付けられた東のエースがライバルを圧倒するスーパーボディーで混戦に断を下す。 【日本ダービー】

 競走馬には2通りのタイプがあります。休み明けでも気の入った走りができる鉄砲型。休み明けを使われてから気持ちが乗ってくる叩き良化型。ヤセ馬に重荷といって、体も心もくたびれた馬はどのみち走りませんが…。

 青々と葉を茂らせた壁紙をバックにたたずむレイデオロ。その写真に向かってどちらのタイプなのか尋ねてみました。「叩き良化型だよ」。耳のしぐさで返答してきました。今回撮影した馬体写真の耳の部分を拡大して前回(皐月賞時)と比べてみれば、誰にでも分かります。前回は「左耳を前方へ、右耳を後方へ向けて、集中力を欠いている」と指摘しました。ところが、今回は両耳をそろえて真正面に向けています。カメラマンによると、いずれも静かな環境で撮影したそうです。耳は馬の心理状態を映す鏡。散漫な耳から集中力のある耳へ。目線と鼻先も耳に合わせて正面の1点に向いている。やる気を雄弁に伝える立ち姿です。

 皐月賞時もかなりのレベルまで仕上がっていました。体つきに変化はほとんどありません。鍛え抜いたのがひと目で分かる強じんなトモ(後肢)。3歳春のサラブレッドとは思えない発達したキ甲(首と背中の間の膨らみ)。馬はキ甲で重量を背負い、トモで加速する。馬体の要となる2つの部位がどのライバルよりも際立っています。

 体つきでわずかに変わったのは腹周り。皐月賞時にはエネルギーで満タンになっていた腹が少し引き締まっている。素軽さが加わりました。左前の向こうずね(前肢の管骨)は少しだけ出ています。冬場にソエ(若馬特有の管骨の炎症)が出たそうですが、その名残でしょう。四肢に均等に負重をかけた立ち方からダメージは皆無。皐月賞まで休ませたのが正解だったようです。強じんなトモのパワーを伝える飛節や膝にも狂いなし。首差しから肩、つなぎ、蹄に到るまで全てに無駄がなく、絶妙な角度でリンクしています。

 ソウルスターリングにも共通する機能美。2400メートルを走るなら体のどこかに少し遊びが欲しいとも思いますが、ソウルは遊びの全くない体形でオークスを完勝しました。レイデオロはソウルに比べれば、部位のつながりに余裕があります。さあ、ダービー。全てのホースマンが目標にするタイトルの重みを堂々と背負えるキ甲と爆発的な末脚を生み出すトモ、集中した耳。叩き良化型の本領を発揮する時です。(NHK解説者)


【日本ダービー】アルアイン95点“余裕”2冠へ立ち姿一変
 クラシックタイトルを獲ると、気持ちまで変わるのでしょうか。馬はタイトルの重みなど知るはずもないのに…。9番人気で皐月賞を制したアルアイン。タイトルを獲る前とは立ち姿が一変しています。皐月賞時には頭を上げてハミをがっちりかみ締める姿に「ゆとりがない」と指摘しましたが、今度は穏やかにくわえています。引き手(手綱)を前回の写真と比べてみれば一目瞭然。皐月賞時にはピンと張っていた引き手に遊びがある。少し緩んだ引き手が気持ちの余裕をそのまま示しているのです。鋭かった目つきや耳の立て方も穏やかになっている。タイトルを獲ってスタッフに褒められ、自信が生じたのか。ともあれ、クラシックホースの貫禄さえ感じさせる立ち姿です。

 体つきは変わっていません。トモや肩は相変わらず立派すぎるつくり。ダービーに強いディープインパクト産駒の多くは繊細でしなやかな筋肉を持っていますが、こちらは重厚な筋肉を付けいる。岩のようにごつい。野太い首もSSらしくない。上半身が非常に発達した体形。2400メートルに延びるのはプラスとは言えないが、立ち姿に表れた精神的な余裕が距離を克服させるかもしれません。

 上半身に比べて下半身は寂しい。小さめの飛節と膝。管囲も短め。その頼りなさを各部位の滑らかな傾斜が補っています。飛節は浅からず深からずの絶妙な角度。しっかり浮き出た腱も下半身を安定させています。毛ヅヤは皐月賞時よりもさらに良くなっている。大一番にふさわしい仕上がりです。アルアインとはアラビア語で泉の意味だとか。タイトルを獲って泉のように自信が湧き出る皐月賞馬。2冠獲りへ望みをつなげる立ち姿です。


【日本ダービー】スワーヴリチャード90点 東京向き強力右手前
 スワーヴリチャードはサウスポーかも…。前肢の形状はそんな印象を与えます。左回りコースは直線に入ると、手前(軸足)を左前肢から右前肢にチェンジ。右回りコースは反対に右手前から左手前に切り替えてスパートします。ところが、スワーヴの場合はコースを問わずにタフな右前肢で走りたがる。膝は左より右の方が滑らかな角度。蹄も左前は立ち気味ですが、右前はしっかり寝ています。直線に入って、その強力な右手前を使えるのが左回りの東京です。

 臀部(でんぶ)の筋肉量には圧倒されます。分厚くて幅がある。その強力なパワーを受ける飛節も立派。腹下にもゆとりがあるため2400メートルにも対応できます。ただし、飛節の下は寂しい。管囲は細め。つなぎも立っています。90点としましたが、得意の左回りコースで一変する可能性を秘めています。


【日本ダービー】カデナ90点 筋肉柔軟、長い直線で生きる
 カデナも東京で一変する可能性を秘めた馬体です。見るからに緩そうなトモ。もっと筋肉量を増やしてほしいと思う半面、筋肉の質はとても優れています。柔らかくて弾力性に富んでいる。こういうトモは走るフォームのバランスを整えるのに時間がかかります。急がせれば、走りがバラバラになってしまう。その代わり、じっくりと行ってフォームが固まれば素晴らしい末脚を使います。賛否は別にして、嘉手納空港のような長い滑走路がなければ飛べないタイプ。よどみない流れになった小回り中山の皐月賞は追走するだけで終わりました。でも、直線の長い東京ならゆっくりと進められる。緩いトモの持ち味を生かせる舞台です。

 キ甲が後ろに付いているため背中が短く映ります。それでいて、腹下にはゆとりがある。名馬の理想像とされる長腹短背の柔らかい馬体。距離は持ちます。


【日本ダービー】ペルシアンナイト85点 母父SSの柔軟性
 ペルシアンナイトは脚長で胴が詰まり気味。2400メートル向きではありません。皐月賞時同様にトモも寂しい。その半面、柔らかそうな筋肉を身に付けています。サンデーサイレンス(母の父)の影響を感じさせる柔軟性。前肢は皐月賞よりも重厚になっています。平肩が非常に発達してきた。肩甲骨を十分に動かしている証拠。その運動に耐えられるよう平肩に筋肉を付けてきたのです。何の不安もなく調教を重ねてきた証。顔つきや尾のスムーズな下げ方は平常心を伝えている。ポイントは距離だけです。


【日本ダービー】ジョーストリクトリ80点 輝いてバランス上々
 毛ヅヤの輝きは一番。前回よりもさらに光沢を放っています。分厚い前後肢と立派な腹袋を支える下半身もたくましい。膝や飛節が大きく、球節から蹄まで寸分の狂いもありません。とてもバランスが整っている。マイラー体形とはいえ、抜群の気配。


【日本ダービー】ダンビュライト80点“臨戦態勢”目に宿る闘志
 リングに上がる直前のボクサーみたい。前回よりも強くなった目力。ぎりぎりまで引き締まった腹周り。少量でもめりはりが利いて力こぶのように隆起した筋肉。膝や飛節も頑丈。毛ヅヤも光っている。究極の仕上げ。ゆったり走れればいいのですが…。


【日本ダービー】ベストアプローチ80点 飛節角度“絶妙”
 トモの筋肉量が豊富。そのパワーを受ける飛節も絶妙な角度です。腱も浮かんでいるので安心できます。その半面、肩が少し立ち気味。前さばきが硬いかもしれません。こういう馬体はダートにも対応できます。もう少しリラックスした立ち姿なら理想的。


【日本ダービー】ダイワキャグニー80点 欠点なく毛ヅヤさえた
 毛ヅヤがさえています。前後肢も筋肉でしっかりと張りがあります。状態がいいのでしょう。馬体に欠点はありません。ただ、立ち方は感心できない。前肢を前に投げ出して間延びしています。大一番を迎えるのだからもう少し力強く立ってほしい。


【日本ダービー】クリンチャー80点 トモの張り増、毛ヅヤ良化
 相変わらず各部位の付き方が硬めに映ります。でも、それ以外は全ての面で皐月賞時を上回っている。トモの張りが増した。毛ヅヤがますます良くなった。立ち方には余裕が出てきた。当日もこの余裕があれば、距離延長に対応できるのではないか。


【日本ダービー】アドミラブル75点 成長途上で迫力イマイチ
 肩とトモは立派な筋肉で張りがある半面、キ甲は成長途上。上体に比べて膝から下は寂しい。飛節もやや小さめ。青葉賞の圧勝でかなり人気を集めるらしいですが、馬体にはさほど迫力がありません。3月から4戦目。緊張して、尾の位置が高くなっています。


【日本ダービー】トラスト70点 立ち姿に余裕も成長感じず…
 2歳時の力みが取れて、前回同様、立ち姿に余裕があります。ただ、体には特に変化が感じられません。もう少し成長してほしい。


【日本ダービー】ウインブライト70点 ふっくらした姿に好感
 ふっくらした姿に好感が持てます。見映えのしない芦毛にしては毛ヅヤも非常にいい。半面、立ち姿には集中力がありません。


【日本ダービー】マイネルスフェーン70点 鋭い目つき神経質
 鋭い目つき、ハミを神経質そうにかみながら尾を上げている。気性がきついのでしょう。馬体のどこかにインパクトが欲しい。


【日本ダービー】マイスタイル70点 馬体に“推し”足りぬ

 可もなく不可もなく、こぢんまりとまとまっている馬体。訴えかけてくる部分が欲しい。立ち姿には集中力が感じられます。


【日本ダービー】アメリカズカップ70点 落ち着きが“鍵”
 毛ヅヤは抜群。キ甲も発達しています。ただ、気性がきつい。鋭い目つきで引き手を強くかんでいます。落ち着きが距離克服の鍵。


【日本ダービー】サトノアーサー70点 タフだがまだ発展途上
 十分な筋肉量、飛節や膝もタフですが、日差しに映える青鹿毛ならもっと毛ヅヤが欲しい。子供っぽい立ち姿。発展途上です。


【日本ダービー】キョウヘイ65点 音に敏感?メンコ着用
 音を気にするのか、撮影時にもメンコを着けています。浮足立った姿。重量感がありません。牡馬ならもう少し筋肉も欲しい。

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