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日本ダービー(G1)血統的考察
さて、今週はダービー(G1・芝2400m)。

過去10年間で1番人気馬は4勝、
2着1回と信頼性はまずまず。

10回中9回は1〜3番人気馬が勝っており、
それ以下で勝った馬は10年のエイシンフラッシュ(7番人気)しかいない。

無謀な穴狙いはやめておいたほうが賢明だ。



【アドミラブル】

皐月賞組を差し置いて1番人気に推されそうなのは
青葉賞(G2)を勝ったアドミラブル。

ノド鳴りから復帰後の3連勝はいずれもワンサイド。

なおかつ時計的にも優秀で、
デムーロ騎手、音無調教師のこの馬に対する評価はきわめて高い。

母スカーレットは
皐月賞馬ヴィクトリーや重賞3勝馬リンカーンの半妹で、
2代母グレースアドマイヤは半兄弟にダービー馬フサイチコンコルド、
皐月賞馬アンライバルドがいる。

底力に恵まれたクラシック向きのファミリーだ。

全兄タブレット(2勝)、全姉イサベル(4勝)は
脚部や体質に弱さを抱え、
いずれも大成する前に競走生活を終えてしまったが、
素質は重賞級だった。

「父ディープインパクト、2代母の父トニービン」という組み合わせは、
ハープスターなど出走19頭中15頭が勝ち上がり、
芝連対率38.8%と成功している。

「母の父シンボリクリスエス」も最近のトレンドとなってきており、
現3歳世代に限っても、アドミラブルのほかにレイデオロ、
ミスパンテール、マイネルバールマンなど活躍が目立っている。

昨年秋のデビュー戦は10頭中9着と惨敗したものの、
ノド鳴りの手術を経て復帰した3月の未勝利戦(芝1800m)は、
休み明けにもかかわらず1分45秒8という
古馬オープン並みの好時計で快勝。

2戦目のアザレア賞(500万下・芝2400m)は
一転してスローペースとなったが、
難なく折り合って直線で豪快に抜け出した。

青葉賞は次走ダービーを見据えた余裕残しの仕上げにもかかわらず、
2分23秒6というレースレコードをマークした。

もはや能力に疑いを差し挟む余地はなく、あとは状態面だけ。



【レイデオロ】

「キングカメハメハ×シンボリクリスエス」という組み合わせ。

母ラドラーダはヒカルアマランサスを破って準OPを勝ち、
阪神牝馬S(G2)で6着となった活躍馬で、
本馬の半兄ティソーナはマーガレットS(OP)の勝ち馬。

ディープインパクトやブラックタイドを産んだ名牝ウインドインハーヘアは、
息子たちだけでなく牝系からも血を発展させている。

今年の3歳世代では、
レイデオロのほかにアドマイヤミヤビ(クイーンC)、
プラチナヴォイス(スプリングS−3着)、
ブルークランズ(カーネーションC−2着)といった活躍馬が出ている。

ウインドインハーヘアの娘たちのなかで最も勢いが著しいのは
レディブロンド分枝。

レディブロンド自身もスプリンターズS(G1)で4着となるなど
6戦5勝の好成績を挙げた競走馬だったが、
子と孫の代で競走年齢に達した5頭はすべて勝ち上がり、
そのなかにはレイデオロのほかにゴルトブリッツ(帝王賞)が含まれる。

ホープフルS(G2)を勝った際の完璧な立ち回り、
そしてピッチ走法から考えると、ベストは小回りコース。

東京の長い直線では伸び負けする可能性が高い。

ただ、スタミナとスピードの持続力が問われた
先週のオークスのような展開になれば善戦可能だろう。



【アルアイン】

1分57秒8のレースレコードで皐月賞(G1)を制覇。

道中不利があったシンザン記念(G3)を除けば
4戦全勝と底を見せていない。

皐月賞は前半1000m59秒0というレース史上4番目のハイペースで、
後半1000mは58秒8と、前半よりもさらに速いラップを刻んだ。

高速馬場の影響だろう。

2〜4着馬の父、ハービンジャー、ルーラーシップ、ディープスカイは、
速い脚が要求されるレースでは持ち味を発揮しづらいタイプ。

こうした血統が上位を占めたことでも、
皐月賞が特殊な流れだったことが見て取れる。

母ドバイマジェスティは
BCフィリー&メアスプリント(米G1・ダ7f)の覇者で、
米チャンピオン牝馬スプリンター。

母の父エッセンスオブドバイはエーピーインディ系で、
スーパーダービー(米G2)、ノーフォークS(米G2)、
UAEダービー(首G2)などの覇者。

切れ味よりもスピードの持続力に強みのある血だ。

緩みのないハイペースで展開した皐月賞は
この馬向きだったといえるだろう。

速いタイムで決着した年の皐月賞馬はダービーで疑ったほうがよい、
とはよく言われるところだが、
これは要するに、ハイペースの皐月賞と
通常のダービーでは求められる能力が別物であることを示している。

ざっくり単純化して言えば、
前者はスピードの持続力、後者はラストの瞬発力。

1分57〜58秒台で決着した皐月賞は過去5回あり、
そのなかで皐月賞とダービーを連勝した馬は
15年のドゥラメンテただ1頭。

アルアインはこの壁に挑むことになる。

ラストの決め手勝負になると伸び負けする可能性があるので、
ペースが速くなることが望みだろう。



【スワーヴリチャード】

「ハーツクライ×アンブライドルズソング」という組み合わせで、
きさらぎ賞(G3)2着馬バンドワゴンの半弟、
現1000万下エマノンの全弟。

2014年のセレクトセール当歳で1億5500万円の値がついた。

母の父アンブライドルズソングはサンデー系種牡馬と相性が良く、
このパターンからトーホウジャッカル(菊花賞)、
ダノンプラチナ(朝日杯FS)というG1馬が出ている。

「ハーツクライ×アンブライドルズソング」の組み合わせは、
これまでにJRAでデビューした6頭中5頭が勝ち上がり、
アダムバローズ(若駒S、紫菊賞)、カレンケカリーナ(OP)などの
活躍馬が出ている。

本馬の父ハーツクライは、
シアトルスルーを抱えた繁殖牝馬と相性が抜群で、
このパターンからアドマイヤラクティ、カレンミロティック、
カポーティスター、シュンドルボン、ベルラップ、カフジプリンス、
コウエイオトメ、トウシンイーグルなど多くの活躍馬が出ている。

配合的には申し分ない。

前走の皐月賞はインを突いた馬が上位を占めた。

外に出して伸びきれなかったこの馬のレースぶりは決して悪くない。

東京コースは共同通信杯(G3)を楽勝している得意コース。

共同通信杯で2馬身以上の差をつけて勝った馬は
過去30年間に5頭を数えるが、
そのうち3頭がダービー馬となっている。

前走6着で人気が下がるようなら
馬券的に大いに妙味が出てきたというべきだろう。



【サトノアーサー】

「ディープインパクト×リダウツチョイス」という組み合わせ。

2015年のセレクトセール1歳で1億9500万円(税抜)の高値がついた。

母キングスローズはニュージーランド、オーストラリア、香港で
通算23戦8勝。

NZ1000ギニー(G1・芝1600m)、WHストックスS(豪G2・芝1600m)など
6つの重賞を制した名牝で、
ノーザンダンサーの濃度が濃く(4・5×3・5・5)、
ダンジグ、ヌレイエフ、リファールを経由しているので
ディープインパクトの配合相手として好ましい。

母方の3代目にデインヒルとヌレイエフを並べる配合は
ミッキーアイル(NHKマイルC、マイルチャンピオンシップ)と似ており、
「リダウツチョイス+サンデーサイレンス+ヌレイエフ」なので
フルーキーとも配合的共通点が多い。

アルザオ≒ダンシングショウ3×4は、
後者と似た配合構成のシャリーフダンサー、グリーンデザート、
タッチオブグレートネスを入れたパターンが
ディープインパクトの配合で成功しているのでおもしろい。

きさらぎ賞(G3)は道悪に脚を取られ、
毎日杯(G3)は位置取りが後ろすぎていずれも2着に敗れた。

しかし、直線の長いコースで良馬場のコンディションならば、
シクラメン賞(2歳500万下・芝1800m)で披露した
稲妻のような瞬発力が繰り出されるだろう。

前走から間隔が空いたものの、
臨戦過程が狂ったわけではなく当初の予定どおり。

仕上げに抜かりはない。

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