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井内利彰さんのコラムです。

連勝中のヴォージュ、時計の遅さに黄信号?

【七夕賞/ヴォージュ】
 1600万下を連勝して重賞初挑戦。この勢いは素晴らしいと思いますが、同じような連勝は1年前にもあって、それが未勝利、500万下の連勝。そして木曽川特別を6着に敗れましたが、当時が坂路調教だったところをトラック調教に切り替えて敗れています。これがひとつの好走と凡走の調教を見極めるポイントだと思っていました。

 今回は中間の時点で坂路追い切りがあり、最終追い切りも坂路で併用調教。この点に関しては、前走までと全く同じですが、人気しているため「強いて」を挙げれば、追い切り時計の遅さ。たとえば同じ中2週の北野特別では1週前、最終追い切りともにある程度の時計で、今回はその数字よりかなり遅くなっています。福島競馬場までの輸送があるので、当然といえばそれまでですが「強いて」悪い変化を探すならここでしょう。


【七夕賞/スズカデヴィアス】
 長期休みもあって、二桁着順や勝ち馬から1秒以上離されて負けることも珍しくありませんでした。しかし近走はG1の大阪杯を除いて、ある程度堅実な走りを見せています。その要因のひとつとして、最終追い切り場所をCWコースにしたことがあるような気がします。白富士Sのように、6F80秒を切るような速い時計をマークした時に勝ったことを思えば、最終追い切りは加減なしにしっかりやることが良い方へ出ているのでしょう。

 しかし今回の最終追い切り場所は栗東坂路。もちろん2014年比叡Sを勝った時に栗東坂路で最終追い切りを行っているので、一概に否定できない追い切り場所。ただ近走の好走時と違うパターンであることは間違いなく、その点において高い評価ができないことは察していただきたいところ。


【プロキオンS/エイシンバッケン】
 初G1のフェブラリーSが4着で、その後の休み明け欅Sは快勝。しかも距離がフェブラリーSよりも1F短縮、左回りという今回と同じ設定での勝利。ここで人気するのも当然といったところでしょうか。休み明けだった前走も決して、久しぶりという感じではなく、力を出せる調教内容でした。

 ただ今回は追い切り本数を強化して、前走以上であることは間違いありません。最終追い切りの時計はごく平凡ですが、この数字がこの馬にとっての好走調教。ただ週中の雨に週末の雨予報で雨馬場になった時に後方からの差しが決まるかどうか。状態ではなく、展開面での心配ということになりそうです。


【プロキオンS/カフジテイク】
 ゴドルフィンマイルは5着。今回はこのレース内容を評価するしないではなく、初めての海外遠征から帰国してのレースがどうかという点。まずはいつもと同じような調教内容を課しているかどうかです。

 調教内容としては、根岸S1着時やフェブラリーS3着時と同じ調教内容。1週前の日曜日に左回りのCWコースで時計を出しているか否かに注目していましたが、ここは抜けていません。ということは、しっかり負荷をかけることができていると思います。最終追い切りは4F時計の自己ベストを更新する数字。併せ馬でも楽々前に追いついた動きですから、動ける状態であることは確か。あとは遠征明け、これだけです。


【プロキオンS/キングズガード】
 昨年のプロキオンSは田中章博厩舎に所属して、最終追い切り場所が栗東坂路で3着。現在の寺島良厩舎に移ってからは、CWコースでの最終追い切りが好走調教になっています。それだけに最終追い切りの比較という意味では追い切り場所が替わっており、まずはここをどのような評価にするべきかでしょう。

 そして、CWコースでの比較という意味でも前走と今回は違います。6F時計が速かった前回と遅かった今回。ウッドチップの状態が違うとはいえ、6Fで7秒近く違っており、今回はすごく遅いということで間違いないでしょう。ローテーションが違うから、という理由はあるかも知れませんが、比較対象が少ない中では、これを参考にするしかありません。


続いて小林誠さんのコラムです。

脚抜きのいい馬場で果たして届くか!?/プロキオンS

【特注データ】~レースデータより~
 プロキオンSは、簡潔にいえば「前走人気馬」と「前走500キロ以上馬」が強いレース。現在の条件で施行されるようになってからの過去5年で、前走2番人気以内馬は[4-5-4-14]で複勝率48.1%、前走馬体重500キロ以上馬は[3-2-2-24]で同22.6%と、非常に信頼度が高い。後者に物足りなさを感じるかもしれないが、これは「前走地方交流組」が含まれていないためで、こちらも総じて大型馬のほうが強い傾向にある。

 前走馬体重別で成績を比較すると、前走馬体重が499キロ以下だった馬は[0-1-3-25]で複勝率13.8%、複勝回収率28%という低調な成績。それに対して前走馬体重が500キロ以上だった馬は、単勝回収率409%、複勝回収率100%と、信頼度だけではなく回収率の高さも目立っている。どちらのほうが期待できるかは、一目瞭然だろう。

 ここに前走での人気を加味すると、成績差がさらにハッキリ。前走馬体重499キロ以下で3着以内に好走した4頭は、すべて「前走3番人気以内」という条件を満たしていた。そして前走馬体重500キロ以上馬も、前走3番人気以内馬を狙ったほうがいいのは確実。この両条件を満たす馬は、[2-2-2-9]で複勝率40.0%、複勝回収率104%という優秀な成績を残している。両条件を唯一クリアするエイシンバッケンが、特注データ推奨馬である。


【コース総論】中京ダ1400m
・コースの要所!
★1着馬は人気サイド優勢も相手はけっこう紛れる。ヒモ荒れが要警戒。
★芝スタートながら、枠番は内枠のほうがベター。外枠は少し割り引く。
★最後の直線は長いが脚質は先行勢優勢。逃げ馬も高確率で残っている。


【レース総論】プロキオンS(G3) 過去5年
・レースの要所!
★1番人気は[2-0-2-1]と高確率で好走するも、人気薄の激走率も高め。
★コースデータ以上に内枠有利。真ん中よりも内の枠番はプラス評価。
★中団から差した人気馬が高確率で好走。人気薄は先行勢が狙い目か。
★OP特別か地方交流からのローテが好成績。前走JRA重賞組は全滅中。


注目血統
 プリサイスエンド産駒◎、ゴールドアリュール産駒○

 先週の中京ダートは、逃げ・先行勢のパラダイス。前に行けなければ勝負にならない、超先行有利の馬場だった。もともと前有利のコースで脚抜きのいい馬場になれば、前が止まらなくなるのは当然の話。今週も日曜日の降水確率が高く、先週同様に「まったく差せない」馬場が発生する可能性がある。

 血統面では、プリサイスエンド産駒とゴールドアリュール産駒をプラス評価。プリサイスエンド産駒が見せている適性の高さはとくに素晴らしく、カフジテイクとメイショウウタゲは、これだけで「買い」といっても過言ではないほどだ。ゴールドアリュール産駒は人気での強さが目立っており、パターン的にはイーデンホールも激アツである。


結論
今年の登録馬でとにかく目立つのが、末脚自慢の多さだ。上位人気に推されるであろうカフジテイク、エイシンバッケン、キングズガードは、いずれも後方で脚をタメる競馬をしそうな組。さらにイーデンホール、メイショウウタゲ、ブライトラインあたりも中団待機組で、最後の直線では壮絶な決め脚勝負が展開されそうである。

 しかし、中京ダ1400mは内&前有利のコースで、しかも今週末は天候が崩れる予報が出ている。先週のように前が止まらない馬場になって、果たして後方待機組が届くのか、届かないのか? ここを、現段階でジャッジするのはじつに悩ましい。あとは、枠番による有利・不利が大きいコースであるのも、評価を難しくしている。

 脚質や枠番を加味しないのであれば、トップ評価はエイシンバッケンだ。冒頭の「特注データ」条件をクリアした唯一の登録馬で、ダート1400m戦は[3-2-2-0]とすべて馬券絡み。中京では初出走となるが、東京での実績から考えて、左回りは苦にしないはずだ。順調に使われていることや、重~不良での好走実績があるのもプラス。あとは、この馬が届く展開になるかどうかだ。

 二番手評価にイーデンホール。この馬もいいキレ味の持ち主だが、末脚一辺倒ではないというのは大きなプラスである。スタート次第で中団が取れるだろうし、早めに自分から動いてマクるような競馬もできるはず。こういうタイプにM.デムーロ騎手が騎乗というのも魅力的で、ぜひ積極的な競馬を期待したい。

 三番手評価にアキトクレッセント。前走の欅Sではエイシンバッケンに突き放されたが、先行勢で唯一粘ったのは高く評価できる。OP特別で好走してからのローテは、このレースで勝ち負けする上での「王道」であり、楽に先行できるのも間違いなし。もし内枠でも引き当てようものなら、本命級の評価をしてしかるべきだ。

 人気薄になりそうなところでは、メイショウウタゲを上位に評価しておこう。前走でオープン特別を快勝している以外にも、前走馬体重500キロ以上馬であることや、プリサイスエンド産駒であることなど、プラス材料を豊富に持ち合わせている。末脚勝負になると分が悪いので、前走のように好位を取りに行く競馬ができると、なおさら面白い。

 以下は、ベストマッチョ、カフジテイク、キングズガード、トウケイタイガー、ナンチンノンという評価の序列。末脚だけなら「最強」であるカフジテイクは、海外遠征帰りである点や馬体重などから、今回は割り引いて考えるべきだと判断した。あとは枠番や当日の馬場次第だが、前残りの展開を狙い撃つ「先行勢の馬単ボックス」は、必ず押さえておきたい。




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