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井内利彰さんの記事です。

前走時が仕上がり良好、今回馬体的な上積みはないか

【スプリンターズS/ビッグアーサー】
 1週前追い切りはトレセンニュースでもお伝えしましたが、終いの止まり方が気に入りませんでした。というか、好調時は時計を要したとしても、勢いがあったのですが、本当に止まっているといった走り。少しもたれるようなところがあったのも気になっていました。しかし、デビュー前の追い切り以来だった城戸騎手だったことも影響しているかも知れないと思い、最終追い切りに注目しました。

 いつもの担当助手が跨っていましたが、スタート時に首を振るのはいつものこと。最初だけ我慢して、あとはスピードに乗っていく走り。最後の1Fは完全に止まっていて、やっぱりもたれて走っているように見えました。3F目から4F目の減速は1.5秒。数字以上に止まっている感じでしたし、現状では地力でどこまでやれるか。仕上がりとしては5分、6分だと思います。

【スプリンターズS/メラグラーナ】
 中京芝1200mでは結果が出なかったものの、前走阪神芝1200mではメンバー最速上がりの4着。しかも内から抜け出してくるのに時間を要したので、このあたりが上位人気に支持されている要因でしょうか。

 個人的には前走時にすでに仕上がり良好だったと思っているので、馬体的な上積みはないと思います。あとは最終追い切りですが、ある程度の時計を出していながら、2F24.5秒、1F12.3秒。この動きを見ても、やはり急坂での加速力は得意。とはいっても、中団から差す競馬をして、他との脚力比べで抜けているわけでもないと思うので、あまり高い評価ができないと思います。

【スプリンターズS/ダイアナヘイロー】
 6月から8月にかけて4連勝した4歳牝馬。この勢いは素晴らしいと思いますし、前走北九州記念からのローテーションも好感。ここでG1を獲るなら、ある程度目一杯に仕上げてくるだろう、勝手にそんなイメージを持っていました。ところが実質的な追い切りは2週前、1週前、そして最終追い切りの3本と少なめ。

 最終追い切りこそ、4F51.1秒と速かったのですが、前走時と2走前1着時は1週前追い切りの時計が速く、最終追い切りは軽め。このパターンの違いをどう判断するかだと思いますし、全体的な調教内容を見ると、ここにきて夏場の疲れが出てきたという可能性も否定できません。

【スプリンターズS/レッツゴードンキ】
 ヴィクトリアM以来のレースなのに、今回の追い切り開始が9月10日。これはかなり遅いと思いますが、素晴らしい馬体を見ると、いい休養期間だったのだろうと想像します。2週前追い切りは栗東坂路でしたが、1週前追い切りはCWコース。このあたりに久しぶりでもきっちり力を発揮させようとする陣営の意図も感じます。

 そして最終追い切り。時計だけなら、昨年9着時とほぼ同じ。中4週でここを使った時と同じですから、仕上がり状態は同等だと思っていいと思います。実際、その時にメンバー最速上がりを使っているので、状態は良かったのでしょう。問題は位置取り。追い切りでもテンから急かす内容ではなかっただけに、今年も中団より後ろからレースをして、どこまで前に迫ることができるか。そんな内容になりそうです。

【スプリンターズS/ダンスディレクター】
 昨年と同じローテーションでの出走ですが、前哨戦7着だった昨年に対して、今年は3着。それだけにどんな状態でここへ出走してくるのか、かなり注目していましたが、結論からいえば、昨年とあまり変わりないと思います。

 その理由は最終追い切り。前走時は昨年に比べて、かなりしっかりと時計を出してきました。だからこそ結果が出たと思いますが、今回の最終追い切りは4F54.2秒。全体時計が遅いのはもちろん、2F26.0秒がまた遅い時計。ちなみに昨年が25.4秒で、前走セントウルSが2F25.5秒。個人的には3F目が12秒台がこの馬の好走調教だと判断しているだけに、ここはあまり高い評価ができません。



続いて小林誠さんの記事です。

ハイレベルな混戦で波乱もある!/スプリンターズS

【特注データ】~レースデータより~
 スプリンターズSの特注データとして取りあげるのは、騎乗パターン──つまり、乗り替わりの有無だ。一昔前に比べて、乗り替わりが割引材料にならないケースが増えているのは事実だが、このレースにおける継続騎乗組の強さは、圧倒的といっても過言ではないほど。乗り替わりは大幅マイナスである。

 継続騎乗組が[8-9-5-66]で連対率19.3%であるのに対して、乗り替わり組は[1-0-4-49]で同1.9%と、その差はなんと10倍以上。しかも、唯一の1着馬であるアストンマーチャンが勝ったのは2007年と、10年も前の話だ。人気別に見ても、やはり継続騎乗組のほうが期待できるのは間違いなし。昨年のソルヴェイグのように、乗り替わりの人気薄が3着に激走するケースもあるが、積極的には買いづらい。

 好成績な継続騎乗組を「ふるい」にかけるなら、前走での4コーナー通過順位に注目。スプリントG1らしく、これが10番手以下だった馬は一気に信頼度が低くなる。逆に猛烈な強さを見せているのが、前走4コーナーを「1~3番手」で通過していた先行勢と、「7~9番手」で通過していた差し馬。これに該当しそうなのは、先行していた組ではセイウンコウセイ、ダイアナヘイロー、ワンスインナムーン。差していた組では、スノードラゴン、ダンスディレクター、ラインミーティアだ。


【コース総論】中山芝1200m Cコース使用
・コースの要所!
★人気サイドの信頼度はイマイチ。7~9番人気や10~12番人気がアツい。
★内外による成績差が意外に小さいコースだが、馬番9~12番はプラス。
★先行勢が圧倒的に強いコース。差しも決まるが予想の軸足は先行馬に。


【レース総論】スプリンターズS(G1) 中山過去9回
・レースの要所!
★3番人気以内[7-7-0-13]と高信頼度。7~9番人気の3着が非常に多い。
★コースデータと違い外枠が好成績。中団から差す馬の外枠は要注意。
★逃げた馬が[3-3-0-3]と絶好調。基本的にはやはり先行勢が優勢か。
★年齢別では完全に5歳以下馬が優勢。牝馬や関西馬の強さも目立つ。

 昨年は、1番人気のビッグアーサーが12着に大敗したスプリンターズS。レースの平均配当は、単勝907円、馬連4221円、3連複1万9581円である。1番人気の信頼度がやや低めなので、単勝平均はもっと高いと予測していたが、2~3番人気の踏ん張りもあってこの数値に落ち着いている。トータルで見ると、人気サイドはコースデータよりも信頼できるといえそうだ。

 面白いのが、過去10年の3着馬がすべて「5番人気以下」であること。そして、7~9番人気が[0-1-6-20]で複勝率25.9%と、3着にきまくっているのである。このゾーンが強いというのは、コースデータの傾向にも合致。人気薄を狙うなら、今年もここは絶対にチェックしておきたい。ちなみにnetkeiba.comでの予想オッズでは、水曜日の時点でレッツゴードンキ、ファインニードル、ラインミーティアが7~9番人気だ。

 次に枠番だが、外枠である馬番13~16番の信頼度がずば抜けて高いという、コースデータとは大幅に異なる結果に。もっとも、平均人気も7.4と高いので、ある程度は好成績であって当然ではある。コースデータで好成績だった馬番9~12番は大不振だが、こちらも平均人気の10.0という低さが背景にある。いささか偏りが大きい印象なので、枠番に関してはコースデータを信頼すべきだろう。

 脚質面で目立っているのは、4コーナーを先頭で通過した逃げ馬の強さだ。[3-3-0-3]で連対率66.7%と、芝G1とは思えないほどの強さを誇っている。さすがはスプリント界の頂上決戦で、4コーナー11番手以下から追い込んでの連対例もゼロ。ある程度は前の位置にいなければ、勝ち負けに持ち込めないレースである。

 もし中団から差す馬を狙うなら、その場合は枠番を絡めて考えるべき。馬番×脚質データをご覧の通り、先行勢は内外を問わず強いが、差し馬は外に入った馬のほうが格段に活躍している。前述したように「人気馬だから」という側面もあるが、「内×差し」の信頼度が連対率6.1%、複勝率12.1%に過ぎないのを考えると、外を引いた差し馬のほうがベターである可能性が高い。

 次に年齢別だが、これはハッキリと5歳以下馬が優勢。なかでも注目したいのが、[3-2-3-12]で連対率25.0%、複勝率40.0%をマークしている4歳馬だ。それに次ぐ存在が12回の馬券絡みがある5歳馬で、6歳以上になると信頼度が大幅にダウン。鞍上の乗り替わりなどマイナス材料がある場合は、スパッと「消し」で勝負したい。

 そして最後に、オマケ的な小ネタを紹介しよう。スプリンターズSは異様に「3月生まれ」が強いレースで、なんと過去10年で馬券に絡んだ馬の過半数を占めている。あとは、レースキャリア11~20戦の馬が圧倒的に強いのも、覚えておいて損はなさそうなデータ。この両方をクリアする「小ネタ注目馬」は、シュウジ、セイウンコウセイ、ビッグアーサーの3頭である。


注目血統
 アドマイヤムーン産駒◎、キンシャサノキセキ産駒○、スウェプトオーヴァーボード産駒▲

 4回中山開催は4週目に突入。エアレーションなどの影響で開幕週から外差しが決まるか──と身構えていたところ、内&前が強いごくフツーの開幕週で拍子抜けした記憶がある。その後も傾向は大きく変わらず、先週も中山芝は内の先行勢が強いままだった。となれば今週も、おそらく劇的な変化はないはずだ。

 血統面は、アドマイヤムーンなど3種牡馬の産駒をプラスに評価。サンデー系の種牡馬で、上位に食い込んだのがキンシャサノキセキしかいないあたりに、いかにもスプリント戦らしさを感じる。注目はやはり、セイウンコウセイとファインニードルと有力馬2頭を送り込むアドマイヤムーン産駒。コース適性の高さは文句なしだ。


結論
 netkeiba.comでの予想オッズは、水曜日の時点でレッドファルクスが断然の1番人気。メラグラーナ、セイウンコウセイ、ダイアナヘイロー、ビッグアーサーと続くが、2番手グループは大混戦である。実際にこのような人気になった場合、レッドファルクスの着順次第では、かなりの高配当が出現する可能性もありそうだ。

 当データ分析のトップ評価は、セイウンコウセイ。前走の函館スプリントSでは人気を裏切ったが、超ハイペースを追いかけた影響も大きかったはず。それで4着に踏みとどまったあたり、やはり力がある。冒頭の「特注データ」該当馬であり、その他も血統から脚質、小ネタに至るまでプラス評価のオンパレード。ファンの期待に応えてくれそうだ。

 二番手評価に、前走で初重賞制覇のダイアナヘイロー。北九州記念からのローテでアストンマーチャン、スリープレスナイトと2頭の勝ち馬が出ており、しかもいずれも牝馬。先行脚質であるのも同じで、オーバーラップする部分が何かと多い。4連勝で重賞を制した勢いそのままに、ここでもその快速ぶりを見せてくれそうである。

 三番手評価に、ド人気薄となりそうなワンスインナムーンを抜擢。春の高松宮記念で16着に惨敗しているが、立て直されて夏競馬で2連勝と、再び勢いに乗ってきた。プロフィル面でプラス評価となった項目は、セイウンコウセイとタメを張れるほどの多さ。波乱の立役者になれるだけのポテンシャルを十分に秘めた1頭といえる。

 四番手評価に、セントウルSで3着に好走しているダンスディレクター。7歳と高齢である点などマイナス材料もあるが、前走からも地力上位の存在であるのは事実で、侮りがたい1頭といえる。中団からキレのある末脚を繰り出せるので、枠番は内ではなく、ぜひ外を引き当ててもらいたいところ。順調にトライアルを叩かれているのも強みだ。

 以下は、レッドファルクス、シュウジ、メラグラーナ、ラインミーティア、レッツゴードンキ、フィドゥーシアという評価の序列。これが今年の国内初出走となるビッグアーサーは、ポン駆けするタイプとはいえ、相応の割引は必要だ。あとは、モンドキャンノやファインニードルもプラス材料が少なく、過信は禁物である。



表はnetkeibaで見てください。
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