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栗山求さんの記事です。

スプリンターズS(G1)血統的考察

さて、今週はスプリンターズS(G1・芝1200m)。

中山芝1200mは、スタート地点が2コーナーの坂の頂上付近にあり、
400m地点まで約2mの下り坂。

したがって、他のコースに比べてテンのスピードが速い。

しかも、ラストにはきつい上り坂。

こうしたレイアウトであるため、
日本で最も前傾ラップになりやすい芝1200mのコースといえる。



下級条件戦でもハイペースがほとんどなので、
スプリンターズSは前半3ハロンが33秒を切ることもしばしば。

G1に昇格した90年以降、
ストレイトガールが勝った15年を除くすべての年で
前傾ラップとなっている。

流れがきついといってもG1レースなので先に行った馬も容易にバテず、
直線一気の追い込みはめったにない。

4コーナーでは少なくとも中団よりも前につけたいところ。
好位差しが理想的だ。



【レッドファルクス】

1番人気が予想されるのは昨年の覇者レッドファルクス。

3番人気で優勝した昨年は、前後半が33秒4-34秒2と、
前傾ペースながらその差は0秒8しかなく、このクラスとしてはスロー。

したがって、強さよりも立ち回りの上手さや上り調子の勢いのほうが
印象に残る勝利だった。

しかし、フロックで勝てるほどG1は甘いものではなく、
今年春の高松宮記念(G1)、京王杯スプリングC(G2)、
安田記念(G1)を3、1、3着と好走。

マイル以下では現役屈指の実力馬であることを示した。

父スウェプトオーヴァーボードはアメリカ産のスピードタイプで、
サウスヴィグラス、アドマイヤムーン、プリサイスエンドなどと同じく
エンドスウィープの息子。

父系はミスタープロスペクターにさかのぼる。

エンドスウィープはサンデーサイレンスと相性がよく、
スウェプトオーヴァーボードも例外ではない。

「スウェプトオーヴァーボード×サンデーサイレンス」はニックスで、
他にベルルミエール、キョウエイストーム、スノーエンジェル、
アイアンデューク、ノットオーソリティなどが誕生している。

母ベルモットは、スティンガー(最優秀2歳牝馬)や
サイレントハピネス(ローズS、4歳牝馬特別・東)の全妹で、
アーバニティ(オーシャンS)の4分の3姉でもある。

ポテンシャルの高い名牝系が生んだスプリンターで、
同じ父から誕生したパドトロワを超えている。

今回は安田記念以来の久々となるが、
休み明けはさほど影響がないタイプだけに問題ないだろう。

あとは昨年のように道中うまく立ち回れるかどうか。



【セイウンコウセイ】

高松宮記念を勝ったセイウンコウセイは、
レッドファルクスと同じくエンドスウィープの父系に属している。

父アドマイヤムーンは「エンドスウィープ×サンデーサイレンス」なので
前出のレッドファルクスと配合構成が近い。

エンドスウィープは日本血統の貴重なスピード源のひとつだ。

2代母は名牝パテントリークリアで、
母オブザーヴァントのきょうだいには
タイキフォーチュン(NHKマイルC、毎日杯)、
タイキダイヤ(クリスタルC)、
タイキリオン(ニュージーランドT)などがいる。

スピード色の強いファミリーと、
父アドマイヤムーンの快速が理想的な形で結びついている。

高松宮記念は雨の影響が残る馬場だったことが幸いした面もあり、
高速馬場だった函館スプリントS(G3)は4着に敗れている。

勝ち時計はあまり速くならないほうがいい。



【メラグラーナ】

「ファストネットロック×シークレットセーヴィングス」
という組み合わせ。

父ファストネットロックは大種牡馬デインヒルの子で、
現役時代はオーストラリアで2つのG1を含めて重賞6勝。

種牡馬としても大成功し、
クールモアスタッドのエース格としてヨーロッパとオセアニアで
多くのG1ホースを出している。

母方がスピード豊かなオーストラリア血統なので日本の馬場にも適応し、
ブラヴィッシモが阪急杯(G3)で3着と健闘している。

本馬の母はオーストラリアで1勝を挙げたに過ぎないが、
その兄弟に3頭の重賞勝ち馬がいる。

ここ1年間に大敗した3戦は、いずれも雨の影響が残る馬場だった。

今年は天気がもちそうなので
この馬向きのコンディションになりそうだ。



【ダイアナヘイロー】

「キングヘイロー×グラスワンダー」という組み合わせ。

500万下から4連勝で重賞タイトルを獲得した。

父キングヘイローは高松宮記念の勝ち馬で、
カワカミプリンセス(オークス、秋華賞)や
ローレルゲレイロ(高松宮記念、スプリンターズS)などの大物を
生んでいる。

ステイゴールドやサッカーボーイなど
多くの名馬が誕生しているダイナサッシュ牝系だが、
近い世代にこれといった活躍馬はいない。

父キングヘイローのスピードと母の父グラスワンダーの持続力が
うまく噛み合ったのだろう。

懸念材料は初の関東圏への輸送。

最近は馬が大人になってきたが、もともと気性の激しいタイプなので、
イレ込まなければ、という条件がつく。

パドックでチェックしたい。



【ファインニードル】

セントウルS(G2)を勝ったファインニードルは
「アドマイヤムーン×マークオブエスティーム」という組み合わせ。

父アドマイヤムーンはハクサンムーンやセイウンコウセイをはじめ
多くのスピード馬を出しているエンドスウィープ系の名種牡馬。

母の父マークオブエスティームはダノンシャンティ(種牡馬)の母の父。

ゆっくりと階段を登るように地力を強化し、
前々走の北九州記念(G3)は5着に敗れたものの、
最後の直線で前が壁になる不利があった。

前走はその鬱憤を晴らした形。
体調面に問題がなければ当然勝ち負けに加わってくる。



【ビッグアーサー】

昨年1番人気に推されたものの、馬群に包まれて動くに動けず、
12着と大敗した。

昨年、高松宮記念をレコード勝ちし、
セントウルS(G2)では58kgを背負って横綱相撲で快勝。

この実力はフロックとは思えないだけに、
まともな調子ならば最上位に評価しなければならない馬だ。

今回は昨年12月以来の実戦。
常識的には苦しいと見るべきだろう。

「サクラバクシンオー×キングマンボ」という組み合わせで、
母シヤボナはアメリカ産馬。

エルコンドルパサー、ヘンリーザナヴィゲーター、
ディヴァインプロポーションズ、ヴァージニアウォーターズなどと同じく
「キングマンボ×サドラーズウェルズ」のニックスから誕生した。

ヨーロッパ的な重厚さ、スタミナ、底力を感じさせる血統で、
父サクラバクシンオーに欠けているものを補っている。

香港の大敗は遠征競馬なので致し方ない。
追い切りの動きに注目したい。



血脈的にこのレースと相性がいいのは、
ミスタープロスペクター、フレンチデピュティ、ダンジグ、
ニジンスキー、ヌレイエフ、ノーザンテーストなど。

調教の動きなどを加味しつつ、週末に最終結論を出したい。
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