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栗山求さんの記事です。

毎日王冠(G2)血統的考察

さて、今週は毎日王冠(G2・芝1800m)。

秋の芝中距離G1を目指す強豪が、
東の毎日王冠、西の京都大賞典(G2)に姿を現し、
秋競馬のムードが一気に高まってきた。

毎日王冠は天皇賞・秋の最も重要な前哨戦だけに
毎年レベルの高いレースが繰り広げられている。

今年の登録馬はわずか12頭。

しかし、G1馬5頭に加えて
これから躍進が期待される素質馬が集まり、
本番に劣らぬ熱戦となりそうだ。



【ソウルスターリング】

オークス馬ソウルスターリングは、
99年のスティンガー以来18年ぶりとなる3歳牝馬の参戦。

スティンガーはソウルスターリングと同じ藤沢和雄調教師の管理馬で、
10頭中8番人気ながら4着に食い込んだ。

スティンガーは2歳牝馬チャンピオンながら
オークス4着という成績だったので、
格的にはソウルスターリングのほうが上。

となれば馬券圏内に食い込んでくる可能性は高い。

父フランケルは、
英愛リーディングサイアー8回の大種牡馬ガリレオの最高傑作で、
現役時代はイギリスのマイル路線を中心に走って14戦全勝。

ワールドサラブレッドランキングでは
史上最高の「140」というレーティングを獲得している。

ヨーロッパでの産駒成績を見ると
スプリンターから2400m向きのクラシックタイプまで
幅広く産駒を出しており、勝ち上がり率も高く、
次代のリーディングサイアー候補といえるだろう。

まだヨーロッパではG1馬は出ていないが、
これは時間の問題だ。

母スタセリタは仏オークス(G1)、ヴェルメイユ賞(G1)、
フラワーボウル招待S(米G1)など
フランスとアメリカで6つのG1を制した名牝。

父フランケルが「ガリレオ×デインヒル」という
ノーザンダンサー系の主流血統同士の組み合わせなので、
母方のモンズンが異系色の強いドイツ血統であることは好感が持てる。

世界のどこでも通用する超一流の血統だ。

娘のソウルスターリングはトビが大きいので、
小回りコースよりも直線の長い東京コースのほうがいいだろう。

53kgの軽量は大きい。
良馬場なら勝ち負けに持ち込めそうだ。



【マカヒキ】

昨年のダービー馬マカヒキは、
今年に入って京都記念(G2)3着、大阪杯(G1)4着と、
いずれも人気を下回る着順となっている。

14着と敗れた昨年の凱旋門賞(G1・芝2400m)は、
内しか伸びない馬場で外枠を引いたため、
グリーンベルトを狙って前に行ったものの、
内に潜り込めず外を回らされ、
なおかつ慣れない先行策、超ハイペース、という三重苦がたたって惨敗した。

春の不完全燃焼は、そのダメージが尾を引いていたのではないか――
という印象だった。

サトノダイヤモンドの落鉄があったとはいえ日本ダービーを勝ち、
仏遠征ではニエル賞(G2・芝2400m)を制覇。

持てる力を発揮できればここでは格上だろう。

全姉ウリウリは京都牝馬S(G3)、CBC賞(G3)の勝ち馬。

「ディープインパクト×フレンチデピュティ」は父の代表的なニックスで、
ほかにショウナンパンドラ(ジャパンC、秋華賞)、カミノタサハラ(弥生賞)、
ボレアス(レパードS)など多くの活躍馬が出ている。

母方にサザンヘイローが入る点はサトノダイヤモンドと共通しており、
2代母リアルナンバーは南米アルゼンチン産でリボー5×5。

母の父フレンチデピュティに欠けている重厚さをサポートしている。

良馬場の切れ味勝負になれば力を発揮できる。



【グレーターロンドン】

オークス馬ダイワエルシエーロの4分の3弟。

順調さを欠いた安田記念(G1)で0秒1差の4着と、
重賞初挑戦ながらトップクラスのマイラー相手に互角の戦いを演じた。

それ以前は7戦6勝(2着1回)で、
敗れた山吹賞(500万下)は落鉄の不利がありながらクビ差2着だった。

母ロンドンブリッジは逃げ馬で、
ファンタジーS(G3)を勝ち、桜花賞(G1)で2着。

息子はまったく逆の追い込み脚質で、
それも尋常ではない切れを武器としている。

グレーターロンドンの全姉ブリッツフィナーレは、
繁殖牝馬となって神戸新聞杯(G2)2着馬キセキを産んだ。

キセキも鋭い追い込みを武器としている。

ロンドンブリッジの牝系とディープインパクトの組み合わせは、
鋭い瞬発力を生み出す化学反応が生じるのかもしれない。

ラストの爆発力は好調時のマカヒキにも引けを取らないので、
調子に問題がなければ大外を突き抜ける可能性もある。



【リアルスティール】

三冠レースでは2、4、2着と勝ち切れなかったものの、
初の海外遠征となった昨年3月のドバイターフ(首G1・芝1800m)を完勝した。

天皇賞・秋(G1)もモーリスの2着。
高い能力があるのは間違いない。

「ディープインパクト×ストームキャット」は有名なニックスで、
キズナ(日本ダービー)、エイシンヒカリ(イスパーン賞、香港C)、
ラキシス(エリザベス女王杯)、アユサン(桜花賞)、
サトノアラジン(安田記念)などと同じ。

母方の奥に底力あふれる重厚な血が入っていることが
この配合の重要な味付けで、
リアルスティールの2代母モネヴァッシアは
名種牡馬キングマンボの全妹にあたる良血だ。

4走前の安田記念(G1)は、
外枠からの発走だったため前に馬を置くことができず、
引っ掛かってラストに垂れてしまった。

ドバイ遠征帰りで体調も本物ではなかった。

2走前のジャパンC(G1)は距離が長く、
前走の中山記念(G2)はドバイを見据えた作りで本調子ではなかった。

春はドバイターフ(首G1)連覇を目指してドバイまで赴いたものの
鼻出血のため出走取消。

今回はドバイ帰り、鼻出血明け、休み明けとなる。

調子が戻っているかどうか、問題はそこだけだろう。

常識的には本番前のひと叩きではないか。



【サトノアラジン】

安田記念(G1)を勝ち、念願のG1タイトルを獲得したサトノアラジンは、
エリザベス女王杯(G1)を勝ったラキシスの全弟。

「ディープインパクト×ストームキャット」の組み合わせは
前出のリアルスティールと同じで、
ほかにキズナ(日本ダービー)、エイシンヒカリ(イスパーン賞、香港C)、
アユサン(桜花賞)などが出ている。

母マジックストームはモンマスオークス(米G2・ダ9f)の勝ち馬。

この血統はアメリカのダービーダンファームが育んだ
底力あふれるファミリーから出ているせいか、
完成までに少々時間を要する傾向がある。

サトノアラジンは6歳春、姉ラキシスは4歳秋にG1を制した。

今回は休み明けに加え、
メンバー中最も重い58kgの斤量を背負う。

メンバーレベルが高いだけに、
本番前のひと叩き、といった仕上げでは勝つのは難しいだろう。



調教や天候の動きなどを加味しつつ、週末に最終結論を出したい。
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