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第1156回 混戦模様の秋華賞を制する馬は?

今週は、牝馬三冠の最終戦・秋華賞が行われる。既にスプリンターズSは終了したが、いよいよここから本格的な秋のG1シーズンの開幕だ。12年のジェンティルドンナや、14年のショウナンパンドラ、そして昨年のヴィブロスなど、後に牡馬相手の大レースを制する馬も優勝馬に名を連ねており、今後へ向けても注目の一戦になる。今年はどの馬が勝利を手にするのか、過去の傾向を分析してみよう。データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JV、馬天楼 for データde出~たを利用した


■表1 人気別成績
人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1 3-1-3-3/10 30.0% 40.0% 70.0% 66% 86%
2 3-2-1-4/10 30.0% 50.0% 60.0% 91% 90%
3 3-1-0-6/10 30.0% 40.0% 40.0% 216% 82%
4 0-1-1-8/10 0.0% 10.0% 20.0% 0% 65%
5 0-1-0-9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 40%
6 0-1-1-8/10 0.0% 10.0% 20.0% 0% 71%
7 0-2-0-8/10 0.0% 20.0% 20.0% 0% 98%
8 0-1-2-7/10 0.0% 10.0% 30.0% 0% 165%
9~1-0-2-96/99 1.0% 1.0% 3.0% 30% 94%

過去10年、1~3番人気が3勝ずつを挙げ、4番人気以下の優勝は08年のブラックエンブレム(11番人気)のみ。また、9番人気以下の好走馬はほかに同年の3着プロヴィナージュと、13年3着のリラコサージュで、計3頭止まり。おおむね8番人気までが好走の目安となり、4~5番人気よりは7~8番人気のほうが複勝回収率は高い。


■表2 枠番別成績
枠 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 過去5年
1枠 0-4-1-15/20 0.0% 20.0% 25.0% 0% 84% 0-2-1-7/10
2枠 2-2-2-14/20 10.0% 20.0% 30.0% 165% 94% 0-2-0-8/10
3枠 2-0-1-17/20 10.0% 10.0% 15.0% 66% 43% 1-0-1-8/10
4枠 1-0-0-19/20 5.0% 5.0% 5.0% 31% 11% 1-0-0-9/10
5枠 0-2-0-18/20 0.0% 10.0% 10.0% 0% 35% 0-1-0-9/10
6枠 0-1-2-17/20 0.0% 5.0% 15.0% 0% 29% 0-0-1-9/10
7枠 3-0-3-23/29 10.3% 10.3% 20.7% 22% 320% 1-0-2-11/14
8枠 2-1-1-26/30 6.7% 10.0% 13.3% 27% 37% 2-0-0-13/15

枠番別では、2、7枠が好走6頭、1枠5頭、8枠4頭と続き、全体としては中枠が今ひとつ。特に過去5年では、1~3枠と7~8枠からは最低2頭の好走馬が出ているのに対し、4~6枠は各1頭にとどまる。


■表3 脚質別成績
脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
逃げ 0-1-1-9/11 0.0% 9.1% 18.2% 0% 576%
先行 2-2-2-29/35 5.7% 11.4% 17.1% 16% 57%
中団 8-4-7-62/81 9.9% 14.8% 23.5% 75% 89%
後方 0-3-0-48/51 0.0% 5.9% 5.9% 0% 15%
マクリ 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
※TARGET frontier JVによる分類

脚質別の成績では、「中団」からの好走馬が圧倒的に多く、3着以内30頭中19頭を占める。「中団」は該当馬が多く好走確率はさほど高く出ないレースも多いが、このレースでは勝率から複勝率まですべてトップだ。ただ、「後方」になると短い直線で勝ち切るには至っていない。


■表4 前走ローズS組の前走着順・人気別成績
前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
前走1着  2-3-1-3/9 22.2% 55.6% 66.7% 45% 105%
前走2着  2-2-1-5/10 20.0% 40.0% 50.0% 62% 127%
前走3着  0-2-1-7/10 0.0% 20.0% 30.0% 0% 146%
前走4着  2-0-0-7/9 22.2% 22.2% 22.2% 83% 35%
前走5着  0-1-0-2/3 0.0% 33.3% 33.3% 0% 133%
前走6~9着0-0-0-19/19 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走10着~1-0-1-14/16 6.3% 6.3% 12.5% 186% 199%

前走1人気 5-0-1-3/9 55.6% 55.6% 66.7% 140% 80%
前走2人気 0-2-0-8/10 0.0% 20.0% 20.0% 0% 24%
前走3人気 0-1-0-7/8 0.0% 12.5% 12.5% 0% 77%
前走4人気 2-1-0-5/8 25.0% 37.5% 37.5% 438% 178%
前走5人気 0-2-0-5/7 0.0% 28.6% 28.6% 0% 85%
前走6~9人0-2-1-18/21 0.0% 9.5% 14.3% 0% 69%
前走10人~0-0-2-11/13 0.0% 0.0% 15.4% 0% 194%

前走レース別では、ローズS出走馬が【7.8.4.58】と3着以内30頭中19頭を占める。そのローズS組について、同レースでの着順、人気別成績を見ると、まずローズS連対馬は【4.5.2.8】複勝率57.9%で、複勝回収率も116%を記録。3着から優勝した馬はいなかったが、こちらも複勝回収率146%と狙いは立つ。 また、表では6~9着はすべて馬券圏外としたが、10着以下も含め、同レース6~14着馬は【0.0.0.32】に終わっている。ただ、2桁着順でも2頭(ブラックエンブレム、リラコサージュ)が好走して、10着以下の単複回収率は100%を突破。確率は低いが、一発大穴を狙うなら大敗馬狙いも悪くはない。人気面では、同レース1番人気馬が勝率55.6%の好成績。下位人気からでも好走は可能だが、1着候補なら4番人気以内に推されていた馬が望ましい。


■表5 ローズSで1~2着とも4番人気以下だった年(過去10年)
年 馬名        秋華賞  ローズS
           人気 着順 人気 着順
08マイネレーツェル  5 15  7 1
  ムードインディゴ 8 2   9 2
  レジネッタ    2 8  1 3 
10アニメイトバイオ  6 2  4 1
  ワイルドラズベリー4 4  6 2
  エーシンリターンズ9 15 5 3 
17ラビットラン     ?  8 1
  カワキタエンカ   ?  6 2
  リスグラシュー   ?  3 3

今年のローズSは、勝ったラビットランが8番人気、2着のカワキタエンカは6番人気と、穴馬のワンツー決着だった。そこで、ローズSの1~2着がともに4番人気以下だった年を調べると、過去10年では08年、10の2回あり、08年はムードインディゴ、10年はアニメイトバイオと、両年とも連対馬のうち1頭が本番でも2着に好走していた。ローズS上位馬をフロック視するのは危険だ。


■表6 ローズS4着以下から巻き返した馬
年 馬名     秋華賞 ローズS 主な実績
        人気 着順  人気 着順
08ブラックエンブレム11 1 4 15 フラワーC
10アパパネ     1 1 1 4 オークス
13メイショウマンボ 3 1 4 4 オークス
  リラコサージュ 15 3 12 18 スイートピーS
15クイーンズリング 5 2 5 5 フィリーズR

ローズSで馬券圏外から巻き返した馬は表6の5頭で、リラコサージュを除く4頭は同レース5番人気以内。そして、最低でもオープン特別勝ちの実績を持っていたことで共通している。もう少し細かく見ると、メイショウマンボはほかにフィリーズR優勝、リラコサージュはフラワーC3着があるため、オークス優勝・フィリーズR優勝・フラワーC3着以内のいずれかの実績を持つことで5頭は共通している。


■表7 ローズS6番人気以下からの好走馬
年 馬名       秋華賞 ローズS  前々走以前の優勝
          人気 着順 人気 着順
08ムードインディゴ 8 2 9 2 忘れな草賞
11キョウワジャンヌ 7 2 7 3 1000万
13リラコサージュ  15 3 12 18 スイートピーS
14タガノエトワール 4 3 15 2 未勝利戦
16カイザーバル   8 3 6 3 500万

ローズSからはもうひとつ。同レースで6番人気以下だった秋華賞好走馬も見ておきたい。引き続き秋華賞でも人気薄の馬も多い上、オープン、重賞実績も不問。ただし、リラコサージュ以外の4頭は、同レースで馬券に絡んだ馬だった。ローズSが6番人気以下で馬券圏外では、さすがに好走の余地は少なくなる。


■表8 前走ローズS以外からの好走馬
年 馬名      秋華賞  前走芝2000m実績
         人気 着順  レース 人気 着順
07ウオッカ     1 3  宝塚記念 1 8 未経験
08プロヴィナージュ 16 3 シリウスS 11 16 未経験
09ブエナビスタ   1 2→3 札幌記念 1 2 0-1-0-0
10アプリコットフィズ2 3 クイーンS 2 1 未経験
11アヴェンチュラ  2 1 クイーンS 1 1 未経験
12アロマティコ   6 3 ムーンライトH 1 3 1-0-1-1
13スマートレイアー 2 2 夕月特別 1 1 未経験
14ショウナンパンドラ3 1 紫苑S 1 2 2-1-0-0
15マキシマムドパリ 8 3 甲武特別 1 1 1-0-1-0
16ヴィブロス    3 1 紫苑S 3 2 1-1-0-0
 パールコード   4 2 紫苑S 2 5 1-1-0-1

最後に、ローズS以外からの好走馬は表9の11頭になる。表からもわかる通り、昨年以外はすべて1頭ずつ。逆に言えば、ローズS組2頭+別路線1頭だった。この組の11頭中9頭は前走2番人気以内で、前走が芝だった10頭はすべて前走3番人気以内である。また、11頭中8頭は前走3着以内のため、3番人気以内かつ3着以内が理想だ。加えて、近年は芝2000mで優勝実績のある馬ばかりが好走(過去5年の6頭中5頭)するようになっていることにも注意したい。 なお、紫苑Sが重賞に格上げされた昨年は2頭好走。一方、12年から中10週になったクイーンS組は、同年以降に出走した3頭が3、5、8番人気で6、11、16着と、すべて人気を下回る結果に終わっている。


【結論】
過去10年の優勝馬10頭中9頭が3番人気以内から出ている秋華賞。2~3着候補は8番人気以内が一応の目安になる。前走はローズS組が好走馬の多数を占めており、特に同レース1番人気馬や連対馬は好走確率が高く、人気薄で連対した馬も侮れない。ローズS以外からの好走馬では、前走上位人気で馬券に絡んでいる馬が中心になる。そして芝2000m優勝実績を持つことも、近年の別路線組に共通する傾向だ。

今年は各馬とも一長一短、特に1着候補の選定は難しい一戦となった。表1に挙げたように、まず1~3番人気から選ぶのが妥当で、今年はアエロリット、ファンディーナ、リスグラシューあたりになりそうな下馬評だ。このうち、傾向から穴が少ないのはリスグラシュー。表4でローズS「3着」や「3番人気」を個別に見ると勝ち馬が出ていないのは気になるものの、大きく「4番人気以内」「4着以内」と見れば問題ない。道中の位置取りも桜花賞やオークスくらい、前走より少し前で運べれば好走馬の多い「中団」になる(表3)。ただ、仮に3番人気以内を外すと、1着候補としては評価が下がる点には注意したい。

4番人気以下が予想されても優勝は可能と考えるなら、まずは昨年2頭が好走した紫苑S組から、優勝馬のディアドラ。同レース1番人気1着で、芝2000m優勝実績もクリア(表8)。差し脚質も好材料だ。もし3番人気以内に食い込めば一気に優勝候補筆頭格まで浮上する。 その他では、ローズS組は連対馬の成績が良く(表4)、4番人気以下のワンツーだった年でも、どちらか1頭は2着に入っているため(表5)、今年のラビットラン、カワキタエンカも侮れない。ただ、ローズSで5番人気以下だった馬から優勝馬が出ていないことは(表4、7)、今回の人気とあわせて気になるところで、2~3着候補という色合いが強くなる。

なお、上位人気が予想されるファンディーナは、ローズS1番人気(表4)や、同レース馬券圏外でもフラワーC好走実績を持つ点は好材料(表6)。ただし、ローズS6~14着馬はまったく好走がなく(表4本文)、6着馬だけ見ても【0.0.0.6】。トールポピー(10着)、マルセリーナ(7着)、ローブティサージュ(11着)、レッドリヴェール(6着)と、G1優勝実績馬ですら掲示板外敗退を喫している。 そしてアエロリットは、クイーンSを2番人気で制してきた点は良いが(表8)、2000m未勝利馬は別路線組過去5年の好走馬6頭中1頭のみ。加えて中10週になってからのクイーンS組は、すべて人気を下回る結果に終わっている(表8本文)。また、本文では触れていないが、関東馬は過去10年連対率5.2%止まり(関西馬15.7%)。特に美浦で追い切られた関東馬は昨年1番人気10着のビッシュなど、馬券圏外が続いているのも不安材料だ。
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