こんにちは

栗山求さんの記事です。

チャンピオンズC(G1)血統的考察

さて、今週はチャンピオンズC(G1・ダ1800m)。

阪神競馬場で行われていたジャパンCダートが場所とレース名を変更し、
14年から中京競馬場のチャンピオンズCとして生まれ変わった。

JRAで行われる2つのダートG1のうちのひとつ(もうひとつはフェブラリーS)で、
今年もダート界のトップクラスが顔を揃えた。



【テイエムジンソク】

「クロフネ×フォーティナイナー」という組み合わせ。

下級条件から着実に地力を蓄えて出世してきた。

昨年春から勝てそうで勝てないレースを丸一年続けてきたが、
今年の夏に折り合い面に進境を見せて一気に3連勝。

本格化した感がある。

4走前と3走前の勝ちタイムは
良馬場の函館ダ1700mで1分42秒8、1分42秒9。

優に重賞級の時計だった。

2走前のエルムS(G3・ダ1700m)は
ロンドンタウンの2着と敗れたものの、重賞級の実力を証明し、
重馬場で1分41秒0と旧レコードを大きく上回る走破時計を計時した。

前走みやこS(G3)は休み明けながら危なげなく抜け出し、
重賞初制覇を飾った。

時計の速い決着に強く、逃げても控えても競馬ができる自在性は魅力。

クロフネ産駒はJRAの平地重賞を32勝しているが、
芝30勝、ダート2勝という成績。

ダート重賞は前出のみやこSと
マイネルクロップが勝った15年マーチS(G3)の2レース。

今年もアエロリット(NHKマイルC、クイーンS)と
ジューヌエコール(函館スプリントS)か芝重賞を計3勝している。

クロフネは父のフレンチデピュティに比べると芝テイストが強く、
高速ダートへの適性も高い。

芝をこなせるスピードがダートの時計勝負になったときにモノをいう。

クロフネ自身、ダート1600mで1分33秒3、
ダート2100mでも2分05秒9という芝並みのレコードを持っている。

脚抜きのいい馬場になったときにより力を発揮するので、
良馬場のパワー勝負よりもできれば重〜不良のスピード勝負が望み。

クロフネ産駒は中京ダ1800mで連対率15.1%と平凡な成績だ。



【サウンドトゥルー】

昨年の優勝馬。

後方待機策から末脚を伸ばすタイプなので、
展開に左右される面があるのは致し方ない。

15年に東京大賞典(G1)、16年にチャンピオンS(G1)、
そして今年はJBCクラシック(Jpn1)と、
展開に恵まれれば年1回はG1を勝てる能力を持っている。

そうでなければ差して届かず、となる。

父の父デピュティミニスターと母の父フジキセキの関係はニックスで、
この組み合わせからはカネヒキリ、ミラクルレジェンド、
メイケイペガスター、ホワイトフーガ、デグラーティア、
カラフルデイズ、サイタスリーレッドなど多くの活躍馬が出ている。

みやこSでテイエムジンソクの2着に食い下がったルールソヴァールは
サウンドトゥルーの全弟だ。

8着と敗れた4走前のフェブラリーS(G1)は
ワンターンのマイル戦なので条件的に合わなかった。

4着と敗れた3走前の帝王賞(Jpn1)は4ヵ月の休み明け。

今回は臨戦過程もコース設定も申し分ないので、
前が飛ばす展開になればV2の可能性も十分考えられる。

テイエムジンソクやアウォーディーは
スローの上がり勝負になっても味がないので、
それなりのペースになってくれたほうがいい。

サウンドトゥルーと利害が一致するので、
今回はスローペースにはならないのではないかと思われる。



【アウォーディー】

昨年、単勝2.2倍の1番人気に推されながら2着と敗れたアウォーディー。

直線でいったん先頭に立ったときは楽勝かと思われたが、
ソラを使ったため思ったほど伸びず、
後方から鋭く伸びたサウンドトゥルーに
ゴール直前で差し切られてしまった。

昨年はJBCクラシックを含めて破竹の6連勝でこのレースに臨んだが、
今年は2、5、3、4着という成績で本番を迎える。

母ヘヴンリーロマンスは牝馬ながら天皇賞・秋(G1)を制した名牝。

松永幹夫騎手(現調教師でアウォーディーを管理)が手綱を取り、
1000m通過62秒4という
芝2000mの古馬G1としてはありえないスローペースのなか、
中団で折り合いをつけて上がり3ハロン32秒7の鬼脚を繰り出して
快勝した。

引退後、日本で3頭の子を産み、ジャングルポケットの種を宿して渡米。

翌年アメリカで誕生したのがアウォーディー。

したがって日本血統でありながらマル外扱いとなる。

「ジャングルポケット×サンデーサイレンス」で、
母は天皇賞・秋の勝ち馬。

普通に考えれば芝向きだが、
2代母ファーストアクトが「サドラーズウェルズ×リボー」という
重厚なスタミナ血統。

この部分が強く主張することによって
ダート適性が前面に出てきているのだろう。

スマートストライクを父に持つ半妹アムールブリエは、
エンプレス杯(Jpn2)と名古屋グランプリ(Jpn2)をそれぞれ2連覇するなど
6つのダート重賞を制覇。

タピットを父に持つ半弟ラニは、
UAEダービー(首G2)を勝ったあとアメリカのクラシック戦線に乗り込み、
ベルモントS(G1)で3着に食い込んだ。

アウォーディーのこの1年は一度も勝てず、
とくにここ2走は勝ち馬に離された完敗。

原因が精神面にあるのか肉体面にあるのか分からないが、
ここでは見劣りは否めない。



【ケイティブレイブ】

まだ4歳と若いものの、
3歳時に兵庫CS(Jpn2)、白山大賞典(Jpn3)、浦和記念(Jpn2)を制覇。

4歳の今年は3月に名古屋大賞典(Jpn3)を勝ち、
一線級がそろった6月の帝王賞では6番人気と伏兵の1頭に過ぎなかったが、
直線半ばで堂々と抜け出して完勝した。

秋初戦の日本テレビ盃(Jpn2)は3着と敗れたものの、
アポロケンタッキー、サウンドトゥルーとクビ、3/4馬身差。

前走のJBCクラシックはサウンドトゥルーから1馬身差の2着。

ミツバやアウォーディーには先着している。

父アドマイヤマックスは芝・ダート兼用。

産駒はこれまで重賞を4勝しているが、芝2勝、ダート2勝という内訳。

JRAのダート重賞は
メイショウマシュウ(根岸S)とショウナンアポロン(マーチS)が制している。

この2頭は母方に重厚なモガミが入っている。

ケイティブレイブの母は
「サクラローレル×ビーマイゲスト×レリアンス×リボー」。

少々鈍重ではないかと思わせるヨーロッパ型の重厚な血統で、
これがパワーとスタミナの源となっている。

晩成型だろうと思われるのでこれからまだまだ強くなるはずだ。

これまでに制した5つの重賞はすべて地方競馬でのもの。

この馬のパワーが深いダートでモノを言った。

JRAのダートはスピード、決め手も要求されるので、
そのあたりの対応がカギ。



【コパノリッキー】

過去3回挑戦し、12着、7着、13着といいところがない。

しかし、中京ダ1800mでは東海S(G2)で強い勝ち方をしており、
決してコースが合わないわけではない。

今年は5月のかしわ記念(Jpn1)で通算3回目の制覇を記録し、
マイルチャンピオンシップ南部杯(Jpn1)では
2着に4馬身差をつけて連覇達成。

前走のJBCスプリント(Jpn1)は2着と敗れたが、
デビュー以来初の1200m戦で、しかもアタマ差。

むしろ厳しい距離短縮によく対応したという印象だった。

7歳ではあるが衰えはない。

父ゴールドアリュールは現役時代ダートチャンピオンとなり、
種牡馬としてもエスポワールシチー、スマートファルコン、
クリソライト、シルクフォーチュンなど多くの砂の名馬を出した。

母コパノニキータは「ティンバーカントリー×トニービン」なので
アドマイヤドン(最優秀ダートホース2回)と同じ。

要するにダート王2頭を掛け合わせたような配合だ。

前走で評価が落ちるなら今回はむしろ買いだろう。



調教の動きなどを加味しつつ、週末に最終結論を出したい。
スポンサーサイト