栗山求コラム「血統の裏庭」

京成杯(G3)血統的考察

​ 先週の中山金杯(G3)は
58kgをものともせず◎ウインブライト(3番人気)が抜け出して優勝した。

これで中山コースは[4-2-0-1]で重賞は3勝目。

マツリダゴッホ以来の中山巧者だ。

連覇を狙う次走の中山記念も当然勝ち負けだろう。


さて、今週は京成杯(G3・芝2000m)。

2010年にエイシンフラッシュ(日本ダービー、天皇賞・秋)が勝ったものの、
基本的にはメンバーが手薄になる重賞で、
暮れに同コースで行われるホープフルS(G1)が
OP特別→G2→G1とレース価値を上げるにつれて、
ますます影が薄くなった感もある。

1番人気馬は過去10年で6頭連対と案外頑張っており、
二桁人気馬はこのところ連対例がない。

5~8番人気が狙い目で、
過去10年間に8頭連対している。

13年や16年のように、
このレンジの馬同士が連対して波乱となることがある。

過去10年間の上がり3ハロン平均は36秒0と掛かっている。

メリハリのないダラっとした流れになりやすいレースだが、
中団からの差しが届きやすく、
過去10年間で逃げ馬が連対したのはたった一度しかない
(10年2着アドマイヤテンクウ)。

小回りコースだけに上手に立ち回れる器用なタイプは評価を上げたい。

連対馬20頭中9頭が二桁馬番なので、枠順はまったく関係ない。

また、20頭すべてがキャリア2~5戦で臨んでいる。

とくに3~4戦の戦績がいい。


【シークレットラン】

「ダンカーク×キングカメハメハ」という組み合わせ。

父ダンカークは2013年の北米新種牡馬チャンピオン。

現3歳世代が日本で誕生した初年度産駒で、
先週終了時点で13勝を挙げているが、
内訳を見ると芝7勝、ダート6勝と拮抗している。

2代父アンブライドルズソングは
サンデーサイレンスと相性が良い。

本馬はこのパターン。

逆配合の「サンデー系×アンブライドルズソング」という配合からは
スワーヴリチャード(大阪杯)、
トーホウジャッカル(菊花賞)、
ダノンプラチナ(朝日杯FS)などが出ている。

エアグルーヴ、ドゥラメンテ、
ルーラーシップ、オレハマッテルゼ、
アイムユアーズなどと同じく名牝ダイナカール(オークス)の牝系に属しており、
「2代母がエルフィンフェザー、父がアンブライドルドの系統」という配合は
ブレスジャーニー(父バトルプラン/サウジアラビアロイヤルC、東京スポーツ2歳S)
とよく似ている。

過去10年間、前走葉牡丹賞に出走していた馬は6頭出走して[2-1-1-2]。

勝率33.3%、連対率50.0%、複勝率66.7%と相性がいい。

葉牡丹賞(2歳500万下)の勝ち馬に限定すると
[1-1-1-0]とすべて馬券圏内に入っている。

まともなら勝ち負けに絡んできそうだ。


【ランフォザローゼス】

「キングカメハメハ×ディープインパクト」という組み合わせ。

母ラストグルーヴは
セレクトセールで1歳馬としては
史上最高の3億7800万円(税込)で落札され、
まったく仕上がっていない状態で3歳最後の新馬戦に出走したところ、
楽々と勝ってしまい、管理する藤原英昭調教師が驚嘆したというエピソードがある。

残念ながら競走馬としてのキャリアはこの1戦で終わってしまったが、
素質の面では全姉グルヴェイグ(マーメイドS)に
引けを取らないものを持っていたと思われる。


ダイナカールの牝系に属しているので、
前出のシークレットランとは同牝系となる。

2代母エアグルーヴは牝馬ながら年度代表馬に輝いた女傑。

本馬はルーラーシップの4分の3同血(父が同じで母同士が親子)、
二冠馬ドゥラメンテの8分の7同血(父と2代母が同じで、母の父同士が親子)という良血馬。

前走の葉牡丹賞は前崩れの展開のなか好位追走から2着に粘っており、
内容的には勝ち馬シークレットランに引けを取らない。

前出のとおり葉牡丹賞組が好走するレースでもあり、
乗り方次第で逆転も可能。


【ダノンラスター】

「ディープインパクト×マジェスティックウォリアー」という組み合わせで、
母プリンセスオブシルマーは
ケンタッキーオークス(米G1)、
アラバマS(米G1)などアメリカのG1を4勝した名牝。

社台ファームがキーンランドの繁殖牝馬セールで
310万ドル(3億5000万円)の高値で落札した。

母の父マジェスティックウォリアーは
マイルチャンピオンシップ南部杯を2連覇したベストウォーリアの父で、
現在は日本に輸入され浦河のイーストスタッドで供用されている。


新馬戦(芝1800m)を快勝して臨んだ前走の東京スポーツ杯2歳S(G3)は5着。

キャリア不足で、なおかつ流れも不向きだったが、
強敵相手に善戦して能力の高さを見せつけた。

母方にエーピーインディを持つディープインパクト産駒は、
小回りコースよりも直線の長いコースに向く傾向が見られ、
東京芝コースでは連対率31.3%、中山芝コースは244.2%。

しかし、重賞に限定すると中山芝コースは8戦5連対(連対率62.5%)と
抜群の成績(東京芝コースは9戦1連対で連対率11.1%)。

能力が高いので葉牡丹賞組の上を行くことも考えられる。


【ヒンドゥタイムズ】

「ハービンジャー×ディープインパクト」という組み合わせ。

母マハーバーラタは現役時代5戦1勝。

ディープインパクト産駒でありながらダート1700mを勝った。

本馬と同じ「ハービンジャー×ディープ」の組み合わせは、
ケイティクレバー(京都2歳S-3着)、
サトノリュウガ(京都新聞杯-4着)、
ハッピーアワー(すずらん賞)などが出ている。

また、「ハービンジャー+サンデーサイレンス+ヌレイエフ」の配合パターンからは
ペルシアンナイト(マイルCS)、
ディアドラ(秋華賞)、
ブラストワンピース(有馬記念)、
ハービンマオ(関東オークス)、
プロフェット(京成杯)などコンスタントに活躍馬が出ている。

ハービンジャー産駒は
過去このレースを2勝(15年ベルーフ、16年プロフェット)しており相性がいい。

新馬戦はさほどメンバーレベルが高くなかったが、
3馬身半差で勝った内容は上々。

新馬戦を勝って臨んできた馬は
過去10年間で[0-0-2-15]と連対ゼロだが、
血統的に申し分ないので3着はあっても不思議はない。


調教の動きなどを加味しつつ、週末に最終結論を出したい。




調教Gメン研究所・井内利彰

9日の栗東は雪の影響も…注目馬の調整過程は要チェック!
3日間開催で、ただでさえ難しい調整がさらに…


 今週は3日間開催。ということで、追い切りも水曜集中というよりも木曜で分散する形で行われています。そのおかげで助かったと言いますか、雪の影響を受けたのが9日の調教時間でした。研究所用の画像を撮影しようと思っても、狙い通りには撮影できなかったり、時計と撮影を一緒にやってしまうと、視界不良で見逃す可能性もあったので、今週分に関しては、あまり9日撮影がないことをご了承ください。

 幸い、吹雪いて向正面が見えなくなった時間帯には、馬がかなり少なかったので、追い切りもなかったと思います。少しでも時間がずれていれば、と思うとゾッとしますが、しっかりと追い切りを確認できた分、不甲斐なかったウマい馬券の成績をしっかり上げていきたいと思います。


【フェアリーS/アクアミラビリス】
 デビュー戦は東京芝1600mで完勝。栗東所属馬なのに、関東圏ばかりを走るというのは半姉クイーンズリングと同じということになります。違うのは姉の2戦目は自己条件の中山芝1600mでしたが、こちらは格上挑戦の重賞。そこは相手との力関係でしょう。

 自身に関しては、常に終い重点の追い切りをしっかりと消化し、併せ馬でも先着する内容。中山輸送に関しても、姉で実績を残している吉村圭司厩舎ですから、特に問題はないはず。心配することがあるとすれば、抽選を突破できないことくらいでしょう。


【日経新春杯/ムイトオブリガード】
 3連勝での重賞挑戦となったアルゼンチン共和国杯は2着。昨年の日経新春杯を勝ったパフォーマプロミスに3/4馬身負けた結果を考えると、ここで通用するというか、人気するのは当然のことでしょう。

 前走後は一旦放牧へ出されていますが、12月12日にノーザンFしがらきから帰厩しているので、追い切り本数も十分に消化できています。最終追い切りは3頭併せの最内。一番外が脱落して、最後はタガノアニードとの併せ馬でしたが、これも楽に競り落としての最先着。調教内容から今回のレースにおいてパフォーマンスを落とす要因はないと思います。


【日経新春杯/メイショウテッコン】
 追い切り本数の少なかった神戸新聞杯をひと叩きして、更に上昇という菊花賞だったと思いますが、結果は14着の惨敗。距離が合わなかったこともあると思いますが、それ以上に一戦入魂タイプだという印象を受ける結果だと思います。

 ちなみに神戸新聞杯は栗東坂路で2本、CWで2本の追い切りでした。夏場とはいえ、約3ヶ月ぶりのレースでこの本数は通常から見ればかなり少ないと思います。それでも勝ち馬から0.1秒差のレースができたわけですから、これがベスト調教と考えてよいくらい。ですから今回の追い切り本数が少ない状態もこの馬にとっては全く問題ありません。あとはレースに対する調教適性だけでしょう。


【日経新春杯/アフリカンゴールド】
 スローペースだった菊花賞は積極的に位置を狙ったこともあり、やや折り合いを欠く形で惨敗。だからといって長距離適性がないわけではないと思いますし、むしろこの中間は追い切り以外でもたっぷりと距離を乗る調教を行っており、そういった意味では大きく成長していると思います。

 その成果を発揮すると思われた最終追い切り。でしたが、朝一番の混雑した時間帯だったこともあり、少し行きたがりながらの走りだったように思います。その分だけ、いつもの終いのキレはなく、時計は6F81.8~5F66.8~4F52.8~3F39.3~1F13.2秒。時計を要する馬場状態だったことも考慮すれば、この数字も気になりませんが、個人的には道中を含めた全体の走りとして少し疑問が残ってしまいました。


【京成杯/カテドラル】
 新馬、野路菊Sと連勝して挑んだ東京スポーツ杯2歳S。個人的にも◎を打ちましたが、あの手応えで直線に向いて全く伸びない感じが未だに理解できていません。もし調教内容から前走時の敗因があるとすれば、2走前には先着していた1週前追い切りの併せ馬が遅れていた点。実は今回も1週前追いのCWでは併せで遅れています。

 ここに焦点を合わせると、今回も凡走する可能性は十分にあると思います。ただ、それが原因ではなかったして、前日輸送の左回りが凡走理由だったとすれば、調教内容自体はしっかりと消化していますし、あとは最終追い切りできっちりと栗東坂路での4F目最速ラップを踏むだけです。


◆次走要注意

・1/5 3歳新馬【ファナティック】(4人3着)

 出走態勢が整った状態でしたが、3着という結果はもったいない内容。というのも、4コーナーで外へ張り出しそうな馬の後ろにいて、最後の直線は大外を回らざるえない状況でした。それでも最後は差を詰めていますし、あそこでロスのない立ち回りができていればというところ。それでも能力は示しましたし、次はすんなり。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りでラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・3歳新馬【ジェットモーション】
 時計を要する馬場状態だったにも関わらず、CWで3F36.8秒は素晴らしく速い内容。走る気持ちになれば、しっかりと脚を使えるタイプだけに、実戦でより動けると思います。
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