重賞データ分析・小林誠

末脚のキレが勝ち負けに必須のレース!/根岸S

■根岸S(G3・東京ダ1400m)

【特注データ】3行でわかる! レース攻略の糸口

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 このレース最大の特徴は、間違いなく「異様に差せる」という点だ。確かに東京のダートは直線が長く差しが決まりやすいが、それにしても中団から後方の組が強い。詳しくはレースデータの項目で後述するが、上がり3F順位が3位以内だった馬がトータル[10-5-6-9]と上位を独占。ダートの短距離戦ながら、速い上がりが繰り出せなければ勝ち負けにならないのである。

 掲載したのは、前走での上がり3F順位で比較したデータ。これでも、前走上がりが3位以内だった馬がトータル[8-4-3-40]で連対率21.8%、4位以下だった馬が[2-5-5-61]で同9.6%と、前者が後者を圧倒している。前走での上がり3F順位が3位以内であるのは、このレースを勝つ上で必須といえる条件。昨年6番人気でこのレースを制したノンコノユメも、これをクリアしていた。

 また、距離短縮組の活躍が目立つというのも、根岸Sの特徴。好成績である「前走上がり3位以内馬」に限定したデータにおいても、距離延長組や同距離組よりも明らかに強い。「前走ダ1600m以上で上がり3F順位が3位以内だった馬」や、これに準ずる内容を残していた馬は、高く評価してしかるべき。あとは、4~6人気を筆頭に人気薄の激走が目立つというのも、取捨選択の際にしっかり意識しておきたいポイントである。


【コース総論】東京ダ1400m
・コースの要所!
★人気馬の成績が優秀で波乱傾向は基本的に低め。極端な穴狙いは避けたい。
★枠番による影響は小さめ。内外での有利・不利を気にする必要はなさそう。
★最速上がり馬は好成績だがダートの短距離戦らしく先行勢の強さが目立つ。

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 中央で唯一となる「オールダートの1400m」である、東京ダ1400m。バックストレッチの2コーナー寄り地点がスタート地点で、最初のコーナー進入までは約440mと、距離的な余裕が十分にある。ポジション争いの激化はないが、短距離戦なので序盤から中盤の流れはそれなりに速く、息の入らない展開となることも多いコースである。

 まずは人気別だが、基本的には人気サイドが強いコース。1番人気を筆頭に上位人気馬は信頼度の高さ、回収率ベースの数値ともに優秀だ。4~6番人気や7~9番人気も内容は悪くないが、ふたケタ人気になると2~3着のヒモで狙うのが精一杯という内容に。大穴を1着で狙うような、極端な穴狙いは避けたほうがベターだろう。

 次に枠番だが、枠番の内外による有利・不利は小さいコース。最初のコーナー進入まで余裕があるので、外枠に入った馬がポジション的に不利となるケースは少ない。あえて言うならば内枠である馬番1~4番が不振で、こちらは回収率ベースの数値も低空飛行。ちょっと外の枠番のほうがジョッキーが乗りやすい面があるのかもしれない。

 最後に脚質だが、こちらはダートの短距離戦らしく先行勢が優勢。最後の直線が長いので、最速上がり馬が好成績で差しや追い込みも相応に決まってはいるのだが、トータルでみるとやはり先行勢のほうが信頼度は高い。ただし、クラスが上がれば上がるほど序盤~中盤のラップが厳しくなり、中団待機組がどんどん台頭してくるのは覚えておきたい。


【レース総論】根岸S(G3) 過去10年
・レースの要所!
★4~6番人気が[5-2-4-19]と絶好調。全体的に人気薄の激走が目立つレース。
★馬番5~8番が高信頼度で9~12番も好内容。センター枠番の強さが目立つ。
★後方待機組がもっとも強い特異なレース。上がりの速さが勝ち負けに必須。
★前走から距離短縮となる組が優秀。距離延長組や前走地方組は大幅に割引。

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 レースの平均配当は、単勝1054円、馬連3908円、3連複1万7721円とやや高めの水準。3連単の平均配当は10万円以上で、波乱傾向がけっこう強いレースである。実際に人気別成績を見ても、4~6番人気が[5-2-4-19]で複勝率36.7%と、なんと1~3番人気と変わらない高信頼度。単勝適正回収値167.8、複勝回収値111と、回収率ベースの数値も非常に高い。積極的に人気薄を狙っていきたい一戦である。

 枠番データでは馬番5~8番が高信頼度だが、平均人気が7.6と圧倒的に高いので当然といえば当然の結果。内容がいいのはギャップ値がプラス0.7と優秀な馬番9~12番と、センター枠番の強さが目立つレースとなっている。気になるのが、コースデータ同様に内枠である馬番1~4番の成績が低調なこと。やはり、内枠に入った馬は少し割り引いて考えたほうがいいかもしれない。

 脚質は、驚くほどに差し・追い込み勢が優勢。4コーナーを11番手以下で回った組の信頼度がもっとも高いという、ダート戦とは思えない結果が出ている。速い上がりを繰り出した馬の成績も素晴らしく、対照的に逃げた馬は全滅と、完全に差し優勢の内容。組み合わせや道中のペースにもよるが、速い上がりを使える馬を重視すべきレースであるのは間違いない。

 前走距離別では、前走でダ1600m以上のレースに出走していた、距離短縮組の好成績が目立つ。ダートでの距離短縮組はトータル[6-2-5-23]で複勝率36.1%、複勝回収値136と、信頼度の高さと爆発力を兼備。逆に、ダ1200mからの距離延長組はトータル[1-3-1-51]と惨憺たる結果に終わっている。「距離短縮組>同距離組>距離延長組」という序列となるのを、しっかり頭に叩き込んでおこう。

 あとは、前走で交流重賞に出走していた組が不振であることや、前走からの斤量減が割引材料になることなども、取捨選択の際にしっかり意識しておきたいポイントである。


【血統総論】
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 種牡馬別では、クロフネ、パイロ、キングカメハメハ、カジノドライヴの産駒をプラスに評価。出走してきそうな馬では、クインズサターンがパイロ産駒、サトノファンタシーがクロフネ産駒である。とはいえ、血統だけで「買い」といえるほど高いコース適性を見せている種牡馬は見当たらないので、血統というファクターにそれほど重きを置く必要はなさそうだ。


★根岸S・総論×各論
 先週に行われた中京の東海Sと同様に、フェブラリーSの前哨戦という位置づけのレースとなる根岸S。素晴らしい末脚でカペラSを制したコパノキッキング、昨年の武蔵野Sを制しているサンライズノヴァ、初ダートでどのような走りを見せるか楽しみなケイアイノーテックなど、今年さらなる飛躍を目指す馬たちが出走を予定している。

 繰り返し述べてきたように、ちょっと極端なほど差し~追い込み勢が強いレースなのだが、気になるのが展開。というのも、ここに出走を予定している逃げ~先行勢が非常に少なく、組み合わせ的にはかなり前有利となりそうなのだ。徹底先行型といえるのはマテラスカイくらいのもので、展開予想が難しいレースとなりそうな雰囲気である。

 現時点でのトップ評価はクインズサターン。これは「人気薄が強い」というレース傾向を意識しての評価でもある。前走は中山ダ1800mの師走Sを最速上がりで快勝と、このレースに向かう上では文句なしの臨戦過程。パイロ産駒という血統的な後押しもあり、ここはかなり面白い一戦となるはずだ。

 二番手評価に、そのクインズサターンを武蔵野Sで降しているサンライズノヴァ。不器用だが、末脚のキレ味だけならダート界でもトップクラスだろう。前走のチャンピオンズCは伸びを欠いて6着に終わったが、巻き返しが十分に期待できるプロフィルの持ち主。展開に左右される面があるのは否めないものの、ここは「買い」ジャッジが適切だ。

 以下はユラノト、コパノキッキング、カフジテイク、サトノファンタシーという評価の序列だが、波乱傾向が強いレースであるのは間違いなし。当日のオッズ次第では、かなり大胆な買い目で勝負してみるのもアリだろう。





回収率向上大作戦・須田鷹雄

4歳馬の不振を覆せるか/シルクロードS
2019年01月22日(火) 12時00分 15
ハンデにおいては有利なのだが…

 今週のシルクロードS予想は、ちょっと悩ましいことになりそうだ。

 人気が予想されるのはダノンスマッシュとラブカンプー。この2頭の共通項といえば明け4歳馬ということである。しかし、シルクロードSはなぜか4歳馬の成績が良くないのだ。

 過去10年の年齢別成績は以下の通り。

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 4歳馬はのべ31頭出走しているが、1番人気に推された馬でも[1-1-0-4]、2~3番人気だった馬が[0-0-0-5]。一般的に4歳馬は無駄に重いハンデを背負うことがない(過去の良績でついたハンデを引きずることがない)ので、これはなんとも不可思議なことである。

 今回人気の2頭に有利な考え方をするなら、そもそもこれまで重賞級の4歳馬が出ていなかった(そのわりに人気にはなっていた)という解釈は成り立つ。過去10年、前走が重賞の明け4歳馬は13頭いたが、前走3着以内馬は2頭だけで、そのうちの1頭がここで優勝したロードカナロアである。

 ただ、この時期に移った00年以降でも4歳馬は[1-5-3-53]、うち前走重賞3着以内馬は[1-0-1-5]なので、積極的に買うのは理屈以前に心理的に怖い。人気2頭を嫌うことはしないが、例えばこの2頭を◎○にしてしまうようなことは避けようかと個人的には考えている。
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