【皐月賞】美浦・栗東レポート

【皐月賞】栗東レポート~サートゥルナーリア
辻野泰之調教助手のコメントは以下の通り。

(デビューからここまでを振り返って)
「お兄さんたちもこちらの厩舎で活躍してくれた馬だったので、元々期待値は高かったです。その期待に違わない結果を残してくれていると感じています。
 ホープフルステークスで中山の2000mというコースと、輸送も経験しましたので、前哨戦を使う必要はないだろうということでオーナーサイドと協議して決まったことです」

(前走後の調整について)
「レースの1ヶ月前にこちらに帰ってきました。追い切りも順調に進められています。先週の時点で息遣いなどもだいぶできているなという感触は得られていました」

(最終追い切りを振り返って)
「先週はルメール騎手に初めて乗ってもらいました。2頭併せの後ろからという、あまり刺激のないポジションで追い切りをしました。ルメール騎手もイージーコントロールでパワーも感じるということでした。競馬で少しハミを噛むところがある馬なので、今日はそういったところも感じてもらおうと思いまして、少し後ろからの刺激の強い追い切りを行いました。ジョッキーにその辺りを確かめてもらうような追い切りになりました。
 (ルメール騎手に)"我慢できる?"と聞いた時には、"走りたいだけだ"というコメントでした。一気に加速してしまうわけではなく、ジワッと加速していくような感じなので、"大丈夫。我慢できるよ"ということでコメントはいただきました。
 ホープフルステークスの時よりは調教の内容も濃いかなと思います。1週前の段階でしっかり体がはまってきているという感触もありました。ホープフルステークスの時よりは馬の状態はしっかりと仕上がっているのではないでしょうか。
 成長分と、いくらか緩さがあったのかなという気はしているので、シルエットを見ていても今回の方がシャープな体つきに見えます。中身も前走よりはしっかりしているのではないかと思っています。
 (体重は)少し減るのではないかと思います」

(今回のレースに向けて)
「コース形態自体は前走でクリアしてくれているのですが、今回は前走よりさらに頭数が増えるので、この馬の力を出し切れるような競馬になってくれればとは思っています。
 正直、3戦ともまだ全力で走っていないと思っています。
 馬に聞いてみないと分からないところではありますが、8割ぐらいなのかなという感触もありますし、もしかしたら8割も出していないかもしれないです。底知れないポテンシャルは感じています。
 フィジカル面の強さが、この3歳の時期にはなかなかないような強さを持っています。メンタル面でも冷静に走って、かつ人の指示にも素直に従ってくれるという、長所がすごく多い馬だと思います。ここまでの成績に表れているのではないかと思っています。
 初入厩の時からお兄さんたちの危うさも私たち厩舎一同知っていましたので、慎重にデビュー戦からここまで調整しています。お兄さんたちとは違ってすごく冷静に調教でも競馬でも走ってくれるので、今までの兄弟の中では本当に調整はしやすいと感じています。
 お母さんもお兄さんも厩舎でGIを獲ってくれた馬なので、この馬も...と思ってはいましたが、本当にここまでお母さん以上、お兄さんたち以上の活躍をしてくれるのではないかという期待と夢を抱かせてくれる馬です。その期待に応えて、これからも頑張って走ってほしいです。
 ライバルも強力ですし、1頭で競馬をするわけではないので、この馬の力を出せる競馬が見たいです。
 ファンの皆様も期待されていると思いますが、厩舎一同も期待と夢を持ってこの馬の走りを見守りたいです。応援よろしくお願いします」

C・ルメール騎手のコメントは以下の通り。

(乗る前の馬の印象は?)
「この馬に皐月賞で初めて乗ります。もちろん前走と前々走で彼をよく観察しました。ホープフルステークスを勝った時はメチャクチャ強かったです。楽勝でした。逃げる馬の後ろですごく良い競馬ができていました。直線ではよく動いていました。今年もすごく良い結果を出すことができると思います」

(乗ることが決まった時の気持ちは?)
「もちろん嬉しかったです。今年はクラシックのホープですね。皐月賞とダービーを勝てると思います。最初から能力を発揮していました。ポテンシャルは高そうです」

(1週前追い切りの感触は?)
「すごく良い感じでした。先週は時計が出ました。2頭ですごく良い追い切りをしました。今日はもう少し軽い追い切りでした。手応えはとても良かったです。馬のコンディションは良さそうです」

(今回のレースに向けて)
「馬が休み明けなので私は心配しますね。しかし、先週はグランアレグリアが休み明けで桜花賞を勝ちました。ですから今週は自信を持って乗りたいです。サートゥルナーリアはすごく良い馬です。角居厩舎のスタッフは良い仕事をやってくれました。馬のコンディションがとても良いと思います。良いレースをしたいです。直線で馬のポテンシャルを引き出したいと思います。
 すごく良い瞬発力はありそうです。前走はすごく良い脚で楽に勝ちました。直線では馬の反応がすごいです。
 アーモンドアイとサートゥルナーリアのタイプは珍しいです。2年連続ですごく良い馬がいて、乗ることができるのはすごく嬉しいです。競馬ではまだ乗っていませんが、ポテンシャルは高そうなので楽しみにしています。
 (中山芝2000mは)少しトリッキーですね。良いペースだったら一番強い馬が勝てると思います。しかし、18頭で内回りではたまに3~4コーナーで渋滞があります。安全に乗りたいです。いつも馬のスタートやレースのペースによります。枠順も大事です。真ん中ぐらいが良いところだと思います。
 たぶん雨は今日だけで明日から晴れると思いますので、馬場は大丈夫そうです。
 ぜひ皐月賞を勝ちたいです。日本に来てからクラシックをほぼ勝ちました。とても良かったです。皐月賞はまだ勝つことができていませんが、今年はベストチャンスだと思います。
 (母の)シーザリオはとても人気のある馬でした。シーザリオの子供はとても走ります。今年もサートゥルナーリアは大きなレースを勝つことができると思います。皆さん応援して下さい。よろしくお願いします」


【皐月賞】栗東レポート~アドマイヤマーズ
友道康夫調教師のコメントは以下の通り。

(前走の共同通信杯2着を振り返って)
「初めての1800mで距離の不安はありました。負けはしましたが、この馬の競馬ではなかったというか、この馬の持ち味を発揮できる競馬ではありませんでした。その分の2着だったと思います。
 初めての輸送もありまして、パドックでも若干焦れ込んでいました。それよりも展開ですよね。この馬はもっと持久力を生かせるような感じの競馬に持ち込みたかったのですが、前半がスローで最後は瞬発力勝負の競馬になったので、その分最後は負けたかなという気はしています。
いつも見てもらって分かる通り、この馬はお腹周りの無駄な肉が付かない馬です。+8キロは成長分で、トモとか胸周りに筋肉が付いたのだと思っています」

(前走後の調整について)
「いつものパターンで、すぐ牧場に戻しました。1ヶ月ぐらい前に栗東に戻して、ジョッキーにも乗ってもらいました。ここまで順調に調教しています」

(調教過程を振り返って)
「2週前にデムーロ騎手に乗ってもらいまして、しっかりやりました。先週はうちの助手で3頭併せでしっかりやりました。この2回の追い切りで馬は仕上がったと思っています。
 (今日は)坂路でやる予定で、今日は雨で馬場が悪かったので、そんなに無理することなく53~54秒ぐらいで、終いは息を整える程度で、という感じで乗りました。時計も予定通りで来られましたし、動きもすごく良かったと思っています。
 ここは目標なので、しっかり仕上げてきました。前走より良い感じで出られると思っています」

(今回のレースに向けて)
「今回はGIですし、もう少しペースは上がると思いますので、本来の競馬にはなると思います。
 そんなに(馬体重の)大きな増減はないと思います。また若干プラスではないかと思いますが、それも成長分だと思っています。
 この馬の持ち味は並んだ時の勝負根性なので、競馬場とかコース形態は関係ないと思っています。
 力があるような馬体をしていますので、少々渋っても馬場は大丈夫だと思っています。
 (サートゥルナーリアとは)直接一緒に走ったことはないのですが、ずっとテレビなどで見ています。正直やはり強いですよね。
 アドマイヤマーズと違って、追い出してからの反応と言いますか、トップスピードに入る時の一瞬のスピードはやはり他の馬とは違うなというところがあると思います。
 まだそこまでデムーロ騎手と話していませんが、これから前日、当日と話して作戦を立てます。
 春の第一歩の目標で皐月賞2000mですが、ここまで順調に来ています。あとは皆さんの応援よろしくお願いいたします」

M・デムーロ騎手のコメントは以下の通り。

(前走の共同通信杯2着を振り返って)
「残念でした。初めて負けました。コースも距離の1800mも初めてでした。朝日杯からそんなに時間がなかったですね。ちょうど2ヶ月ですが、たぶん馬が少しフレッシュでした。休んでいましたが、(牧場から)帰ってきてからそんなに時間がなかったと思います。馬が焦れ込んでいました。スタートから、思った通りペースがすごく遅かったので先頭に立ちました。そこから結構ハミをずっと噛んでいました。折り合いが難しかったです。馬自体はワンペースだったので自分のペースで行っていましたが、やはり後ろの馬は瞬発力がすごくありました。残念ながら負けました。勝った馬も強かったです。上がりがとても速かったです。
 (馬体重が+8キロは)全然問題ありませんでした。馬がどんどん成長しています。今回もプラスになると思います。馬がすごく良い状態で成長しています」

(成長した点は?)
「馬が大きくなっています。筋肉が増えていますし、背が高くなっています」

(調教での感触は?)
「良いですね。競馬の後1ヶ月ぐらいで乗りましたが、1回競馬を使ってだいぶ良くなっていました。
 (今日は自身が見た印象は)馬なりで行っていました。今回も輸送がありますが、厩舎の方もこの馬のことをよく知っているので問題ないと思います」

(今回のレースに向けて)
「今回も初めてのコースとコーナー4つになります。距離は1ハロン延びても大丈夫だと思います。2000mまでは問題ないと思います。どんな枠順でどんな展開になるかが問題だと思います。
 (枠は)真ん中ぐらいが一番欲しいです。
 GIですから皆がライバルですね。(サートゥルナーリアには)何回も乗っています。すごく良い馬です。サートゥルナーリアだけでなくいっぱい良い馬が出てきます。楽しみにしています。
 (皐月賞は)もう1回勝ちたいです。中山コースは結構難しいです。今まで結構良い馬に乗っていましたが、何回も失敗しました。
 勝ちたいです。頑張ります」


【皐月賞】栗東レポート~ヴェロックス
中内田充正調教師のコメントは以下の通り。

(ここ2走を振り返って)
「2戦とも良い競馬で、ここに向けて良いステップレースだったと思います。
 競馬を使う度に馬自身が競馬というものを勉強してくれて、良くなっていってくれているという感じです。
 馬自身が成長段階で言うとまだまだですので、その辺も含めて少し間隔を空けながら大事に2歳から使ってきています。
 距離は延びても大丈夫かなと思っていました」

(前走後の調整について)
「前走を使ってからも順調に来ています。このまま日曜日に無事にゲートインできればと思っています」

(調教過程を振り返って)
「具合の良さと、徐々に良くなってきているのが調教でも少し見せ始めたかなというところです。
 まだまだこれから良くなる余地は残していると思っています。
 今週も天気があまり良くなかったので、Cウッドチップコースより芝コースの方が状態が良かったので、そちらを選びました。輸送がありますし、そこまで負荷をかけたくなかったので、その辺も考慮して芝コースで時計も予定通りだったというところです」

(今回のレースに向けて)
「コースというよりは多頭数の方が気になります。
 こちらが決められるものではないので、与えられた枠で頑張るのみだと思っています。
 たくさん他にも強い馬が出走してきますので、ヴェロックスもそのうちの1頭かなと思っていただけるような競馬をしたいです。
 ここまで順調に持って来られたので、日曜日を無事に迎えられるように、この馬のパフォーマンスがしっかりできるように陣営一体となって頑張ります。ここも応援よろしくお願いします」

川田将雅騎手のコメントは以下の通り。

(自身が跨がったここ2走を振り返って)
「それまでのレースもずっと見ていましたし、どういうことができて、どういうことができないのかのイメージはついていました。2戦とも良い内容で勝ってくれたと思います。1戦ごとに勉強しながらここまで来られたのではないかと思います。
 一番はレースの中身ですね。レースの組み立てにおいて、負けた中でもいろいろな学べたはずですし、それがここ2回で生きているのではないかと思います」

(最終追い切りを振り返って)
「馬の状態を確かめながら、終いはやるもやらないも私の感覚でちょうど良い感じで決めてほしいということでした。すごく良い内容で走れていたと思いますし、4コーナー手前ぐらいからリズムがさらに良くなりましたし、そこからは良い雰囲気で、良い内容で走れていたと思います。良い最終追い切りができたのではないでしょうか。
 正直、前回はそんなに良い状態ではなかったので、それを思えば期待通りに良くなってきてくれています。なので、無事にここまで来られて良かったです」

(今回のレースに向けて)
「ある程度いろいろな競馬に対応できるタイプだと思っていますので、この中山の2000mというコース形態に関しては特に問題ないと思っています。
 出た枠でやるだけなので、(枠に関して)特にはありません。
 (サートゥルナーリアを)ライバルというのも失礼かなと思いますけどね。1頭抜けていると思いますから、あれだけ素晴らしい馬がいるので、そこにチャレンジしていく立場です。何とか良い競馬ができると良いなと思います。
 無事に皐月賞の舞台まで辿り着きましたし、素晴らしい馬が1頭いるので、そこに立ち向かっていくのは簡単なことではありません。何とか精一杯ヴェロックスの競馬をして、頑張ってくれると思うので、当日を無事に迎えたいと思います」


【皐月賞】美浦レポート~ニシノデイジー
高木登調教師のコメントは以下の通り。

「(今朝の追い切りは)ジョッキーとコンタクトを取って、あまり遅くならないように、リズム良く走らせてとお願いしましたが、リズム良く走れていて、良かったと思います。ここまで順調に来ていますし、いい動きでした。

 弥生賞は1番人気に支持して頂いたのですが、雨で馬場が渋っていたのが...。それは(この馬に)良いかなと思っていましたが、結果的にはちょっと下を気にしながら走っていて、道悪がダメだったのかなと感じました。(折り合い、精神的な部分は)馬場を気にしていた事もあったのか、ハミを取らなくて脚もたまらなかったので、難しい競馬になってしまったのかなと思います。

 最近はずっと勝浦騎手が乗ってくれて、大事にコンタクトを取って、息の合った調教をしてくれています。ジョッキーもずっと乗っていますから、安心して乗れるのではないでしょうか。(馬体面の成長は)時計も結構行かないと出なかった馬が、楽に時計を出すようになりましたから、そのあたりもパワーアップしているのかなと感じています。

 クラシックに出られる訳ですから、気を引き締めて頑張りたいですね。ちょっと週末の天気の雨マークが気になるのですが、馬は非常に良い状態に仕上がったので、応援よろしくお願いします」

勝浦正樹騎手のコメントは以下の通り。

「順調にここまで来られましたし、今朝の追い切りもスムーズな動きで満足しています。弥生賞は残念でした。乗っていても特殊な馬場で、悪いを通り越してなかなかないような馬場だったので、度外視したいなと思います。この中間の雰囲気はとても良いですね。

 デビューした頃から良い馬だな、という感覚はありましたが、ここまでになるのかというのは最初見抜けなかったですね。馬体も逞しくなりましたし、精神的にもまだ幼い面を残していますが、だいぶ成長してくれて普段乗っていてもやんちゃをしなくなりました。言うことをよく聞いてくれる、可愛い馬ですね。肉体面も全体的に力強くなって、まだこれから良くなっていくだろうなという部分もありますが、全体的に成長してくれていると思います。

 (中山2000mは)走る前には最高の舞台だ、と思っていましたが、ちょっと結果が出ていないですからね。ただ、その考えは変わっていないですし、この馬には合っているコースだと思います。(本番に向けてレースのイメージは?)リズム良く行ければいいなとは思っていますが、どうこうしたい、というのは現時点では考えていないですね。(ゲートを出てからでも考えられる自在性がある馬、と言えますか?の問いに)自在性はあると思いますが、逆にそれほど色々な事が出来るタイプでもないかなと思いますし...。ただ、ゲートを出て、リズム良く運べれば、良い結果につながるのではないかなと思っています。

 (クラシック本番に挑む今の気持ちは)馬も勿論ですし、オーナーはじめ関係者の皆様に感謝の気持ちで一杯ですね。それに応えたい、という気持ちです。一番良い結果を出せるように頑張りますので、応援をよろしくお願いします」


【皐月賞】美浦レポート~ダノンキングリー
萩原清調教師のコメントは以下の通り。

「今朝の追い切りはジョッキーと話をして、単走でと考えていましたから、体を使わせて精神状態とコントロールがきくかを確かめて貰いました。(戸崎騎手は『のびのびと走ってくれた』という事でしたが)同様の感触を掴めました。

 共同通信杯はコントロールがきいて、脚も使ってくれましたから、良い内容のレースでした。レース後にそれほど大きなダメージも無かったですし、順調に来ていると思います。

 (デビュー当時の印象は)競馬を使ってみないと能力的に分からない面はありましたが、良い馬だなという印象を持っていました。そこから3連勝ですから、期待通りの成長を見せてくれていると思います。馬体重はそんなに変わっていないのですが、体幹がしっかりしてきました。今回は精神的にも落ち着いていますね。2000mも前回の1800mでの競馬を見る限り、距離が延びることに不安はないと思っています。今の段階では、スピードが一番のセールスポイントではないでしょうか。

 (クラシックに挑戦するにあたっての気持ちは)非常にありがたいですね。枠順も与えられたところで挑むだけですから、特に気にはしていません。良い状態をキープして皐月賞に向かえると思いますから、皆さんの期待に応えられるような走りをお見せしたいです」

戸崎圭太騎手のコメントは以下の通り。

「今朝の追い切りに乗りましたが、馬は凄く落ち着いていました。2週前から毎週乗せて頂いていますが、レースに向けてスイッチが入ってきたなという印象ですね。今朝は単走でしたが、リラックスさせてのびのび走らせようという事だったので、その通りに走ってくれて良い感触を掴めました。

 共同通信杯は距離の不安も多少あったのですが、強い勝ち方で距離も心配ないと感じられました。2歳王者がいる中であの勝ち方ができたので、本当に強い馬だと感じましたね。ペースが遅い中でも我慢がききましたし、その分弾けてくれました。

 (最初にこの馬に乗った時の印象は)お兄さんがダートでも走っていますし、芝でのデビューでどんな感じになるかなと思いましたが、良い背中をしているなと感じました。そこからどんどん良くなってきて、ここまでの馬になってくれましたね。馬に幅が出て、しっかりして来たという印象があります。(初の2000mは)前走の感覚からすると距離延長への不安が消えたので、こなしてくれるでしょう。心配はしていないです。

 (デビューからずっと乗ってきた馬でクラシック挑戦は)幸せな気分ですね。有力な馬ですし、その幸せを噛み締めながら結果を出したいです。最後は弾けてくれるように、気持ちよく走らせてあげたいと考えています。3戦3勝で臨めますし、もう1頭負けていない馬(サートゥルナーリア)もいますから、ぜひ楽しんで頂ければと思っています。僕自身も(去年のエポカドーロに続いて)連覇を目指していますし、ぜひ応援よろしくお願いします」



重賞データ分析・小林誠

レベルが高すぎて今年は堅く決まる!?/皐月賞

■皐月賞(G1・中山芝2000m)フルゲート18頭/登録19頭

【特注データ】3行でわかる! レース攻略の糸口

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 クラシックのなかでは、かなり「荒れる」部類である皐月賞。昨年も人気馬が総崩れとなり、3連単は37万馬券と大波乱となった。詳しくは後述するが、1番人気が[2-1-1-5]とイマイチ結果を出せておらず、人気の盲点となりやすい7~9番人気が非常に高い確率で上位に食い込んでいるなど、波乱傾向の強さはかなりのものだ。

 ならば今年も人気薄を──と言いたいところだが、ここで「待った」が入る。なぜならば、上位人気が予想される今年の登録馬が、きわめて強力なラインナップだからである。大ネタはもちろん小ネタまでも駆使して登録馬をふるいにかけていったのだが、毛色や生月に至るまでオールクリアという馬が何頭も出現したのである。

 例えば、ここで掲載している「前走プラス体重」「前走4着以内」といった5つの好走条件。これらすべてをクリアした馬は、トータル[5-4-0-5]で連対率64.3%、単勝適正回収値262.2、複勝回収値222という強烈な結果を残している。昨年に9番人気で2着したサンリヴァルや、一昨年の勝ち馬アルアイン、2016年の勝ち馬ディーマジェスティなど、人気薄での激走例も目立つ。

 今回の人気については予測になるが、これらの好走条件をすべてクリアしそうなのが、アドマイヤジャスタ、サトノルークス、サートゥルナーリア、ダノンキングリー、ニシノデイジー、ファンタジストと、なんと6頭もいる。例年は多くても2頭であるのを考えると、これはなかなかの異常事態だ。高確率で好走を期待できる馬がこれほど多いとなると、堅く決まる可能性のほうが高い気がしてならない。

 あとは、内枠である馬番1~6番の信頼度が非常に低いことや、騎乗パターンによって買い&消しが逆になることなども注目すべきポイント。あくまで現時点でのジャッジではあるが、鞍上の乗り替わりまでもがプラスに働くサートゥルナーリア、共同通信杯組という強力な材料を有するダノンキングリー、一気に評価を落として「人気の盲点」となりそうなニシノデイジーの3頭を「特注」としたい。
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【コース総論】中山芝2000m Bコース使用
・コースの要所!
★1番人気は高信頼度で内容も優秀。人気薄では7~9番人気の強さが目立つ。
★枠番の内外による成績差は小さめ。外枠に入っても問題なく買えるコース。
★直線が短い中山芝らしく先行勢が優勢も、最速上がり馬は素晴らしい成績。

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 ホームストレッチの4コーナー寄り地点からスタート。最初のコーナー進入までに十分な距離がある上に、スタート直後に急坂を駆け上がるというコース形態もあって、序盤から速い流れにはなりにくい。かといって極端なスローにもならず、終始一貫して平均的なラップが刻まれるような緩急のない流れに。スピードはもちろんスタミナや底力など、勝ち負けに総合力が求められるコースといえるだろう。

 人気別で目立っているのは、1番人気馬の優秀な成績。16頭以上の多頭数において、連対率52.7%、複勝率67.9%と3回に2回以上の確率で馬券に絡んでいるのだから大したものだ。そして人気薄では、単勝適正回収値が121.5と非常に高く、複勝率も14.9%と優秀である7~9番人気が好内容。ふたケタ人気の超穴馬も狙えるコースだが、効率を考えると中穴狙いのほうが格段にオイシイ。

 次に枠番データだが、内外による成績差が少ないのが大きな特徴。中山芝というだけで「内枠がベター」と思ってしまうが、実際は差がないどころか、人気がないぶん外枠のほうが儲かるのである。外枠を理由に人気を下げるような馬がいたら、狙ってみる価値は十分アリ。必要以上に内枠を高く評価すると、手痛いしっぺ返しを食らうかもしれない。

 最後に脚質面だが、最後の直線が短い中山芝コースらしく、こちらは先行勢優勢。逃げた馬がそのまま残るケースも多く、先行勢と中団待機組で連対率に2倍近い差が出ているのを考えると、軸足はやはり「前」に置くべきだ。ただし、最速上がり馬の成績はきわめて優秀で、勝率や単勝適正回収値の高さはかなりのもの。過去に最速上がりを何度もマークしているような馬は、しっかりマークしておくべきだ。


【レース総論】皐月賞(G1) 過去10年
・レースの要所!
★1番人気の信頼度が低く波乱含み。7~9番人気は徹底的にマークするべき。
★内枠である馬番1~6番の成績がハッキリと悪い。中枠や外枠をプラス評価。
★脚質面はコースデータ通り。先行勢優勢ではあるが中団からの差しも届く。
★共同通信杯組の強さは特筆に値するもの。人気薄は継続騎乗組が狙い目か。

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 レースの平均配当は、単勝1074円、馬連4976円、3連複3万6501円と高めの水準。その要因となっているのが、上位人気馬の信頼度の低さだ。1番人気が[2-1-1-5]で2番人気が[1-3-0-5]と、いずれも低調な結果。3番人気の複勝率が1~2番人気よりも高いというのは、けっこうなレアケースである。

 それとは対照的に絶好調なのが、昨年1~3着を独占した7~9番人気。トータル[3-2-2-20]で複勝率25.9%と、なんと4~6番人気のそれを大幅に上回っている。人気別にみても波乱含みのレースであるのは間違いないが、ふたケタ人気の超穴馬は[0-0-2-74]とサッパリなのが、皐月賞の面白いところ。つまり「適度に人気のない馬」を狙うのが、このレースで儲けるコツなのだ。

 次に枠番だが、目立っているのが内枠である馬番1~6番の大不振だ。平均人気が8.3ともっとも高いにもかかわらず、平均着順は9.7と最低。回収値ベースの数値も非常に低く、相応の割引が必要という結論となる。ひとケタ人気馬に限定した枠番データも用意したが、皐月賞での内枠がいかに弱いか、こちらのほうがより実感できると思われる。

 脚質面はほぼコースデータ通り。馬券絡みした27頭のうちじつに17頭までが、4コーナーを6番手以内で回った先行勢だった。逃げた馬の成績こそイマイチだが、全体でみると先行勢優勢であるのは明白。ドゥラメンテやディーマジェスティなど、中団から一気の脚で突き抜けた馬もいるが、決して狙いやすくはない。「差しもそれなりに届くレース」といった認識が適切だろう。

 前走レース別では、少ない出走数で4勝をあげている共同通信杯組の強さが目立つ。共同通信杯の1着馬であるダノンキングリーと2着馬のアドマイヤマーズは、やはり注目すべき存在といえる。あとは、弥生賞組がわずか1勝に終わっていることや、若葉S組が2~3着にはけっこうきている点にも注目したい。

 最後に騎手関連データ。こちらは簡潔にいえば「継続騎乗×6~9番人気」と「乗り替わり×1~5番人気」がプラス評価の対象となる。もっとも信頼度が高そうな「継続騎乗×1~5番人気」の組み合わせはイマイチで、昨年はなんと全滅。これを理由に消せるというわけではないが、このパターンの過信は禁物だ。


【血統総論】

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 種牡馬別では、ディープインパクト、ハーツクライなど5種牡馬の産駒をプラス評価の対象とした。上位にランクしたのはおおむねイメージ通りのメンツだが、意外だったのがロードカナロア産駒の強さ。2番人気以内に限れば[3-1-2-2]で複勝率75.0%と、このタフなコースを見事にこなしている。やはり、配合によっては距離をこなせる産駒を出す種牡馬なのだろう。


★皐月賞・総論×各論

 3戦無敗でホープフルSを制したサートゥルナーリア、共同通信杯で2着に敗れるも力は示したアドマイヤマーズ、そのアドマイヤマーズを強烈な末脚で差し切ったダノンキングリーなど、桜花賞に負けず劣らずの豪華メンバー。トライアルの勝ち馬であるエメラルファイト、メイショウテンゲンなども侮れず、これぞ牡馬クラシックというハイレベルなレースが期待できそうだ。

 現時点でのトップ評価はサートゥルナーリア。ホープフルS以来という点がどうかだが、外厩での育成レベル向上により「久々」が割引材料でなくなりつつあるのは、桜花賞を制したグランアレグリアが示したばかり。それ以外に割り引く材料は見当たらず、それでいてプラス評価となった項目は非常に多いのだから、素直に「買い」ジャッジが正解だろう。この相手関係で今度はどんな走りを見せるのか、本当に楽しみだ。

 二番手評価も素直にダノンキングリー。2歳王者アドマイヤマーズをあっさり差し切った共同通信杯の内容は、強いのひと言。2走前のひいらぎ賞で2歳馬らしからぬ底力を見せていたとはいえ、想像以上のパフォーマンスだった。「継続騎乗×1~5番人気」のパターンに該当する点を少し割り引いたが、サートゥルナーリアとの評価の差は、枠番ひとつでひっくり返せる程度のもの。こちらも、買い材料はじつに豊富である。

 三番手評価にニシノデイジー。ここ2走はホープフルSで3着、弥生賞で4着と足踏みが続いているが、2歳重賞を連勝したその能力は決して侮れないもの。おそらく一気に人気を落とすはずで、それだけにここは狙い目となる。いくつもの好走条件を満たしているのは、冒頭の「特注データ」でも解説した通り。勝浦騎手の継続騎乗も、皐月賞のデータ的にはプラスに働く。ここ一番での奮起に、ぜひ期待したいものだ。

 以下はファンタジスト、アドマイヤジャスタ、ブレイキングドーン、アドマイヤマーズ、ヴェロックス、クラージュゲリエという評価の序列。上位人気が予想される馬では、アドマイヤマーズやヴェロックスの評価が低めとなった。あとは、枠番と直前のオッズがどうなるか次第。内枠に入った馬が割引であること、7~9番人気が非常に強いことの2点は、忘れずに覚えておきたい。




アンカツ自信の「3歳牡馬番付」。皐月賞、ダービーの結果が見えた(sportiva)

 3歳牝馬クラシック第1弾の桜花賞が終了。今週は3歳牡馬クラシック第1弾のGI皐月賞(4月14日/中山・芝2000m)が行なわれるが、正直、その行方はさっぱり読めない。

 なにしろ、年明けの前哨戦では波乱が続出し、有力視されていた素質馬たちがことごとく馬群に沈んでいったからだ。そのうえ、昨年末のGIホープフルS(12月28日/中山・芝2000m)を勝って、1番人気が予想されるサートゥルナーリア(牡3歳)も、同レース以来のぶっつけで皐月賞に挑んでくる。およそ3カ月半ぶりの競馬で、本来の力が発揮できるのか、不安は尽きない。

 ここまで未対戦の馬も多く、とにかく実力比較が難しい3歳牡馬戦線。こうなったら、もはやプロの目に頼るしかないだろう。

 ということで、今回も競走馬の分析に長(た)けた元ジョッキーの安藤勝己氏に3歳牡馬の実力診断を依頼。間近に迫った皐月賞、さらには競馬界最高峰の舞台となる日本ダービー(5月26日/東京・芝2400m)に向けて、どの馬が有望か検証してもらい、独自の視点による「3歳牡馬番付」を選定してもらった――。

横綱:サートゥルナーリア(牡3歳)
(父ロードカナロア/戦績:3戦3勝)

 今年の3歳牡馬の中では、この馬は1頭抜けている。無傷の3連勝で、どのレースも本当に強かった。

 前走のホープフルSでは、スタートしてサッと自分からハナに立った。そのままでも楽に勝てたと思うけれど、そこで、鞍上のミルコ・デムーロ騎手はあえて位置取りを下げた。番手の競馬とか、馬込みに入った時の競馬とか、そういうのを教えたかったのだろう。でもそれは、馬に対してよほどの自信がなければ、できることではないよ。

 そうして、直線を迎えると(前が壁になって)行くところがなくなってしまったが、前を行く馬の間にわずかな隙を見つけると、ものすごい脚でその間を割ってきた。あの脚こそ、”横綱の脚”だね。

 この馬は血統面もしっかりしている。兄のエピファネイアも、リオンディーズも”バケモノ級”の強さがあった。ただ、ちょっとクセのあるタイプで、それが災いして、ともにダービーを勝つことはできなかった。

 その点、この馬は乗りやすそう。操縦性に優れている、と言えばいいだろうか。そこが、この馬の一番の長所だね。兄たちと同等の能力があって、しかも兄たちに不足していた乗りやすさも備えているんだから、文句をつけようがない。

 皐月賞がホープフルSからのぶっつけになったことは、どこか悪いところがあったわけではなく、早くから決断されていたことを踏まえれば、むしろそれは、陣営の自信の表れ、と見るべきだろう。

 とにかく、ここまで3戦、どれも違う競馬で勝っているし、しかも楽勝。弱点らしい弱点も見当たらない。春のクラシックは2つとも、この馬でイケる。

大関:アドマイヤマーズ(牡3歳)
(父ダイワメジャー/戦績:5戦4勝、2着1回)

 この馬の一番いいところは、先行脚質でレースがうまいところ。追えば確実に伸びるし、しかも叩き合いに強い。この”並んだら抜かせない”という勝負根性には見るべきものがある。

 その点は、現役時代に自分が乗っていた、この馬の父ダイワメジャーによく似ている。本当に、いいところをそのまま受け継いだ感じがするね。

 一方で、ダイワメジャーによく似ている分、「案外、距離が持たないのではないか」といった声が聞かれる。

 結論から言えば、まったくそんなことはない。実際、ダイワメジャーは2500mの有馬記念でも3着と好走。本質的には長い距離のレースが苦手、というわけではないのだ。ただ、ダイワメジャーは喉に弱点があって、それが長い距離のレースになると影響することがあった。言い換えれば、アドマイヤマーズにおいても、血統からくる距離不安はないはずだ。

 ここまで5戦して、前走のGIII共同通信杯(2月10日/東京・芝1800m)で初めて2着に敗れたけど、あれこそ、まさに”勝負のアヤ”。少頭数のレースにあって、行く馬がいなかったから、押し出されるようにハナに立った。その結果、勝った馬の目標にされたうえ、瞬発力勝負になってしまったことが最後に響いた。

 でもあれは、決して力負けではない。この馬の得意の流れになれば、違った結果になっていたはず。サートゥルナーリアだって、この馬が最も力を発揮する、ゴール前での叩き合いになれば、結構手こずると思う。

関脇:ダノンキングリー(牡3歳)
(父ディープインパクト/戦績:3戦3勝)

 3戦3勝と、この馬もサートゥルナーリア同様、ここまで土つかず。無敗でクラシックを向かえる馬は、やはり”何か”がある。

 この馬の場合、その何かは父ディープインパクトに似ていること。つまり、瞬発力に優れている、ということだ。とくに一瞬の脚には見どころがある。動きたいところでパッと動けるし、パッと動いてピュッと切れる。

 3勝目を挙げた前走の共同通信杯では、その特徴が存分に生かされたレースだった。道中は内につけて、前を行くアドマイヤマーズを壁にして追走。そうして、直線半ばで内側に進路がガバッと開くと、ピュッと抜け出していった。あの脚はトップレベルの切れ味だったね。

 しかも、負かしたのが、2歳チャンピオンで、自分が大関に挙げたアドマイヤマーズ。これは、かなり評価できる。

 でも、アドマイヤマーズに実際に勝っていながら、同馬よりも評価が下なのは、この馬には長所と背中合わせの弱点があると思うからだ。それは、いいところだけでなく、悪いところも、父ディープインパクトによく似ている点にある。

 まずは、性格が前向きすぎること。ゆえに、折り合いの不安がつきまとう。しかも、馬のつくりがやや華奢で、すごく敏感な感じで、オンナ馬っぽい印象さえある。こういうタイプは、追ってからの伸びがそれほど長くは続かない。距離的には2000mくらいまで、ではないか。

 よって、この馬は皐月賞が勝負レース。得意の瞬発力勝負になって、どれだけ戦えるか。そこが、戴冠へのカギとなる。

小結:ヴェロックス(牡3歳)
(父ジャスタウェイ/戦績:5戦3勝、2着1回、着外1回)

 最も印象に残っているレースは、小倉のデビュー戦(2018年8月5日/小倉・芝1800m)。直線に入っても、騎手が手綱を持ったままで、突き抜けていったからね。正直、あのときは内心で『今年は、これや!』と思った。

 でも、その後が案外だった。勝ち切れないレースが2戦続いた。自分の『これや!』は、少々見込み違いだったかもしれない。

 敗因を分析するうえで参考になるのが、2戦目のオープン特別・野路菊S(2018年9月15日/阪神・芝1800m)。おそらく騎手が競馬を教えようとしたのだろう、一番いいスタートを切りながら、あえて下げた。それでも、直線では逃げる馬の直後まで迫って、抜群の手応えがあった。その際、鞍上も『楽勝』と思ったはずだ。

 ところが、追ってから思ったほど伸びず、2着に終わった。

 もともと、跳びがきれいすぎる馬。こういうタイプは、周りからプレッシャーを受けずに、自分のリズムで走ると、新馬戦のようにめちゃくちゃ強い。でも、野路菊Sのように前で粘る馬たちと叩き合いになったりして、自らのリズムを崩されてしまうと、思ったほど力を発揮できない。まだ、精神面が弱くて、それがレースに出てしまったわけだ。

 でもこの馬は、野路菊Sと続くGIII東京スポーツ杯2歳S(4着。2018年11月17日/東京・芝1800m)と、2回続けて負けたことが、結果的によかったかもしれない。負けて、少し休ませたことで、馬がすごくよくなったような印象がある。前走のオープン特別・若葉S(3月16日/阪神・芝2000m)も完勝。1頭だけモノが違う、という感じだった。

 そうは言っても、今度は相手が違う。そのレベルが違う相手を敵に回して、はたして自分のリズムで競馬ができるかどうか。好走のポイントはそこにある。

前頭筆頭:ランスオブプラーナ(牡3歳)
(父ケープブランコ/戦績:6戦3勝、2着2回、3着1回)

 前々走の500万下・アメリア賞(3月3日/阪神・芝1800m)、前走のGIII毎日杯(3月23日/阪神・芝1800m)と、2走続けて鮮やかな逃げ切り勝ちを収めた。この2戦が示すとおり、どんなメンバーでも楽にハナを切れるスピードは、この馬の最大の強み。そして、大崩れしない堅実性も大きな魅力だ。

 ここまでに挙げたメンバーをはじめ、クラシックで有力視される面々は差し、追い込み系の馬が多い。そうした状況にあって、常に先手をとれる力があるのは、それだけでも有利。もし、すんなり行かせてもらって、展開さえハマれば、上位に残る可能性も十分にあるのではないだろうか。

 過去のクラシックでも、逃げ、先行馬が何度なく波乱を起こしている。あまり軽視しすぎると、痛い目を見るかもしれない。

 その他、世間的に人気を集めそうなのは、ラストドラフト(牡3歳/父ノヴェリスト)とか、ニシノデイジー(牡3歳/ハービンジャー)あたりだろうか。しかし、どちらもGII弥生賞(3月3日/中山・芝2000m)で結果を残せなかった(ラストドラフト=7着、ニシノデイジー=4着)。本番でも善戦止まりで、勝ち負けまではないと見ている。

 GIIIきさらぎ賞(2月3日/京都・芝1800m)を勝ったダノンチェイサー(牡3歳/父ディープインパクト)は、GI NHKマイルC(5月5日/東京・芝1600m)のあと、結果次第ではダービー挑戦という可能性もあるだろうが、いかにも距離が長い、という印象だ。

 惜しいのは、500万下のゆりかもめ賞(2月3日/東京・芝2400m)を圧勝したサトノジェネシス(牡3歳/父ディープインパクト)。番付上位に考えていたが、春は全休するとか。相当な能力の持ち主だったと思うので、本当に残念でならない。

 今年は結局、弥生賞、GIIスプリングS(中山・芝1800m)といった重要な前哨戦から本番に臨む有力馬が1頭もいない。これは昨今の、「強い馬ならトライアル→本番という、いわゆる王道ローテーションにとらわれる必要はない」といった考え方を反映しているように思う。

 何はともあれ、今春の牡馬クラシックは”サートゥルナーリアの1強”。この馬を負かすのは、至難の業だ。

◆安藤勝己(あんどう・かつみ)
1960年3月28日生まれ。愛知県出身。2003年、地方競馬・笠松競馬場から中央競馬(JRA)に移籍。鮮やかな手綱さばきでファンを魅了し、「アンカツ」の愛称で親しまれた。キングカメハメハをはじめ、ダイワメジャー、ダイワスカーレット、ブエナビスタなど、多くの名馬にも騎乗。数々のビッグタイトルを手にした。2013年1月31日、現役を引退。騎手生活通算4464勝、うちJRA通算1111勝(GI=22勝)。現在は競馬評論家として精力的に活動している。
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