重賞データ分析・小林誠

能力ではなく枠番がすべてを決める!/フローラS

■フローラS(G2・東京芝2000m)フルゲート18頭/登録19頭

【特注データ】3行でわかる! レース攻略の糸口
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 オークストライアルとして、そしてよく「荒れる」重賞として知られるフローラS。昨年も13番人気のパイオニアバイオが2着に激走し、1番人気サトノワルキューレが勝ったにもかかわらず高配当決着となっている。フルゲート以上となる19頭がエントリーしてきたが、抜けた存在はまったく見当たらず、何があってもおかしくない雰囲気だ。

 どんなローテからでも突っ込んでくる難解なレースだが、ハッキリしているのが前走1600m以下戦出走組の弱さ。今年はあまり該当馬がいないが、前走で芝1600m以下戦に出走していた馬はトータル[1-1-2-43]で複勝率8.5%、複勝回収値17とかなり成績が悪い。馬券絡みした4頭はすべて人気サイドで、人気薄は買う価値ナシといっても過言ではない。

 ここは人気も穴も、前走芝1800m以上組を狙ったほうが格段に期待できるはず。とくに人気薄を狙う場合には、徹底的にこだわったほうがいい。前走、重賞で差のないレースをしているパッシングスルーや、阪神ジュベナイルF組であるウインゼノビアは相応に人気を集めそうだが、その扱いに関してはかなり慎重を期するべきだろう。

 あとは、東京芝2000mといえばおなじみの「内枠有利」も、しっかり意識したいデータ。混戦模様になればなるほど大きくなるのが、枠番の影響というものだ。特注データ推奨馬としては、プラス評価となった項目が非常に多かったフェアリーポルカの名前をあげた。内枠を引き当てた場合には、ノータイムで本命を打つ所存である。
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【コース総論】東京芝2000m Aコース使用
・コースの要所!
★穴馬の激走が目立つ波乱傾向の強いコース。ふたケタ人気も積極的に買える。
★やはり内枠が有利。真ん中よりも内か外かで、信頼度が大きく異なるコース。
★先行勢も残せるが上のクラスでは差し優勢。上がり最速馬はかなりの好成績。

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 中山芝1600mと並んで、内枠有利の代名詞的存在となっている東京芝2000m。1コーナー奥のポケットからのスタートで、直後に急カーブが待ち受けているのだから、コース形態から考えても当然の話だ。外枠から前のポジションを取りにいこうとすると、それだけでかなり脚を使わされてしまう。外枠を引いた時点で、騎手の取れる選択肢が思いっきり限られてしまうコースといえるだろう。

 そのわりに1番人気の成績は優秀だが、全体でみるとかなり波乱傾向が強い。特筆に値するのが13~15番人気の成績で、トータル[0-2-5-92]で複勝率7.1%と、10~12番人気よりも複勝率が高かったりするのである。馬券に絡んだ馬の14.1%をふたケタ人気が占めるというのは、ハッキリと異常事態。高配当を狙って、かなり大胆な攻め方ができるコースであるのは間違いない。

 次に枠番。前述したように、形態から内枠有利と断言できるコースだ。ファンにそれが知れ渡ってオッズにも織り込まれているのだが、馬番1~4番の単勝適正回収値は100.2、複勝回収値は90と、まだまだ十分な高さ。つまり、ファンが思っている以上に、もっと内枠有利だということである。単純に内外で比較したデータにおいても、内有利の傾向はハッキリと見てとれる。

 最後に脚質面だが、目立っているのが最速上がり馬の好成績。コース全体で見ると先行勢がよく残している印象なのだが、全体でも勝率トップは中団待機組だ。最後の直線が非常に長いコースでもあり、クラスが上がるにつれて差し優勢の傾向が強まってくる。3歳牝馬でこの距離だと速い流れにはならないが、それでも勝つ確率が高いのは、中団から鋭い末脚で差してくる組だろう。


【レース総論】フローラS(G1) 過去10年
・レースの要所!
★3番人気以内馬の信頼度や回収値はなかなか優秀。4番人気以下馬は大混戦。
★コースデータ通りに内枠が有利。人気薄で上位に食い込んだ馬も内ばかり。
★勝ち馬のほとんどが上がり2位以内。差し→先行決着と決め打つのもアリ。
★キャリアは3~4戦がベスト。休養明けや間隔を詰めたローテは大マイナス。

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 レースの平均配当は、単勝997円、馬連1万6154円、3連複5万3987円という猛烈な高さ。馬連平均が万馬券というレースは、かなり珍しい。しかも面白いのが、これでいて「人気馬はけっこう強い」という点。3番人気以内馬はトータル[7-5-4-14]と、高確率で馬券絡みを果たしている。つまり、ヒモがメチャクチャ荒れているのだ。

 実際に人気別成績を見ても、7番人気以下馬の信頼度に差が感じられない。それどころか、7~9番人気よりも10~12番人気よりも、なんと13番人気以下のほうが複勝率が高いのである。人気薄に関しては本当に「なんでもこい」のレースで、どんなパターンからでも突っ込んでくるのが特徴。下手に絞ると立ち直れないほどのダメージを負うケースもありそうなので、とにかく手広く!がセオリーである。

 人気薄を取捨するうえで、もっとも機能するのは「枠番」だろう。コースデータの通りにかなり内枠有利の傾向で、馬番1~6番は複勝率23.7%、複勝回収値191、ギャップ値プラス0.8という超優秀な内容。中枠や外枠よりも人気になっているのは事実だが、それ以上の結果を出しているのだから文句なしだ。9番人気以下に限定したデータでも、真ん中よりも内か外かで露骨なまでの成績差が出ている。

 脚質も、基本的にはコースデータの通り。馬券絡みが多いのは4コーナーを6番手以内で回った先行勢だが、この勝ち馬に関しては完全に差し優勢。4コーナー13番手以下から追い込んで勝った馬が3頭もいる。上がり3F順位の上位馬が好成績である点も、コースデータとまったく同じ。「差し→先行」決着を前提に、馬券を組み立てたい。

 近年はレースを使うことでの消耗を避ける考え方が強まっており、キャリアの浅い素質馬のほうが総じて好成績。ただし、キャリア2戦以下で好走したのは2014年の1着馬サングレアルだけで、それ以外はすべて4着以下に終わっている。キャリアに関しては、3~4戦での出走がベスト。あとは、ここまでに7戦以上を消化している歴戦の猛者も、意外に侮れない面がある。

 最後にローテだが、簡潔にいえば「前走からの間隔が長すぎても短すぎてもダメ」というのが結論。中3~8週の馬がトータル[8-9-7-94]と、馬券絡みした馬のほとんどを占めた。序列をつけるならば「中3~8週>休養明け>連闘~中2週」といったイメージ。あとは、関東馬と関西馬がほぼ互角の成績であるのも覚えておきたい。


【血統総論】
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 けっこう多めになってしまうが、今回は4種牡馬の産駒をプラス評価の対象とした。なかでも注目は、ギャップ値がプラスで信頼度も高いヴィクトワールピサ産駒。勝率こそ低めだが、複勝率38.3%、複勝回収値108という超優秀な内容だ。ディープインパクト産駒の強さはここでも健在で、過剰人気ではあるが信頼度の高さは文句なし。爆発力のあるハービンジャー産駒、スクリーンヒーロー産駒も要注目である。


★フローラS・総論×各論
 枠番がすべてを決めるレース──といっても過言ではないフローラS。ただでさえ内が有利な東京芝2000mで、しかも開幕週。そして、どんぐりの背比べ的な出走メンバー。競走能力「以外」のファクターが大きな影響を持つのも、いわば納得の条件なのだ。今年は500万特別を快勝してきた組が人気の中心となりそうで、実際にレース傾向的にもこの組が上位を争いそうだが、ヒモに何を連れてくるかはサッパリ読めない。

 出走馬や枠番が決まる前段階でのトップ評価は、特注データ推奨馬にあげたフェアリーポルカ。2走前に出走した若駒Sはヴェロックスの3着だったが、ここはそれなりにレベルが高いメンバー構成。次走の君子蘭賞でキッチリ2勝目をあげて、中3週でここに照準を合わせてきた。好位で流れに乗れる競馬センスのいい馬で、1着は取りこぼすかもしれないが、3着以内に入る確率はもっとも高そう。コース替わりも問題ない。

 二番手評価にウィクトーリア。平場500万下を逃げ切ってオープン昇級を果たしたが、相手関係が揃っていたレースを完勝した内容は高く評価できるものだ。逃げて結果を残してきた馬だけに、このコース&この相手でどう乗るかが難しくなるが、能力や適性は十分に通用するはず。ヴィクトワールピサ産駒というのも追い風で、内枠から好スタートを決めてハナを奪えば、そのまま鮮やかに逃げ切ってしまうかもしれない。

 三番手評価に「ド穴」のイノセントミューズ。賞金的に除外される可能性もあるが、出走が叶って「真ん中よりも内」の枠番に入れば、一発が期待できるかもしれない。プラス評価となった項目は意外なほどに多く、ウィクトーリアと同じくヴィクトワールピサ産駒というのもプラス。相手なりに走れるタイプで決め脚もソコソコあるので、内々でうまく立ち回るような競馬ができれば面白い。

 四番手評価にエアジーンで、以下はあまりに混戦であるため、序列をつける意味なし。あえて言うなら「馬番1~9番までに入ったふたケタ人気馬」だろうか。アモレッタ、セラピア、フォークテイルなどのキャリア2戦以下馬は、人気であろうがサクッと「消し」勝負の予定。高配当を狙ってナンボのレースなので、実馬券もダイナミックに振り回していく所存である。






回収率向上大作戦・須田鷹雄

意外な穴馬が来るフローラS

格上よりも上がり目を残した馬を狙ってみたい


 今週はフローラSが行われる。過去10年を見ると、前走でもオープンを走っていた馬の回収率が単17%・複47%と低いのに対し、前走条件戦組は単84%・複140%。回収率だけでなく、勝率や複勝率も条件戦組が上回っている。オープンに挑戦しながら手詰まりの馬と、上がり目を残した馬では後者が優勢ということだろうか。また、ファンの目からは前者のほうが格上と見えやすく、オッズの面でも後者のほうが有利な選択肢になっているのかもしれない。

 さて、前走条件戦組といっても前走新馬組・未勝利組・500万組と3通りある。また、新馬と未勝利は勝ってくる前提だが、500万組は前走で勝っているケースも負けているケースもある。それぞれの成績はどうなっているだろうか。10年ではサンプルが少ないので、フローラS改称後の2001年以降としてみた。

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 前走未勝利組からは1番人気で勝ってきた馬だけを抽出し、500万組は前走着順別に分けた。未勝利組は1番人気で勝ってくることが望ましい一方、500万組は負け組がけっこう穴になることが分かる。負け組で好走しやすいパターンをいろいろ探したが、都合の良い条件は見つからず……逆に言うと前走で人気していた・していなかったはあまり関係なく、距離短縮・延長も参考にならない。わりとノーヒントで来る感じだ。

 今年の登録馬で前走未勝利1番人気1着はセラピア。他に新馬1番人気1着がアモレッタ。500万負け組は8頭で絞れないが、全頭前走1800~2400m・2~5着で似たようなものといえば似たようなもの。我々のように予想の根拠を言わねばならない身とは違って、読者の皆さんは「理由なく買う」ということも可能なわけだから、この組で人気のないほうから順に何頭かヒモ穴で狙ってみるのも一興ではないだろうか。



水上学の血統トレジャーハンティング

【フローラS・展望】今は小さな花だけど

★土曜阪神11R アーリントンC(G3)
◎本命馬 ミッキーブリランテ 4番人気 6着
外目から行きっぷり抜群。直線は大外からイベリスに並びかけたが、そこでいっぱいになってしまった。終始外の距離ロスもあったが、レース後の鞍上のコメントでは馬が行きたがって制御に苦労したとのこと。折り合いを欠いてのガス欠という見解だった。そうであれば、外枠がアダとなったか。壁を作って進めていれば、あるいは…のシーンもあったかもしれない。

$お宝馬 トオヤリトセイト 11番人気 3着
ほぼ想定通りの競馬。直線は馬群に突っ込み、突き抜ける脚色だったが、坂を上ったところで鈍ってしまった。距離はマイルでも問題ないが、坂をこなすパワーが足らなかったか。坂の緩い東京や、直線平坦の京都のマイルなら勝ち切れるのではないか。

★日曜中山11R 皐月賞(G1)
◎本命馬 ダノンキングリー 3番人気 3着
完璧な競馬、持ち前の立ち回りの良さを活かしたが、上位3頭の中で最初に動いた分苦しくなった。それでも勝ち馬と同タイムなら仕方ない。ただ、中山だからできた競馬でもあり、東京での2400mとなるとひと息長いのではないだろうか。

$お宝馬 ファンタジスト 5番人気 13着
少し外から寄られたか、いつもより後ろの位置取り。しかしそこから位置が上がるわけでもなく、また直線伸びるわけでもなく、回ってきただけになってしまった。距離なのか、短期間に2度の東上が響いたのか、即断はできないが、今回は全く走れていないのは確か。

【今週のポイント】
いよいよ春競馬後半戦がスタート。G1戦線も頂点に向かっていく。今週の日曜東京のメインは、オークストライアルのフローラSだ。

今年のメンバーでは、収得賞金1000万台はウインゼノビアだけ。そのウインにしても1200万だから、どの馬もここで権利を取らないと、本番出走は楽観できない。しかも前走重賞掲示板も登録には3頭だけであり、かなりの混戦となるだろう。
まずはオークスに出ることが目的となってしまうと、その後お釣りがなくなって、本番での好走が難しくなってしまうので、よほどのポテンシャルや才能を発揮しないと、大舞台へは繋がらない。むしろ夏以降に開花するケースが多い。その意味では、オークスのみならず、先々を見通す手掛かりにもしたいレースでもある。

去年はディープインパクト産駒サトノワルキューレが勝ったが、意外とディープ産駒は勝ち切れず、そもそも連対まで広げても、近5年ではサトノだけである。今年は同産駒の登録が1頭しかいないが、時計が掛かる、芝の深い開幕週の東京はパワー優先だけに、そうした馬場へ適性のある血筋から、脚の持続力の長い馬を選んでみたい。
なお今のところ、金曜夕方のトレジャーハンティングではオアシスSを、土曜公開分ではもちろんフローラSを取り上げる予定だ。

【次回の狙い馬】
土曜・阪神3R 3着
ティーブルーム
掲示板は全て前残りのレースながら、1頭だけ後方から直線一本で伸びてきた。自らの脚力だけで追い込んでおり、展開不向きでもやれる力がある。上がり2位の馬の上がりを1秒近く上回っているのは大したもので、しかも今回は太目残りでもあった。まともなら次走は届く。

日曜・福島12R 5着
バリングラ
今回は出走取消明けでマイナス12キロ、中間もおそらく万全ではなかったはず。またゴール前の止まり方を見ると、2600mも長すぎた。次走距離を縮めて体重を少し戻したら、場を問わず買いたい。本来はもっと上のクラスでやれる脚がある馬だ。

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