水上学の血統トレジャーハンティング

【オークス・展望】より強く、より速く

★土曜東京11R 京王杯スプリングC(G2)
◎本命馬 ロジクライ 2番人気 3着
全体時計はレコードだったが、前半は1200mならやや遅め、1400mにしたら平均少し速め程度の流れになったことで、この馬でも好位を取ることができた。中盤からは息の入らないラップが続き、ラスト1Fは凌ぎ合いになる中、前半に少し楽が出来た分ジワジワと伸びた。痛かったのは、直線で内を通らされるのを嫌って外目へ出そうとしたときに、外が邪魔で手間取ったこと。あとワンテンポ速く捌けていたら、2着は確実だった。

$お宝 ストーミーシー 11番人気 8着
こちらはいつも通りの後方待機から直線勝負。ただ思ったよりは切れず、さらに後ろにいたスマートオーディンに上がり最速を譲った。ここまで速い馬場だと、1400mでは対応だけで手いっぱいだったか。

★日曜東京11R ヴィクトリアマイル(G1)
◎本命馬 ⑨プリモシーン 4番人気 2着
ほぼ馬群の中団から外目へ早めに出し、直線の仕掛けもドンピシャのタイミング。クビ差まで迫ったところがゴールだった。ノームコアが思った以上にしぶとかっただけ。力は出せた。

$お宝馬 ワントゥワン 16番人気 16着
追い込んでのハマり待ちなので、不発は仕方ないが、上がりを見ると前が止まらなくてということよりも、位置を考えるとこの馬自身の上がり33秒8は伸び足らない。コンディション面の問題もあったか。

【今週のポイント】
桜花賞馬グランアレグリアの回避で、オークスは一転して混戦模様。桜花賞2着シゲルピンクダイヤ、3着クロノジェネシスも展開に左右される面があり、桜花賞に出られなかったラヴズオンリーユーやコントラチェックが、鞍上人気も相まって主役級のポジションを務めることになりそうだ。

桜花賞よりも距離が800m延びる分、多少はスタミナが求められるが、もし良馬場のままなら東京は超高速で、桜花賞よりも軽い馬場で争われることになる。速さもより高い次元で求められそうだ。あとは直線で内を避けている騎手が多く、どこを通れるか、枠はどこを引くかも大きな分かれ目となるだろう。
また今日火曜現在の天気予報を見ると、日曜の天気は微妙なことになりそう。馬場状態が高速のままでいけるかどうかの判断も難しいところだ。

水曜夕方更新予定の「血統プロファイリング」では、スピードの持続力を例年以上に上位に置いて判定を下したい。そしてもし雨がかなり降って馬場が悪化した場合の加点減点ポイントも付記するつもりなので、ぜひ参考にしていただきたい。

【次回の狙い馬】
土曜・京都6R 3着
ヒンドゥタイムズ
次は人気必至で、ここで推すのも憚られるのだが、先々含めての狙いという意味で挙げておく。終始3番手から直線前を窺うも、伸びあぐねたのはいかにも休み明けという感じだった。次は間違いなく反応が変わるはず。古馬相手でも問題なし。能力自体はオープン級だ。

日曜・東京5R 4着
シセイタイガ
脚をタメて後方待機、直線は内へ入ってグングン押し上げた。通ったところと前残りの展開を考えると上出来。もう少し出していっても大丈夫なので、次走古馬混合となるが東京6月16日の同距離、あるいは22日のマイルに延ばしてきてもいいかもしれない。





回収率向上大作戦・須田鷹雄

桜花賞馬不在+別路線組上位人気のオークス

過去4回の傾向から手がかりを探ってみたい


 今年のオークスは桜花賞馬グランアレグリア不在が確定済み。さらに1番人気がコントラチェックかラヴズオンリーユーといった非桜花賞組になる可能性もある。後者についてはクロノジェネシスが1番人気になって阻止するかもしれないが、可能性としては否定できないだろう。

 まずは桜花賞馬不在についてだが、グレード制導入(1984年)以降だと、2002年、2005年、2007年、2016年がそれにあたる。

 アローキャリー不在の2002年は桜花賞6着のスマイルトゥモローがオークス優勝。同7着のチャペルコンサートが2着、忘れな草賞勝ちのユウキャラットが3着に入った。

 2005年は桜花賞2着のシーザリオが優勝。2着は桜花賞4着のエアメサイア、3着はフローラS勝ちのディアデラノビア。

 2007年は桜花賞馬ダイワスカーレットだけでなく同2着のウオッカも不在。オークス優勝は桜花賞4着のローブデコルテ。2着にフローラS勝ちのベッラレイア、3着にスイートピーS2着のラブカーナ。

 2016年は桜花賞2着のシンハライトが優勝。フローラS勝ちのチェッキーノ2着、フローラS5着のビッシュが3着。

 こうして見ると、桜花賞馬を失ってもなお桜花賞組はそれなりに強く、1着候補は桜花賞組から探してもよさそう。なにぶん該当例が少ないので別路線組の買うべき馬については判断が難しいが、今年人気の盲点になっているフローラS組は過去の例からも重視すべきではないだろうか。

 もうひとつ注目したいのが、ラブカーナやビッシュのような、通常だと買えないような馬が3着に来ていることだ。「例年なら打たない△」をひとつふたつ打ちたいようにも思う。

 非桜花賞組が上位人気になることについてはどうだろうか。過去20年に限定して(それ以前はローテーションのあり方がだいぶ違うので)「桜花賞不走だった1~3番人気馬」の成績を調べると[2-2-4-12]で回収率は単67%・複81%。まあ、普通といえば普通の回収率だ。別路線組なのに上位人気という時点で過小評価になっていることは考えづらく、このパターンそのものにうまみはない。

 ちなみに勝った2頭、ミッキークイーンとカワカミプリンセスはともにオークス3番人気。今年の候補2頭についても、人気が盛り上がり過ぎたら逆に消し、3番人気に落ち着くくらいが逆に歓迎、という感じで見ておけばいいのではないだろうか。




達眼

【オークス】クロノ100点!バランス良く姉と違う魅力
 今週は妹の番だ。姉に続くヒロインの座が見えた。鈴木康弘元調教師(75)がG1有力候補の馬体を診断する「達眼」。第80回オークス(19日、東京)ではクロノジェネシスに唯一の満点をつけた。達眼が捉えたのはヴィクトリアマイルを制したノームコアの妹らしい成長力と、姉よりも機能性に優れた中長距離体形。有力馬の立ち姿を著名なきょうだいアスリートになぞらえながら解説する。

 兄弟は他人の始まりといいます。姉は菅笠(すげがさ)、妹は日傘とのことわざもあります。血を分けた兄弟姉妹でも境遇によって他人のような違いが生じるという意味。馬にもそのまま当てはまります。父親(種牡馬)が異なる半兄弟、半姉妹ならなおさらです。農作業時にかぶる菅の葉で編んだ菅笠と、貴人の外出時に供の者が後ろからさしかける日傘ぐらいの隔たりが生じる。

 ヴィクトリアマイルを制した半姉ノームコアとオークスに挑む半妹クロノジェネシス。どちらも芦毛ですが、体重(姉460キロ前後、妹430キロ前後)が違えば、体形はもっと異なります。ハービンジャー産駒の姉は後肢(トモ)や胸前のボリュームが際立つマイラー型。バゴ産駒の妹は姉ほどのボリュームがない半面、それらの部位が無駄なく機能的にリンクしています。首抜けがいい、少しスリムな中長距離型の体形。アスリートになぞらえれば、フィギュアスケートの浅田姉妹でしょうか。ふくよかな姉の舞と引き締まった妹の真央さん。どちらも魅力的ですが、美しさの種類が違う。ノームコアが造形美なら、クロノジェネシスは機能美。東京2400メートルはその機能性を生かすのにふさわしい舞台です。

 小さくても非常に弾力に富んだ筋肉をバランス良く身につけているのが妹の特長。疲労がたまりづらい柔らかそうな筋肉です。目を見張るほどの成長力もある。桜花賞時には「トモの筋肉量が足りない」と注文をつけましたが、診断記事を読める馬なのか、1カ月半でトモが丸みを帯びてきました。リクエスト通りに筋肉量を増やしてきたのです。

 気性の成長もうかがえます。過去の2回のG1時よりも頭を起こした理想的な立ち方。顔つきもりりしくなった。目、耳、鼻を前方の一点に集中しながら力みが全くない。毛ヅヤはあり得ないほど良くなった。芦毛でここまで被毛を輝かせる馬などまずいない。過去最高の出来栄えです。浅田真央さんが女子SPで世界歴代最高の78・66点をマークした14年世界選手権のように…。

 姉ノームコアは4歳春に体のボリュームを増やして女子マイル界の頂点に駆け上がりました。姉妹の共通点を探せば、瞠(どう)目すべき成長力。一門に名牝フサイチエアデールなどがいる牝系血統のなせるわざか。それとも母の父クロフネの成長力か。芦毛の黒船の影響を受ける芦毛の姉妹船。舞の次は真央さんが府中のリンクで頂点に立つ番です。(NHK解説者)


【オークス】ラヴズオンリーユー95点 兄以上の筋肉質
 血は水よりも濃いといいます。ライバルを圧倒する筋骨隆々とした肩の筋肉と素晴らしいバランス。ラヴズオンリーユーの体つきはG1馬の全兄リアルスティール(16年ドバイターフ)にとてもよく似ています。男女差があるので筋肉量は兄にかないませんが、その代わり筋肉の質は兄以上。非常に繊細で柔軟です。
 兄より秀でた部分は他にもある。トモの深さ、肩の傾斜の滑らかさ、キ甲から背中、トモにかけての流れるような美しいボディーライン。兄以上に伸びやかなフットワークを生み出す各部位の角度です。ただ、腹周りは寂しい。ボリューム不足で若い牝馬らしい非力さが目立つ。兄さんの立派な腹袋を少し分けてほしいところです。

 この兄妹をアスリートになぞらえれば、ハンマー投げの室伏兄妹。アテネ五輪ゴールドメダリストの広治さんを兄に持つ由佳さんも日本記録を樹立したほどの筋力の持ち主です。ハンマー投げもできそうな発達した肩を持つラヴズオンリーユー。兄のG1制覇を受け17年セレクトセールで1億7280万円の高値がつきました。そのアカ抜けた体つきは高額馬にふさわしい。兄よりも少し胴長のシャープな体形は2400メートルの樫の女王にふさわしいかもしれません。

 立ち姿には子供っぽさが残っています。白眼でカメラマンの様子をうかがいながら、蹄の後部が浮くほど左トモを伸ばして立っています。それでも、うるさい面はないのでしょう。ハミも着けずにモグシ(簡易頭絡)だけで撮影に臨みました。毛ヅヤは良好。デビュー3連勝した反動も見当たりません。
 兄弟は他人の始まりといいますが、この兄妹の血は水よりも濃い。室伏兄妹のような足跡をターフに残していくかもしれません。


【オークス】シェーングランツ90点 姉を越える上昇度
 幼くても姉を超えるスケール。シェーングランツは一昨年のオークスを制した半姉ソウルスターリング以上に柔軟な筋肉を持っています。ガチッとまとまった体つきで遊びがなかった姉に比べて、こちらはゆとりがある。父がフランケルからディープインパクトに代わった影響でしょう。姉以上に2400メートルに適した体形です。
 ただし、完成度の高さでは同時期の姉にとてもかなわない。心身ともまだ幼い。キ甲は未完成。立ち姿は3歳春までいつも同じ姿勢を保っていた姉と真逆。全く安定せずに、いつも違う姿勢です。姉が2歳女王の座も射止めた早咲きなら、妹は遅咲き。桜花賞時には硬く閉じていた素質のつぼみが1カ月半で膨らんでいます。腹周りがフックラしてきました。ハミの受け方が穏やかになってきました。短期間で急激な成長曲線を描く心身。毛ヅヤも断然良くなった。

 アスリートならレスリング五輪メダリストの伊調姉妹。世界ジュニア選手権を制した姉の千春さんを上回る成長ぶりで五輪4連覇を達成した妹・馨になぞらえるのは買いかぶり過ぎでしょうか。ともあれ、桜花賞からの成長度は絶大です。


【オークス】ビーチサンバ90点 伸びしろ十分び余裕あり
 上昇度ではビーチサンバが一番。トモや肩の筋肉には桜花賞時に見られなかった血管がうっすら浮き出ています。背、ヒ腹、尻には銭形の斑点も出ている。銭形模様が絶好調の証かどうかは定かでありませんが、皮膚が薄くて、新陳代謝がとてもいいのは間違いない。体のつくりにゆとりがあるため2400メートルも大丈夫です。キ甲はまだ抜けていないが、十分に容積があります。将来は大きく抜けるはず。伸びしろたっぷりです。口元は半開き。ハミを舌で転がして遊んでいるようです。それだけ余裕があるのでしょう。クロノジェネシスの同族。全兄フサイチリシャール(朝日杯FS)に続くG1獲りのチャンスです。


【オークス】コントラチェック85点 姉より目つき穏やか
 コントラチェックは半姉バウンスシャッセ(オークス3着)の蹄跡を追いかけるようにフラワーCでデビュー3勝目を挙げました。姉同様に腹下が長くて余裕のあるつくり。中長距離型の体形です。腹袋もしっかりあって、フックラと丸みを帯びている。父がゼンノロブロイからディープインパクトに代わっても同じ距離適性を感じさせる姉妹です。
 妹の立ち姿は古馬みたいです。とても大人びた立ち方をする。耳をしっかり立てながら、ハミ受けには余裕がある。目つきは穏やか。体に力みは全くありません。平昌五輪でそろって金メダルを獲得したスピードスケートの高木姉妹。キリリとした顔立ちの姉・菜那よりも穏やかでほんわか顔の妹・美帆に例えておきます。皮膚が少し厚く映りますが、毛ヅヤは良好。オークスで姉超えとなるか。


【オークス】ダノンファンタジー85点 ゆったり落ち着き
 ボディーコンテストに出場すれば、ダノンファンタジーがグランプリに輝くでしょう。背中からトモにかけての美しいボディーライン。絶妙な肩の傾斜。毛ヅヤもまぶしく輝いています。ただ、距離が延びていい体形ではありません。首が少し短く、胴も詰まり気味のマイラー型です。立ち姿からはゆったりとした落ち着きがうかがえる。たるませた引き手を穏やかに受けて、とてもリラックスしています。マイラー体形でもこの精神状態を保てれば2400メートルはこなせます。


【オークス】エールヴォア85点 ハミなし涼しい目
 馬体の成長、落ち着いた立ち姿、2400メートルの距離適性と3拍子そろったのがエールヴォアです。桜花賞時に筋肉不足と指摘したトモが丸みを帯びています。桜花賞時には頭を上げ、きつい目でリングバミをかみしめていましたが、今回はハミを着けず、涼しい目で正しい姿勢をとっています。雄大で胴長の体形。距離延長もプラスです。ただ、飛節は小さめで、皮膚が少し厚めに映る。


【オークス】アクアミラビリス75点 背中から腰にゆとり
 耳を少し開き気味にして、鼻をとがらせながら白眼を見せています。不安定な立ち姿。桜花賞時よりもフックラした腹周りには好感が持てます。エリザベス女王杯を制した半姉クイーンズリング(オークスは9着)ほどではないが、背中から腰にかけてゆとりがある。距離延長も問題ない体形です。


【オークス】シゲルピンクダイヤ75点 力み取れて立ち姿正常に
 前走の桜花賞時、首と背中に見えた銭形の斑点は今回も浮かんでいます。引き続き状態はいいのでしょう。立ち姿は力み返っていた前走時に比べてマシになった。相変わらず白目をむいていますが、姿勢は正常。膝下のつくりが硬めですが、2400メートルにも対応できる体形です。


【オークス】カレンブーケドール75点 食欲旺盛で腹袋頼もし
 牝馬らしからぬアゴっぱり。食欲旺盛なのでしょう。腹袋も十分にあって頼もしい。距離も問題なさそうな体形。肩は少し立ち気味ですが、立派な筋肉をつけています。その半面、トモのボリュームが少し物足りない。チェーンをかみながら、きつい目を向けています。


【オークス】ウィクトーリア75点 ハミの受け方がいい
 小さな膝の下が少し長いわりに管囲は細め。両前のつなぎは遊びがなく、立ちすぎ。下半身は少々気になりますが、上半身はゆったりとしたつくりです。ハミの受け方がいいし、2400メートルもこなせそうです。手入れの行き届いた姿にも好感が持てる。秋華賞を制した母ブラックエンブレムのオークス成績(4着)を上回るか。


【オークス】シャドウディーヴァ75点 もっとどっしり立って
 牝馬のわりにヒ腹に十分な張りがあります。首もボリューム感たっぷり。それでいて胴長の体形なので距離はもつでしょう。ただ、立ち方は遠慮がちです。立派な腹を持っているのだから、もっとどっしりと立ってほしい。毛ヅヤももう少し欲しい。
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