データde出~た

第1318回 桜花賞馬不在となるオークスを分析する

ヴィクトリアマイルで1分30秒5という驚異のレコードが飛び出した東京競馬は今週、牝馬クラシック2冠目のオークスが行われる。牝馬限定戦としては最長の芝2400mで施行され、桜花賞から800mも距離が延びるところにこのレースの難しさと面白さがある。今年は桜花賞馬のグランアレグリアが不在。今回は2009年以降・過去10年のデータならびに2000年以降で桜花賞馬不在だったオークス計4回の結果から馬券での狙いどころを探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。


■表1 オークスの人気別成績(過去10年)
人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1番人気  5- 2- 1- 2/ 10 50.0% 70.0% 80.0% 96% 106%
2番人気  1- 3- 3- 3/ 10 10.0% 40.0% 70.0% 98% 102%

3番人気  2- 0- 1- 7/ 10 20.0% 20.0% 30.0% 124% 68%
4番人気  0- 1- 1- 8/ 10 0.0% 10.0% 20.0% 0% 49%
5番人気  1- 1- 1- 7/ 10 10.0% 20.0% 30.0% 38% 85%
6番人気  0- 1- 1- 8/ 10 0.0% 10.0% 20.0% 0% 65%
7番人気  1- 0- 0- 9/ 10 10.0% 10.0% 10.0% 372% 80%
8番人気  0- 1- 1- 8/ 10 0.0% 10.0% 20.0% 0% 123%
9番人気  1- 0- 1- 8/ 10 10.0% 10.0% 20.0% 285% 127%
10番人気以下0- 0- 0- 87/ 87 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

まず表1は過去10年の人気別成績。1番人気馬は昨年のアーモンドアイら近3年続けて勝利し、最多の5勝をあげている。連対率70%・複勝率80%と高く、複勝回収率でも100%を超えている。2番人気馬は14年ヌーヴォレコルトの1勝のみだが、複勝率は1番人気馬に次ぐ70%。こちらも複勝回収率は100%を超えている。これら1・2番人気馬で過去10年の3着以内馬30頭中、半数の15頭を占めている。

以下、3番人気馬が2勝、5・7・9番人気馬が1勝ずつ。9番人気馬の勝利は13年メイショウマンボ。2着馬は8番人気以内、3着馬も9番人気以内にすべておさまっており、10番人気以下の激走はなかった。特に近5年の3着以内馬はすべて上位6番人気以内で、堅めの決着が続いている。


■表2 オークスの脚質別・上がり3F順位別成績(過去10年)
脚質 上り 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
逃げ   0- 1- 0- 9/ 10 0.0% 10.0% 10.0% 0%7 8%
先行   1- 2- 1- 32/ 36 2.8% 8.3% 11.1% 6%2 6%
差し   7- 4- 9- 64/ 84 8.3% 13.1% 23.8% 107% 67%
追い込み 3- 2- 0- 42/ 47 6.4% 10.6% 10.6% 19% 14%

3F 1位  7- 3- 2- 1/ 13 53.8% 76.9% 92.3% 370% 189%
3F 2位  1- 2- 1- 6/ 10 10.0% 30.0% 40.0% 38% 73%
3F 3位  2- 2- 2- 3/ 9  22.2% 44.4% 66.7% 135% 135%

3F ~5位 1- 1- 2- 17/ 21 4.8% 9.5% 19.0% 177% 72%
3F 6位以下0- 1- 3-120/124 0.0% 0.8% 3.2% 0% 17%

表2はオークスの脚質別と上がり3ハロン順位別成績。脚質別では勝ち馬11頭(10年はアパパネとサンテミリオンが1着同着)中10頭は中団・後方からの差し、追い込み馬が占めている。特に中団からの差し馬は昨年のアーモンドアイら過半数の7勝。逆に逃げ、先行馬は一昨年ソウルスターリングの1勝のみで、3着以内数も少ない。ほとんどの出走馬にとって未体験の芝2400mという距離では、道中で脚を溜めた差し・追い込み組の方が好走しやすいのだろう。

上がり3ハロン順位別では、上がり1位の馬が昨年のアーモンドアイら7勝。勝率・連対率・複勝率いずれも非常に高い。馬券圏外だったのは一昨年ディアドラの4着だけで、「どの馬が上がり最速をマークできるか」と探すことがオークス攻略の大きなポイントだ。上がり2位は好走率が下がるものの、上がり3位は連対率・複勝率ともに高い。上がり上位の脚を使える馬が好走しやすい一戦だ。


■表3 オークスのキャリア別成績(過去10年)
キャリア 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
2戦  0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
3戦  0- 1- 1- 8/ 10 0.0% 10.0% 20.0% 0% 46%
4戦  4- 3- 3- 23/ 33 12.1% 21.2% 30.3% 43% 65%
5戦  4- 4- 2- 23/ 33 12.1% 24.2% 30.3% 58% 51%

6戦  2- 0- 1- 30/ 33 6.1% 6.1% 9.1% 92% 35%
7戦  0- 1- 3- 25/ 29 0.0% 3.4% 13.8% 0% 61%
8戦  1- 0- 0- 13/ 14 7.1% 7.1% 7.1% 265% 57%
9戦以上0- 0- 0- 21/ 21 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表3はキャリア別成績。黄色で強調した4戦・5戦の馬がそれぞれ4勝をあげ、複勝率30.3%のトップタイで並んでいる。近5年で見ても勝ち馬はすべて4戦・5戦の馬から出ており、3着以内馬は計13頭と大半を占めている。他では6戦の馬が2勝、8戦の馬が1勝。3戦の馬は勝ち星こそないものの、複勝率は4・5戦の馬に次ぐ20%と高い。


■表4 オークスの前走レース別成績(過去10年)
前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
桜花賞    8- 5- 5-59/77 10.4% 16.9% 23.4% 69% 45%
忘れな草賞  2- 0- 0- 8/10 20.0% 20.0% 20.0% 440% 101%
フローラS  1- 4- 4-35/44 2.3% 11.4% 20.5% 8% 74%
皐月賞    0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 270%
スイートピーS0- 0- 0-22/22 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
その他のレース0- 0- 0-23/23 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表4は前走レース別成績。出走数が抜けて多い桜花賞組が昨年のアーモンドアイら大半の8勝をあげている。昨年は上位3着までを独占し、毎年1頭は3着以内に入っている。

桜花賞組に勝ち星で続くのが忘れな草賞組で11年エリンコート、15年ミッキークイーンと2勝をあげている。エリンコートは前走を含めて2連勝中。ミッキークイーンは2走前のクイーンCでタイム差なしの2着に入り、前走を勝ってオークスへと臨んでいた。勢いがある忘れな草賞勝ち馬の一発には注意しておきたい。

トライアルのフローラS組は10年サンテミリオンの1勝のみだが、2・3着が4回ずつと多く、複勝率では桜花賞組に迫っている。なお、スイートピーS組からは3着以内馬が出ておらず、不振傾向にある。


■表5 桜花賞組の前走着順別成績(過去10年)
前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
前走1着  4- 1- 0- 4/ 9 44.4% 55.6% 55.6% 120% 78%
前走2着  1- 2- 3- 3/ 9 11.1% 33.3% 66.7% 22% 106%
前走3着  2- 1- 1- 5/ 9 22.2% 33.3% 44.4% 135% 85%

前走4着  0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走5着  0- 0- 0- 6/ 6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走6~9着0- 1- 0-15/16 0.0% 6.3% 6.3% 0% 10%
前走10着以下1- 0- 1-22/24 4.2% 4.2% 8.3% 118% 37%

表5は桜花賞組の前走着順別成績。前走1着馬が昨年のアーモンドアイら最多の4勝をあげているが、今年は桜花賞馬グランアレグリアが出走しない。前走2着馬は16年シンハライトの1勝のみだが、複勝率では前走1着馬を上回ってトップだ。複勝回収率でも100%を超えている。また、前走3着馬は一昨年のソウルスターリングら2勝をあげている。

なお、前走4・5着馬の好走はなく、前走6着以下から勝利したのは13年メイショウマンボのみ。前走6着以下から好走した3頭はいずれも過去に重賞での勝利経験があった。


■表6 フローラS組の前走着順別成績(過去10年)
前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
前走1着  1- 2- 1- 6/10 10.0% 30.0% 40.0% 38% 90%
前走2着  0- 1- 2- 5/ 8 0.0% 12.5% 37.5% 0% 158%

前走3着  0- 1- 0- 8/ 9 0.0% 11.1% 11.1% 0% 86%
前走4着  0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走5着  0- 0- 1- 3/ 4 0.0% 0.0% 25.0% 0% 80%
前走6~9着0- 0- 0- 6/ 6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走10着以下0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表6はフローラS組の前走着順別成績。前走1着馬は10年サンテミリオンが勝利しており、連対率30.0%・複勝率40.0%と高い。3着以内馬4頭中3頭は前走フローラSで上位3番人気以内に支持されていた。

前走2着馬も複勝率37.5%と高く、3着以内に好走した3頭はいずれも前走で上位4番人気以内だった。フローラS組は前走上位人気で連対した馬に注意しておきたい。


■表7 オークスの種牡馬別成績(過去10年)
種牡馬着別度数勝率連対率複勝率単勝回収率複勝回収率
ディープインパクト 3- 3- 3-22/31 9.7% 19.4% 29.0% 46% 58%
前走1着  2- 1- 1- 9/13 15.4% 23.1% 30.8% 95% 51%
前走2着  1- 2- 1- 1/ 5 20.0% 60.0% 80.0% 40% 164%

前走3着以下0- 0- 1-12/ 13 0.0% 0.0% 7.7% 0% 24%

キングカメハメハ  1- 1- 0-10/12 8.3% 16.7% 16.7% 17%2 5%
ゼンノロブロイ   1- 0- 2- 8/11 9.1% 9.1% 27.3% 34%9 0%
ハーツクライ    1- 0- 1-11/13 7.7% 7.7% 15.4% 75% 26%
スペシャルウィーク 1- 0- 0- 5/ 6 16.7% 16.7%1 6.7% 23% 18%
デュランダル    1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 1860% 400%
ロードカナロア   1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 170% 110%
スズカマンボ    1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 2850% 710%
Frankel       1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 240% 130%
マンハッタンカフェ 0- 2- 0- 5/ 7 0.0% 28.6% 28.6% 0% 42%
ハービンジャー   0- 1- 0- 4/ 5 0.0% 20.0% 20.0% 0% 70%
ルーラーシップ   0- 1- 0- 3/ 4 0.0% 25.0% 25.0% 0% 50%
Monsun       0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 780%
その他の種牡馬   0- 0- 4-78/82 0.0% 0.0% 4.9% 0% 13%

表7は種牡馬別成績。出走数最多のディープインパクト産駒は16年シンハライトら3勝をあげ、連対率19.4%・複勝率29.0%。同産駒は前走着順別成績も表示したが、3着以内馬9頭中8頭は前走で連対を果たしていた

ディープインパクト産駒以外はキングカメハメハ産駒以下が1勝ずつをあげている。キングカメハメハ産駒は10年アパパネの1勝のみだが、キングカメハメハ後継種牡馬のロードカナロアとルーラーシップの産駒が昨年は1・2着を占めている。


■表8 桜花賞馬が出走しなかったオークスの3着以内馬一覧(2000年以降)
開催年 着順 人気 馬名 前走成績
2016
1 1 シンハライト 桜花賞 2着
2 2 チェッキーノ フローラS 1着
3 5 ビッシュ   フローラS 5着
2007
1 5 ローブデコルテ 桜花賞 4着
2 1 ベッラレイア  フローラS 1着
3 8 ラブカーナ   スイートピーS 2着
2005
1 1 シーザリオ    桜花賞 2着
2 2 エアメサイア   桜花賞 4着
3 3 ディアデラノビア フローラS 1着
2002
1 4 スマイルトゥモロー 桜花賞 6着
2 12 チャペルコンサート 桜花賞 7着
3 2 ユウキャラット   忘れな草賞 1着

最後に表8は、2000年以降で桜花賞馬が出走しなかったオークスの3着以内馬一覧。16年を含めて計4回あるが、勝ち馬はすべて前走桜花賞組となっている。勝ち馬4頭はいずれも前走の桜花賞で上がり3ハロン3位以内の脚を使っていた。

また、2・3着には前走フローラSもしくは忘れな草賞の1着馬が入っている点にも注目しておきたい。


<結論>
■表9 今年のオークスの出走予定馬(5/15現在)

馬名 キャリア 前走成績
ウィクトーリア  5戦フローラS 1着
カレンブーケドール5戦スイートピーS 1着
クロノジェネシス 5戦桜花賞 3着
シゲルピンクダイヤ4戦桜花賞 2着
シャドウディーヴァ6戦フローラS 2着
ダノンファンタジー6戦桜花賞 4着
ビーチサンバ   5戦桜花賞 5着
ノーワン     7戦桜花賞 11着
コントラチェック 5戦フラワーC 1着
メイショウショウブ7戦ニュージーランドT 2着
フィリアプーラ  4戦桜花賞 15着
ラヴズオンリーユー3戦忘れな草賞 1着
シェーングランツ 6戦桜花賞 9着
アクアミラビリス 4戦桜花賞 13着
エールヴォア   6戦桜花賞 7着
ウインゼノビア  6戦フローラS 7着

アイリスフィール 3戦デイジー賞 1着
エアジーン    4戦フローラS 10着
グラディーヴァ  3戦矢車賞 1着
ジョディー    8戦フローラS 3着
フェアリーポルカ 4戦フローラS 5着
メイショウアステカ3戦500万下 1着
ルタンブル    7戦忘れな草賞 2着

※フルゲート18頭。ルタンブルは除外対象。
アイリスフィールからメイショウアステカは抽選対象。
 
今年の出走予定馬は表9の通り。
1番人気馬は予測が難しいものの、前走フラワーCを逃げ切ったコントラチェック、前走桜花賞3着でクイーンC勝ちがあるクロノジェネシス、前走忘れな草賞を勝利して3戦3勝と底を見せていないラヴズオンリーユーのいずれかだろう。

これまでのデータからこの3頭の中ではコントラチェックの評価を下げておきたい。オークスでは分が悪い逃げ・先行タイプで、芝1800mまでの経験しかなく、初めての東京コースというのも割引材料だ。目下絶好調のレーン騎手が騎乗予定で、実力以上に人気が先行することも十分考えられる。

クロノジェネシスは前走桜花賞で上がり2位タイの末脚で3着に入っている。東京コースは2戦2勝と相性が良く、当然1着候補だ。ラヴズオンリーユーは3連勝中と勢いがある忘れな草賞勝ち馬で、ディープインパクト産駒の好走傾向にも当てはまる。ただ、オークスでの勝ち星がないキャリア3戦馬という点で、クロノジェネシスより下としておきたい。

データから推奨したいのが前走桜花賞2着のシゲルピンクダイヤ。桜花賞ではスタートで後手を踏んだものの、道中後方から上がり最速となる32秒7の脚で一気に追い込んだ。複勝率が高い桜花賞2着馬で、キャリア4戦も強調材料。懸念されるのは長距離適性に不安があるダイワメジャー産駒ということだろうが、末脚を温存できるタイプだけに問題ないと見る。種牡馬で人気が下がるなら逆に妙味がありそうだ。

他では前走フローラS勝ちのウィクトーリアにも注目。表8で示した桜花賞馬不在の年にフローラS1着馬が好走するケースに当てはまる。穴で桜花賞上がり2位タイだったエールヴォアとともに連下でマークしておきたい。



栗山求コラム「血統の裏庭」

オークス(G1)血統的考察

​ 先週のヴィクトリアマイル(G1)は、
中団からしぶとく伸びたノームコア(5番人気)が
◎プリモシーン(4番人気)の追撃をクビ差抑えて優勝、
G1初制覇を達成した。

ハービンジャー産駒のG1タイトルは5つめで、
すべて3~5番人気という伏兵。

G1レースともなれば
ディープインパクト産駒やキングカメハメハ系の有力馬が人気になるケースが多く、
ハービンジャー産駒は穴馬の1頭という扱いが多くなるが、
それでも地道にタイトルを積み上げているのは立派だ。


さて、今週はオークス(G1・芝2400m)。

昨年は桜花賞馬アーモンドアイが
距離不安説を吹き飛ばして二冠を制覇(のちに三冠制覇)。

「115」というレーティングは過去最高だった。

桜花賞ですでに「115」を獲得しており、
この数値も過去最高だった。


今年の桜花賞はグランアレグリアが快勝。

レーティングはアーモンドアイと並ぶ「115」。

もしここに出走してくれば重い印が並んでいただろう。

残念ながらNHKマイルC(G1)に回り、
5着(4位入線)に敗れた。

桜花賞で敗れた馬たちは、
2着シゲルピンクダイヤ、
3着クロノジェネシス、
4着ダノンファンタジーが「110」で並んでいる。

この数字は14年以降の桜花賞優勝馬(112~113)よりも下で、
オークスを争う有力馬としては決して高いものではない。


一気に800m距離が延びるオークスに舞台が替わり、
桜花賞馬グランアレグリアも参戦しないため、
昨年以来大きく変化することがなかった3歳牝馬戦線の勢力図がぼやけてきた。

押し出されるように人気に推される馬は出てくるだろうが、
数字の裏付けが伴っているわけではないので、
信頼性は意外に乏しいかもしれない。

伏兵の台頭も十分考えられる。


【コントラチェック】

コントラチェックはフラワーC(G3)からの参戦。

桜花賞には出走せず、ここ一本に絞って調整してきた。

フラワーCの内容は優秀で、
翌日のスプリングSよりも上ではないかと思われる。

1000mの通過はフラワーCが60秒5で、
スプリングSよりも0秒5遅かったにもかかわらず、
勝ち時計はフラワーCが0秒4速かった。

コントラチェックが一介の逃げ馬ではなく、
ラストの脚も非凡なものを持っていることが分かる。


「ディープインパクト×ホーリング」という組み合わせで、
京王杯スプリングC(G2)を
レコード勝ちしたムーンクエイク(父アドマイヤムーン)の半妹、
重賞を3勝したバウンスシャッセ(父ゼンノロブロイ)の4分の3妹にあたる良血。

母の父ホーリングは
欧州10ハロン路線で名を挙げた名中距離馬で、
英インターナショナルS、
エクリプスS(それぞれ2回)を含め英仏で5つのG1を制覇した。

気のいいタイプで、
逃げるか2~3番手につけて勝負どころでスパートして押し切るという、
弾丸をイメージさせるような馬だった。

本馬とその兄弟にはそうした特徴がよく表れている。


先に行って粘り強い脚質だけに、
中山芝コースにおける兄弟姉妹の成績は抜群。

連対率は61.9%に達する。

東京コースでもそれなりに走ってはいるものの、
連対率25.8%なので中山ほどの信頼性はない。

とはいえ、4分の3姉バウンスシャッセは、
フラワーCを勝ったあと皐月賞(G1)に挑戦して11着と惨敗したものの、
続くオークスではヌーヴォレコルトからクビ、クビ差の3着と健闘した。

コース替わりは大きな減点材料とはならない。


母方にフェアリーキングを持つディープインパクト産駒はニックスで、
ハープスター(阪神JF、桜花賞)、
ジュールポレール(ヴィクトリアマイル)など多くの活躍馬が出ており、
前者はオークスでクビ差2着という成績がある。

オーバーペースにならないかぎり距離面に問題はないので、
あとはレーン騎手の手綱さばき次第だろう。


【クロノジェネシス】

クロノジェネシスは桜花賞3着馬。

昨年暮れの阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)では2着と、
3歳牝馬戦線で一貫してトップクラスを歩んできた。

「バゴ×クロフネ」という組み合わせで、
ノームコア(ヴィクトリアマイル)、
ハピネスダンサー(マーメイドS-5着)などの半妹。

母クロノロジストは現役時代2戦1勝。

2代母インディスユニゾンは名牝フサイチエアデール(重賞4勝)の全妹にあたる。

クロノロジストは繁殖牝馬として優秀で、
これまでJRAで走った8頭中7頭が勝ち上がり、
上記のノームコアがG1を勝っている。


父バゴは凱旋門賞馬で、
ビッグウィーク(菊花賞)、
クリスマス(函館2歳S)、
オウケンサクラ(フラワーC)、
タガノアザガル(ファルコンS)、
コマノインパルス(京成杯)などの父。

決め手の甘さが見られるバゴ産駒のなかで本馬は例外的な存在で、
楽勝だったデビュー戦を除けば、
上がり3ハロンは32秒5、33秒9、33秒1、32秒9と鋭い切れ味を発揮している。

ミスタープロスペクター4×4、ヘイロー5×4で、
スピード豊かなファミリーに属しており、
父が凱旋門賞馬とはいえ2400m向きではない。

1600~2000mがベストだろう。

この時季の3歳牝馬は、
距離適性よりも絶対能力がモノをいうケースが多々見られるので、
争覇圏内の一頭であるのは間違いない。


【ラヴズオンリーユー】

「ディープインパクト×ストームキャット」という組み合わせで、
リアルスティール(ドバイターフ、毎日王冠、共同通信杯)の全妹にあたる良血。

ここまで3戦全勝ですべて楽勝。

さほど強い相手と戦っていないのは事実だが、
血統の素晴らしさと底を見せていない魅力は大きい。


「ディープインパクト×ストームキャット」は定番のニックスで、
全兄リアルスティールの他に、
キズナ、エイシンヒカリ、
ラキシス、サトノアラジン、アユサンなど多くの一流馬を出しており、
昨年のフランスダービー(G1・芝2100m)を勝ったスタディオブマンも
この組み合わせから誕生している。

それどころかスタディオブマンとラヴズオンリーユーは
血統構成の8分の7まで同じ。

血統的な底力に期待できる。

キズナは今回と同じ東京芝2400mの日本ダービーを制覇している。


血統面は申し分なく、
ディープインパクト産駒らしい切れる脚も持っている。

あとは相手関係だけ。

強い相手と戦っていないのは事実なので、
一気の相手強化にどれだけ対応できるかだろう。


【ダノンファンタジー】

「ディープインパクト×ノットフォーセール」という組み合わせ。

母ライフフォーセールはアルゼンチン産で、
同国で通算10戦8勝の成績を残した名牝。

父ディープインパクトは
アルゼンチン血統の繁殖牝馬との間に、
3歳春のクラシックで実績を残したサトノダイヤモンドやマカヒキを出している。


前走の桜花賞は、勝ったグランアレグリアにただ一頭真っ向勝負を挑み、
追いかけすぎて最後は垂れてしまった(4着)。

負かしに行ってのものなので致し方ない敗戦で、
先着を許した2、3着馬よりも内容的には上だった。

回転の速いフットワークを見るとオークスよりは桜花賞向き。

能力の高さでどこまでカバーできるかだろう。


【シゲルピンクダイヤ】

「ダイワメジャー×ハイシャパラル」という組み合わせで、
チューリップ賞(G3)に続いて桜花賞でも2着に食い込んだ。

母ムーンライトベイは不出走で、
2代母ムーンライトダンスはアイルランドで芝8ハロンのG3を勝った。

母の「ハイシャパラル×シンダー」という組み合わせは欧州2400m向きだが、
父がマイラー型のダイワメジャーで、
同産駒の牝は距離をこなせないものが目立つだけに、
2000mはともかく2400mへの距離延長は歓迎とはいえない。

能力の高さでどこまでやれるかだろう。


【フェアリーポルカ】

一発があるとすればフェアリーポルカ。

まずは抽選をくぐり抜ける必要があるが、
前走のフローラS(G2)は
東京芝2000mでは致命的ともいえる18頭立ての大外枠で、5着と敗れたのは致し方ない。

2戦目の若駒S(3歳OP)は皐月賞2着馬ヴェロックスの3着。

牡馬の一流どころが出走するオープン特別で
新馬戦を勝ったばかりの牝馬が3着に食い込んだのは高く評価できる。

3戦目の君子蘭賞(3歳500万下)は休み明けで
体調がイマイチだったにもかかわらず危なげない勝利。

同日の毎日杯(G3)よりも勝ち時計が速かった。

ルーラーシップ産駒は東京芝2400mの鬼。

先日の青葉賞(G2)も同産駒のリオンリオンが快勝した。

距離延長は歓迎。一発があるならこの馬だろう。



調教の動きや枠順などを総合的に判断し、
週末に最終結論を出したい。
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