重賞データ分析・小林誠

日本ダービーの「歴史」は覆らない!?/東京優駿(日本ダービー)

■日本ダービー(G1・東京芝2400m)フルゲート18頭/登録25頭

【特注データ】3行でわかる! レース攻略の糸口
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 総合力が問われるレースであるためか、明暗がハッキリ分かれる「大ネタ」が意外にない日本ダービー。コース&レースの両方で内枠有利&外枠不利の傾向が強いこと、先行勢の踏ん張り、継続騎乗組の圧倒的な強さ、キャリア4~5戦組の優秀な成績なども大きな特徴ではあるのだが、「特注」というほどではない印象だ。

 そこで引っ張り出してきたのが、前走馬体重別での成績である。ディープインパクト産駒のデビュー以降は小柄な馬も多く参戦しているが、日本ダービーで好成績を残しているのは、総じて「馬格のある馬」ばかり。レース全体でみても、前走での馬体重が480キロ以上か479キロ以下かで、かなりの成績差があるのだ。

 信頼度が高いのは前走馬体重480キロ以上馬で、3番人気以内馬は連対率40.9%、単勝適正回収値105.1、複勝回収値96という優秀な内容をマーク。また、4~6番人気や7~9番人気など、人気薄でもしっかり結果を残している。それとは対照的に、前走馬体重479キロ以下馬はトータル[3-3-3-77]で連対率7.0%、複勝率10.5%とイマイチ。5番人気以内馬は好成績なのだが、6番人気以下馬は[0-0-1-68]と全滅に近い惨状である。

 それ以外のデータも加味した上での「データ特注馬」として、今回はサートゥルナーリア、ダノンキングリー、レッドジェニアルの3頭を推奨。今年は皐月賞がハイレベルで、その上位馬は文句なしに強いというのも、サートゥルナーリアとダノンキングリーを推奨する理由のひとつだ。
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【コース総論】東京芝2400m Cコース使用
★人気サイドの信頼度が高めのコース。妙味があるのは4~6番人気の中穴か。
★平均人気の差は大きいが、それを加味しても内枠有利&外枠不利のコース。
★全体でも差し優勢。鋭い決め脚がないと、勝ち負けに持ち込むのは難しい。
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 コースデータは先週のオークス分と「まったく」同じ。今週からCコースに替わるという点は意識しておく必要があるが、先週との違いはそこだけだ。同じ内容の繰り返しになるので、コースデータについてはさらっとまとめさせていただく。コース分析の詳しい内容については、先週分をご参照いただきたい。

 人気別成績では、全体的に人気サイドの信頼度が高く内容も優秀。対照的にふたケタ人気などの超人気薄は内容がイマイチで、人気薄ならば中穴を狙ったほうがいい。また、内枠有利&外枠不利の傾向にあるのも、しっかり覚えておきたいポイント。最初のコーナー進入までの距離がそこまで長くはなく、序盤にいいポジションを取れるかどうかが成績を大きく左右する。

 脚質については差し優勢で、これはクラスが上がるごとに傾向が強まる。速い決め脚がないと勝ち負けに持ち込めないコースといえるだろう。ただし、この時期の東京芝は例年
「時計が猛烈に速いモード」になる上に、今週からCコース替わり。究極レベルの上がりを駆使しても、さすがに後方からでは届かない可能性が高い。中団から差せる馬に軸足を置いて、馬券を組み立てるべきだろう。


【レース総論】日本ダービー(G1) 過去10年
・レースの要所!
★5番人気以内[9-9-4-28]と連対馬はほとんど人気サイド。穴を狙うなら3着。
★内枠有利&外枠不利の傾向がハッキリ。外枠に入った馬の評価は割り引く。
★最後の直線が長く差せるが強いのは先行勢。後方から追い込むのは厳しい。
★キャリア4~5戦馬の内容が優秀。鞍上の乗り替わりは大幅割引で過信禁物。
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 レースの平均配当は、単勝833円、馬連4361円、3連複6万6128円。つまり、2着まではかなり順当に決まっているが、3着はけっこう紛れているということだ。実際に人気別成績を確認しても、5番人気以内馬のトータル[9-9-4-28]と、連対馬はほとんど人気サイド。ただし3着については、昨年のコズミックフォースや2014年のマイネルフロストなど、人気薄が激走するケースが目立っている。

 枠番については、コースデータ以上に内枠有利&外枠不利である印象。内枠である馬番1~6番は勝率10.0%、単勝適正回収値137.2、ギャップ値プラス1.1という素晴らしい結果を残している。逆に外枠である馬番13~16番は低調な成績で、回収値ベースの数値も低空飛行。平均配当差が大きいので、それを踏まえてひとケタ人気に限定したデータも用意したが、傾向はまったく変わらない。外枠に入った馬は、評価を割り引くべきだ。

 脚質については、先行勢が意外なほど踏ん張っている。直線の長い東京芝コースで差しも決まるが、この時期特有の超高速馬場やCコース替わりの影響もあり、先行勢が崩れていない。さすがに逃げ切るのは至難だろうが、ある程度は前のポジションが欲しいところである。その裏付けとなるのが、最速上がり馬よりも「上がり2位馬」のほうが好成績であるという事実。後方から一気の脚で追い込むのは、かなり厳しいはずだ。

 前哨戦別では、やはり皐月賞組の強さが目立つ。前走大敗からの巻き返しが可能であるのは、この組だけだ。京都新聞杯組で結果を残しているのは前走1着馬のみで、青葉賞組やプリンシパルS組も前走2着以内であるのが好走条件となる。レースキャリア別成績では、キャリア4~5戦の馬がトータル[6-6-4-46]で複勝率25.8%、複勝回収値129と好内容。豊富なキャリアよりも、素質の高さのほうが求められるレースである。

 最後に騎手関連データだが、鞍上の乗り替わりは大幅マイナス。1986年以降の過去33年までデータ集計範囲を拡大しても、日本ダービーを乗り替わりで制したケースは一度たりともない。外国人騎手が手綱を握るケースでも、本番でのスイッチについては、評価を割り引くのが正解。この傾向が今年も継続するならば、圧倒的1番人気に推されるであろうサートゥルナーリアの1着はない──ということになる。

 また、鞍上が乗り替わった馬で馬券に絡んでいるのが、すべて「ひとケタ馬番」であるのも注目に値するデータ。馬番1~9番に限ればトータル[0-2-3-19]で複勝率20.8%、複勝回収値255と、一気に食指が動かされる内容となる。継続騎乗組は人気サイドのほうが好内容なので、ここは「継続騎乗組の上位人気馬」と「馬番1~9番に入った乗り替わり組」を狙うスタンスを推奨する。


【血統総論】
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 血統面は、ディープインパクト産駒とルーラーシップ産駒をプラス評価の対象とした。ご覧の通り、成績上位は「いかにもこの条件で強そうな種牡馬」のラインナップで、意外性はナシ。ルーラーシップ産駒がディープインパクト産駒以上に好内容というのが、ここでもっとも注目すべきポイントだろう。


★日本ダービー 総論×各論

 さあ、今年もこの時期がやってきた。注目はやはり、無敗の4連勝で皐月賞を制したサートゥルナーリアだろう。それに皐月賞で僅差まで迫ったヴェロックスとダノンキングリーの2頭も、当然ながら上位争い。別路線組では、青葉賞を逃げ切ったリオンリオン、京都新聞杯の勝ち馬であるレッドジェニアル、NHKマイルCからのローテで挑むダノンチェイサーあたりが人気を集めそうである。

 馬券攻略のカギとなるのも、当然ながらサートゥルナーリアの扱い。ルメール騎手の騎乗停止でD.レーン騎手に乗り替わりとなるが、これが大幅マイナスであるのは前述の通りだ。これでふたケタ馬番にでも入ろうものなら、過去のデータからは「消し」ジャッジすら下せるが、過去の好走パターンがひっくり返されまくっているのが、外厩&外国人騎手が猛威を振るう今の競馬。今度は果たしてどういう結果が出るのか、じつに興味深い。

 枠番の影響が大きいレースなのであくまで「現時点での評価」になるが、トップ評価はダノンキングリーだ。プラス評価となった項目がもっとも多く、前走馬体重450キロと馬格がない点も、上位人気になるのは確実なので問題なし。前々で流れに乗って速い脚が使えるというのも、ダービー向きの資質といえる。不安点は、勢いに乗りまくっているノーザンファーム生産馬ではないという点くらいのものだ。

 二番手評価にサートゥルナーリア。ちなみに、鞍上の乗り替わりを気にしないのであれば、この馬が断然のトップ評価となる。無敗の皐月賞馬なのだから当然の話で、レーン騎手の腕前が並大抵なモノではないのも証明済み。いかにも勝ちそうだが、本稿の要旨が「データ分析」である以上、筆頭評価はしかねる──というのが正直なところだ。ふたケタ馬番を引いた場合には逆らってみる手もあると思うが、どうか。

 三番手評価にレッドジェニアル。前走の京都新聞杯は11番人気と低評価だったが、中団からいい脚で伸びての快勝だった。プラス評価となった項目は意外なほど多く、京都新聞杯の1着馬は[1-1-1-5]と侮れない成績。意外性や爆発力のある酒井学騎手の継続騎乗も好印象で、一発の可能性を十分に秘めている。今年の登録馬で、人気薄での激走がもっとも期待できるのはこの馬だろう。

 四番手評価にヴェロックス。皐月賞では最後に内から差し返しているほどで、その能力が世代トップレベルであるのは疑いようもなし。レースを見た個人的な印象だけでいえば、サートゥルナーリアよりも強いと感じたほどだ。器用なタイプではないので、広々とした東京替わりはプラスのはず。ダービーで「鬼」強い、金子真人ホールディングスの所有馬であるのも強調材料となる。

 以下はクラージュゲリエ、リオンリオン、ダノンチェイサー、アドマイヤジャスタ、ニシノデイジーという評価の序列。とはいえ、このあたりの評価は枠番次第でガラッと入れ替わると思われる。鞍上が乗り替わる馬が勝って日本ダービーの「歴史」が覆されるのか、それとも今年も継続騎乗組が勝つのか。そのあたりも含めて、今年も非常に面白いレースとなりそうである。
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