重賞データ分析・小林誠

今年も波乱含みの混戦模様!/宝塚記念

■宝塚記念(G1・阪神芝2200m内)フルゲート18頭/登録13頭

【特注データ】3行でわかる! レース攻略の糸口

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 G1、それも上半期を締めくくる「グランプリ」でありながら、直線の短い内回りコースで開催される宝塚記念。直線の長いコースで開催されるものがほとんどである昨今の中央G1において、やや異質なレースといえるかもしれない。

 それでも芝G1だけに──いや、直線の短いコースなのでなおさら、末脚のキレが超重要。詳しくは後述するが、宝塚記念で最速の上がりを繰り出した馬は過去10年、トータル[6-5-0-0]とパーフェクト連対を果たしている。となると、前走で速い上がりをマークしている馬を狙いたくなるが、ここで掲載しているデータをご覧いただきたい。前走上がりの速さは、宝塚記念での上がりの速さにまったく繋がっていない。

 注目すべきは、前走での上がり3F順位が「4~5位」だった馬の好成績だ。昨年はイマイチな結果に終わってしまったが、それ以前は2017年の勝ち馬サトノクラウン、2016年の覇者マリアライト、2015年に10番人気で2着に激走したデニムアンドルビーなど、毎年のように勝ち負けする馬がここから出ている。回収値ベースの数値も超優秀だ。

 今年の登録馬で「前走上がり3F順位が4~5位」であるのは、アルアイン、ソールインパクト、ノーブルマーズの3頭だけ。その他にも買い材料が多いアルアインを、今回はデータ特注推奨馬に取りあげる。前走海外組についてはジャッジできないが、ドゥラメンテやジェンティルドンナでも勝てていないローテであることから、過信は禁物だろう。

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【コース総論】阪神芝2200m内 Bコース使用
※今回は阪神芝2000m内と阪神芝2200m内の2コースを集計対象としています。
★人気馬からのヒモ荒れ決着が多い条件。7~9番人気や10~12番人気も侮れず。
★枠番の内外による成績差は基本的に小さいが、内枠である馬番1~4番は優秀。
★先行勢が優勢だが上がりが超重要。中団や後方からの差しもけっこう決まる。

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 4コーナー出口付近からのスタートで、ホームストレッチをフルに使うコース形態である阪神芝2200m内。最後の直線が短い内回りではあるが、それでもコースの起伏はけっこう大きく、勝ち負けにはスタミナやパワーが要求される。軽快なスピードだけでは押し切れない、タフなコースといえるだろう。

 人気別では、1番人気が[18-6-4-18]としっかり勝ちきっているように、人気サイドの強さが目立つ。信頼度の高さはもちろん、回収値ベースの数値も優秀。1~3番人気と4~6番人気の内容を比較すると、前者のほうが圧倒的に優秀だ。ただし、ヒモ荒れ傾向がけっこう強いコースで、7~9番人気や10~12番人気は侮れない内容となっている。

 次に枠番。最初のコーナー進入まで十分に距離があるので、枠番の内外による影響はそれほど大きくはない。外枠に入った馬でも、評価を割り引く必要はないだろう。ただし、内枠である馬番1~4番だけは、少しだけ評価をプラスしたいところ。回収値ベースの数値やギャップ値も優秀で、ほんの少し内枠のほうが有利だと思われる。

 最後に脚質だが、基本的には先行勢が優勢。ただし、先行勢であっても勝ち負けには速い上がりが要求される。それを証明しているのが最速上がり馬の好成績で、[7-5-0-5]で勝率41.2%、連対率70.6%という素晴らしい結果。速い上がりが繰り出せるのは、このコースにおいて非常に大きな武器となるはずだ。


【レース総論】宝塚記念(G1) 過去10年
・レースの要所!
★1番人気はわずか2勝。人気薄の激走も多くけっこう波乱傾向が強いレース。
★勝率が高いのが「外」で複勝率が高いのは「内」というのが枠番別の傾向。
★上がり最速馬は連対率100%。中団から鋭い末脚を繰り出せそうな馬に注目。
★重視すべきは前走の着順ではなく人気。牝馬や5歳以下馬の強さも目立つ。

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 レースの平均配当は、単勝1287円、馬連5438円、3連複3万3936円と、3連複平均だけが飛び抜けて高い。けっこう波乱傾向が強いレースで、少頭数となった年が少なくないことを考えると、なおさらだ。近年はとくに荒れる傾向が強まっており、昨年も3連単49万馬券という大波乱。今年も、そうそう順当には決まりそうにない。

 よく荒れている要因のひとつが、1番人気がイマイチ勝ち切れていないという点にある。複勝率は70.0%と高いのだが、[2-3-2-3]と勝ったのは過去10年で2回だけ。人気サイド全体でみても、それなりには来るのだがアテにはしづらい印象だ。7~9番人気や10~12番人気など、人気薄を積極的に狙っていきたいレースである。

 次に馬番だが、簡潔にいえば勝率が高いのは「外」で、複勝率が高いのは「内」という結果となる。馬番1~9番はトータル[3-9-8-70]と、1着は少ないのだが2~3着はほとんどがここに含まれている。対照的に馬番10~18番は[7-1-2-46]と、勝率が高く、単勝適正回収値も122.9という高さ。机上の空論ではあるが、「外→内→内」という3連単フォーメーションを買っていれば、かなりの確率で当たっていたはずだ。

 脚質については、ほぼコースデータと同じ傾向。先行勢と中団待機組の成績が拮抗してはいるが、上がり最速馬が[6-5-0-0]と連対率100%という結果を残していることから、やや差し優勢と考えたほうがいいか。末脚のキレが超重要であるのは間違いなく、昨年も上がり2位のミッキーロケットが1着、上がり最速のワーザーが2着という結果だった。今の阪神の馬場で速い上がりを使える馬をどう見抜くかが、大きなカギとなる。

 年齢別で好成績なのは5歳馬で、それに次ぐのが4歳馬。高齢馬の好走例がないわけではないが、6歳以上になると信頼度がガクンと落ちる傾向にある。馬券絡みした馬の83.3%を占める、5歳以下馬を中心に考えるべきだろう。また、今回の結果とリンクしているのが、前走の着順ではなく「人気」であるのも、大きな特徴だ。

 G1らしく、鞍上が継続騎乗する馬のほうが好成績であるのも押さえておきたいポイント。あとは暑い時期となってくるためか、牝馬の好走率が非常に高いというのも、宝塚記念の大きな特徴だ。「紅一点」であり末脚のキレも十分なリスグラシューは、やはり侮れない存在となりそうである。


【血統総論】

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 種牡馬別では、ディープインパクト、キングカメハメハ、ジャングルポケットの産駒をプラス評価の対象とした。とはいえ、この3種牡馬にしても「コース適性がメチャクチャ高い」といった印象はなく、相対的に他の種牡馬よりは良好──といったところ。意外性や爆発力があるのも、ジャングルポケット産駒くらいのものだ。よほどの血統マニアでもないかぎり、今年については血統というファクターを軽視していい気がする。


★宝塚記念登録馬 総論×各論

 特別登録こそ13頭にとどまったが、その半数近くがG1ホースという豪華ラインナップ。上半期を締めくくるに相応しいメンバーといえそうだ。ドバイシーマクラシック以来となるレイデオロ、大阪杯で二つ目の栄冠を手にしたアルアイン、この路線を牽引する存在となっているキセキなど、まさに上位拮抗。どこからでも入れる、馬券的にもかなり面白いレースになりそうである。

 現時点でのトップ評価は、大阪杯の勝ち馬であるアルアイン。前走は内枠をフルに生かした立ち回りで、このコースに向く器用さを持ち合わせているのは間違いなし。皐月賞の勝ち馬でもあり、東京や京都よりも中山や阪神に向くタイプといえる。上がりの時計が極端に速くなるようなことはないはずで、大阪杯と同じようなレースができれば、ここも好勝負必至。北村友騎手の継続騎乗もプラスに評価した。

 二番手評価にキセキ。惜しい内容のレースが続く近況だが、これだけG1だけを走り続けて、崩れたのが有馬記念だけなのだから大したもの。主導権を握れるメンバー構成であり、あとは川田騎手がどう乗るか次第だろう。速い上がりを使う馬に食われてしまうケースが多いだけに、機動力が活かせる阪神の内回りコースはプラス。内枠を引き当てた場合に、ここを2~3着固定で狙ってみるのも面白いか。

 三番手評価に牝馬のリスグラシュー。こと「決め脚の鋭さ」に関しては、ここでもナンバーワンといえる存在だ。軽いスピードだけでなく力強さも備えているので、阪神の内回りでもまったく問題なし。どこから仕掛けるかが勝負のカギとなるが、こちらは外枠に入った場合に「1着」で狙ってみたくなる。レーン騎手の騎乗も、もちろん魅力的だ。

 ここまでが上位評価組で、以下はレイデオロ、エタリオウ、ソールインパクト、ノーブルマーズという評価の序列。ただし、この評価順のままで買うと「波乱傾向が強い」という点に合致しなくなりそうなので、そこは買い目をどう組み立てるかでフォローする必要がありそうだ。あとは「外→内→内」で決まりやすいという枠番別での傾向も、しっかり意識したいポイントである。

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