亀谷敬正さん

宝塚記念は、東京芝2400mとは欧州型ノーザンダンサー系の重要度が異なる

東京2400mでの敗戦はポジティブな敗戦といえる


・ディープインパクト
・ステイゴールド
・欧州型ノーザンダンサーの影響度

 たった3つの血統のポイントをつかむだけでオークス、ダービー、安田記念は大儲けできました。(これは結果論だけではなくて、ダービー、安田記念は最終的に公開した予想もウマくいきました)

 ダービーはオークスに続きディープ産駒の1、2着。最終的に公開した予想で◎ダノンキングリー▲ロジャーバローズ4番手ヴェロックスで的中。安田記念はステイゴールド産駒のインディチャンプを本命にして的中。

 ダービーは、昨年出した拙著「血統の教科書」にも書いたように、欧州型ノーザンダンサーの影響度が強すぎない方が走るレース。欧州の名血サドラーズウェルズの「重い血」を持たない馬のほうが合うぐらい。

 能力の方向性は一定ではありません。スピードを強化しようとすればスタミナは下がるし、スタミナを強化しようとすればスピードが下がります。

 サドラーズウェルズはスタミナや馬力を強化する代わりに、ダービーで要求されるスピードは削がれやすいです。だからダービーは、ディープインパクト産駒の中でもサドラーズウェルズを「持たない」馬の方が合うのです。

 今年のダービーは、ディープ産駒は4頭でした。このうち、サドラーズウェルズを「持たない」馬はダノンキングリーとロジャーバローズの2頭のみ。だから2頭とも上位に評価しました。

 一方、安田記念は父ノーザンダンサー系が走るように、ノーザンダンサー系の影響度が強い方が走りやすいレース。

 本命で優勝したインディチャンプの父ステイゴールドはノーザンダンサー系が走りやすいレースに強い種牡馬。実際、安田記念も2着はノーザンダンサー系。

 宝塚記念も欧州型ノーザンダンサー系の影響が強い馬に走りやすいレース。一昨年も勝ち馬はノーザンダンサー系のサトノクラウン。昨年もノーザンダンサー系の外国馬ワーザーが2着。

 ノーザンダンサー系の影響が強いレースに強いステイゴールド産駒も宝塚記念を5勝。なお、同種牡馬の産駒はダービー、JCは合計で1勝のみ。

 対照的にダービー・JCでは強いディープインパクト産駒は宝塚記念は1勝。唯一の勝ち馬マリアライトは、母系にダービーでは相性の悪いサドラーズウェルズ系を持つ馬というのは、大変興味深い傾向であり、宝塚記念の構造を端的に示す事象ともいえます。

 リスグラシューは母系にサドラーズウェルズ。クラシックは一歩及ばずの戦歴。だからこそ、クラシックが行われない距離で行われる芝2200mは強くエリザベス女王杯も優勝。クラシックでも最もパフォーマンスが悪かったのは東京芝2400m。東京芝2400mと宝塚記念は相反する要素もあるので、むしろポジティブな敗戦ともいえるぐらい。

 なお、宝塚記念ではディープ産駒は牝馬が優秀。これは適性というよりもG1で通用する馬は牝馬が有利というのも強く影響しているのではないでしょうか。リスグラシューも牝馬であることは有利。

 今年の宝塚記念は東京G1巧者やクラシックが行われる距離に強い馬が揃いましたので、残りの馬の取捨は土曜の馬場なども観ながら、じっくり判断したいです。





田原基成さん

レイデオロほか、2019宝塚記念出走予定馬12頭分析

宝塚記念が行われる今週。人気馬全滅の昨年が示すように、夏競馬の足音が近づく梅雨時季の開催は波乱傾向に拍車をかける。JRAの芝GIで数少ない非根幹距離でもあり、一筋縄ではいかないレースと言えるだろう。

そこで今回のコラムでは、2019宝塚記念に出走予定の12頭をあらゆる角度から分析してみたい。私なりの視点で捉える12頭の判断基準が、あなたの予想の参考になれば幸いだ。

・1枠1番 キセキ
この馬を疑うタイミングは3つ。内回りコースと道悪、そして外枠だ。三重苦を強いられた昨年の宝塚記念8着は当然の結果。それより私が評価したいのは、同じ条件に見舞われた有馬記念で残り200mまで先頭をキープしていた点だ。内回りコースはもはや克服したと捉えて良いだろう。良馬場発表の大阪杯も、実質稍重に近い馬場。外枠も回避し、あとは当日の馬場のみ。極端に渋らなければ評価を下げる必要はないと判断する。

・2枠2番 レイデオロ
国内での成績【7-2-1-1】が示すように、海外の環境がマッチしない馬。とはいえ折り合いを欠きハナを叩いたドバイシーマクラシックのレース運びは違和感を覚えるものだった。その前走を受け、陣営は早くも「後ろから競馬をするつもり」と戦法の限定を示唆……これは良くない。自身上がり3F最速時のタイムは34秒3-35秒7と上がりのかかる宝塚記念適性は申し分ないものの、レース以外のところに「人的不安要素」が生じている点は頭に入れておくべきだ。

・3枠3番 エタリオウ
今回のキーワードは「鞍上・横山典弘」それに尽きる。カンパニー、アンビシャス、そしてゴールドシップ……前走差し届かずの馬を乗り替わりでの積極策で勝利へと導いてきた歴史は見逃せない。今回は十中八九、先行策。それに宝塚記念で5勝を誇るステイゴールド産駒の血が爆発すれば戴冠も夢ではない。馬の能力は足りる。

・4枠4番 アルアイン
大阪杯は寸分のロスもなく内々を立ち回った鞍上の神騎乗。私のなかでこの馬がマイル寄りの中距離馬であるという見解に変わりはない。梅雨時季の阪神開催最終週、ムシムシとした暑さのなかで施行される宝塚記念はスタミナが問われる舞台。適性を考えたとき、好走は難しいだろう。

・5枠5番 タツゴウゲキ
前年の宝塚記念以来の参戦。数少ないマーベラスサンデー産駒としてひとつでも上の着順を目指してもらいたいところだが、現実問題勝ち負けは厳しい。

・5枠6番 スティッフェリオ
キセキと同じような位置取りで進めた大阪杯だが、直線で突き放され0秒5差の7着。ローカル小回りという自分の持ち場でこそ力を発揮するタイプなのだろう。前走以上のメンバーが揃ったうえに【0-0-0-2】と良績のない芝2200m。厳しい戦いとなりそうだ。

・6枠7番 マカヒキ
海外遠征以降、馬券圏内を確保した3戦は直線平坦コースに限定。レイデオロ、キセキ、アルアインと人気が予想される5歳世代に一度も先着したことがない対戦成績も含め、強調材料に乏しい。

・6枠8番 ショウナンバッハ
前走時も記したが、この馬は典型的なハンデキャップ・ホース。56キロでも苦戦を強いられている現状から、58キロは酷量とも呼べるものだ。

・7枠9番 クリンチャー
海外遠征以降の3戦はいずれも見せ場なく惨敗。異国の地でのレースはそれだけリスクがあるのだろう。本質平坦向きで、この舞台が適しているとは思えない。

・7枠10番 ノーブルマーズ
誤算だったのは出走を予定していたメトロポリタンSがヒョウの影響で中止になったこと。使い込んで良くなるタイプだけに、同レース→目黒記念→宝塚記念のローテーションに狂いが生じた事実は考慮せざるを得ない。昨年より格段に強化されたメンバーを踏まえると、当時の再現を臨むのは酷か。

・8枠11番 スワーヴリチャード
間隔があくと馬体が増える馬。これまで5度使われた休み明けはすべて馬体重増で、中山記念は自身の最高体重を更新した。それに伴い、私が気になっているのは古馬になってから上がり3F最速を一度も記録していない点。2001-2018年の宝塚記念上がり3F最速馬成績は【7-10-0-1】連対率94.4%。「帯に短し襷に長し」とも言えるいまの脚質をプラスに捉えることはできない。

・8枠12番 リスグラシュー
不安定な面も覗かせた2-4歳春を経て、4歳秋以降は【1-3-1-0】。このなかには2度の海外GIも含まれているのだから立派だ。ヴィクトリアマイル制覇を目標とした昨春はマイル仕様のローテーションを歩んだが、下半期は1800→2200→2400mと距離延長でGI勝利と海外GI2着……適性がどちらにあるかは明らか。2013-2017年にかけて牝馬が馬券圏内を確保し続けるレース性質も含め、評価を上げたい1頭だ。






単勝二頭流

宝塚記念の注目穴馬はこちら!

『単勝二頭流』担当編集者(以下、編) 石橋さん、たった今プリンスオブウェールズSが終わったわけですが、まずは的中おめでとうございます。さすがの本命馬ワンツーで。

石橋 武(以下、石) まあ、堅い決着で(苦笑)。

編 馬場はあんなに柔らかかったのに。

石 それ、全然うまくないからな。それにしても穴馬の本命に推した◎クリスタルオーシャンが2番人気という……。恥ずかしいことこの上なし。

編 まあ、8頭立てでしたからね。でもちゃんと◎クリスタルオーシャンと人気馬の本命◎マジカルで決まるあたり、海外の馬券もよく当てますね。

石 いや、もうこの話いいわ。単勝も3連単も大して儲かってないし。3連複に至ってはトリガミだし。

編 レース直後から冷めてるとか、土砂降りの雨に立たられたアスコット競馬場か。

石 いや、本当に全然うまくないから。むしろイラっとするわ。

編 酷い。

石 そんなことより宝塚記念の話なんでしょ?

編 そうです。結局12頭立てですかね。

石 だろうね。頭数は少ないけど、メンバー的には揃っているんだよね。そこそこ。

編 ですね。G1馬が全部で6頭。出走馬の半分がG1馬ですから。

石 ただ、穴馬となるとかなり難しい。この頭数で印、買い目もかなり絞るつもりではいるので、今ここで馬名を挙げると(基本的にブログで挙げた馬には印を打っているため)印を打てる馬が限られちゃうという。少頭数とはいえ荒れやすいレースだから。

編 いや、でもG1で皆さん期待していると思うんですよね。ほかに重賞もないし。

石 そうなんだよな〜。ホントはUHB杯とかやりたいんだけど(笑)。

編 出た、得意の函館芝1200m(笑)。

石 まあ、「あくまで現時点の」というのをいつも以上に強調しつつ、宝塚記念の話にしますか。

編 はい、そうしてください。UHB杯だと土曜日の夜から日曜日の朝にかけての更新で、見られない方もいらっしゃるとのことで。

石 そうなんだよね。じゃあ、もう一度「あくまで現時点での」と言っておいて(笑)、宝塚記念の話に入ります。

編 まあ、実際お天気も微妙で、馬場次第のところもあるでしょうし。それにしても、このレースは荒れやすいですよね。

石 そうなんだよね。近5年で馬券に絡んだ15頭のうち、6番人気以下が9頭もいる。

編 それらの馬にわかりやすい共通点はあるんですか?

石 あったらラクなんだけど(笑)、そう都合よくわかりやすい共通点はない。

編 そう簡単にはいかないか。じゃあ、わかりづらい共通点は?

石 全馬に共通するわけじゃないけど、やはり先行馬が穴をあけるパターンは多いよね。ただ、今年はキセキが出ているから、どうしても先行馬には目が向きがち。

編 じゃあ、反対に差し・追い込み馬に注目だ。

石 展開的にはね。キセキが逃げるとして……

編 ちなみにレイデオロも前走で逃げていますよ。

石 あ〜、日本馬は外国馬に比べてスタートが速いから、海外のレースだとポジションが前になっちゃう。よほど意識的に後ろにつけないと。……で、キセキが逃げるとして、アルアインも前めの競馬だし、右回りがダメなスワーヴリチャードも大阪杯みたいに早めに仕掛ける競馬でラチを頼りたい。内枠を引けば話は別だけど。

編 少なくともスローにはなりそうもないですね。

石 まあ、これも枠順次第なんだけど。それに雨で馬場が悪くなったら極端な追い込みでは厳しいし。

編 歯切れ悪〜(笑)。

石 たしかに(笑)。よし、馬場は稍重までとして、展開もさっき言った想定として話そう。

編 改めてどんな馬が狙い目ですか?

石 切れない馬。よほど展開が速くなれば瞬発力タイプの直線一気というパターンもあるんだけど、こういうのは着拾いがハマった的なレースになりがち。押さえは必要だろうけどね。

編 その、切れないというのは文字通りの意味ですか?

石 そう。宝塚記念が行われる阪神芝2200mは内回りコースを使用。さらに3コーナー過ぎから積極的に仕掛けていく前がかりの競馬になりやすくて、他場では切れ負けするような馬がバテない強みで走ってきちゃうんだよね。

編 あ〜、なるほど。

石 反対に他場で瞬発力を活かして勝ってきたようなタイプは、道中でなしくずしに脚を使わされて、脚が溜まらない。切れないタイプは極端にいえば【2 5 4 8】みたいな成績で、切れるタイプは【5 2 0 8】みたいな感じ。極端に言えばよ? イメージ的にそんな感じ。

編 ここまでの話を今年の出走馬に置き換えると、着拾いの展開待ちがマカヒキ。切れないのがノーブルマーズ。瞬発力タイプがレイデオロ的な?

石 まあそうだけど、馬名を挙げるとのちのち混乱するから(苦笑)。それはあくまでキミの私見ということで。

編 あ、そうか。失礼しました。

石 ただ、ノーブルマーズは去年もズブズブの追い比べになったこのレースで3着に走っている。今年もあれくらいの馬場になれば、というかあれくらいの上がりがかかるようならチャンスはある。まずはこれが1頭目かな。

編 2頭目は?

石 スティッフェリオ。前走の大阪杯は7着とはいえ0.5差。苦手なスローからの急加速みたいなレースになっちゃって、その着差なら及第点はあげられる。今回は距離延長、急坂とマイナス材料があるような評価をされているけど、道中から徐々に加速していくような展開は向いているからね。そんなに急坂がダメとも思わないし、1ハロン程度なら距離延長も問題ないと思うしね。現時点ではこの2頭かな。

編 わかりました。あとは天気と枠順ですね。そして何と言っても函館がほぼ開幕!

石 ほぼ(笑)。

編 先週はまさかの大量除外で、ちょっと話になりませんでしたからね。気分を新たに“ほぼ”開幕ということで(笑)。

石 そうね。今週は出走頭数も揃ったようだし、UHB杯を含め、楽しみなレースが多いよ。勝負予想の配信も函館がちょっと多くなるかも。

編 楽しみですね〜。期待しています。それでは石橋さん、今週もよろしくお願いします。ありがとうございました。

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