宝塚記念週

【美浦の『聞き屋』の囁き】

●勝率にこだわりあり●

今週の競馬で短期免許が終了となるレーン騎手。

これまでの8週間で挙げた勝利は30勝で、そのうち重賞を5勝。

話を聞いたところ来日前の目標が10勝だったというから、本人の予想を大きく上回る活躍で自分自身が一番おどろいているし、感謝もしているとコメント。

今週は土日で13頭に騎乗するレーン騎手には活躍しなければいけない理由があるようだ。

それはオーストラリアで現役の調教師である父親が今週水曜日から来日。

水曜日に栗東でリスグラシューの追い切り後に合流して久々の再開を楽しんだとのこと。

木曜日には美浦のトレセンをともに見学。記者からコメントを求められると息子の活躍を喜ぶと同時に日本への感謝も述べていた姿が印象的だった。

来週の水曜日に大井で行われる帝王賞が日本での最後の騎乗になるが、JRAで見ることができるのは今週まで。

オーストラリアで重要視されている騎手の数字は勝利数よりも勝率とのこと。

その点でレーン騎手は先週までの時点で川田騎手の勝率を抜いて1位。

連対率、3着内率は川田騎手とルメール騎手に次いで3位ではあるが、初来日で日本のトップと同等の数字を残せるのは馬の質がいいだけではなく、確かな技術があってのもの。

父の前でいい姿を見せると同時に勝率は1位のままで帰国したいというのが今週の目標のようだ。

つまり、土日の13頭でさらに勝ち星を伸ばしたいということ。

レーン騎手に会えるのはまた来年の春になる見込み。その雄姿を目に焼き付けておきたい。

【関西事情通のちょっとイイ?話】

●一頭入魂の遠征騎乗●

先週から開幕した北海道シリーズ・函館開催。関東・関西という垣根を越えた、第3場開催ながらも中央開催よりも出走馬も騎手もレベルが高く、夏競馬の注目開催。

ゆえに、開幕週からジョッキーの動きもいろいろとあったが、2週目の今週も注目の遠征がある。

土曜函館メインの大沼S。国分優作騎手と太宰騎手、この二人は本来、阪神・中京を主戦場としているジョッキーで、今回はピンポイントの遠征と言える。しかも二人ともこの土曜で騎乗するのはこのメインの大沼Sのみ。

太宰騎手が手綱を取るのはドライヴナイト。昨年の1月にオープン勝ちのある馬だが、その後が今ひとつの成績、唯一連対したのが小回りダート1700の福島民友Cという事で、同じ小回りダート1700mここへ駒を進めてきた。そして鞍上にも、当時と同じ太宰騎手に声が掛かったという経緯。

もちろん陣営としても、当時の走りの復活を期待するからだろう。

太宰騎手は、このレースだけのために函館まで遠征、そして日曜日は阪神で騎乗している。出張費を稼ぐためにもただでは帰れないところだろう。

国分優作騎手の方は日曜日も函館で騎乗するため、一見は函館が主戦場に映るものの、実際のところは土曜のこの1鞍が大きな目玉。騎乗するプレスティージオには、1週前の栗東の追い切りに騎乗し、今週は函館の追い切りにも騎乗するほどの熱の入れよう。聞くところによると、2週後のマリーンSへの出走も視野に入っているらしく、中京での騎乗をまだ決めていないとか…

それほど、このプレスティージオにはいい感触を持っているのだろう。


一頭入魂の遠征騎乗だからと言って好結果が得られるわけでは無いが、この二人が騎乗する2頭にはやはり注目したくなる。





田原基成さん

【アハルテケS】ダートは「どれだけ砂を被ったか」が評価軸。経験値で圧倒するのはこの馬。/函館8R 3歳以上1勝クラス

【東京11R アハルテケS】

「ダートで無敗のまま、現役を退いた馬といえば?」

この質問を、全国の競馬ファンに問いかけてみたい。

多くの人が想像するのは芦毛の怪物・クロフネ。芝並みの時計で駆け抜けた武蔵野S、大マクリの末レコードを更新したジャパンカップダート……特に後者は現地観戦したからこそ鮮烈な印象が残っている。もう二度と、あんな馬は出てこないだろう。

人は未知の生物に邂逅したとき、驚きを通り越した笑いがこみあげてくる。フジビューウォークをてくてくと歩く最中もあちらこちらから「クロフネ凄すぎ!」と笑顔交じりの会話が聞き取れた。その翌日には同世代のダービー馬・ジャングルポケットが当時の最強馬テイエムオペラオーをねじ伏せるわけだから、逸材揃いの世代であることが伺い知れよう。

さて、冒頭の問いかけだが……

私はひねくれた感情と競馬に対する変態性を隠し通せない。いの一番に浮かんだ馬は重賞すら勝っていない馬だった。

スパイキュール。

ダートでの生涯成績は【7-0-0-0】。そのすべてが2着馬に0秒4以上の差をつける勝利なのだから恐れ入る。「if」の世界線が実現できたとして、私は迷わずこの馬が現役だったら……の構図を描くことだろう。

この馬の同期には年度代表馬ゼンノロブロイの名前が。2004年下半期、古馬王道GI3連勝の偉業を達成する同馬の影に隠れる形で快進撃を続けたのが他ならぬスパイキュール。その名前の由来は「太陽の周りで燃え上がる炎」。競馬界のど真ん中でギラギラと燃えさかる同僚の陰に隠れるような形で、次代の主役が闘志をメラメラと燃やしつつチャンスを機を窺っていたわけだ。

ところが、好事魔多し。

重賞戦線へ殴りこみをかけるべく行われた根岸S前の最終追い切り。右前脚の蹄骨を骨折したことで「競走能力喪失」の非情な宣告を下されてしまった。走ることが大好きな馬から走ることを奪って、いったい何が残るというのか。かくして「ダート無敗馬」は志半ばで競走生活に幕を下ろした。

そんなスパイキュールだが、ポテンシャルの高さを見込まれ種牡馬として余生を過ごすことに。誕生した産駒のなかで出世をはたした馬こそ、アハルテケSにおける私の本命だ。

ナムラミラクル。

積み重ねた27戦のキャリアは父と似ても似つかないもの。藤岡康太、松田大作、そして現在の主戦騎手・藤懸貴志と昭和の香りを充満させるような渋い人選にも惹かれてしまう。この馬に対するジョッキーの思い入れは相当だろう。

東京ダート1600m【2-1-1-0】。
2018年以降の良馬場成績【0-3-0-0】。
昨年同時期に休み明けで勝利。

羅列された数字は馬柱から確認できる事実にすぎない。重要なのは、その数字の中身を精査すること。サンライズノヴァ、クインズサターン、ユラノト……戦ってきた相手は重賞で複数馬券圏内がある強豪が並ぶ。この経験は貴重だ。

イーグルバローズ。
ゴライアス。

準オープンを勝ったばかりの馬が人気を集める今年のアハルテケS。私が頭に浮かんだのはバーディバーディ、ダノンカモン、再度登場のサンライズノヴァといった歴代同レースの勝ち馬だ。オープン昇級後のアハルテケSにおいて、前走準オープン組は【0-0-1-15】。3番人気内5頭が馬券圏内に入れなかった状況で「相手が強かった」なんて言い訳は通用しない。

余談だが、スパイキュールが挙げた7勝のなかには北村宏司の名前を見つけることができる。レース中の落馬により、顔面の複雑骨折やふくらはぎの筋肉損傷などの重傷を負ってから約3カ月。事故後初めて美浦トレセンで調教に騎乗したとの嬉しいニュースが飛び込んできた。大丈夫、ストーリーはつながっている。

迷いはない。

ナムラミラクルが私の本命だ。

相手だが、準オープン組不振の傾向が示すとおりダート路線は「どれだけ砂を被ったか」が評価軸となる。とはいえ「準オープン組が人気になってしまうメンバー構成」であることも事実。そのバランスを上手にとることが攻略ポイントだ。

前提条件を踏まえ、相手筆頭に抜擢するのはタガノディグオ。

昨年は夏競馬でウェスタールンドの2着に健闘すると、次走でテルペリオンに勝利。ともにオープンクラスでの好走歴がある馬だ。2→4月で着順を上げたパフォーマンスは暑い時期でこその夏馬を予感させるもの。前走と同じ東京ダート1600mに狙いを絞ったローテーションにも好感が持てる。

ワンダーリーデルも軽視禁物。

東京ダート1600m【0-0-0-3】という無慈悲な数字は受け入れざるを得ない。しかし、それを差し引いても現級での安定感には目を見張るものがある。ここで注目すべきはコース適性以上に【3-0-1-0】馬券圏内率100%を誇る叩き2戦目ローテだ。

4番手にはゴライアスを。

フラッシュバックするのは先週のワイドファラオ。初ダートで砂を被る競馬が不安視されたが、最内枠を引いたことで戦法を「逃げ」に限定したフシがある。それとまったく同じことが言えるのがこの馬で、ポンと先手を奪うことができれば差はない。

外枠&ブリンカー&暑い時季と上積み材料が揃ったローズプリンスダムがそのあと。イーグルバローズに当コース4勝のイーグルフェザーまでを3連複フォーメーションの3列目に設定。

【東京11R アハルテケS予想の印】
◎9 ナムラミラクル
〇13 タガノディグオ
▲3 ワンダーリーデル
☆1 ゴライアス
注11 ローズプリンスダム
△8 イーグルバローズ
△6 イーグルフェザー

【3連複/フォーメ】9-13,3,1,11-13,3,1,11,8,6(14点)


【函館8R 3歳以上1勝クラス】

走るたびに自身の持ち時計を更新するメイショウテンダン。勝ち馬から2秒差の前走は私が前走「GI級」と評し本命の印を託したゴルトマイスターが強すぎた。マイペースで先行できれば巻き返せる。

相手は3歳勢が中心。オメガは芝時代にアンブロークンやダノンチェイサーといった重賞連対馬と好勝負を演じた馬。内枠ゆえ対抗に落としたが、秘めるポテンシャルはオープン級だと思っている。サトノクライム、オメガレインボーも双璧。

ダート1700m巧者のブラックカード、ガッツィーソード。最後に減量騎手ですんなり行ければ怖いメイショウイフウまでをケア。特にメイショウイフウは同じ馬主のメイショウテンダンが番手でかわいがってくれる展開なら侮れない。

【函館8R 3歳以上1勝クラス予想の印】
◎12 メイショウテンダン
〇1 オメガ
▲6 サトノクライム
☆11 オメガレインボー
注5 ブラックカード
△8 ガッツィーソード
△9 メイショウイフウ

【3連複/フォーメ】12-1,6,11,5-1,6,11,5,8,9(14点)






栗山求さん

函館11R 大沼S ダート1700m OP 別定

◎6マイネルバサラ
○5ハイランドピーク
▲4ロードゴラッソ
△10リアンヴェリテ
△12フュージョンロック
△1モズアトラクション

<見解>
◎マイネルバサラは
「シニスターミニスター×サザンヘイロー」という組み合わせ。

父はアメリカ血統で構成されており、
代表産駒のインカンテーションのように
母方にヨーロッパ由来の重厚な血を入れると
大物感が出てくる傾向が見られる。

本馬の3代母は
「サドラーズウェルズ×バステッド」で、
これが配合的な鍵となっている。

父は函館ダ1700mで連対率27.5%。

これは2010年以降、
当コースで産駒が20走以上した67頭の種牡馬のなかで第4位に相当する優れた成績。

浦和記念(Jpn2)を圧勝した17年に比べ、
昨年は成績的にやや振るわなかったが、
暮れに行われた前々走のベテルギウスS(OP)は
8番人気でクビ差2着と健闘し、
1月に行われた前走の東海S(G2・ダ1700m)はスタートで躓く不利に加え、
外枠だったこともあり終始馬群の外を回らされて11着と敗れた。

リフレッシュした今回は最終追いで函館ダ52秒1-37秒9-12秒2と抜群の時計をマーク。

久々だがいきなりやれるだろう。





競馬コラム「水島晴之の単複で買え」

長い直線合うレッドアデニウムが差し切る/東京2R

東京2R (7)レッドアデニウムで勝負だ。前走(7着)はスタートでつまずき、リズムを崩したのが敗因。それでも直線はしっかり脚を使っており、東京の長い直線は合う。まだ心身ともに幼く、本当に良くなるのは先だろうが、未勝利では能力上位の存在。51キロ木幡育騎手で、差し切りを決める。単2000円、複3000円。

東京9R (2)ディーズフェイクが巻き返す。前走は直線で前が詰まり、外へ立て直す不利があった。しっかり追えたのは最後の150メートル。完全に脚を余した。それでも勝ち馬とは0秒2差。スムーズに馬群を抜けていたら、もっと際どかっただろう。中間は坂路、ウッドコース併用で乗り込まれ動きはいい。全2勝が福島1700メートル、東京1600メートルで、距離延長もプラスに出る。単2000円、複3000円。(ここまでの収支 マイナス5万2600円)
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結果

東京2R ⑦レッドアデニウム 13着

東京9R ②ディーズフェイク 5着



佐藤ワタルの内ラチの上を走れ!

【アハルテケS・最終結論】好枠からガムシャラに走り抜け!

さて、今週もまた中央競馬の時間がやってきた。先週は禁止薬物騒動の影響で大量の競走除外馬が出ているだけに、今週はアクシデントなく開催が終わることを心から願っている。


東京11R・アハルテケSは東京ダート1600mで行われる。近年の3着以内馬は当然ダート競馬が盛んなアメリカ競馬で活躍した馬の仔、孫が多い。それはそうだろう。

特にいいのはアメリカの1800m以下のダートG1で勝っている馬を父か、母の父に持つ馬。2年連続3着以内のチャーリーブレイヴは、1800mのサンタアニタダービー勝ち馬のインディアンチャーリー。昨年の1着馬サンライズノヴァの母の父は1800mのフロリダダービーを勝ったサンダーガルチ。2着サンライズメジャーの母の父は1700mのローレルフューチュリティを勝ったデピュティミニスターだ。

同じ舞台で行われるフェブラリーSではよりペースが厳しくなるため、スタミナ血統による補完も必要。オープン特別のアハルテケSはそこまで底力を問われない分、スピードのある米国血統がより有利になってくるのだろう。

今年、アメリカの1800m以下のダートG1で勝っている馬を父か母の父に持っている馬は、イーグルフェザー、タイセイパルサー、イーグルバローズ、ローズプリンスダム、レッドゲルニカ、タガノディグオの6頭。特に◎タガノディグオ(牡5、栗東・宮厩舎)は注目してみたい。

気難しい馬で、オープンに昇級後は折り合いに課題を残していたが、久々の半周コースだった前走のオアシスSは大外枠からスムーズな競馬に持ちこんで4着に粘り込んだ。オアシスSがハナ候補が出遅れて先行有利になったとはいえ、これまでのレース振りとは明らかに一変している。距離短縮も良かったのだろう。

今回は前走と同じ距離で、再度の大外枠。慣れも見込めるだろうし、スムーズな競馬が期待できる。上位人気馬は57kgの馬ばかりという中で56kgを背負えるのもプラス材料だ。暑くてもへこたれないのも強み。ここで賞金加算を狙いたい。

血統的にはイーグルバローズ(牡5、美浦・堀厩舎)もいいが、今週の追い切りで3歳未出走馬にアオられてしまったのはやはり気になる。昇級戦のゴライアス(牡4、美浦・高木登厩舎)は馬はオープンでも通用するものの、最内枠からうまく自分の競馬に持ちこめるのかどうか。となればタガノディグオでも足りる線が見えてきそうだ。


函館11R・大沼Sが行われる函館競馬場は、土曜の天気予報を見る限り雨が降りそうだ。馬場を変えるレベルまで降ってくれるのかは謎だが、先週の馬場を考えれば、ある程度は時計が速くなるだろう。

近5年で勝ち時計が1.43.5を切ったのは16年と17年。16年は1着馬の父がアグネスデジタル、3着馬の父がウォーエンブレム。17年1着馬の母の父はフォーティナイナーで、2着馬の父はイルーシヴクオリティ。今名前を挙げた4頭は全て父ミスタープロスペクター系だ。ミスプロ系は数も多く毎年上位を占めているだろ…と思われがちだが、このレースはサンデー系やノーザンダンサー系も強く、意外とミスプロ系の上位馬は多くない。

今年のメンバーで父か母の父がミスタープロスペクター系の馬は5頭。その中から◎ロードゴラッソ(牡4、栗東・藤岡健厩舎)をチョイスしたい。前走のマーチSは昇級戦。内枠から揉まれる形となったものの、最後までしぶとく伸びて1着とは0.3秒差の6着。ダートに替わって3連勝した実力は本物だろう。

今回は再度内枠で距離短縮だが、オープン2戦目で内枠にも慣れていることが見込まれ、加えてサッカーマムの仔はマイル以下でも良績を残していることを考えれば、この条件が合わないとも考えにくい。

内からプレスティージオ、ハイランドビーク、ドライヴナイト、リアンヴェリテ、フュージョンロックと先行馬が揃った一戦。差しに回せるロードゴラッソにとっては展開も恵まれてきそうだ。




水上学の血統トレジャーハンティング

土曜東京11R アハルテケS(ダート1600m)

◎本命馬
⑨ナムラミラクル
(牡6、栗東・杉山厩舎、藤懸騎手)
いよいよ上半期ラスト。ロングランの東京開催も終了となる。ダートの場合、マイルは東京だけにしかないため、このコースを得意とする馬にとっては是が非でも結果がほしいところだ。
そんな1頭が⑨ナムラミラクルだろう。当該コースで4走し、すべて3着以内。ルメールを背に武蔵野Sに出走し、僅差3着となった実績もあるが、本来は藤懸騎手がベストパートナーだ。
前走バレンタインSは大敗したが、これは本来東海Sに出るはずで調整しながら、調教中に外傷を負って過程が狂ったことによる体調の不備が原因。しっかり休んで立て直し、得意の舞台に向けて乗り込みを重ねてきた。欅Sを除外されたのは、プラスに出るだろう。
本来は一度叩きたいところだが、マイルなら位置取りも楽で、息もちが良くなるはず。藤懸騎手にとってもここは晴れ舞台だ。久々のメインレース勝利を期待したい。

$お宝馬
⑩サトノアッシュ
障害を経て平地に戻ってからは、昨夏活躍したように暑さに強い戦績を示している。3走前は距離不適、2走前は長期休養明け、前走は芝と敗因がハッキリしており、得意の季節に得意の左回りなら変わっていい。半弟はサトノファンタシーで、母系のポテンシャルは高い。

相手上位は⑧イーグルバローズ、③ワンダーリーデル、①ゴライアス。押さえに④プロトコル、⑦タイセイパルサー。




土曜メインレース展望・柏木収保

【アハルテケS】高齢馬の活躍が目立つ一戦

世代交代前の必死の快走が伏兵の台頭を生む


 6月の東京ダート1600mのオープン特別に定着したのは2012年から。過去7年の3着以内馬21頭のなかに、6歳以上馬が過半数の13頭。7歳以上のベテランホースがなんと3分の1の「7頭」もいる。逆に、4歳馬は2頭だけ。

 2歳馬の入厩が増えているシーズン末。世代交代がどんどん進み、退厩を余儀なくされるベテランが多い。なんとかここで…という7歳以上馬の必死の快走が多いのだろう。馬券に関係したベテラン7頭は順に「3、4、10、6、7、10、7」番人気だった。今年から別定戦に変わるが、伏兵は6歳以上(とくに7歳以上馬)の激走。

 昨年の6月23日、重馬場の東京ダート1600mの夏至S(当時1600万下)を、1分35秒2(上がり37秒2)で快勝している6歳ナムラミラクル(父スパイキュール)が狙える。前半1000m通過57秒9のハイペースを果敢に先行し、4コーナーで先頭に立つとそのまま押し切った。55キロだったとはいえ、現5歳オープンのスマートダンディーなどを完封しての好時計勝ちだからフロックではない。

 そのあとここまで、オープンで【0-2-2-2】。武蔵野Sでサンライズノヴァの0秒2差3着した1分34秒9もある。今回は休み明けになるが、間隔を取りつつ長めから4本追い切って仕上がっている。昨年の夏至Sの快走も、直前の出走取り消しなどを含む休み明けだった。全5勝中の3勝が(夏至Sなど)藤懸貴志騎手(26)。ハデに活躍する若手ではないが、今年はここまで例年以上のペースで7勝を挙げている。この夏、そろそろブレークしたい。

 著名な牝系ではないが、祖母シルバービオレ(父は芦毛のシルバーシャーク、母も芦毛のカネジョリー)は、送った産駒8頭がすべて芦毛だった。芦毛を伝える遺伝子を「芦毛しか出さない結合型」で持っていたと考えられる。ナムラミラクルはそうではないが、家系の珍しい芦毛を受け継いでいる。

 8世代を送った父スパイキュール(その父サンデーサイレンス)の、最終世代から2番目になる数少ない産駒。同期には公営で大活躍するカツゲキキトキト(現在51戦27勝)、JRAの牝馬プリンシアコメータ(27戦7勝)がいる。ここまでの全5勝はもまれる不利が生じない外枠寄りだった。今回は13頭立ての9番枠。良績の少ない内を引かなかったのは幸運だろう。

 7歳以上馬ではしぶとい8歳プロトコル(父スクリーンヒーロー)が侮れない。
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