回収率向上大作戦・須田鷹雄

これだけいればさすがに絡む!? 今年の巴賞組/函館記念

大敗馬が多い最近の傾向も今回全滅は考えづらい


 函館記念を予想する際に毎年頭を悩ませるのが「巴賞問題」。そんな名前で呼んでいるのは私だけだろうが、巴賞組があまり馬券に絡まない問題である。

 その昔は「巴賞組は前走凡走馬が穴になって好走してきた馬が走らない」というのがパターンだったのだが、ここ10年は合計で[1-4-3-42]。重賞の壁というだけでは説明がつかないほど、大敗馬が多い。

 ただ今年に関しては、さすがに絡んでくるような気もする。というのも、単純に前走巴賞の登録馬が9頭もいるからだ。最終的に何頭が出走してくるかわからないが、これだけいて全滅は考えづらい。

 改修絡みで札幌施行となった年や旧番組(函館8週時代や札幌→函館の順だった時代)を含め、1986年以降で函館記念に前走巴賞組が7頭以上出走したケースは

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 となっており、さすがに誰かは絡んでいるし、複数絡んだ年も7回ある。6頭出しで全滅と言うケースも1回しかない(他に6頭出し7回)。

 今年最終的に何頭が出走してくるか分からないが、6~7頭出てくれば「さすがに1頭は……」ということになってくる。最近私自身も巴賞組は嫌う方向で予想していたのだが、今年は数の論理に配慮せざるをえないし、場合によってはこの組から軸を取るかもしれない。




重賞データ分析・小林誠

【函館記念】枠番と人気からターゲットを絞り込め!

■函館記念(G3・函館芝2000m)フルゲート16頭

【特注データ】3行でわかる! レース攻略の糸口

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 サマー2000シリーズの第2戦となる函館記念。昨年、昨年まで4年連続でふたケタ人気の超穴馬が馬券絡みしているように、波乱傾向のかなり強いレースである。詳しくは後述するが、1番人気が[0-1-0-8]とまったくアテにならないのも、波乱傾向を強めている大きな要素。今年も伏兵の台頭に注意したい一戦である。

 その特徴として真っ先にあげたいのが、内枠の強さ。コースデータとレースデータの両方で「内枠有利」と結論づけられる。7番人気以下で馬券に絡んだ馬はのべ16頭いるが、馬番1~8番がトータル[0-6-3-33]で複勝率21.4%であるのに対して、馬番9~16番は[0-2-5-40]で同14.9%と大きな差が出ている。人気馬はもちろん穴馬についても「真ん中よりも内」に入った馬を重視する姿勢をオススメする。

 気になるハンデについてはあまり差がなく、高齢馬が強いのもあって年齢別成績にも偏りなし。さらにいえば、騎手の乗り替わりや前走人気、前走着順なども問われないレースである。このあたりは気にせず、先行勢の強さや前走重賞組の強さ、前走馬体重500キロ以上馬や前走がマイナス体重だった組の不振などを重視して、最終的な馬券を構築したい。

 枠番が超重要なので、現時点でのデータ特注推奨馬はナシ。ルミナスウォリアーやエアアンセムの回避などもあり、現時点で把握できている出走予定馬自体が非常に少ない。特別登録が出ていない段階での見通しとしては、今年は少頭数での開催となる可能性が高そう。コレが枠番データにどう影響するかも考える必要があるだろう。


【コース総論】函館芝2000m Bコース使用
★人気サイドの信頼度が意外に低め。積極的に穴馬を狙っていきたいコース。
★ハッキリと内枠有利&外枠不利。枠番を重視する姿勢で取捨選択するべき。
★逃げた馬が超高確率でそのまま残っている。差せなくはないが先行勢優勢。

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 4コーナー奥のポケットからスタートする函館芝2000m。最初のコーナーまで十分に距離のあるコース形態ではあるが、そこはローカルの小回り。ポジション争いが激化して、序盤から速いラップか刻まれるようなケースもある。多少の起伏はあるが、高低差が少ない「オーバル」な形態のコースである。

 まずは人気別だが、かなり目立っているのが人気薄の強さだ。人気サイドで内容がいいのは3番人気くらいのもので、それ以外はイマイチな内容。対照的に人気薄は絶好調で、7~9番人気や10~12番人気、さらに13番人気以下までが「買い」といえる内容となっている。イメージよりも格段に波乱傾向が強いので、注意が必要だ。

 次に枠番だが、こちらはハッキリと内枠有利&外枠不利。小回りかつオーバルなコース形態を考えれば当然の帰着で、単純に内外を比較したデータにおいても、連対率や複勝率に大差が出ている。ギャップ値で比較しても内枠のほうが好内容であるのは明らかで、外枠を引いた場合には人気馬でも過信は禁物。かなり重視したい予想ファクターである。

 最後に脚質だが、逃げた馬が72.7%という超高確率で馬券絡みしているように、圧倒的に先行勢優勢だ。集計対象としたレース数が少なく、データ母数的に大きな偏りが出ている面もあるが、コース形態から考えればこちらも当然の結果。ある程度は前のポジションにいないと、勝ち負けには持ち込めないと考えるべきだ。


【レース総論】函館記念(G3) 函館過去9回
・レースの要所!
★1着馬はそれなりに順当だが相手が紛れる。7~9番人気など中穴が絶好調。
★コースデータ以上に内枠有利。多頭数の外枠は評価を大幅に割り引くべき。
★先行勢が強いのもコースデータ同様。年齢やハンデによる成績差は小さい。
★出走数の多い前走巴賞組などOP特別組は低調な成績。前走重賞組を重視で。

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 レースの平均配当は、単勝720円、馬連1万621円、3連複5万3021円。ヒモ荒れ傾向が強いレースであるのは、これだけで一目瞭然だ。1番人気が[0-1-0-8]とサッパリの成績なのに単勝平均配当が低いのは、勝ち馬がすべて2~5番人気だから。1着馬が紛れるケースを狙うよりも、2~3着に人気薄が激走するパターンを狙ったほうが効率はいい。

 コースデータとは違って、レースデータでは4~6番人気や7~9番人気など、いわゆる「中穴」の活躍が目立っている。驚くべきは7~9番人気の40.7%という複勝率の高さで、毎年のように上位を争っているのだから驚かされる。単純に人気だけで「軸」を決めるならば、ここを2~3着軸をするのがもっとも儲かりそうだ。

 次に枠番だが、こちらはコースデータの通りに内枠有利&外枠不利。とくに素晴らしいのが馬番1~4番の成績で、トータル[3-4-3-26]で複勝率27.8%、単勝適正回収値107.2、複勝回収値128、ギャップ値プラス1.1と、高信頼度かつ爆発力の強さも十分。さらに馬番5~8も負けず劣らず優秀と、露骨なまでに内枠の強さが目立っている。多頭数で「真ん中よりも外」を引いた場合は、評価を大きく割り引く必要がある。

 先行勢が圧倒的に優勢であるのも、コースデータ通り。中団からでも差せなくはないが、信頼度の高さはもちろん回収値についても完全に「先行勢>中団待機組」である以上、過剰な期待は禁物だ。年齢別では、7歳馬など高齢馬が全体的に好成績。だからといって若い馬の成績が悪いわけではないので、年齢が「不問」のレースだと考えたほうがいい。

 これはハンデについてもいえることで、斤量55キロを背負う牡馬をもっとも高く評価はしたが、ハンデの軽い馬から重い馬までまんべんなく好走している──というのが実際の話で、こちらも「不問」と考えるのが正解。斤量の増減別で集計したデータでも大きな偏りは見受けられず、ハンデというファクター自体を軽視しても、とくに問題はなさそうである。

 前走クラス別では、前走重賞組が好内容。巴賞組など「前走オープン特別組」の出走数が多いレースだが、信頼度と回収値の両方が低めでは、あまり食指が動かされない。ここは、前走で出走していたレースの「格」を信頼すべきだろう。あとは、前走馬体重500キロ以上馬の成績が低空飛行であるのも、特徴のひとつ。洋芝コースでもあり、馬格のあるパワータイプをつい狙いたくなるが、実際は期待薄だったりするのだ。


【血統総論】197912.png

 血統面は、成績上位であるキングカメハメハ産駒、ハーツクライ産駒、ハービンジャー産駒を素直にプラス評価の対象とした。ステイゴールド産駒やディープインパクト産駒の成績も良好だが、高評価した3種牡馬の産駒と比較すると一枚落ちる印象。末脚のキレ味で勝負できるコースではないというのが、大きく影響していると思われる。


★出走予定馬 総論×各論

 毎年のようにフルゲート近くが出走してくる函館記念だが、今年は現時点で出走の意向が確認できている馬が非常に少なく、少頭数となるケースもありそう。そうなると、ここまで超重要だと繰り返してきた「枠番」というファクターが、うまく機能しなくなる可能性が高くなってしまう。また、ファクター別でプラス評価を得た馬が非常に少ないのもあって、現時点での予想が「とんでもなく」難しい。

 ……と、ひとしきり泣き言を並べたところで、今回の各論に入ろう。現時点でのトップ評価は、「1番人気にならなかった場合の」エアスピネル。前走芝1600mからの距離延長はマイナスで、さらに久々で仕上がりも気になるが、それを理由に人気を落とすようならば面白い。これだけのマイナス材料を抱えた馬をトップに評価するほど、今年の函館記念は混戦模様なのだ。

 二番手評価にメートルダール。北海道シリーズ参戦はデビュー戦以来で、東京と好相性のキレ型である。それだけに洋芝適性については疑問符が付くが、前走新潟大賞典組の強さなど買い材料もあり、実績的にもこの相手関係ならば勝ち負けに持ち込めそう。武藤騎手に乗り替わる予定というのも、新味が期待できそうで面白い。

 そして三番手評価にステイフーリッシュ、四番手評価にポポカテペトルという序列だが、このままではけっこう人気通りであり、「波乱含み」という函館記念の傾向と合致しなくなってしまう。7~9番人気など中穴の強さは前述した通りで、これも出走頭数次第ではあるが、高配当を積極的に狙っていきたいところだ。とにかくここは、枠番と人気が重要となる一戦。それをどうか最後までお忘れなく。
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