栗山求コラム「血統の裏庭」

函館記念(G3)血統的考察

先週の七夕賞(G3)は、
後方から外をマクって進出した△ミッキースワロー(3番人気)が
トップハンデをものともせず押し切った。

3着は12番人気のロードヴァンドール。

今年も3連単は17万2290円と大荒れだった。

ちなみに、勝ったミッキースワローに騎乗した菊沢一樹騎手は、
ロードヴァンドールに騎乗した横山典弘騎手の甥にあたる。


さて、今週は函館記念(G3・芝2000m)。

エリモハリアーが3連覇した時代は総じて馬場が悪かったので、
勝ちタイムは2分以上掛かることが当たり前だったが、
最近は良馬場なら1分58~59秒台で決着する。

16年は稍重のコンディションにもかかわらず1分59秒0だった。

今年は金曜、土曜に雨が降る予報だが、
どの程度の量なのかは分からない。

パンパンの良馬場にはなりそうもないので、
やはり渋った馬場にも適性のある洋芝巧者を狙いたいところ。


ハンデ戦らしく荒れており、過去10年間で1番人気馬は1頭しか連対していない。

それも9年前の2着馬で、3着以内もこの1頭だけという惨憺たる成績だ。

過去5年間の1、2、3着馬の人気は以下のとおり。

これだけ荒れる重賞もなかなか見当たらない。


18年 5→7→13番人気
17年 5→14→7番人気
16年 3→13→9番人気
15年 3→10→7番人気
14年 2→8→7番人気


【エアスピネル】

「キングカメハメハ×サンデーサイレンス」という組み合わせ。

デビュー以来16戦、一度も掲示板を外していなかったが、
前走のマイルCS(G1)で初めて10着と大敗した。

今回は8ヵ月ぶりの実戦。

菊花賞(G1)3着の実績があるとはいえ本質的にはマイラーで、
芝2000mは過去3戦して[0-0-1-2]と連対していない。

ただ、道悪をこなすタイプで、重賞3勝の地力は侮れない。


チャレンジC(G3)を勝ったエアウィンザーの全兄で、
昨年の覇者エアアンセム(父シンボリクリスエス)とは
母同士が全姉妹、という関係にある。

母エアメサイアは現役時代、デビュー戦から引退レースまで武豊騎手が手綱を取り、
秋華賞(G1)とローズS(G2)を制覇したほか、
オークス(G1)とヴィクトリアマイル(G1)で2着と健闘した。

2代母エアデジャヴーは、
クイーンS(G3)を勝ち、オークス2着、桜花賞(G1)と秋華賞で3着などの
好成績を残している。

アイドリームドアドリームの牝系は活力があり、
エアデジャヴーの半弟にエアシャカール(皐月賞、菊花賞)、
エアメサイアの全兄にエアシェイディ(アメリカJCC)がいるほか、
多くの活躍馬が出ている。

エアシェイディは06年のこのレースで2着となっている。


前述のとおり今回は久々と距離延長が鍵となる。

トップハンデ馬は過去10年間に3頭連対しており問題ないが、
今回のエアスピネルと同じ58kgを背負った場合は[0-1-0-4]と成績が落ちる。
楽観はできないだろう。


【ステイフーリッシュ】

「ステイゴールド×キングカメハメハ」という組み合わせ。

新馬戦を勝ったあと臨んだホープフルS(G1)で3着。

キャリアの浅さを考えると大健闘だった。

3歳春に京都新聞杯(G2)を勝ち、
その後は勝ち星を挙げていないが、中山金杯(G3)2着など
小回りコースの実績もある。


母カウアイレーンは
ブラックホーク(安田記念、スプリンターズS)、
ピンクカメオ(NHKマイルC)の兄弟。

「ステイゴールド×キングカメハメハ」は数は少ないながらも成功しており、
安田記念(G1)を勝ったインディチャンプもこの組み合わせ。

2000m前後がいいタイプで、道中動ける機動力があり小回りコースも苦にしない。

ステイゴールド産駒は過去10年間で
マイネルミラノが1着、ジャミールが2着、ツクバアズマオーが3着と
実績を残している。


【レッドローゼス】

「ステイゴールド×ガリレオ」という組み合わせ。

5歳にして重賞初挑戦となる。

前走の福島民報杯(L)はクレッシェンドラヴを破って優勝。

同馬は次走の七夕賞(G3)で2着に食い込んだのでレベルの高い一戦だった。

前述のステイフーリッシュと同じステイゴールド産駒なので
函館記念への適性は高い。

なおかつ、母リヴィアローズは「ガリレオ×ナシュワン」なので
ヨーロッパのスタミナ血統。

力のいる洋芝は向くタイプだ。

函館コースの経験はないが、同じ洋芝の札幌コースでは[1-1-0-0]。

56kgのハンデならおもしろい。


小回りコースだけあって内枠の成績がいい。

枠番の2~4枠が強い。

1枠は内過ぎるのか良くなく、7、8枠の外枠も厳しい。


以上の傾向を踏まえつつ、
調教の動きや枠順などを総合的に判断し、週末に最終結論を出したい。







調教Gメン研究所・井内利彰

ハンデ戦ならではの妙味がたっぷりなレース、バーデンバーデンCを中心に追い切りチェック!

絶品の動きを見せた実績馬も枠順次第か


 今週の重賞は函館記念。出走馬は函館競馬場もしくは札幌競馬場で最終追い切りを行っての出走になると思います。よって、今週の当欄で取り上げるのはオープン特別もしくは下級条件ということになります。重賞ではないと聞けば、少しボリューム不足にも思えますが、予想して馬券を買うのにクラスは関係ありません。

 特にバーデンバーデンCはハンデ戦ということもあって、馬券的な妙味がたっぷりなレース。現時点であらかじめの予想を固めておいて、枠順が出てから本決めに持っていくという流れがよいと思います。その参考になるよう、少し馬を多めの取り上げておきました。


【バーデンバーデンC/アンヴァル】
 netkeiba.comの予想オッズは1番人気。54キロというハンデも妥当なところですし、福島芝1200mを勝った実績があることを考えても、当然の評価かも知れません。まして1週前追い切りは坂路で4F50.7秒という自己ベストを更新しながら、4F目12.0秒で最速ラップ。調教内容にケチをつけるところはありません。

 最終追い切りも坂路で単走。スタート地点へ向かうまでに少しテンションの高いところを見せましたが、走り出すとスムーズ。安定したフットワークで4F52.1秒、1F12.3秒。2F24.5秒の脚力はさすがですし、状態に関しては休み明けとして申し分ないと思います。


【バーデンバーデンC/カラクレナイ】
 前走は勝ち馬から1秒以上離された8着でしたが、やはり1400mよりも1200mが合うタイプなのは間違いないでしょう。ただ、1200mに関してもそこまで安定して走れているわけでもないのに54キロ据え置きはやや人気先行タイプに思えてしまいます。

 調教内容に関してはいつもの同じパターン。CWで4F追いを行って、週末には坂路では時計を出す。今回も全く同じです。今回はCWでの4F時計が速いので、その点は過去の1200mを使った時とは微妙に違います。これが良い方へ出ればと思いますし、あとは最終追い切りがどんな内容になるか。少なくともラスト1Fは12秒を切るようなラップがいいでしょう。


【バーデンバーデンC/モアニケアラ】
 3ヶ月ぶりの休み明け以上に気になるのは久しぶりの芝。新馬、未勝利と2走続けて芝を走った後はずっとダートですから、オープンで通用するのかというところになりますよね。ここで気休めに書いておくと、新馬戦3着だった時の2着はダノンプラチナ。後に朝日杯FSを勝ち、香港マイルまで遠征した実績がある馬です。

 この馬自身に関しては、追い切りでの動きが絶品。もともと坂路で終い重点だと動くタイプですが、それにしても4F54.1秒の2F24.8秒は評価できます。1F12.1秒と終いは鋭く伸びており、前半に脚をためると、後半はしっかり伸びてくれます。そのあたりは馬のことをよく知っている横山典弘騎手ですし、あとはどの枠順からどんな競馬をするかだけ。


【マレーシアC/アフリカンゴールド】
 競馬場へ行くと気性的な問題があって、それを解消するために去勢手術を行いました。セン馬になったことで「普段が大人しくなりました」とは担当する平田調教助手。しかし、追い切りに関しては、特に力強さなどがなくなったということはありません。

 むしろ今回は1週前も最終追い切りもCWで重心が低い走り。2走前あたりから、少し上擦った走りに思えていただけに、特に今回が良く見えます。時計も6F83.1秒、1F11.8秒なら上々だと思いますし、あとはレースでしっかり走ってくれるかどうか。


【名鉄杯/ジョーダンキング】
 JRAに再転入してから着実に階段を上がって、ここ2走の重賞が勝ち馬とは0.6秒差以内の競馬。いきなり勝ち負けするような派手さはないものの、確実に重賞でもやれるだけの力を付けている段階だと思います。少し流れに乗れなかったマーチSに比べると、平安Sは相手が強化したにも関わらず、中団から脚を使えた印象です。

 1週前追い切りに川田将雅騎手が跨り、最終追い切りは小崎稜也騎手。いずれもCWでの併せ馬でしたが、やっぱり反応の鈍さはあります。だからこそいい脚を長く使えるタイプなのは間違いないですし、少しずつ重賞に対応できる機敏さも出ていますから、オープン特別ならという印象もあります。


◆次走要注意

・7/7 2歳新馬【シェイクスピア】(5人10着)

 陣営からは「初戦からというタイプでは」と聞いていましたが、最終追い切りの動きが抜群だったので本命。しかし、レースでは最後の直線でバラバラになりました。どうも馬を気にするタイプのようで、やっぱり初戦向きではなかったよう。慣れた次走以降は狙えると思います。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りが栗東坂路で4F目最速なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・2歳新馬【ギルデッドミラー】
 1週前追い切りはCWで川田将雅騎手が跨って、最終追い切りは坂路で古馬に先行する内容。相手が追いつくところもなくゴールしての先着。ラスト1Fは12.0秒ですから、そりゃ追いつけないよなという感じ。レースでもすんなり主導権を握ってしまえば。






水上学の血統トレジャーハンティング

【函館記念・展望】難解な宿題

★土曜中京10R 濃尾特別
◎本命馬 ワンダーウマス 3番人気2着
終始外目を回り、直線は早めに動いて先頭に並びかけたが、なんと肝心のところでムチを落とし、またレース後の取材によれば手綱も離れてしまうという大きなアクシデント。それでハナ差負けなら、まともなら勝っていたはず。不運。

$お宝馬 マンハッタンロック 10番人気8着
終始後方馬群、そのまま回ってきただけで、直線はさすがに数頭は抜いたが、勢いはなかった。ただこのまま終わる馬ではないので、どこで激変するかを見逃さないようにしたい。

★日曜福島11R 七夕賞(G3)
◎本命馬 クレッシェンドラヴ 2番人気2着
前半後方からマクリ上げていくという、今の福島芝にぴったりの走り。完璧だった。相手が悪かっただけ。

$お宝馬 ウインテンダネス 9番人気9着
3コーナーまではいい感じで来ていたが、そこから捌けず流れ込んだだけ。仕掛けたときのコーナーリングが難しいように見えた。これを見る限り、右回りか小回りが合わないのかもしれない。

【今週のポイント】
3連単の配当がこの10年で8回10万超え。しかもこの4年は12万→23万→91万→57万と荒れまくっている函館記念。今年も一筋縄では収まらないと決め打ちしたい。

これだけ荒れている原因はいろいろあるが、そのうちの1つとして、前哨戦である巴賞連対馬が惨憺たる成績であることが挙げられる。この10年で1頭も馬券になったことがないのだ。さらに前走で掲示板を外した馬が8頭も連対している。前走着順はあまりアテにはならない。

今年は例年にない大物、GⅠ連対馬のエアスピネルが出走予定。しかも久々の2000m出走となる。距離延長の是非、8ヶ月ぶりの実戦、さらに函館が能力を出し切れる舞台なのかどうかの見極めも重要で、かつ難しい。

馬場状態にかかわらず、パワー血統が好走する傾向がある。切れ勝負型には厳しい舞台。そして4年連続で1頭は馬券になり続けている2ケタ人気馬から何を抜擢するかが、お宝ゲットの最大のポイントとなる。非常に難解な夏の宿題だが、臆せず攻めの姿勢で臨みたい重賞だ。

【次回の狙い馬】
日曜 福島5R 4着
トーセンコパン
前半は注文通りのハナを切ったが、早めに5着馬に絡まれて苦しくなりかける。しかしそこからの粘りが新馬戦としては目を見張るものだった。普通なら交わされてバッタリ来るところを差し返す構え。この内容で0秒3差なら評価できる。左回り云々はあるが、次走新潟の芝中距離なら、外回り内回り不問で狙いたい。

日曜 福島9R 5着
リトミカメンテ
今回は3ヶ月ぶり。18キロ増えていたが、太いとは見えなかった。それよりも外から寄られたことで少しスイッチが入ったように見えた分が、最後に粘りを欠いた理由か。これが休み明けだったからか、それとも元々の気性なのかはイマイチ分からないが、使ってさらに良くなりそうな気配は十分。オルフェーヴルそっくりの外見にも惹かれる。関西馬なので次走小倉なのか、新潟なのか分からないが、できれば新潟芝で見てみたい。

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