重賞データ分析・小林誠

【札幌記念】超ハイレベル戦だが紛れもある!

■札幌記念(G2・札幌芝2000m)フルゲート16頭

★3行でわかる!札幌記念 攻略の糸口
1. 1番人気の勝率が低め。中穴の1着固定で攻めたい!
2. 内枠有利&外枠不利。馬番1~4番は必ずチェック!
3. 前走G1組や海外組を重視。近走の「格」が問われる!

データ特注推奨馬
 ★現時点ではなし

 かなりの好メンバーとなりそうな、今年の札幌記念。フィエールマンを筆頭に、何頭ものG1馬がここで激突する。秋のG1シーズンを見据えた注目の一戦となるが、注意したいのが「なかなか1番人気が勝てない」レースであるということ。1番人気馬が最後に勝ったのは2011年で、以降は延々と惜敗が続いているのだ。

 その要因となっているのが、ド平坦で前が止まらないうえに最後の直線が短いというコース形態と、ハッキリと「内枠有利&外枠不利」であること。これがプラスに働くようなタイプで、なおかつ中穴人気に推されている馬を1着で狙うことで、札幌記念で勝てる確率はグンと上昇するはずだ。ふたケタ人気などの超穴馬はまず来ないので、スパッと「消し」での勝負がオススメである。

 あとは、近走で戦ってきたレースの「格」が重要であるのも、大きな特徴。函館記念など前走G3から出走する馬も多いが、前走G1組や前走海外組のほうが明らかに好成績。勢いが重要な夏のハンデ重賞とは異なり、秋G1へ向けたステップレース的な立ち位置のレースであることを、しっかり意識すべきだろう。


【コース総論】札幌芝2000m Cコース使用
★3着以内馬の75.0%が5番人気以内馬。人気サイドの強さが目立つコース。
★内枠有利となるのはコース形態からも納得。外枠は人気馬でも過信禁物。
★中団からも差せるが、後方に置かれると終わり。先行勢の強さが目立つ。

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 4コーナー奥のポケットがスタート地点。最初のコーナー進入まで400m近くあるので、序盤のペースは落ち着きやすい。とはいえ、ド平坦でオーバルなコース形態でもあり、内ラチ沿いを距離損なく走れるメリットは非常に大きいはず。外を回らされるデメリットは、イメージ以上に大きいと思われる。

 まずは人気別だが、基本的には人気サイドが強いコース。馬券絡みした馬のじつに75.0%までが、5番人気以内馬によって占められている。データだけ見ると7~9番人気や10~12番人気を1着で狙ってみるのも面白そうだが、出現率の低さを考えるとあまり割がいいとは言えない。大振りは避けたほうがいいコースである。

 次に枠番。平均人気の差は考慮する必要があるが、それでもやはり「内枠有利」だろう。馬番1~4番の信頼度は連対率16.9%、複勝率24.7%と頭ひとつ抜けており、ギャップ値もプラス圏と人気以上の結果を出している。対照的に、外枠である馬番13~16番の内容は、やはりイマイチ。外枠に入った場合は、人気馬でも評価を割り引くべきだ。

 最後に脚質だが、最後の直線が短いのもあって、やはり先行勢が優勢。中団~後方から勝ち負けに持って行くには、3コーナーから4コーナーにかけての地点で動く必要がある。それができずに、4コーナーを11番手以下で回った馬の成績は壊滅的だ。好位追走から早め先頭→そのまま押し切りというのが、典型的な勝ちパターンといえる。


【レース総論】札幌記念(G2) 札幌過去10年(9回)
・レースの要所!
★1番人気は高信頼度だが勝率は低い。2~3着固定で狙ってみても面白いかも。
★やはり内枠有利&外枠不利。複勝回収値やギャップ値の低さは相当なモノ。
★脚質は先行勢優勢。最速上がり馬が1勝しかしていないのが、何よりの証明。
★前走G1組や海外組がハッキリ強い。戦ってきたレースの「格」が問われる。

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 レースの平均配当は、単勝1146円、馬連6729円、3連複1万126円。かなり堅く決まっているイメージで、実際に1番人気馬は毎年のように馬券に絡んでいるのだが、そのわりには平均配当が低くない。上位人気同士の組み合わせでオイシイ配当を狙う──といった馬券戦略が、有効に機能しそうな一戦である。

 目立っているのが、1番人気馬の勝率の低さだ。[2-5-1-1]で複勝率は88.9%もあるが、勝率は22.2%に過ぎない。ここ3年の1番人気馬がすべて2~3着に終わっているように、とにかく「取りこぼし」が多いのだ。これは、ブエナビスタやモーリスといった最強クラスでも同じ。1番人気を2~3着に固定した馬券で攻めるというのも、面白そうである。

 とはいえ、ふたケタ人気の超穴馬は[0-1-0-51]とサッパリの結果に終わっており、おそらく今年も期待薄。ここはスパッと切り捨てて、4~6番人気や7~9番人気の中穴を積極的に狙うのが、札幌記念で儲けるためのセオリーだ。あとは、牝馬が[2-1-3-13]で複勝率31.6%と好成績であるのも、覚えておいて損はないだろう。

 枠番は、コースデータ以上に内枠有利&外枠不利という結果に。単純に内外を比較したデータにおいても、信頼度に2倍近くの大差が出ている。「真ん中よりも内」を引けるかどうかで、着順は大きく変わってくるはず。外枠である馬番13~16番は、ギャップ値がマイナス1.3と非常に悪く、かなりの割引が必要といえる。

 脚質については、コースデータよりは差せているがそれでも先行勢優勢。注目すべきは最速上がり馬の成績で、連対率や複勝率が非常に高いにもかかわらず、わずか1勝しかできていない。つまり、最速の上がりを繰り出しても、このコースでは「届かない」のである。前々で流れに乗れる馬のほうが有利であるのは、間違いない。

 年齢別では、5歳以下馬を少しだけプラスに評価。6歳馬が3勝しているように高齢でも勝ち負けになるレースだが、トータルで見た場合の信頼度は、やはり少し見劣る。前走クラス別では、前走G1組や海外組が好成績。前走函館記念組などG3からのローテも多いが、やはり信頼度はイマイチだ。

 秋G1のステップとしても機能しているレースだけあって、鞍上は「継続騎乗」のほうが望ましい。関東所属騎手の成績が低空飛行なので、「関西所属騎手や外国人騎手の継続騎乗」が、もっとも高く評価できるパターンとなる。あとは小ネタだが、前走がマイナス体重だった馬が連対率21.1%、複勝率28.1%と強いというデータも紹介しておこう。


【血統総論】

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 種牡馬別では、ディープインパクト産駒、ステイゴールド産駒、シンボリクリスエス産駒をプラス評価の対象とした。とくに素晴らしいのがステイゴールド産駒で、高信頼度であるのはもちろん、回収値ベースの数値やギャップ値も非常に優秀。高いコース適性を備えているのは間違いない。シンボリクリスエス産駒が見せている爆発力の強さも魅力的で、こちらも出走してくれば期待大だ。


★出走予定馬 総論×各論
 現段階で出走を表明している馬だけでも、春のG1戦線を戦ってきた組がズラリ。豪州に遠征して、あのウィンクスの2着に激走したクルーガーも、ここに出走を予定している。今年に関しては「実質G1」といっても過言ではないほど粒ぞろいのメンバーで、どのようなレースが見られるのか本当に楽しみだ。

 注目は、主導権を握る馬の「不在」である。特別登録が出る前なので何とも言えない部分はあるが、積極的に前に行きそうなのはクロコスミアやエイシンティンクルくらいのもの。そして、札幌記念が「人気馬が前を捕まえきれないレース」であるのは、前述した通りだ。人気を集めそうな馬のほとんどが中団待機組となると、例年通りのパターンが繰り返される可能性は高い。

 というわけで、トップ評価は牝馬のクロコスミア。前走のヴィクトリアマイルでも手綱を取った、戸崎騎手が継続騎乗する見通しだ。ステイゴールド産駒らしく小柄な牝馬ながら、自分の競馬ができた場合の粘りは素晴らしいもの。牝馬G1で何度も好走歴があるように、「格」の面でもそう見劣りはしないはず。一発があるなら、この馬だろう。

 二番手評価に、おそらく1番人気となるであろうフィエールマン。前走の天皇賞(春)では、中団やや前から早めに仕掛けて押し切るという、札幌記念でも通用する勝ち方を見せている。もっとも買いやすい馬ではあるのだが、こういう馬が2~3着に敗れるのが札幌記念。また、前走1着馬が勝ったケースが過去10年で一度もない(2001年のエアエミネムが最後)のも気がかりである。

 三番手評価に、安田記念5着以来となるサングレーザー。まったく同じローテで、2018年はこのレースを制している。かなり特殊な馬場だったことを考えると、安田記念は悪くない結果。能力的な衰えはまったく感じないし、岩田康成騎手が継続騎乗する見通しであるのもプラス。人気の盲点になりやすいタイプでもあり、ここは面白い。

 上位に評価したのは以上の3頭で、以下は大混戦。かなり枠番の影響が大きなレースでもあるため、現時点でのジャッジに意味がないとみて、具体的な名前は挙げないでおく。ただし、春競馬で「らしさ」が見られなかったブラストワンピースと、臨戦過程に不安が残るワグネリアンの2頭は、少し割り引いて考えたいところ。ひと紛れあっておかしくない雰囲気である。





回収率向上大作戦・須田鷹雄

前走クラスの序列通りにならない北九州記念

ハンデ戦らしい一面があるレース


 日本のハンデ戦は能力差をハンデで埋めきれず、結局は格上タイプが好走するというケースも多い。ただ北九州記念に関しては、パブリックイメージとしてのハンデ戦らしい一面がある。

 それが現れるのが前走クラス別成績だ。過去10年の前走クラス別成績を見ると、以下のようになっている。

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 前走条件戦組が前走オープン特別より高い複勝率を示しており、さらに前走オープン特別組の勝率・複勝率が前走重賞組を上回っている。

 ただ、前走重賞組・オープン特別組は大敗してきた馬も多く出てくるので不利な面はある。そこで、前走1~3着馬に限定してみると……それでも複勝率は前走条件戦組(42.9%)がオープン組(27.3%)を上回っている。

 今年の登録馬のうち、前走条件戦組はエイシンデネブとシャドウノエル2頭だけ。ともに上位人気ということはないだろうから、出走してかつ3着以内に入ってくれれば良い馬券になりそうだ。
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