データde出~た

第1344回 ハイペースは必至!? 北九州記念の狙い方は?

今週日曜日は重賞が2つ組まれている。注目度は豪華メンバーが揃う札幌記念の方が上かもしれない。だが、北九州記念も興味深いメンバーが揃っており、馬券的な楽しみはこちらも負けていないだろう。今回は過去10年の北九州記念を分析し、レースの傾向を探ってみたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。


■表1 北九州記念の好走馬(過去10年)
年 着順 馬名 人気 性別 年齢 斤量 前走レース名 前着 前人 前走上り
18年
1 アレスバローズ  6 牡6 56 CBC賞HG3 1 4 33.2
2 ダイメイプリンセス4 牝5 55 アイビスG3 1 1 31.8
3 ラブカンプー   7 牝3 51 アイビスG3 2 2 32.2

17年
1 ダイアナヘイロー 3 牝4 53 佐世保S1600 1 2 34.1
2 ナリタスターワン 14 牡5 55 アイビスG3 9 12 32.3
3 ラインスピリット 15 牡6 56 アイビスG3 6 6 31.9

16年
1 バクシンテイオー 8 牡7 54 バーデンH 3 7 33.8
2 ベルカント    1 牝5 56 アイビスG3 1 1 31.7
3 オウノミチ    3 牡5 54 バーデンH 1 4 34.1

15年
1 ベルカント    2 牝4 55 アイビスG3 1 1 31.9
2 ビッグアーサー  1 牡4 55 水無月S1600 1 1 33.4
3 ベルルミエール  4 牝4 53 CBC賞HG3 4 5 35.0

14年
1 リトルゲルダ    8 牝5 53 アイビスG3 4 7 32.3
2 メイショウイザヨイ 13 牝5 52 佐世保S1600 1 7 35.0
3 カイシュウコロンボ 17 牡6 54 CBC賞HG3 11 16 34.0

13年
1 ツルマルレオン 6 牡5 55 バーデンH 8 3 35.8
2 ニンジャ    5 牡4 53 九州スポ1000 1 3 33.1
3 バーバラ    2 牝4 53 佐世保S1600 1 1 34.5

12年
1 スギノエンデバー 8 牡4 55 佐世保特1000 1 1 33.6
2 シゲルスダチ   12 牡3 52 NST賞 8 7 33.7
3 エピセアローム  6 牝3 52 優駿牝馬G1 16 12 38.6

11年
1 トウカイミステリー 8 牝5 52 ルミエー 7 2 32.6
2 エーシンリジル   2 牝4 53 船橋SH1600 1 1 33.8
3 エーシンヴァーゴウ 1 牝4 56 アイビスG3 1 1 31.8

10年
1 メリッサ     5 牝6 52 アイビスG3 18 1 34.0
2 スカイノダン   3 牝4 52 北九州短1600 2 1 33.5
3 サンダルフォン  6 牡7 56 CBC賞HG3 13 5 35.2

09年
1 サンダルフォン  8 牡6 54 米子SH 4 8 33.3
2 レディルージュ  2 牝3 50 ジュライ1600 2 1 34.2
3 カノヤザクラ   1 牝5 56 アイビスG3 1 3 34.0

表1には過去10年の北九州記念で3着以内に好走した馬を記した。馬券の配当は記載していないが、1番人気の勝利がなく、8番人気が5回も優勝している。二けた人気も複数回好走しており、波乱度が高いレースであることがうかがえるだろう。実際、3連単で100万円を超えた年が2回もある。

好走馬の性別は牡馬に比べて牝馬が若干多い程度。年齢は3歳から7歳まで幅広い。ハンデは56キロから50キロまでとなっており、軽量馬の好走例が多い。それに対して斤量の重い馬は苦戦している。牝馬で56キロを背負った馬が2頭好走しているが、いずれも1番人気で2着、3着という結果。人気よりも着順は悪かったのだ。そして、牡馬・セン馬は、57キロ以上を背負い好走した馬が1頭もいない。

前走レースはアイビスサマーダッシュやCBC賞組が多い。昨年はその両レースで好走していた馬が上位を独占した。にもかかわらず6→4→7番人気という組み合わせとなったのは、不思議とも言える。また、2着のダイメイプリンセスは、前走アイビスSDで上がり3ハロンがメンバー中2位という記録。3着のラブカンプーも同レースで上がり3位をマークしていた。この点に注目したい。

このように前走のレースで、上がり3ハロン3位以内だった馬(表内の黄色が1位、水色が2位、緑色が3位)を調べたところ、好走馬30頭中14頭が該当した。約半分でかなりの割合を占めている。今回の北九州記念でどれだけいい脚を使えるかはわからないが、とにかく前走で鋭い瞬発力を見せていた馬がよく好走しているのだ。基本的に逃げ・先行が有利の芝短距離戦で、これだけ差しが決まる傾向というのはめずらしいのではないか。


■表2 北九州記念のラップタイム(過去10年)
年 ラップタイム 前3F 後3F
18年 11.6-10.2-10.6-11.2-11.3-11.7 32.4 34.2
17年 11.7-10.0-11.1-11.5-11.2-12.0 32.8 34.7
16年 11.9-10.7-11.0-11.3-11.5-12.1 33.6 34.9
15年 11.7-10.2-10.8-11.2-11.9-11.5 32.7 34.6
14年 11.7-10.5-10.9-11.1-11.2-12.1 33.1 34.4
13年 11.6-10.0-10.6-11.1-11.5-11.9 32.2 34.5
12年 11.6-10.1-10.5-11.3-11.6-11.8 32.2 34.7
11年 11.8-10.0-10.6-11.1-11.4-12.3 32.4 34.8
10年 11.6-10.0-10.5-11.2-11.5-12.3 32.1 35.0
09年 11.8-10.3-10.6-11.3-11.4-12.1 32.7 34.8

表2では北九州記念のレースラップタイムを記載。注目するのは、個別のラップではなく、前半3ハロンと後半3ハロンの差だ。前半の方がペースは速く、後半の方が時計はかかっている。短距離戦においてはごく自然な数値ではあるのだが、すべての年で速い流れになっている。京都芝1200mなどでは前・後半3ハロンの差がほぼないこともめずらしくない。小倉芝1200mはコース形態上、ハイペースになりやすいこともあり、この北九州記念も毎年厳しい流れになっている。そのため、差し馬が台頭しやすいのだろう。  

前走上がり3位以内ではないのに好走した馬は、単純に前走1着の馬が多い。昨年1着のアレスバローズ、16年3着のオウノミチ、15年1着のベルカントなどが該当する。前走重賞・OP特別を勝っていれば、逃げ・先行タイプでも全く構わない。   

11年2着のエーシンリジルも前走1着だが、1600万(3勝)クラスの船橋Sを勝ったばかりの上がり馬だ。G3のハンデ戦らしく、昇級馬でも勝負にはなる。なかでも小倉の条件クラスを勝ってきた馬が好走するケースが圧倒的に多い。17年1着のダイアナヘイローや、12年1着のスギノエンデバーらが該当する。

あとは3歳馬に注目したい。前走レースや成績、上がりの脚とは無関係に好走馬を出している。特に12年2着のシゲルスダチや、同年3着のエピセアロームが特徴的。3歳春には無理してクラシックなどの長い距離を使っているケースがあり、距離短縮で一変してくる馬がいても不思議はない。

あとは、10年1着のメリッサや、10年3着のサンダルフォンのように、前走重賞で大敗してしまったが、上位人気に支持されていた馬の巻き返しもある。以上のようなパターンの馬をマークしておけば、好走馬の大部分を網羅することができるのではないだろうか。


【結論】
それでは今年の北九州記念を展望していくことにする。出走予定馬は表3の通りだ。

■表3 今年の北九州記念出走予定馬
馬名 性別 年齢 斤量 前走レース名 前着 前人 前走上り
アレスバローズ   牡7 57.5 CBC賞HG3 2 7 34.4
アンヴァル     牝4 54 バーデンH 2 1 35.2
イエローマリンバ  牝4 53 バーデンH 10 6 36.1
※エイシンデネブ  牝4 52 佐世保S・3勝 1 4 34.1
エントリーチケット 牝5 54 バーデンH 12 4 35.7
カラクレナイ    牝5 55 バーデンH 1 5 35.1
キングハート    牡6 56 春雷SH(L) 6 12 34.0
クインズサリナ   牝5 51 バーデンH 7 9 35.5
シャドウノエル   牝4 52 テレビユ・3勝 1 3 34.6
※タマモブリリアン 牝6 52 CBC賞HG3 13 13 35.9
ダイメイプリンセス 牝6 55 アイビスG3 6 2 32.7
ディープダイバー  牡3 53 葵S 4 3 33.5
ディアンドル    牝3 52 葵S 1 1 33.7
ナインテイルズ   牡8 55 アイビスG3 13 15 33.4
ファンタジスト   牡3 54 NHKマG1 13 6 34.6
ミラアイトーン   牡5 56.5 鞍馬S 1 1 33.0
メイショウケイメイ 牝3 50 CBC賞HG3 11 10 36.0
※メイソンジュニア 牡5 54 バーデンH 3 3 35.0
モズスーパーフレア 牝4 55 高松宮記G1 15 2 35.8
※ラインシュナイダー牡7 55 バレンタ 10 14 36.5
ラインスピリット  牡8 56 アイビスG3 10 11 33.4
ラブカンプー    牝4 53 アイビスG3 18 12 34.7

フルゲートは18頭。※は除外対象(8/14午前時点)

まずは前走で上がり3ハロン3位以内だった馬をチェックする。除外対象(8/14午前現在)の馬を除くと、アレスバローズ、ダイメイプリンセス、ディープダイバー、ミラアイトーンの4頭が該当した。いずれも有力と目されそうな実力馬だが、このレース連覇を狙うアレスバローズはハンデが57.5キロ。牡馬でトップハンデを背負わされており、この点は割り引き材料と考えたい。昨年2着のダイメイプリンセスは牝馬で55キロだが、昨年と同じ斤量だ。前走アイビスSDは6着ながら2番人気には支持されていた。こちらは逆に2年連続で好走できる可能性が十分あると見たい。

ミラアイトーンは4連勝中で、非常に楽しみな馬。ただし、ハンデ56.5キロがカギ。微妙な数字で評価は難しい。ディープダイバーは3歳牡馬でハンデは53キロと手ごろ。こちらの方が狙いやすいかもしれない。同じ3歳馬のディアンドルは、前走葵S1着で当然有力。ファンタジストは前走NHKマイルCで13着だが、昨年の小倉2歳S優勝馬。距離短縮で一変する可能性があると見たい。

あとは前走1着のカラクレナイやシャドウノエルも、一応の連下候補。モズスーパーフレアは実績上位。前走高松宮記念は15着と惨敗したが、巻き返しを警戒したい。








【北九州記念】栗東レポート

【北九州記念】栗東レポート~アレスバローズ
◎アレスバローズについて、角田晃一調教師

・(前走のCBC賞2着は)もともと雨は苦手な馬でしたが、あそこまで馬場が悪くなると馬ものめらずに競馬を進めることができたみたいで最後は地力勝負になった中、本当によく頑張って走ってくれたと思います。ハンデ(57.5kg)は見込まれていましたが実績もあることですし実際2着に来ていますからね。

・(中間は)前走後は一旦短期放牧に出して疲れも無いということだったので予定通りこのレースを目標に入厩させて順調に追い切りもこなしています。この(暑い)時期がすごくいい状態になるのかなと思ってみています。

・(一週前追い切りは)折り合いをつけてラストを伸ばす感じにやりました。非常に動きもキビキビとして、この暑さに強い馬なりの動きをしていました。(今日の最終追い切りは)馬ナリで行って最後もスッと離す程度で終始馬ナリでした。馬場開場から40分以上経っている時間での荒れている馬場でしたがそれを苦にするところも無くいい動きをしていたのでいい状態でレースに臨めると思います。

・小倉の芝1200mは実績があります、あとは極端な枠順とか(レース中)不利が無ければと思います。(57.5kgが2戦続きます)この馬としては苦にしませんが、他の馬との差があるのでその点はわかりません。ただこの馬の持ち味をしっかり生かしてレースをしてもらいたいですね。いい状態で挑めますサマースプリントのチャンピオンを目指すので応援して下さい。


【北九州記念】栗東レポート~ディアンドル
◎ディアンドルについて、奥村豊調教師

・(5連勝について)ここまでいいリズムでいい結果を伴って来ています。(前走は4番手からの競馬でしたが)騎手には流れを見て競馬をしてという指示だったのでその結果です。レースを使う度に幅が出てきて結果も出ているので本当にいい形でここまで来ています。

・(ずっと1200mを使い続けることについて)1200mを使い続けることで結果も出てレース内容も良くなっているので、この馬のリズムを崩さず同じ距離を使ってきたということです。

・(前走後は)これまでも十分出走間隔をとりながらレースを使ってきましたが、今回も中間はノーザンファームしがらきで、リフレッシュをしてもらいながら調整をしてきました。(一週前追い切りは)休み明けでもしっかり力を出せる馬ですからここまでの過程と同じかどうか反応の良さ、しっかり最後まで動けるか確認をした追い切りでした。反応良くしっかり動けていました。身体も仕上がっていると判断して今日の最終追い切りは、馬ナリで気分良く走らせるという追い切りをしました。こちらの思ったような調整ができる頭のいい馬です、ここまで順調です。

・今回初めて騎乗経験のある騎手が乗りますが馬の成長を感じてもらえる状態にあると思います。今までは同世代との競馬で、これからは年長馬と競馬をするわけですから今までとは違います。そういった経験の中からまた馬が成長することを期待しています。ハンデ差に関してはやってみないと分かりませんが馬の(これまでの)成長に期待です。

・ここまで順調に来ていますのでファンの皆さんの期待に応えられる競馬になればと思います。


【北九州記念】栗東レポート~ミラアイトーン
◎ミラアイトーンについて、池江泰寿調教師

・(1200mにシフトしてから連勝ですが)お兄さんのストロングタイタンはもう少し長い距離で走っていますから、この馬も(距離的に)もつのかなと思い1600mから2000mを使いましたが、どうしても折り合いがつかなかったので1400mから1200mと距離を縮めていって1200mでいちばん持ち味が生かせる距離というところに辿り着きました。

・(オープン初戦の鞍馬Sは)ゲートのタイミングが合わず後方からの競馬になり、さすがに取りこぼしたと思いました。でもゴール前は一気に差しきってこの馬の強さが際立ったレースだったと思います。その後ゲートについては何度かチェックしましたが問題ありませんでした。

・(前走後は)ノーザンファームしがらきの方で放牧に出ていましたが、そちらでもしっかり乗り込んでいました。大型馬にしてはデビュー戦も久々の競馬も結果を出してそういう意味では苦労の無い馬です。

・(一週前追い切りは)実質上の本追い切り長めからびっしりという調整をしました。飛びが大きくゆったりと走るのであまりスピードは感じませんが時計を見ると思った以上に速いので驚きます。(今週の最終追い切りは)先週しっかりやっているので、今週の輸送も考慮して息を整える程度でCウッドチップコース半マイルをサッとやった感じです。先週の仕上がったいい感じを維持している感じです。

・これまでいろいろあって使えていない時期もあり、そんなに早熟という感じでもありませんので(5歳ですが)若々しいです。

・(コース実績がいいのですが)これまでは条件戦で今回は重賞です。ここが試金石になります。大型馬ですから(今回のハンデ)56.5kgは気になりません。逆にこの馬の能力が認められているのかなと思います。

・セールの時からオーナーが期待されて購入された馬です。重賞をしっかりととってGIに向かいたいと思っています。


【北九州記念】栗東レポート~モズスーパーフレア
◎モズスーパーフレアについて、生野賢一調教助手

・(前走の高松宮記念は)調教では硬さとか馬の疲れは感じませんでしたが、実際にレースで武豊騎手に乗ってもらったら「いつもの馬の雰囲気ではない」とのことで「硬さも出て力強さが無い」と話してくれましたのでそれであの結果(15着)になったのかと思っています。

・(中間は)一旦放牧に出しましてケアをしてもらい栗東トレーニングセンターに帰ってきました。帰ってきた時の馬はハキハキして元気もあって硬さも無くいい状態でした。

・(一週前追い切りは)併せ馬をしてしっかりということで、騎手に乗ってもらいました。実際いい動きでした。(今週の最終追い切りは)やればいくらでも動く馬ですから、じっくりと折り合いをつけることに主眼を置いてラストは楽に伸ばしてもらいました。いい動きだったと思います。(調教後の様子は)いつもと変わらずいい感じでした。

・2歳から3歳になるときに力をつけてハナを切る競馬が板についてきたことが(今に)繋がっているのだと思います。

・自分の競馬がしっかり出来れば結果はついてくると思います。




水上学の血統トレジャーハンティング

【札幌記念】夢を見るか、現実を見るか

★土曜新潟11R 新潟日報賞
◎本命馬 レノーア 4番人気4着
内目を完璧な立ち回り。いったんは直線で2番手争いに加わったが、ゴール前は力尽きた感じ。昇級戦で骨っぽいメンバーを考えればよく走っているし、前走で離されていたジュランビルには完全に先着したのだが・・・。
上位、特に1,2着が強かった。しいて難癖をつければ、前半で少し行き過ぎたことくらい。

$お宝馬 アバルラータ 9番人気7着
後方やや前寄りの位置から、馬群に揉まれつつ怯まずよく伸びている。こちらも力は出せた。そのうち現級勝ち負けとなるだろう。

★日曜新潟11R 関屋記念(G3)
◎本命馬 オールフォーラヴ 7番人気10着
先行馬だがテンが速くはないので、自然と中団やや前程度の位置でタメられるかと思っていたが、ハイペースの流れを序盤手を動かして果敢にハナ争いに加わってしまった。今開催の外回りで、しかも速い流れが予測されるレースであれをやったらアウト。その割にはよく頑張っている。タメたらそれなりに切れる馬なので残念だった。

$お宝馬 エントシャイデン 13番人気7着
こちらは完璧な立ち回り。馬券対象になるほどの見せ場はなかったが、終始6番手付近を粘り通し、地力は示した。マイルの良馬場なら常に目が離せない穴馬候補となっていきそう。

【今週のポイント】
夏競馬唯一のG2札幌記念。今年は、来年以降の昇格を睨んでの動きが本格化しているのではないかと思えるほど、豪華にG1馬4頭が顔を揃えた。さらに海外を含めれば、さらに3頭のG1.2着馬を加えることになる。まさに夏のドリームレース。

ただ、冷静に見てみれば、大目標はこの後であることが明白なフィエールマン、3歳時の輝きを取り戻したいブラストワンピース、順調度を欠いてスケジュールが何度か変更されたワグネリアンということも言えるわけで、頼り切れる存在はいないのかもしれない。小回りで直線の短い舞台でもあり、個人的には意外と混戦とみる。

フィエールマンの強さには敬意を表しつつも、あのブエナビスタですら脚元をすくわれたレースでもあり、敢えて本命は違う馬に打つことを現時点で宣言しておきたい。台風の進路、雨の影響がどこまで残るかも気になるところ。強烈な穴も忍ばせる予定である。

【次回の狙い馬】
土曜 札幌5R 4着
ジェシーハート
新馬戦。道中物見をしているのかフラ付く走りだったが、直線は集中してそれなりに脚を使った。スローでそのまま回ってきた感じだったものの、これは実戦を経験して変わりそうなタイプ。

日曜 小倉9R 11着
アメリカンウェイク
今回の大敗の理由は、ひとえに小回り適性の無さに尽きる。コーナーを曲がりにくそうで、左右というよりは小回りに難儀している感。外回りコースならこのようなことはなく、高い素質を発揮できるはず。




調教Gメン研究所・井内利彰

【北九州記念追い切り】スプリンターズSを目指す注目馬がズラリ!

ほぼ完璧に好走パターンで仕上がっているディアンドル


 今週の注目はなんといっても札幌記念、なんでしょうね。netkeiba.comの予想オッズを見ても、4頭が10倍以下の単勝オッズで競っています。こちらは重賞捜査網の方で調教解説を行う予定ですので、金曜日までお待ちください。ここでは個人的には大注目の北九州記念を取り上げます。

 秋の大一番、スプリンターズSに向けて、ここでの走りに注目という馬が揃いました。個人的にはここで好走した馬がその勢いでスプリンターズSも制覇、なんてことになるのではないかと、今からワクワクしています(笑)。


【北九州記念/ディアンドル】
 デビュー戦を2着に負けて以降は5連勝。そのデビュー戦で負けた相手がファンタジストですから、ここで再び対戦するというのも競馬の面白いところでしょう。面白いところといえば、5連勝すべてが違うジョッキー。今回初めて、過去に騎乗経験のある北村友一騎手となります。

 ここまでの連勝の中で、調教内容から共通点を見つけるとすれば、マーガレットSと葵Sでは1週前と2週前の追い切りで坂路4F目11秒台をマークしているということ。今回、これに関しては2週前も1週前も11秒台ですから、好走の調教パターンに該当しています。そして最終追い切りは坂路4F56.9秒、1F12.3秒と全体時計が遅いように思いますが、前走時の最終追いが4F56.3秒、1F12.4秒。ほぼ完璧に好走パターンで仕上げることができたという判断でよいでしょう。


【北九州記念/モズスーパーフレア】
 レース間隔を詰めると好走できないということで、今回はここからスプリンターズSというローテーション。だからといって、ここが叩き台というわけではなく、ここはここで結果を残すためにも、きっちり追い切り本数が乗られています。1週前追い切りが4F50.8秒で、後半2Fが11秒台を続けるラップだったあたり、強い負荷もかけられています。

 最終追い切りもある程度時計を出すということでしたが、松若風馬騎手が跨って、4F51.9秒。この馬としてはさほど速い数字ではありませんが、2F目から12.9秒と速いラップを踏んだ点はいいと思います。最後も大きく失速するようなことはなく、12.1秒、12.4秒でまとめることができており「来るなら来い」のスピード圧倒レースを見せてくれるはずです。


【北九州記念/ファンタジスト】
 1200mは小倉2歳S以来ですが、連勝したのがこの距離。その後はどうしてもクラシック路線を意識して長い距離ということになっていましたから、ここでの路線変更は納得。少しレース間隔があいたここへ向けての調教内容ですが、やりすぎず、軽すぎず、そんな印象を受けます。

 まず2週前追い切り、1週前追い切りで坂路4F51秒台。この2本がメインの負荷で、それ以外を15-15で終いを伸ばすという内容で行っています。これらの調教で中身を整えているといったところから、最終追い切りがどんな内容になるのか注目していましたが、4F51.7秒、1F11.8秒。1F11秒台は小倉2歳Sと同じですが、全体は今回の方が速くなっています。当時よりも強めの負荷だけど、同じラップを踏む箇所もつくっている。そんな万全の仕上げだと思います。


【北九州記念/アレスバローズ】
 昨年の覇者。しかも昨年と同じCBC賞からのローテーションなので、調教内容の比較は基本的に昨年と行うべきでしょう。まず昨年はレースの2週前に坂路4F54.5秒、1週前に4F53.0秒で、後半2Fはいずれも24.7秒という負荷のかけ方でした。

 今年も4F53.9秒、4F52.8秒の後半2Fは24.1秒、23.8秒です。今年の方が時計としては速くなっていますが、それ以上にラップのバランスがよく似ている点を評価したいと思います。そして最終追い切りは4F54.9秒、1F12.0秒。ここは後半2Fではなく、ラスト1Fだけしっかりと負荷をかけてきています。これも昨年と一緒。調教内容からは連覇しても全く不思議ないと思います。


【北九州記念/ミラアイトーン】
 デビュー戦は小倉芝1800m。半兄がストロングタイタンということもあってか、もともとは長い距離を使われるローテーションでしたが、気性的なこともあってか、短距離へシフト。それが功を奏した形に見えますが、ただそれだけではない調整過程があります。

 もともと馬場入りを嫌がったり、気性的には相当難しいところがありました。しかしこの4連勝の中で少しずつ進歩を見せていき、今ではスムーズに調教できるようになりました。今まで調整で手こずらせていたものが走り方へ向いているのか、そのフットワークに凄みが出ている今回。最終追い切りは前走時と同じく、CW4Fで単走という内容でしたが、遅い時計でも力強さは満点。スプリントG1を勝つだけのポテンシャルは持ち合わせていると思います。


◆次走要注意

・8/10 2歳未勝利【アバンダンスシチー】(7人2着)

 前半を自分のリズムで進めたことが、結果的に最後の末脚につながりました。最後の2Fが急激にラップが遅くなり、差し脚質にとって好走しやすい流れになったことは間違いありませんが、この馬の場合は3コーナー手前から位置取りを上げていったところが強調できます。同じような競馬ができれば、決してハイペースでなくとも差し切れます。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りがラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・NST賞【ストロベリームーン】
 CWで4Fからの単走。55.4秒という時計は平凡そのものですが、これが動きを見たら評価が一変します。15-15くらいかなと思うようなフットワークでいながらこの時計。推進力が抜群ですし、前走勝った勢い以上の迫力を感じます。




栗山求コラム「血統の裏庭」

札幌記念(G2)血統的考察

​ 先週の関屋記念(G3)は
▲ミッキーグローリー(1番人気)が差し切って優勝。

昨年11月以来の実戦を勝利で飾った。

京成杯オータムH(G3)に続いて2つ目の重賞制覇。

年を経るごとに強くなっているので、
この秋のG1戦線でも楽しみが出てきた。


さて、今週は札幌記念(G2・芝2000m)。

日本の競馬は春と秋に大レースが集中している。

7、8月に組まれたJRAの平地重賞16レースのうち、15レースはG3。

残りひとつがG2の札幌記念。夏季に行われる最も格の高い重賞だ。


15年は5番人気と8番人気、17年は6番人気と12番人気の決着となり波乱となったが、
毎年メンバーのレベルが高く、定量戦でもあるので比較的堅く収まる傾向がある。

函館で行われた年を除き、
直近10回の札幌記念で1番人気が連絡みできなかったのは、
上記の15年と17年の2回のみ。

なぜか5番人気が強く、5回連対している。

ローカルの芝中距離戦は序盤からスローペースになったり、
あるいは中だるみしたり、といったぬるいレースになりがちだが、
札幌記念は格の高いメンバーで争われるため、締まったラップになりやすい。

過去5年間の前後半のラップ平均と勝ちタイムは以下のとおり。

59秒4-60秒8=2分00秒2

早めの流れとなって上がりが掛かっている。

鋭い瞬発力よりもスピードの持続力がモノをいうレースだ。

厳しいペースになると大レース向きの地力に富んだ馬が強く、
マクれる脚を使えるタイプは信頼できる。

ローカルだけに器用さは重要なファクターだ。


【フィエールマン】

「ディープインパクト×グリーンチューン」という組み合わせで、
菊花賞(G1)と天皇賞・春(G1)を勝った。

母リュヌドールは伊仏で
リディアテシオ賞(伊G1・芝2000m)を含めて3つの重賞を勝った。

04年のジャパンC(G1・芝2400m)にも出走しており7着。

同じ3歳馬だったハーツクライに先着を果たしている。

母の父グリーンチューンは
仏2000ギニー(G1・芝1600m)とイスパーン賞(仏G1・芝1850m)の勝ち馬で、
“ニジンスキー+オスカーズアンサー(≒ストームバード)+ミスタープロスペクター"という配合構成は
マジックストーム(ラキシス、サトノアラジン、フローレスマジックの母)と酷似している。

血統的にはヨーロッパ血統を豊富に抱えているので長距離を苦にしないタイプではあるが、
長距離専用のステイヤーというわけではなく、2000mも守備範囲。

馬が戸惑わなければ対応可能だ。

洋芝はプラス材料。


【ワグネリアン】

ワグネリアンは3月の大阪杯(G1)以来の実戦となる。

昨年の日本ダービー(G1)は17番枠から積極的に好位を取りに行く作戦で快勝した。

9月の神戸新聞杯(G2)も勝ったものの、疲れが出て菊花賞など秋を全休。

久々となった大阪杯では勝ったアルアインからクビ、クビ差の3着だった。

母ミスアンコールは現役時代に1勝を挙げるにとどまったが、
2代母ブロードアピールは驚異的な追い込み脚を武器に
ガーネットS(G3)、根岸S(G3)など6つの重賞を制覇した名牝。

「ディープインパクト×キングカメハメハ」という組み合わせは、
デニムアンドルビー(フローラS、ローズS)をはじめ
コンスタントに活躍馬が出ている。

この配合の芝2000mで連対率40.3%と好成績を挙げている。

皐月賞(G1)の7着はスローペースにもかかわらず位置取りが後ろすぎたことが敗因。

このレース以外はすべて馬券圏内に入っているので安定性があり、久々も苦にしない。


【ブラストワンピース】

「ハービンジャー×キングカメハメハ」という組み合わせ。

昨年の有馬記念(G1)優勝馬で、
日本ダービー(G1)は直線で前が壁になるロスがあり5着に敗れた。

不利がなければ相当きわどい勝負になっていたと思われる。

母ツルマルワンピースは阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)5着馬で、
トライマイベスト=エルグランセニョール4×3という
大胆な全兄弟クロスを持っている。

牝馬二冠を制覇したアーモンドアイは、
トライマイベスト≒ロッタレース5×2という4分の3同血クロスに加え、
サンデーサイレンスとキングカメハメハを併せ持つので、
ツルマルワンピースと配合構成がよく似ている。

また、ハービンジャー産駒で母方にサンデーサイレンスとヌレイエフを併せ持つ配合は、
ペルシアンナイト(マイルCS)、ディアドラ(英ナッソーS、秋華賞)、
プロフェット(京成杯)、ハービンマオ(関東オークス)など
多数の活躍馬を生み出しているニックス。

そして、大一番に強いリボー系のグロースタークと
その全弟ヒズマジェスティの血を5×5・7という形で持っている。

前走の目黒記念は59kgと高速馬場がこたえて8着。

有馬記念(G1)を勝ったときのように少し時計のかかる馬場のほうが良さそうだ。

ハービンジャー産駒ながら直線の長いコースのほうが得意だが、
中山コースをこなしており札幌コースは問題ない。

洋芝は合う。


【サングレーザー】

サングレーザーは昨年の覇者。

「ディープインパクト×デピュティミニスター」という組み合わせで、
母マンティスハントは現役時代に未勝利に終わったものの、
メーデイア(JBCレディスクラシックなど重賞6勝)や
ロフティーエイム(福島記念)を姉妹に持ち、
これまでにゴーハンティング(準OP)、クロスボウ(準OP)などの活躍馬を産んでいる。

母の父デピュティミニスターは、
フレンチデピュティの父、クロフネの2代父でもあるように
ディープインパクトと相性がいい。

若駒時代は折り合いに難を抱えて出世が遅れたが、
距離を短縮し、速い流れのなか後方で折り合う競馬を覚えたことで
出世の階段を上り始めた。

昨年の覇者なのでコースと距離は問題ない。

ここ3戦は凡走続きだが、
香港C(G1・芝2000m)は海外遠征で、大阪杯は遠征帰り、
安田記念はスローの前残りと、それぞれ理由がある。

ここはチャンスがあるだろう。


調教の動きや枠順などを総合的に判断し、
週末に最終結論を出したい。
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