調教Gメン研究所・井内利彰

【新潟2歳S追い切り】最後の瞬発力が素晴らしいウーマンズハートなど期待の若駒の調教をチェック!

BSN賞に出走のピオネロは鋭さ増す脚力で衰え知らずの印象


 先週末は札幌競馬場でお仕事。札幌記念の豪華な出走メンバー、そしてスペホリ!で松坂桃李さんのスペシャルトークショーがあり、たくさんのお客様が来場されました。ビギナーズセミナー講師の仕事だったので、競馬初心者の方にいろいろとレクチャーさせていただきましたが、ペルシアンナイトをおすすめしてしまったことを大いに反省しています。

 この夏は函館、小倉、札幌と行かせていただき、あと2週で夏競馬も終了。本当に早いと思いつつ、夏だからといって競馬が閑散とすることもなく、盛り上がっている状況に感謝です。今週もスプリンターズSに向けて見逃せない、キーンランドCがありますが、こちらは週末のウマい馬券をご覧ください。今週は新潟2歳Sを中心に、オープン特別を取り上げさせていただきました。


【新潟2歳S/ウーマンズハート】
 半兄デザートストーム、おじがティーハーフ、サドンストームということで、デビュー戦の距離に関しても悩んでいた陣営でしたが、終わってみればマイルでよかった感じ。スローペースでも折り合いを欠くことなく、最後の瞬発力は素晴らしかったと思います。

 中2週というローテーションでもあり、今回は日曜日と水曜日の追い切りが坂路。最終追い切りはテンを控えめ、後半しっかりという内容で4F53.2~2F24.6~1F12.1秒。とにかく脚をためて、それを瞬時に加速させることができるのがこの馬の特徴。ポイントは新馬戦ほどのスローにならないでしょうから、その時にしっかり脚をためることができるかどうか、そこではないでしょうか。


【新潟2歳S/クリアサウンド】
 すでに重賞ウイナーを輩出し、芝の1200mでも1800mでも勝ち馬を出している父キズナ。そんな対応力の幅が広い父ですから、前走からの1F延長は全く問題ないでしょう。前走時は1週前追い切りの坂路で4F49.9秒をマークしていましたから、素晴らしいスピード能力があると思います。

 今回の1週前追い切りでも坂路4F52.3秒、1F12.1秒ですから、速いペースでも終いまでしっかり脚を使えるのが長所だと思います。ただ、最終追い切りのように、遅いペースにすると、ラップがちぐはぐになるところがあり、そのあたりはペースが落ち着く可能性もある今回の課題となりそうです。


【新潟2歳S/ペールエール】
 デビュー戦はイメージしていたよりもスタートの出が速く、思っていたよりも横綱競馬で強いレースになりました。デビュー前には坂路4F51.3秒、1F12.0秒をマークしていましたが、それがしっかりとレースでの走りとも連動した形だと思います。

 最終追い切りはM.デムーロ騎手が跨って坂路。前走時の最終追い切りが坂路4F56.7秒、2F25.2秒と前半、後半で落差のある内容でしたから、同じような動きをイメージしていましたが、今回はテンの1F目以外、2F目以降は同じようなラップを僅かに加速させていく感じ。これはマイルに距離が延びる、直線の長い新潟には最適とも思える内容です。


【BSN賞/ピオネロ】
 左回りでの安定感は抜群ですが、特に新潟ダート1800mは1戦1勝。それが2016年のBSN賞なので、かなり昔の話にはなりますが、1着も狙える舞台に出走してきたのは間違いありません。

 休み明けになりますが、ここ3週は素晴らしい追い切り。坂路での2Fがすべて25秒を切っており、その脚力は衰えるどころか、これまでよりも鋭さを増している印象すらあります。2週前追い切りでは、コンマ1秒ではありますが、坂路4F時計の自己ベストを更新しており、衰えは全くありません。久しぶりにしては4本と少ない本数だけに、懸念するのはそこだけ。


【小倉日経OP/アウトライアーズ】
 小倉記念はパドックを生で観ることができましたが、素晴らしい気配。美浦所属ではありますが、栗東で調整しての小倉輸送は本当に合っているのだと思います。レースでは最後の直線で狭いところで詰まってしまいましたが、それでも上がりは35.0秒。一気に脚を使うことができればという内容でした。

 引き続きの栗東調整ですが、これも順調。最終追い切りは坂路で前走時よりも1F目の速いラップになりましたが、これは距離が1F短縮することを思えばプラス。この距離なら勝負どころから外を捲って脚を使うこともできると思いますし、それが可能な状態であると思います。


◆次走要注意

・8/18 北九州記念【ミラアイトーン】(1人5着)

 G1を勝てるだけのポテンシャルがあれば、初めてのテン32.7秒のラップにも対応すべきかも知れませんが、これをそこそこついていってのレースなら、最後伸び切れないのも仕方ないところ。個人的には+8キロ程度の馬体増は問題なかったと思っています。

 これでスプリンターズSの出走はほぼ絶望的でしょうから、あらためての重賞挑戦で期待します。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りがラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・別府特別【メイショウキョウジ】

 最終追い切りはCWで単走。しかも4F追いですが、これは中1週なので当然のこと。テンからじわっと加速していくラップが踏めており、馬体を見ると毛艶は黄金色に輝いています。先週のストロベリームーンといい、夏場は前走勝って、中1週のCW4F追いが勝負調教かも知れません。



栗山求コラム「血統の裏庭」

​新潟2歳S(G3)血統的考察

​ 先週の札幌記念(G2)は
△ブラストワンピース(3番人気)がゴール直前で
▲サングレーザー(4番人気)をクビ差とらえて快勝。

昨年の有馬記念(G1)以来となる4つ目の重賞を制覇した。

わが国を代表する古馬が大挙出走したためレースレベルは優にG1級。

それらをおさえて勝ったことで凱旋門賞(仏G1)挑戦にゴーサインが出た。

父ハービンジャーは先日のナッソーS(英G1)を勝ったディアドラの父でもある。

現役時代はイギリスで走り、
キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)を大差勝ちした名馬。

ヨーロッパの芝に適性がある血統なので楽しみだ。


さて、今週は新潟2歳S(G3・芝1600m)。

09年以降の10年間に、10番人気以下の伏兵が4頭連対している。

タイムや相手関係といった常識的なファクターで検討すると
見逃してしまう人気薄が頻繁に馬券に絡んでおり、
2歳戦独特の難しさを感じさせるレースとなっている。

穴をあける馬の前走は、
(1)1600m以下の新馬戦を5番人気以下で勝った馬、
(2)新馬戦を勝って臨んだダリア賞で3~6着に敗れた馬、
(3)未勝利戦を1、2番人気で勝った馬。

この3パターン。

これに該当するのは、
グランチェイサー、サナチャン、トロワマルス、
ウインカーネリアン、タイムマシン、ビッククインバイオ。

迷った際の馬券のヒモ候補として検討に値するだろう。

新潟芝1600mの2歳戦で連対率が25%以上で、
このレースに産駒が登録している種牡馬は
ロードカナロア、オルフェーヴル、ハーツクライの3頭。

連対率は以下のとおり。

ロードカナロア38.9%(18戦7連対)
オルフェーヴル27.8%(18戦5連対)
ハーツクライ25.0%(72戦18連対)

ロードカナロアは昨年の勝ち馬ケイデンスコールの父。

タイムマシンが登録している。

オルフェーヴルは今年の2歳世代が当コースで[0-1-2-1]と好調。

モーベットが登録している。

ハーツクライは当レースにこれまで6頭を出走させ、
ジャスタウェイが2着となっている。

今回はウーマンズハートが登録している。


人気を集めそうな馬の配合を見てみよう。


【モーベット】

モーベットは「オルフェーヴル×ファルブラヴ」。

母アイムユアーズは現役時代に
フィリーズレビュー(G2)、クイーンS(G3)など4つの重賞を制覇し、
阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)2着、桜花賞(G1)3着など、
G1でも上位争いをした強豪だった。

本馬はその2番子。

母はフェアリーキング=サドラーズウェルズ≒ヌレイエフ 2×4・5という特殊な配合で、
それゆえに繁殖牝馬として大いに期待でき、この先も注目していきたい。

母が持つフェアリーキング、サドラーズウェルズ、ヌレイエフは、
オルフェーヴルの2代母エレクトロアートと配合構成が似ているので、
エレクトロアート≒フェアリーキング=サドラーズウェルズ≒ヌレイエフ3×3・5・6。

仮に牡馬に出ていたらパワー過多で避けたい配合だが、
柔らかめに出る傾向がある牝馬なので瞬発力抜群の大物が出た。

切れ味に乏しい一般的なオルフェーヴル産駒とは対照的だ。

芝中距離で大仕事をしてもおかしくない。


【ウーマンズハート】

ウーマンズハートは「ハーツクライ×シャマーダル」。
母レディオブパーシャはJRAで20戦して[2-5-8-9]という成績。

芝・ダート兼用で、勝ち切れないところはある一方、堅実さが武器だった。

母の父シャマーダルは仏2000ギニー(G1)、仏ダービー(G1)を制した名馬で、
名種牡馬ストリートクライ
(ゼニヤッタ、ウィンクス、ストリートセンスなどの父)
の全姉を母に持つという血統は魅力的。

種牡馬としてはロペデヴェガ(仏2000ギニー、仏ダービー)をはじめ
多くのG1ホースを送り出し、ゴドルフィン屈指の名種牡馬に数えられている。
母方にマキアヴェリアンを持つハーツクライ産駒は
シュヴァルグラン、ロジクライ、シルヴァーグレイスなど高確率で走っている。

シャマーダルはアジアの軽めの芝では
エイブルフレンドやパキスタンスターといった瞬発力タイプを出す。

その影響もあってか、鋭い切れ味を武器とし、初戦の上がり32秒0は秀逸。

ラスト2ハロンは10秒7-10秒9だった。

新潟2歳S(G3)は上がりの競馬になりやすいので、
数字の裏付けのある本馬は勝ち負けに持ち込めるだろう。


【グランチェイサー】

グランチェイサーは「ダイワメジャー×シルヴァーホーク」。

新潟2歳Sで3着となったニシノラッシュの半弟で、
母キャッスルブラウンは芝中距離で3勝を挙げた。

母方にカーリアンを持つダイワメジャー産駒はニックスで、
これまでに桜花賞馬レーヌミノル、
高松宮記念(G1)を勝ったコパノリチャードをはじめ
コンスタントに重賞勝ち馬を出している。

ダイワメジャーはこのレースと相性が良く、
17年にはフロンティア、コーディエライトがワンツーフィニッシュを決めた。
15年には8番人気のマコトルーメンが3着に食い込んでいる。

初戦でクビ差破ったインザムービーは2戦目に楽勝しており、
新馬戦のレベルも高かった。

あとは終いが切れる馬たちを相手にどうレースを運ぶかが課題だろう。


調教の動きや枠順などを総合的に判断し、
週末に最終結論を出したい。




【新潟2歳S】美浦・栗東レポート

【新潟2歳S】美浦レポート~モーベット

大江原勝調教助手のコメントは以下の通り。

 「デビュー戦の前走ではスタートは少し遅かったのですが、あの馬の持ち味である瞬発力を生かして最後の直線で弾けてくれて良かったと思っています。そのあとは牧場に出して一カ月前に戻ってきました。美浦トレセンに戻ってからは坂路中心で調整してきました。

 今朝は坂路で追い切り、誘導馬の後で、最後確認するくらいの感じでした。良い反応だったと聞いています。この中間で心身ともにかなり成長が見られ、普段から落ち着いていて、走る時は集中して走れるようになりました。

 今回は新潟のコースですが、デビュー戦の東京競馬場と同じようなコース形態なので心配はしていません。ここまで暑さに充分気をつけて調整してきました。応援をよろしくお願いします。」


【新潟2歳S】美浦レポート~ビッククインバイオ

中島弘展調教助手のコメントは以下の通り。

 「新馬戦でいい競馬で3着になり、前走の未勝利戦は期待通りに勝ってくれました。今朝の追い切りは、前に誘導馬をおいて終い強めに調整しました。私は別の馬に乗っていましたが、横で見ていて並んでくる時の手応えもよく、そのままいい感じで突き抜けていきました。状態は良さそうです。
 
 この中間けっこう強めに調教をしてきましたが、この暑い中でも元気にしてきたので調子は良さそうです。体が大きくなったということはないのですが、この暑さの中でへこたれずにきたので体質も強いのだと思います。

 今回は新潟コースですが、左回りは東京で走っているので問題ありません。逃げて勝っていますが、スタートが速くそのままスピードで押し切ったという感じでした。今回はハナにはこだわらないですし、いい位置から競馬が出来ると思っています。

 厩舎ゆかりの血統の馬です。アニメイトバイオの娘であるこの馬がまた厩舎を盛り上げてくれたらいいと思います。お母さんは後ろから競馬をするタイプでしたから、これから後ろからの競馬も出来るようになって脚質の幅も広げてくれると思います。応援をよろしくお願いします」


【新潟2歳S】美浦レポート~エレナアヴァンティ

宗像義忠調教師のコメントは以下の通り。

 「デビューして2戦2勝ですが、わりとスピードがあり、とても賢くて騎手の言うことをよく聞きます。そういう良さがレースで生かされていると思います。前走のダリア賞ではレース後に内田騎手が引っ掛からないように注意したと言っていました。牝馬ですからその点を注意したのだと思います。

 この中間は厩舎にいて、ここを目標に順調にきました。今朝は坂路での併せ馬でした。調整程度の調教で、そんなに無理はしていません。全体の時計は平凡ですが、最後の1ハロンは速いのでいいかなと思っています。

 今回は1ハロン距離が延びるので、その点がカギになると見ています。前走のように騎手の言うことを聞いて走るなら1ハロンの延長も克服出来るでしょう。新潟はこの馬にとって得意なコースだろうと考えていますので頑張ってくれると思います。」


【新潟2歳S】栗東レポート~ウーマンズハート

深川享史調教助手のコメントは以下の通り。

(前走の新馬戦1着を振り返って)
「スタートはまずまず決めてもらって、道中も折り合い良く走ってくれました。終いはこちらの想像以上の切れ味でした。
(上がり32秒0)その数字を見て驚きました。
 持って生まれたバネと柔らかさと、速く走るためのものを備えているという感じです。まだそんなに仕上げたわけではないので、素質だけで走ってくれたような感じです。
 落ち着いて馬運車の中も行儀良く、そんなに普段からバリバリ飼い葉を食べるタイプではないのですが、向こうに着いてからもあの馬なりに食べてくれていました。落ち着いた雰囲気で競馬に臨めました」

(前走後の調整について)
「競馬後はとりあえず馬の無事を確認しました。この血統は少しテンションを気にするので、使っていくごとに少し気難しいところを見せる時があるので、その辺を注意しました。先週までは落ち着かせて整える程度に調整しました。今週はまだ落ち着いて良い雰囲気だったので、当初よりも今日は負荷をかけることができました」

(最終追い切りを振り返って)
「道中は折り合い良く行って、終いは少し反応させるという感じで、その通りの良い調教ができたと思います」

(兄弟と似ているところは?)
「みんな乗り味が良くて、背中の良い馬が多いのですが、それに加えてこの馬はすごく跳びが綺麗です。ティーハーフ、サドンストーム、デザートストームなどはピッチ走法でザ・短距離みたいなのが多いのですが、この馬に関しては少し距離がもつ走りをするなという印象でした。正直、どこまで距離がもつのかはやってみないと分からないのですが、将来性を感じさせてくれる走りをしてくれます。
 強く母系が出る血統なのですが、この馬に関しては少しハーツクライも出てくれているのかなと思っています」

(今回のレースに向けて)
「結果を出せていますが、適性があるかどうかはまだ一回しか走っていないので分かりません。綺麗な走りをするので、大きなコースは舞台としては合うと思います。
 レースに関しては、特にどんなレースをしてほしいというのはないのですが、この馬の末脚を生かすような、流れに乗ったレースができればとは思っています。
 スローペースになっても鞍上の中でコントロールできる馬なので、折り合いに関してはそんなに不安はないですし、流れに乗れたら良いなとは思っています。
 まだキャリア一戦で未知な部分が多いですし、他にも一回使ってガラッと変わってくる馬が多いと思います。しかし、素質ではこの重賞でも全く引けは取らないと思っています。期待していますし、応援して下さい」


【新潟2歳S】栗東レポート~ペールエール

安田隆行調教師のコメントは以下の通り。

(前走の新馬戦1着を振り返って)
「馬場が悪くて、上手く事が運んだという感じでした。
 スタートは調教でもそこそこ良かったので、競馬でどうかなと思っていましたが、良いスタートを切れました。
 調教では単走だとフワフワするのですが、併せ馬をすると割と闘争心を出します。ちょうど前に良い目標ができて、前回の競馬は良かったです」

(前走後の調整について)
「一旦放牧に出しました。放牧先で状態が良ければ新潟2歳ステークスに行こうということだったのですが、順調にリフレッシュできて2歳ステークスに行くことになりました」

(最終追い切りを振り返って)
「先週、コースでびっしりとやりましたので、今週は輸送もあるので54~55秒の予定でミルコ(デムーロ騎手)にお願いしました。
 単走だと馬自身が少しズブいところがあって判断しにくいのですが、順調に調教も消化しているので状態は良いと思います」

(走る前と後でイメージの違いはあったか?)
「それがあまりないのですよね。一回使った割には結構落ち着いていますし、あまり変わってないですね。
 課題というか、後ろから速い脚で迫られると厳しいかもしれません」

(今回のレースに向けて)
「昨年のケイデンスコールをイメージして、大外から抜け出してくれないかなと思っています。
 前走の後でミルコジョッキーに"どう?"と聞いたら、"1600mまで絶対大丈夫"という感じで話しました。
 去年のケイデンスコールから連覇がかかっています。今回は相手が強くなりますが、頑張ってほしいと思っています」
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