田原基成さん

【新潟2歳S】なぜモーベットはこのレースに? シルクレーシングの意図を読み解く。/キーンランドC

【新潟11R 新潟2歳S】

「この後は休ませて、秋の東京を使う予定です」

あれ? 次は秋の東京って話じゃなかったっけ……。出馬表でモーベットの名前を目にしたとき、真っ先に抱いた感想だ。

ハープスターとイスラボニータのワンツーで決まった2014年を機に、その重要性を増す新潟2歳S。紛れの少ない舞台設定に加え、秋競馬との比較で組みしやすいメンバー構成が「ローテーションの前倒し」を進めているのだろう。

「以前とは牧場での育成技術が違う。昔は秋の東京から、なんて言っていたけど、今はそれじゃ間に合わなくなる」

名伯楽・藤沢和雄が発する言葉には重みがある。今夏は高校野球における球数の議論がなされたが、結局のところ世代間で意見が違いすぎて参考にならない。積み重ねた経験は百の言葉にも勝るもの。だからこそ「行動・習慣を変えること」は賞賛されるべきなのだ。

藤沢和師の代名詞と言えば「馬なり調教」。馬をビシビシ鍛える時代において異端中の異端だったことだろう。時代の主流を否定する革新性はいつの時代だって爪弾きの対象となるが、突き抜けた革新性はいずれ常識として定着する。11度のJRA賞最多勝利調教師賞を獲得した「藤沢スタイル」を否定する競馬関係者がいたら、古い考えの持ち主としてむしろ爪弾きの対象となるはずだ。

そんな同師が昨秋、新しい常識に挑戦しようとしていたことをご存知だろうか?

「世界を見渡しても調教の舞台はポリトラックの坂路。ウッドチップで負荷をかけるなんて言ってるのは日本だけだ」

「今のサラブレッドは馬車馬みたいに余計な負荷をかけてビシバシ追わなくても走るんだよ。 鉄下駄履かせた姿三四郎みたいな時代遅れの稽古を無理強いしてると、馬にパワハラで訴えられるぞ」

姿三四郎とパワハラ……昭和と平成、別時代に生まれた言葉をブレンドする会話センスも名伯楽ならでは。その昨秋はレイエンダ、グランアレグリアと結果こそ伴わなかったが変化を恐れない姿勢は素晴らしい。ちなみに該当馬2頭は今年エプソムC、桜花賞と重賞タイトルを手にしている。

今回の参戦理由は十中八九、シルクレーシングの都合だろう。2歳新馬を勝ち上がった主要馬の次走ローテーションを記すと……

・リアアメリア→アルテミスS
・サリオス→サウジアラビアロイヤルC
・オーソリティ→芙蓉S

昨年グランアレグリアが参戦したサウジアラビアロイヤルCにはリアアメリアが出走予定。同馬を管理する中内田厩舎は2年連続で新潟2歳Sを制しており、ふたりの主戦場が入れ替わったような感覚に陥る。これを吉と捉えるか凶と捉えるか……。

確かに存在した私の邪念。それを消し去ったのは【福永祐一】を新潟に配した陣営の采配だ。

インディチャンプやプリモシーンを挙げるまでもなく、福永祐一×シルクレーシングは勝負気配抜群のコンビ。今年の重賞成績【2-2-1-1】複勝率83.3%を誇る。北の大地に有力騎手が集結する状況にあって、最善の選択に余念がない陣営の用意周到ぶりには感心するばかりだ。決してノープランの参戦ではない。

ノーステッキで突き抜けた初陣。
11秒8-11秒4-11秒2の加速ラップ。
時代に合わせた名伯楽の意識改革。

馬と騎手と調教師、そのトライアングルが導くのはヴィクトリーロード。モーベットの本命に迷いはない。

相手本線にはウーマンズハートを。

夏の時季に2歳馬がこの舞台で上がり3F32秒0。これは2年前のウラヌスチャーム以来2頭目となる事例だ。これだけでもレアケースなのだが、上がり3Fで次位につけた1秒3は破格中の破格……前走並みのパフォーマンスが叶えば上位争いは必至だ。

ペールエールも侮れない。

500キロの馬体重が示すように、いかにもパワー満点なダイワメジャー産駒。それでいて前走ラスト3Fは12秒0-11秒6-11秒4と「加速ラップ」を刻んでいる点は心強い。過去10年の新潟2歳Sにおいて、前走中京芝1400mを上がり3F2位以内で制した馬は【2-1-1-4】複勝率50%。2019年のM.デムーロ×安田コンビの成績【6-2-1-0】複勝率100%も含め、強調材料に事欠かない1頭だ。

穴妙味を求めるならビッククインバイオ。

新馬戦は展開ありきの3着という見立てだったが、ほぼ同じようなペースで逃げて上がり3F33秒5の前走で評価は一変。レースを使われることでパフォーマンスを上げるのは母アニメイトバイオの血筋が影響しているのだろうか。前走基準で判断すれば、逃げて直線大失速するイメージは想像しにくい。

【新潟11R 新潟2歳S予想の印】
◎11 モーベット
〇6 ウーマンズハート
▲13 ペールエール
☆7 ビッククインバイオ
△9 タイムマシン
△12 ウインカーネリアン
△2 クリアサウンド
△3 グランチェイサー
△5 トライフォーリアル

【3連複/フォーメ】11-6,13,7-6,13,7,9,12,2,3,5(18点)


【札幌11R キーンランドC】

きっかけは、2015年。

ワールドオールスタージョッキーズが夏の札幌開催へと移行したその年。連動するようにキーンランドCの傾向もガラリと変貌を遂げた。まずはこちらをご覧いただきたい。

・1-4枠成績
2011-2014年【4-1-1-24】
2015-2018年【0-2-1-24】

・5-8枠成績
2011-2014年【0-3-3-26】
2015-2018年【4-2-3-23】

2014年以前に外枠を引いた人気馬は何頭もいるし、2015年以降に外枠の利を得た人気薄激走馬も少なくない。偶然の一致で済ませるのはさすがに無理筋というもの。傾向の変化にワールドオールスタージョッキーズが関係しているのは明らかだ。

では、なぜ上記のような数字が生まれたのか?

ヒントはJ.モレイラにある。

シリーズ参戦のため来日をはたした同騎手は、この週に7勝を挙げる大活躍。本戦優勝をかっさらうとともに日本の競馬ファンに強烈な印象を残した。

勢いを駆って臨んだキーンランドCはエポワスに騎乗。「モレイラ効果」で一気に評価を上げた同馬だったが……結果的にモレイラ包囲網を敷く着火剤となってしまった。終始厳しいマークを受け、直線もほとんど追えずじまい。レースは大外を悠々と駆け抜けた外枠ウキヨノカゼ、トーホウアマポーラが上位を占める結果に。

言うまでもなく、このシリーズに出場する騎手は一流ばかり。馬群がタイトな欧州競馬の経験者に加え、相手を絞った徹底マークが捗る地方競馬の猛者にかかれば包囲網など朝メシ前。その翌年、モレイラがシュウジで逃げを選択したのは凱旋門賞におけるエルコンドルパサーと同じ「リスク回避」だ。

狙いは外枠。

ここはダノンスマッシュから入る。

1番人気を裏切ってしまった高松宮記念。本命を打った際の見解に記した「平坦→急坂替わりに不安がないとは言い切れない」が的中した格好となってしまった。直線急坂コースでの成績【1-0-0-5】に対し、平坦コース【4-2-0-0】。除外によりローテーションに誤算が生じたとはいえ、坂のない条件なら譲れない。

セイウンコウセイやナックビーナスなど、スプリンターズSを見据える陣営は多数。同馬もそのグループに属するとは思うが……私は秋の大一番でこの馬を本命にするつもりはない。理由は前述の急坂適性。また、休み明けの函館日刊スポーツ杯→叩き2戦目のキーンランドCで着順を落としたように次走間隔が詰まる点も引っかかる。

テーマは「スプリンターズSからの逆算」。ダノンスマッシュを狙うタイミングは今回だ。

相手本線に据えるのはリナーテ。

この馬で今回強調したいのが滞在競馬との相性。連闘で勝ち上がった小倉競馬、そして函館・札幌開催と輸送のない環境下でこそ輝く馬なのだ。6年連続で斤量54キロ以下の牝馬が連対をはたすレース傾向に加え、同馬を管理する須貝厩舎は北海道開催の重賞成績が【3-8-3-19】複勝率42.4%。ノウハウを知り尽くした陣営が送り出す点も魅力に映る。

穴候補として取り上げたいのは2頭。

まずはハッピーアワー。終始大外を通ったNHKマイルCはロスの激しい競馬。それでもデビュー時から続く上がり3F3位以内を外すことはなかった。芝1400m以下では連対率100%かつ、距離短縮ローテでの成績は【2-0-0-0】。無理のないローテーションも含め、ノーマークは禁物だ。

デアレガーロも侮れない。外枠有利のレース傾向は重々承知しているが、この馬に限っては内枠で2戦2勝。フレッシュな状態のほうが走る馬だけに、昨年は北海道3戦目の臨戦過程が響いたのだろう。イン伸び馬場だった前走高松宮記念は大外を回りつつ勝ち馬と0秒5差……ロスなく運べればチャンスは十分。

なお、普段の見解で記している【注目レース】は日曜日にTwitter上でお伝えすることとする。

【札幌11R キーンランドC予想の印】
◎13 ダノンスマッシュ
〇16 リナーテ
▲6 ハッピーアワー
☆2 デアレガーロ
△1 ナックビーナス
△4 セイウンコウセイ
△7 タワーオブロンドン
△10 アスターペガサス
△14 ライトオンキュー

【3連複/フォーメ】13-16,6,2-16,6,2,1,4,7,10,14(18点)








田中正信さん

新潟2歳S出走馬【特別版】全頭診断

皆さん、こんばんは。田中正信です。

今週は2歳重賞の新潟2歳Sが行われます。いつものように追い切り特注馬を…という予定でしたが、近年は後のGI・重賞戦線でもキーホースとなる馬が多数出ていることから、特別に出走馬の全頭診断のバージョンでお届けすることにしました。

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新潟2歳S・全頭診断
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■ウインカーネリアン
力感あふれるフットワークで、最後まで外の古馬に食らいついてみせた。中間は坂路で6本。8月7日には4F50秒0を馬なりで叩き出しているように中身も濃く、馬体もキッチリと仕上がっている。

■ウーマンズハート
坂路で単走。等間隔で前後に馬を置き、いい目標になっている。前脚が高く上がり、後方への蹴りも鋭い。しかも、それがリズミカルで体に負担を掛けていないように見えるのがいい。軽々と走っている感じがする。つまり、効率のいい走りをしているということだ。最後に少し仕掛けられると、後肢が後方へと蹴り出すウッドチップの量が明らかに増えた。これは蹴りが鋭くなったことの証明。活気は最後まで衰えず、2歳夏にしては非常に完成度の高い馬だと感じさせた。

■エレナアヴァンティ
相手が迫れば、それに合わせてグイグイと伸びる。最後まで真横に馬体を並ばせることなく、馬なりのままラスト1F12秒2。1馬身の先着を果たした。回転の速いピッチ走法はスピード感にあふれ、フットワークの切れはさらに良化。テンションも上がることなく落ち着いており、状態面は文句なし。

■カイアワセ
何度もハミをかけ直して、促しながらの追い切り。ただ、相手をスッと抜き去ったスピードは非凡なものがあり、ラスト1F12秒4も優秀。理想をいえばもう少し馬体がパンとしてほしいところだが、動き自体は悪くない。

■グライユル
ウインカーネリアンと古馬に挟まれる形の追い切りだったが、ゴール前は手応えをなくして失速。体力不足を露呈してしまった。現状ではややパンチ不足も否めないか。

■グランチェイサー
1週前の芝では半馬身遅れ。ただ、今回は坂路に切り替えてパワフルな伸び脚。頭の位置が低く、フォームに芯が入った印象。馬体もメリハリがあって、うまく仕上がった印象。

■クリアサウンド
坂路で単走。まだ競走馬として厳しい調教を受けておらず、やや緊張感に欠ける感じもある。重心も高く、1完歩を消化するごとに上へと力が逃げてしまっている。首の向きがわずかだがクルクルと変わるのも良くない。走りに集中しておらず、いろんなものに興味が向いてしまっているようだ。2歳だから仕方のないところではあるが…。

■サナチャン
デビュー戦よりも攻め込めたのは体質強化の表れだろう。まだ加速に時間は掛かるものの、勢いに乗ってからのフォームは実に軽やか。一度使われて順当な良化を見せる。

■シコウ
1週前に坂路4F52秒2。今週はさらに攻め込んだ。古馬と併せられると、終始持ったままの手応えで、ビシビシと追われる相手を横に見ながら合わせる走りを見せて4F51秒4をマーク。スピード、切れに磨きが掛かり、この中間の上昇度だけでいえば出走馬の中でも随一だろう。

■セツメンノトビウオ
坂路でビッシリと追われた。四肢を一生懸命に動かし、前向きさもあるのだが、必死に動かした労力がうまく四肢と地面に伝わっていない感じ。上手に推進力に変換できていない。左右にバランスがずれるので、真っすぐに地面を蹴れていないあたりが原因かと思われる。これは体が成長しないと解決しないだろう。現段階では成長待ち、といったところか。

■タイムマシン
先に追い出した古馬を横に見ながら、ゴール前はビシッと追った。相手がしぶとく突き放せなかったものの、ラスト1ハロンで11秒7なら申し分なし。体も引き締まった。

■トライフォーリアル
北Cコースと坂路を併用しての乗り込み。先週は攻め駆けする古馬が相手、さらには自身もやや重め残しの体でラスト息切れしてしまったものの、そのハード追いで出来はグンと上昇した。今週は6馬身の追走から内に潜ると、スッと前に立ち、最後は追いすがる相手を待つ余裕。ダイナミックなフォーム、反応の良さは、短期間でのかなりのパワーアップをうかがわせるもの。馬体の緩みもなく、迫力満点。

■トロワマルス
単走ながら走りっぷりが良く、直線もしっかりと反応してラスト1ハロンを11秒8の時計。しなやかに動けており、直前追いを手控えた前回よりも良く見せている。

■ビッククインバイオ
併せ馬ながら、ラチに頼ってしまう。中間も速い時計をマークしているようにいいスピードはあるのは認めるも、走りのリズムは今ひとつ。持っているポテンシャルは高く、素質だけで走ってくる可能性は否定できていが、完成度となるともう少し先になるか。

■ペールエール
坂路で単走。一見して、走りが非常にスムーズ。前脚は左右広がることもなく、しっかりと高く上がり、前にもグッと出ている。後肢も幅は狭い。真っすぐに地面を叩き、後方へと蹴り出している。そして、蹴った後、前へと戻す動きが素早い。つまりはピッチが速いということで、スピード優勢は明白だ。理想的なフォームなので疲労度も少なそう。最後まで余裕を残しながら登坂。先々が楽しめそうな素材であり、現時点での完成度も相当に高い。

■モーベット
中間の販路では最速が4F55秒0。直前追いも4F57秒4-3F40秒6-1F12秒6。実質半マイル追いもリズムを崩さず、最後までキビキビとした身のこなしを見せている。ピリピリとしたところがなく、初戦よりもリラックスしているのは好印象。





競馬コラム「水島晴之の単複で買え」

長く脚を使うトライフォーリアルで勝負/新潟2歳S

新潟11R 新潟2歳Sは(5)トライフォーリアルで勝負だ。美浦組のほとんどが坂路かポリトラックで追い切る中、1頭だけ北C(ダート)コースで併せた。3歳未勝利のスイートウィスパーを2馬身ほど追いかけ、鞍上がなだめるくらいの行きっぷり。直線は内へ進路を取り、持ったまま年長馬を抜き去った。

新馬は勝ったものの集中力を欠く面があり、乗り役に叱られながら伸びてきた印象を受けた。手綱を取った三浦騎手も「心身ともにこれからの馬」とコメントしたが、1度使って気持ちは走る方に向いている。

追いだすと重心が低くなるフォームもいい。長く脚を使えるので、新潟外回りに替わるのも歓迎だ。人気のモーベット、ウーマンズハート、ペールエールは強そうだが、中間の上昇度では負けていない。中団で折り合い、スムーズに加速すればチャンスはある。単3000円、複7000円。(ここまでの収支 マイナス14万5700円)
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結果

新潟11R  ⑤トライフォーリアル 11着


元騎手・坂井千明の乗り役流儀

【キーンランドカップの追い切り診断】重賞連続2着のアスターには?/ダノンは函館SS除外の影響もなく
■アスターペガサス【C】
前走もそうだったけれど、頭が高くて首があまり使えていない。走りが重い感じがするんだよね。それでも重賞で連続2着。こういう走り方なのかもしれないけれど、追い切りからはこれでよく走ってくるなという感じ。

■カイザーメランジェ【C】
頭が高くて前走からあまり変わりないかな。あまり良くなってきた感じがない。函館、新潟、札幌と転戦、移動移動で馬がしんどくなってるのかもね。

■サフランハート【C】
体を使って走れてはいたけれど、脚の伸びがイマイチ。追い出してから首の使いが硬くなっているのもどうかな。

■シュウジ【C】
これは全体に動きが硬くて重いね。芝で追い切っていて時計は出ているけれど、このクラスなら出る時計。だから余計に硬く見えてしまうね。

■セイウンコウセイ【A】
体を使っていて、直線に入ってからの首の使い方、脚の運びも良かったよ。前走も力強さが出ていて、今回も引き続きいい感じの走り。引き続き順調だね。

■ダノンスマッシュ【A】
体を使っていて、体全体で走れているんだよね。弾むような感じで、気持ち良く走れている。函館スプリントSで除外になった影響もなさそうだね。

■タワーオブロンドン【B】
走り自体は硬くて、ただ力強さがあって首や脚の使い方も良く見えるんだけれど、反応がワンテンポ遅かったね。なんとなく体が重そうというか。このレベルになると追い切りはしても自分で体をつくってくる馬もいるから、このひと追いでどうなるかだね。

■ナックビーナス【B】
相変わらず頭が高い走り。ただ、首や脚の使い方は良かったよ。少しムキになるところがあるから、追い切りでも頭が高い走りになってしまうのかな。3走前、オーシャンSあたりではそういうところも見えなかったから、今回はちょっとカリカリしているんだろうね。

■ハッピーアワー【C】
頭が高くて首の使い方がイマイチ。だから、脚もそんなに伸びる使い方になっていないんだよね。

■パラダイスガーデン【B】
体を使って走れていた。首や脚の伸びも良かった。あとは力関係とは思うけど、このメンバーになると厳しいかもしれないね。

■ペイシャフェリシタ【B】
前走はこの馬なりに良かった。今回も頭は高いけれど、脚もそれなりに使っているし、この馬なりには順調かな。状態キープというところだね。

■ライオンボス【A】
前走も良かったけれど、今回も順調だね。すごく気分良く走れているし体の使い方も良かった。あとはコーナーのある1200mの競馬で一線級とやってどうか、というところ。前走は乗り替わりでも素直に折り合いがついていたけれど、今回も乗り替わりで、そのあたりがどうか。

■ライトオンキュー【B】
体を使えているし、首の使い方や脚の使い方もしっかりしていた。この馬なりには順調といったところ。あとは前走がハンデ戦で、今回このメンバーに入ってどうかというところだね。

■リナーテ【A】
頭は高い走りなんだけれど、高いなりに体を使えているし、首の使いも、脚の運びも良かった。これも引き続き順調といっていいだろう。

抜けてよかったのはダノンスマッシュだね。除外後は一旦放牧に出て、戻ってきてからもうまく調整できたようだね。それからセイウンコウセイ、ライオンボス、リナーテといったあたり。タワーオブロンドンやナックビーナスらは特別良くは見えなかったけれど、地力があるから走ってきてもおかしくない。

【A】=水準以上の動き。調整過程は良好
【B】=デキは平凡。特筆すべきポイントなし
【C】=状態面に不安アリ
【危】=好調時とくらべて著しく状態が悪い。危険な人気馬
【VIP】=先々が楽しみな素質馬


【新潟2歳ステークスの追い切り診断】伸びしろがあるエレナ/距離延びて良さそうなのは…
■ウインカーネリアン【B】
体も使っているし、首や脚の伸びも良かった。ただ、この馬はパワータイプに見えるね。時計勝負になるよりは、少し時計が掛かる馬場が合うかもしれないね。

■ウーマンズハート【A】
体を使えているし、首の使い方、脚の運びも良かった。この馬はスピードタイプだから、軽い馬場、速い時計になるほうがいいだろうね。

■エレナアヴァンティ【VIP】
体を使って走れているけども、まだ子供っぽいというか、フラついている感じなんだよね。ただ、これでオープンも勝てるぐらいだから能力はあると思う。本当に力がついてきたら、もっと良くなると思う。伸びしろがありそうな走りだね。

■カイアワセ【C】
体を使ってはいたけれど、全体的に力がない感じ。首の使いや脚の使い方はいい感じなので、良くなるのは少し先かもしれないね。

■グライユル【B】
体を使って走れている。ただ全体的にまだ緩いかなという感じがする。新馬戦の1200mから今回は1600mになるけれど、緩いということもあって距離延長はこの馬にとっていいだろうね。

■グランチェイサー【C】
これは全体的に硬い走りをする。距離が延びる1600mがギリギリかもしれないね。

■クリアサウンド【A】
軽い走りで、すごく気分が良さそう。体を使えていて、追い出されてからの反応が良かった。これはよく見えたね。

■サナチャン【C】
体を使ってはいるけれど、特別にここという強調するところがないかなと。

■シコウ【A】
前半は少し掛り気味になっている。少し前の部分を開いて走るところがあるから、走りが硬いんだよね。それでも首を使って走れているから、この馬なりには順調というところだろう。

■セツメンノトビウオ【C】
体は使ってはいるんだけれど、力強さや反応という点ではイマイチ。それでいて、体のわりに飛びがすごく大きい。軽い馬場で、長い距離のほうがいいだろうね。それに、切れる感じがないから自分のペースで行けないと苦しくなりそう。

■タイムマシン【C】
少し硬い走り。体の使い方、脚の伸びも硬くて、全体的にイマイチな感じがする。

■トライフォーリアル【VIP】
体を使って走れている。首の使い方、脚の伸びや反応と、いい感じだったね。距離が延びても対応できそうだし、順調そのもの。

■トロワマルス【B】
直線に入って左手前から右手前に替えたときに、硬くなって走りが詰まってしまう。そのあとはスムーズに走れているんだけれど、新潟は右回りだし、動きたいところで後手を踏む可能性もあるのはちょっと嫌だよね。

■ペールエール【B】
気分良く走れているし、首も使えている。脚の運びも良かったし、この馬なりに順調だね。

■モーベット【A】
体を使えているし、首の使い方は脚の伸びも良かった。これも順調にきているといっていいだろうね。

一番良く見えたのはトライフォーリアル。これは先々、距離が延びてもいい走りをしてくると思う。ただ飛びがきれいな馬だから、渋ったり緩い馬場は合わないんじゃあないかなと。エレナアヴァンティ、現時点でもいいけれど力をつけてきたらもっとパフォーマンスを上げてきそうな馬。そしてウーマンズハート、クリアサウンド、それからシコウあたりも良く見えたね。モーベットも我慢がききそうな馬だから、今後距離が延びても良さそうだね。



水上学の血統トレジャーハンティング

日曜札幌11R キーンランドC(G3)

◎本命馬
⑬ダノンスマッシュ
(牡4、栗東・安田隆厩舎、川田騎手)
メンバーの揃った一戦。多くの馬がスプリンターズSへ向けてのメドを立てたいところだが、とりわけ⑬ダノンスマッシュにはその意識が強いだろう。

高松宮記念は大外枠と馬場のバイアスに泣いたが、それでも僅差4着。そして函館SSは例の事件で除外。ここは仕切り直し、このところの不運を払って、結果を出して本番へ向かいたいところだろう。去年2着、適性は疑うべくもない。

問題は馬場が想定以上に悪化した場合だが、母方はおそらく巧者の血。ロードカナロア産駒だけに、不良馬場まで行ってしまうと少し割り引きも、重馬場までなら何とか我慢すると考える。

$お宝馬
⑭ライトオンキュー
(牡4、栗東・昆厩舎、古川騎手)
洋芝巧者の血統、そして馬場が悪化した際にはいかにも適性が高そうな血統でもある。課題はこの相手での56キロだが、目下の充実振りは著しい。揉まれない枠も引けており、ひと雨くればかなり目が出てくる。

相手上位は ⑯リナーテ、②デアレガーロ、④セイウンコウセイ。 押さえに ①ナックビーナス、⑦タワーオブロンドン、⑫ダイメイフジ、⑤ペイシャフェリシタ。




境和樹の穴馬券ネオメソッド

【日曜】札幌11R キーンランドC(芝1200m)

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なかなか明確な血統傾向を見出すのが難しいキーンランドCですが、実は意外に単純なところに答えがあるのではないか? これが今年の仮説でありテーマ設定。

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総合的に見て、キーンランドCと最も相性が良い系統は、サンデー系を筆頭としたヘイロー系。

函館スプリントSもそうでしたが、かつてはキーンランドCもノーザンダンサー系の支配力が高かったのですが、最近は主流が完全にヘイロー系に移行しています。

もちろん、これは該当馬の出走頭数にも反映されていて、最近のキーンランドCは「父か母父にヘイロー系を持っている馬」の数が総じて多くなっています。昨年は16頭中11頭がこれに該当しており、一昨年は13頭中10頭が該当。

09年、10年がともに16頭中6頭しか該当馬がいなかったことと比較すると、ここ数年で出走馬の占有率からみても完全にこのレースにおけるマジョリティ血統の地位を獲得したことが分かります。

そうなると、確率的に「父か母父にヘイロー系を持っている馬」が馬券圏内に入る可能性が高くなることは当然の話。実際、ヘイロー系保持馬が占有率でマジョリティの地位を獲得した11年以降、このレースで父か母父にヘイロー系を持った馬が1頭も馬券に絡まなかった年は一度もありません。

つまり、物凄く単純な話として、「父か母父にヘイロー系を持っている馬」を候補馬としてピックアップすれば、その中に、圏内に入る馬が含まれている可能性は極めて高いことになります。

しかし、もう少し絞り込むとすれば、注目すべきは「母父」に入った方

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父ヘイロー系に比べて極端に該当馬の数が減り、にもかかわらず安定して馬券圏内に該当馬を送り込んでいるのが、「母父ヘイロー系」。

たとえば昨年は、「父か母父にヘイロー系」の馬が11頭いましたが、そのうち、「母父ヘイロー系」は2頭のみ。その2頭の中から勝ち馬ナックビーナスを引っ張り上げることができました(もっとも、この馬は父もヘイロー系ではありましたが)。

というわけで、今年は好走確率と選択リスクのバランスが最も取れていると考えれられる「母父ヘイロー系」に着目して候補馬をピックアップします。

①ナックビーナス
(母父モアザンレディ)

⑥ハッピーアワー
(母父ディープインパクト)

⑨カイザーメランジェ
(母父サクラプレジデント)

⑪ライオンボス
(母父ステイゴールド)

⑫ダイメイフジ
(母父ダンスインザダーク)

⑨カイザーメランジェは母父にサンデー系のサクラプレジデントを持って血統テーマをクリアする存在。

函館スプリントSが、例の薬物問題の関係で有力馬が軒並み除外になった中での勝利。前走のアイビスSDが惨敗ということで、今回は完全に人気の盲点になりそうですが、前走に関しては千直では致命的に不利な内枠を引き、しかも道中で前が詰まって踏み遅れる散々な競馬。0.4秒差7着は決して悲観するような競馬ではありませんでした。

父サクラオリオンは、札幌施行の函館記念など当地【2-1-2-2】の札幌巧者。母父サクラプレジデントも札幌記念など札幌3戦3勝と、こちらも札幌の鬼。
この馬にとっても札幌替わりは明らかな条件好転であり、人気落ちなら絶好の買いタイミングだと考えらえます。
結果 ⑨カイザーメランジェ 12着

新潟11R 新潟2歳S(GⅢ)(芝1600m)

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新潟2歳Sは、直線スピードと短距離要素が鍵を握るレース。

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昨年も、メンバー最速の上がりを駆使したケイデンスコールが勝利。ちなみに、2着アンブロークンはメンバー2位の上がりを使った馬で、3着スティルネスはメンバー3位の上がりを使った馬でした。要するに、速い上がりを使った順番に入線したということ。これが、新潟2歳Sというレースの本質です。

いかに他馬より速く上がるか、その直線スピードの重要性がとにかく高い。まずはこのテーマを最重視しなければなりません。

もうひとつ、メンバー最速を使った馬のほとんどが後方で脚を溜め、直線で溜めていた脚を爆発させるパターンであるということも忘れてはなりません。過去、4角二桁位置から上がり最速を使った馬は【8-4-0-2/14】。
昨年の該当馬ケイデンスコールは4角8番手から上がり最速を使っていたため、この数字には含まれていませんが、昨年は11頭立て。やはり後方待機からの差し切り勝ちと、これまでの傾向通りの勝ちパターンでした。

ではどんな馬がこのレースで上がり最速の脚を使うかですが、このレースで上がり最速(または3位以内)の脚を使う馬は、これまでの少ないキャリアでその片鱗を見せています。
すなわち、前走でメンバー2位以内の上がりを使っているような馬がほとんど。このレースで突発的に速い上がりで差してくることはないと考えておいていいでしょう。

その一方、血統的には「短距離要素」の重要性が高いレースでもあります。

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昨年の勝ち馬ケイデンスコールの父ロードカナロアは、現役時代にスプリントGⅠを席巻した馬でした。また、一昨年5人気2着コーディエライトは、きょうだいにローガンサファイア、サフィロスなどがいる短距離母系出身馬。その他、芝、ダートを問わず1200がベストという血統が散見されるのが、新潟2歳Sの血統的な特徴。

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長い直線のマイル戦。ましてや直線スピードが重要となると、どうしても意識が中距離にシフトしてしまうところ、実際、このレースでは1200勝ち上がり組が好成績を収めています。昨年3着スティルネスをはじめ、マイル戦の出走経験すらなかったスプリント型が人気落ちの間隙を突いて穴を開けるのが、新潟2歳Sの裏テーマでもあります。

先述の血統テーマも合わせて、このレースにおける“短距離要素”の重要性がお分かりいただけると思います。

ちなみに、このレースが道悪(稍重以下)で行われたケースは4回あるのですが、その4回ではいずれも1200実績馬が好走しています。
18年8人気3着スティルネス、15年8人気3着マコトルーメン、08年15人気3着ツクバホクトオー、そして05年3人気3着コスモミール。

この原稿を書いている時点では、当日の馬場状態はハッキリしませんが、仮に稍重以下で行われるようなら、このテーマの重要性はアップすると考えておきたいところです。

直線スピードと短距離要素の融合がテーマの新潟2歳S。今年の候補馬は……

①エレナアヴァンティ
(父アドマイヤムーン)

③グランチェイサー
(母キャッスルブラウン)

⑥ウーマンズハート 1着
(母レディオブパーシャ)

⑨タイムマシン
(父ロードカナロア)

⑩グライユル
(芝1200勝ち)

⑨タイムマシンは、父に昨年の勝ち馬ケイデンスコールと同じ短距離王者ロードカナロアを持って血統テーマをクリアする存在。前走も後方からメンバー最速の上がりを使って差し切り勝ち。馬キャラ的にもこのレース向きです。
結果 ⑨タイムマシン 13着



新潟2歳S週

【美浦の『聞き屋』の囁き】

●夏の牝馬たち●

出走頭数16頭中、半数以上の9頭が牝馬となっている今年の新潟2歳S。

近年は世界的にみても歴史的名馬と言われる馬の多くが牝馬で、以前ほど牡馬と牝馬の能力差はないのかもしれない。

特に、その傾向が顕著なのが2歳時であり、成長曲線が牡馬よりも早いのだろう。

今年の新潟2歳Sの有力候補も牝馬が多数。

1番人気候補は2歳世代が勝ちまくっている藤沢厩舎のモーベット。

デビュー戦で手綱を取ったルメール騎手が札幌で行われるWASJに騎乗するため、選ばれなかった福永騎手が主戦場の小倉から遠征。

秋にはオールカマーでレイデオロに騎乗することも決まっており、藤沢厩舎とのラインが強固になっている。

2番人気候補がデビュー戦で衝撃の上がり32秒0を計時したウーマンズハート。

新潟マイルでの過去最速の上がりが31秒9であることを考えると、デビュー戦での32秒0がいかにすごい末脚か分かってもらえるだろう。

デビュー戦で手綱を取った津村騎手から藤岡康騎手へと乗り替わっているが、これには事情があったようだ。

というのも、津村騎手は新潟競馬が始まる以前から小倉日経オープンでの騎乗依頼を受けており、この依頼を断ることができなかったとのこと。

断ることができなかったというのは、ウーマンズハートに乗るために調教師とクラブサイドに交渉をしたということで、それだけ新潟2歳Sに乗りたかった、ということだろう。

札幌を主戦場にしている藤岡康騎手は福永騎手同様にWASJに選ばれなかったため、遠征しやすい状況にあったということになる。

唯一の2勝馬であるエレナアヴァンティも牝馬、松山騎手が小倉から遠征してくるクリアサウンドも牝馬。

今年の新潟2歳Sは牝馬の取捨がポイントになりそうだ。



【関西事情通のちょっとイイ?話】

●このレースも注目!●

新潟2歳Sと並び、夏の終盤を告げる重賞キーンランドC。夏の終盤と言うことで、サマーシリーズのポイント争いに重要な一戦になる。ただ、そのポイント争いも然ることながら、やはり秋のGIへ向けて、近年でもこのレースをステップにスプリンターズSで好走した馬も多く注目の一戦と言えるだろう。

そんな中で注目してみたいのは、サマーシリーズでも中京記念尾グルーヴィットや、先週の北九州記念のディアンドルなど、古馬相手でも活躍を見せ、レベル的に十分通用することを証明している3歳世代。このレースには、アスターペガサスとハッピーアワーの2頭が出走している。

前者は、函館2歳Sの重賞勝ち実績に加え、3歳世代のスプリント戦線の春の最終決戦である葵Sで前出のディアンドルの2着、さらに古馬と初対戦となった函館スプリントSでも、有力馬の多くが発走除外となりレベルに?はありながらも内容のある2着と、実績的にも上位の存在。当然優勝争いの一角と言えるだろう。

ただ馬券的な意味も踏まえて、より注目してみたいのはハッピーアワーの方だ。

この馬も重賞勝ち馬。そのファルコンSでは、後に中京記念を勝つ前出のグルーヴィットを完封、NHKマイルCでは7着とは言え、マイル戦では折り合いを欠く可能性があり前半は折り合いに専念する後方待機から終始外目を追走、直線も大外からというロスある競馬ながら、上がり3Fは2着馬に次ぐ脚を繰り出し勝ち馬からコンマ4秒差、GIという舞台を考えれば力は魅せた。

今回の舞台は札幌芝1200m、距離短縮自体は、折り合いを考えれば逆にプラス、そもそも2歳時とはいえ昨年のすずらんSでオープン勝ちしている舞台、悪いはずはない。

また、重賞勝ちがあるとは言え、今年は賞金ボーダーが高いだろうと言われているスプリンターズSなだけに、収得賞金はできるだけ確保しておきたいところ。そういう意味でもここは勝負度合いを感じる。

ここでアッサリ差し切り勝ちを決める様なら、それこそこの舞台よりも差しの決まる中山芝1200mなら、さらに期待も高まるというもの。そういう走りを期待してみたい。

【競馬場から見た推奨馬券】

新潟は、木曜から金曜にかけて思った以上の降雨があったようで、土曜は完全に重馬場スタート。日曜も完全良馬場に回復は望めそうもない。
日曜は、メンバー的にも低調な組み合わせのレースが多く、あまり食指が動かないが…。


とりあえず切羽詰まった3歳未勝利戦を狙ってみたい。

まずは新潟3R。今夏3戦目のアーブルルージュが狙い馬。その前走はハイレベルの組み合わせ。2着メイオールが次走で順当勝ち。3着バチェロレッテがその3着。5着アースドラゴンも次走2着。
そして今度は4着だったアーブルルージュの出番だ。そのハイレベルだった前走の内容も良い。開幕週の完全良馬場でインの3番手の馬が快勝。その馬場状況で、唯一後方から外を伸びたのがアーブルルージュ。上がりも最速。血統的に時計の速い馬場が合うとは思えないだけに、目を引いた。
対して今週は、5週目で馬場も荒れて来た。更に、土曜が重馬場での競馬だけにより一層だろう。
多少湿り気が残り、外が伸びるような馬場になれば理想的だ。体調的にも、中3週で叩き3戦目。疲れはないはず。

単勝 15
馬連 10-15 15-18 9-15
3連複 10-15-18 9-10-15 7-10-15
10-14-15

自信度 C


もう一鞍は新潟6R。ここは一息入れて立て直されたマーヴェラスクインが中心。
使われる毎にパフォーマンスを落とす傾向があり、4戦目の前走の凡走はいたしかたないところ。
新馬戦2着の後の2戦目が12着。3ヶ月開けて連続2着→5着→7着と、明らかに使い込むより、フレッシュな状態の方が走れる。
今回は2ヶ月開けて、万全の態勢を引いてラストチャンスにかけてきた。
新馬戦がダートでの好走だっただけに、荒れた馬場もこなしてくれるはず。先行して渋太さをいかすタイプで、同じ左回りでも東京の長い直線より、内回りの今回の方が競馬もしやすいはずだ。

単勝 1
馬連 1-13 1-8 1-5 1-9

自信度 C


【関西事情通のちょっとイイ?話】

●今週も注目!●

夏のメイン・イベントとも言える札幌記念が終わり、今年も早くも夏終わりが近づいてきた。

今週は、夏の終盤を彩るWAJSが開催される他、やはり夏の終わりを告げる重賞として定着している、札幌ではキーンランドC、そして新潟では新潟2歳Sが行われる。


その新潟2歳Sには、先週も注目した藤岡康太騎手が参戦している。

先週お伝えした通り、彼の主戦場は札幌。でありながら先週日曜は敢えて小倉へ遠征、騎乗したアンヴァルは惜しくも3着だったが、捌きひとつで勝つチャンスは十分にあったレース、やはり札幌からわざわざ遠征するだけのものは魅せた。

今週の藤岡康太騎手、土曜は小倉、日曜は新潟で騎乗。一見は、「札幌は有力ジョッキーが揃うWASJがあるので騎乗馬集めのためにほかへ遠征したかな?」と思えるところ。しかし実際のところは、1週前までは日曜は札幌で騎乗予定だった。

では何故新潟なのか…


それは、8月1週目の、新潟2歳Sと同じ舞台の新馬戦を勝利したウーマンズハートが、当時騎乗していた津村騎手に打診していたものの、小倉日経オープンに先約があり騎乗できず、空いた鞍上に藤岡康太騎手が収まったという形。

札幌で騎乗予定とは言え、やはり有力騎手が大挙参戦週とあって乗鞍自体は少なく、また重賞キーンランドCでの騎乗予定も無いこと、そして何よりウーマンズハートそのものがチャンスのある有力馬とあれば、藤岡康太騎手陣営のホンネがどうだったかはわからないが、客観的に見れば当然の行動だろう。


2週前には出走枠ギリギリで出走が叶ったモズアトラクションでエルムSを制し、先週はアンヴァルで北九州記念3着、今週も巡り巡って重賞で有力馬に騎乗する藤岡康太騎手、その流れと勢いからも、今週も注目のジョッキーだろう。

【美浦の『聞き屋』の囁き】

●WASJ??●

WASJとは、ワールドオールスタージョッキーズのことで、ひと昔前は暮れの阪神開催で行われていたが、近年は夏競馬を盛り上げるために札幌で開催。

以前からこのWASJの開催時期については議論があったが、今年は例年以上に「どこがオールスターなのか?」という現場の声がかなり大きい。

と、いうのも、夏から秋にかけて世界的にみてもビッグレースのトライアルレースが始まっているし、各国のリーディング争いもあるだけに、簡単には自国、もしくは優先騎乗契約などの問題をクリアして、わざわざ日本のGⅠでもないレースに乗りにくることは、各国のリーディングトップジョッキーには難しい。

JRAも各国のトップクラスに声はかけたようだが、そのほとんどがキャンセルばかり。

その結果が今年の招待騎手たちで、世界的に見ればトップクラスではなく、格はかなり低いと言わざるを得ない。女性騎手が多いことに加えて、地方のレジェンドに話題を頼らざるを得ないという、苦しい状況。

ただ、秋の東京開催後半から中山・阪神開催には、本物のオールスターたちが来日予定。

すでに報道があったように、デットーリ騎手が来日の申請をするという噂があるし、毎年この時期に来日している騎手たちに加えて、ジャパンカップを制したことがあるフランスの名手も来日予定という話が聞こえてきている。

暮れのワールドクラスの来日を心待ちにしてほしい。





日曜メインレース展望・柏木収保

【新潟2歳S】加速してからのスピードの持続力が求められるレース

現時点のスピード持続力はジャスタウェイ以上か


 近年の新潟2歳Sの特徴は、知られるように前半はスローの流れから、長い直線に集中する後半勝負。最近10年のレース上がり3ハロン平均は、33秒83。馬場状態を問わず、勝ち馬の上がり3ハロン平均は「33秒04」に達する。これは切れ味というより、加速してからのスピードの持続力というべきだろう。

 最近10年で3着までに快走した30頭には、上がり32秒5(30頭中最速)で差し切った13年のハープスターを筆頭に、32秒台を記録した馬が8頭もいる。予想外に馬場が渋らないかぎり、後半の加速スピード能力を重視したい。

 新馬戦のあと大きく変わる馬もいるが、このコースの新馬1600mを上がり「32秒0」で快勝した牝馬ウーマンズハート(父ハーツクライ)は強気になれる。

 新潟の2歳新馬戦1600mでは、2017年8月に現4歳のオープン馬ウラヌスチャームが上がり32秒0で勝った記録があるが、ウーマンズハートの記録は、切れ味勝負型の高速上がりとはちょっと違っていた。

 レースの後半3ハロン(11秒1-10秒7-10秒9=32秒7)から検証すると、ウーマンズハート自身の後半600mは(10秒8-10秒3-10秒9=32秒0)に限りなく近い。一瞬の切れや鋭さで楽勝したのではなかったのである。逃げ粘って2着し、上がりも2番目タイのマルターズディオサは33秒3だった。

 新潟に限らず、高速決着の多い他場の2歳戦でも近年は上がり32-33秒台は出現するが、マイルの新馬で3ハロン連続「10秒台」を刻んでの完勝は驚異の記録である。

 少し渋ったぐらいの馬場なら苦にしないだろう。新潟の芝コースが重馬場になることはめったにない。

 ハーツクライ産駒は晩成型のことも珍しくないが、ハーツクライの母アイリッシュダンスは新潟記念、新潟大賞典の勝ち馬であり、その父はトニービン。夏の平坦コース適性に優れるだけでなく、とくに直線の長い新潟を歓迎する。

 代表産駒ジャスタウェイは、2011年の新潟1600mの新馬を1分36秒1(上がり33秒3)で圧勝し、続く2戦目の新潟2歳Sを上がり32秒6で2着に突っ込んだ。

 成長力やスケール、牡牝の違いはあるだろうが、同じ新潟1600mの新馬を1分36秒2(上がり32秒0)で、ジャスタウェイと同じように2着以下を離したウーマンズハートの直線のスピード持続力は、少なくとも現時点ではジャスタウェイを上回ると考えられる。

 牝馬でも完成度の高さの勝利ではない。この中間は一段と力強く動いた。母レディオブパーシャの半兄は51戦14勝のラッキーナイン(香港)。半弟には46戦7勝のティーハーフ(現9歳馬)など、一族には驚くほどタフな活躍馬が多い。

 中京の重馬場で勝ってきたペールエール(父ダイワメジャー)の時計は目立たないが、この馬の後半2ハロンは推定「11秒5-11秒4」。使って大きく変わりそうな印象を与えた。モーベット以下、候補はいっぱいいるが、ここ2週の動きが光り、新馬から激変がありそうなシコウが最大の伏兵。






優馬

重賞データ攻略
新潟2歳S


 昨年の勝ち馬ケイデンスコールは今春のNHKマイルCで2着に好走。新潟外回りの長い直線を乗り越えたその先に見えるのは、マイル路線で活躍する未来図か。

とにかく決め手は必須
 658mという長さを誇る新潟外回りコースで行われる新潟2歳S。それゆえに決め手が最優先されるレースでもあり、上がり3Fが1~2位だった馬が過去10年で〔10.6.2.4〕と、極めて高い好走率を誇る。末脚比べで優位に立てる馬を探していきたい。

新潟2歳Sのポイント(過去10年)
前走で新馬・未勝利勝ち(例外は1~3着に1頭ずつ)
前走が1400m~1600m(勝ち馬全てが該当)
前走が左回り(勝ち馬全て、連対馬20頭中18頭が該当)
前走3番人気以内(連対馬20頭中16頭が該当)
前走上がり3F1~2位(1~3着馬30頭中28頭が該当)

 例年、出走馬のほとんどがキャリア1~2戦、新馬・未勝利勝ち直後というメンバー構成だけに、必然的に前走の持つ価値は高くなる。上記のポイントを整理すると、左回りの1400m~1600m戦で3番人気以内かつ上がり3F1~2位で勝ち上がっていることが好走の条件。

新潟マイルに強い種牡馬
 前項で挙げたポイントだが、今年のメンバーでこれらを全て満たしたのは合計7頭。これだけでは絞り切れないので、次に新潟マイルにおける該当馬の父の産駒成績を調べてみた。

新潟芝1600m外回りの種牡馬別成績(全期間)
ハーツクライ〔22.13.10.116〕連対率21.7% →ウーマンズハート
ダイワメジャー〔12.18.14.127〕連対率17.5% →ペールエール
ロードカナロア〔7.4.2.20〕連対率33.3% →タイムマシン
オルフェーヴル〔2.3.3.18〕連対率19.2% →モーベット
キズナ〔0.1.0.5〕連対率16.7% →クリアサウンド
キングズベスト〔0.0.0.14〕連対率0.0% →ビッククインバイオ
リアルインパクト〔0.0.0.2〕連対率0.0% →トライフォーリアル

 まず目に付くのはハーツクライ産駒。こちらは単勝回収率も146%と高い水準。また、ロードカナロア産駒も128%の単勝回収率に加え、複勝率も4割近い39.4%。積極的に狙ってみたいのは、ハーツクライ産駒のウーマンズハートと、ロードカナロア産駒のタイムマシン、この2頭だ。

推奨馬
ウーマンズハート
タイムマシン


重賞データ攻略
キーンランドC


 サマースプリントシリーズ第5戦、キーンランドC。禁止薬物というアクシデントに見舞われた函館スプリントSから2ヵ月余り、スプリンターズSへ向けても重要な一戦を、先週の北九州記念でダイメイプリンセスを特注馬にあげたデータ班が徹底分析!

函館SS組が中心だが…
 サマースプリントシリーズも5戦目を迎えたが、札幌での開催ということで、函館スプリントSをはじめ函館・札幌からの臨戦馬の好走例が目立っている。

前走レース別成績(過去10年)
函館SS〔4.1.3.21〕
アイビスSD〔2.1.1.15〕
UHB賞〔1.1.1.32〕
OP特別〔1.2.2.53〕
GIII〔6.4.5.44〕
GII〔1.0.0.5〕
GI〔1.2.2.8〕

 前走が函館・札幌の芝1200mだった馬が〔6.5.6.77〕。函館SS3着以内ならば、そこから直行だと〔4.1.3.5〕、間に別のレースを挟んだ馬を加えても〔6.1.4.9〕となり、複勝率は50%を超える。

 以上のことから、今年の函館SSで1~3着だったカイザーメランジェ、アスターペガサス、タワーオブロンドンの3頭が候補に挙がるが、今年の函館SSは出走馬13頭のうち6頭が競走除外になるアクシデント。このデータを鵜呑みにするのは勇気が要るだろう。

実績ある牝馬が狙い目
 前述の通り、今年は臨戦過程に関するデータが過信しづらい現状にある。そこで今回は過去10年の連対馬の実績面のポイントについて整理してみた。

キーンランドC連対馬のポイント(過去10年)
重賞連対実績(20頭中17頭)
GIで5着以内か0.5秒差以内(20頭中15頭)
函館・札幌の芝で連対実績(20頭中15頭)

 重賞実績だけでなく、GIでも健闘するくらいの実績は必要で、洋芝実績も重要。また、当レースでは牝馬が過去10年で〔7.4.6.41〕と優勢。牝馬で上記のポイントを満たしているデアレガーロ、ナックビーナスの2頭を狙ってみたい。

特注馬
デアレガーロ
ナックビーナス
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