田原基成さん

【セントウルS】「餅は餅屋」と気付かされた春。負け知らずの芝1200mなら迷わず◎。/京成杯オータムハンデ

【阪神11R セントウルS】

時は2019年5月25日。ダービーウィークの土曜競馬は、令和初のダービーデーに向けて着々と薪をくべられているような日だった。

土曜重賞は葵S。歴史は浅く「重賞」のフレーズがいまいちピンとこないレースだ。勝ち馬ディアンドルもクラシック戦線を歩んでおらず、影の薄い一日だった点は否めないだろう。

しかし、私は当時執筆した記事を鮮明に覚えている。

【競馬ストーリーテラー】の肩書きに恥じぬよう、さまざまな視点から競馬に向き合うことが私の身上。あのときのテーマは整体後に体験した「好転反応」について。おさらいの意味も含めご覧いただきたい。

(ここから)
競馬の世界にも「好転反応」はあるのだろうか?

筋トレを嗜むトレーニーなら「超回復」という言葉を知っているだろう。負荷をかけられたことで一時的に損傷した筋肉が時間を経て回復、トレーニング以前より強く大きくなるというメカニズムだ。限界を超えたその先に待ち受ける未知のフィジカル。それがあるから「ドM」と表現されても違和感ないほど彼らは自らを追い込む。

レッドファルクス。
ファインニードル。
ロードカナロア。

歴代スプリント王者は皆、1400m以上の距離経験による「好転反応」を得た。どれだけ路線が細分化されようとも、この傾向が変わることはないと私は言い切る。

「この馬はスプリンター」
「この馬はダート」

人間の思い込みが競走馬の可能性を狭めるリスク。それを考えないのはあまりに無責任すぎる。

あえて結論を急ぐが、私の葵S本命はディアンドル。デビュー以降、芝1200mにこだわった使われ方をしている馬だ。

先ほど書いた「好転反応」と矛盾するのでは? と思われるかもしれない。しかし、私の本命馬は今回だけではなく次走、いや、その馬の将来を見据えたうえで打たれるもの。生半可な気持ちで「迷いなき◎」を託すことなど絶対にあり得ない。「なんとなく」の考えが私は一番嫌いだ。

ディアンドルに対して私は、GI級の評価を下している。ここは通過点だとしても秋のGIスプリンターズS、春のGI高松宮記念。その2レースを勝ち切る前提で捉えたとき、1200m限定のローテーションは勝てないだろう。次走の上積みを想定し、あえて不適条件に挑むことによる「好転反応」を得られる機会がないからだ。

上がり3F33秒台。
前半600m33秒台。
灼熱の夏競馬。

1200mの舞台でこれ以上何を得られるのだろうか?

ディアンドルにとってここは通過点だと私は捉えているが、GI戦線を先読みすると「好転反応」なしにスプリントGIは勝てない。それともノーザンファームは、その常識すら覆そうとしているのか……だとすれば、本当に恐ろしい(ここまで)。

それを踏まえ、このレースで取り上げたいのはイベリス。

ロードカナロア×ボストンハーバーの血統背景が示すとおりのスプリンター。姉ベルカント同様、短距離のスペシャリストを狙った配合なのだろう。未勝利、さざんか賞と芝1200mを連勝……陣営が描いた青写真に狂いはなかった。

迎えた3歳。

ディアンドルとイベリスが歩んだ道は対照的なものだった。前者はクラシック戦線に見向きもせず、スプリンターとしての育成プログラムを消化。古馬混合戦でも連対を外していないのだから、一定の成果は出ているのだろう。

その一方で、後者は自身に眠る「可能性の発掘」に着手。

フィリーズレビューで新馬戦以来の1400mを使われるとともに、意図的に控える競馬を実践する。4着と確かな手応えを得て挑んだアーリントンCは鮮やかな逃げ切り勝ち……その距離は1600mまで延びていた。この馬、想像以上に奥が深い。

期待を胸に東上をはたしたNHKマイルC。突きつけられた現実はあまりにも残酷なものだった。果敢に先手を主張するも、後続の末脚に飲み込まれ16着と一敗地にまみれる結果に。アドマイヤマーズ、ケイデンスコールは2歳時からマイル重賞勝利実績あり。結局のところ、餅は餅屋。

「ハッキリと見えるといいのにね。自分の限界。大丈夫よ。ほとんどの人は手前に線を引いてるんだから。本当の自分の限界よりも……その一歩先の自分の可能性に気付かないまま」

上記のセリフはあだち充作品「H2」から引用したもの。小学生時代、何度となく読み返した青春のバイブルだ。42.195キロのマラソン完走を目標に練習メニューを組むとして、42.195キロちょうどで練習を切り上げるだろうか? イベリスとディアンドルとの比較で、ふと頭によぎった。

芝1200mでは2戦2勝。
ザ・スプリンターの血統背景。
開幕週かつ斤量52キロ。

限界への挑戦を経て、その一歩先の自分へ。4枠4番、イベリスの本命に迷いはない。

相手だが、前提として週中にTwitterで取り上げた【セントウルSの気になるデータ】を挙げておきたい。

1.前走札幌から参戦【0-0-0-8】
2.キングヘイロー産駒【0-0-0-7】
3.中10週以上の休み明けかつ1年内に重賞連対歴あり→10年連続馬券圏内

1.該当→タワーオブロンドンなど4頭
2.該当→ダイメイプリンセス
3.該当→イベリス、ミスターメロディ

これを踏まえ、相手本線にはミスターメロディを。

前走高松宮記念は自身初となる芝スプリント戦。厳しい条件を一発クリアしたのだから評価すべきだろう。過去10年のセントウルSにおいて、斤量58キロかつ前走掲示板内馬の成績は【2-3-1-0】。本命の印を打ち切れなかった理由は休み明け・左回り・外枠の三重苦との兼ね合いだ。

穴妙味ならペイシャフェリシタ。

週中はノーマークの存在だったが、枠順発表後に評価を見直した。1分7秒4で制した春雷Sにモズアスコット、レッドファルクスと0秒1差の阪急杯はいずれも急坂良馬場かつ内枠。ロスなく運べる絶好枠を引き当てた今回、軽視は禁物だ。

タワーオブロンドンは4番手評価。

北海道競馬で連戦したのち、間隔を詰めて阪神遠征。藤沢和厩舎らしからぬ臨戦過程に驚かされた。サマースプリントシリーズ制覇を至上命題に課したような使われ方だが、過去10年のセントウルSにおいて前走札幌から参戦した馬は【0-0-0-8】。強行ローテが吉と出るか凶と出るか……9月阪神勝利実績から、馬場適性自体に問題はない。

【阪神11R セントウルS予想の印】
◎4 イベリス
〇12 ミスターメロディ
▲1 ペイシャフェリシタ
☆7 タワーオブロンドン
△8 ダイメイプリンセス
△11 アンヴァル

【3連複/フォーメ】4-12,1,7-12,1,7,8,11(9点)


【中山11R 京成杯オータムハンデ】

路盤改修後、5年目を迎える京成杯オータムハンデ。

それ以前の時代は「トリッキーなコースかつ枠順がすべて」という印象にあったかと思うが、私がコース以上に注目したのが「距離適性」だ。

2015年以降に行われた京成杯オータムハンデ好走馬を見ると、ある傾向に気が付く。

フラアンジェリコ(芝2000m重賞連対歴あり)。
ロードクエスト(芝2000m重賞連対歴あり)。
ガリバルディ(芝1800mで4勝)。
ミッキーグローリー(前走芝1800m勝利)。

冒頭に記した路盤改修がもたらしたのは、差し優位のスタミナが問われる傾向への変貌。その結果、長めの距離適性が求められるようになった。

ファイアーフロート。
レオアクティブ。
エクセラントカーヴ。

前走芝1400m勝ち馬が幅を利かせていた、かつての面影はない。予想をするうえで頭に入れておくべき重要項目と言えるだろう。

「ターゲットは、芝1800m以上での距離実績馬」

そこで目に留まったのがプロディガルサンだ。

東京新聞杯2着、東スポ杯2歳S2着、セントライト記念3着。これだけの実績がありながら未だ重賞タイトルには手が届いていない。まずはその原因を突き止める必要がありそうだ。項目ごとに分けてみよう。

【1】右回りと左回りの差
右回り成績【2-3-2-2】に対し、左回り成績【1-5-2-6】。イメージほど長く良い脚を使える馬ではない。2017年秋以降、馬券圏外に敗れたレースはすべて左回り……適性の差は歴然だ。

【2】外枠と内枠の差
外枠成績【1-1-1-4】に対し、内枠成績【1-2-1-1】。最初の項目と関連するが、持続力に欠ける末脚は鞍上が目論む大外一気の決まり手をかたくなに拒否する。どんな条件であれ、外枠でこの馬が勝つ姿は想像できない。

【3】休み明けと叩き2戦目の差
中10週以上の休み明け成績【2-3-2-1】に対し、叩き2戦目成績【0-3-1-4】。一度使うとガクッときてしまうタイプで、間隔をあけるローテーションこそ望ましい。

調べれば調べるほど、重賞を勝てない理由がザクザクと発掘される。重賞で掲示板外に敗れた5戦はすべて上記のいずれかに該当……なるほど、敗因は明確だ。

右回り。
内枠。
休み明け。

プロディガルサンが手に入れた「三種の神器」。この馬を悲願の重賞制覇へ誘うものと私は確信している。

相手本線に抜擢するのはクリノガウディー。

新馬戦、朝日杯FS、そして中京記念……好走時のキーワードは「内枠」だ。シンザン記念を右後肢痛で回避するなど、順調さを欠いた春競馬は参考外。自身の両隣に差し馬が複数揃っている点から、枠なりにラチ沿いをすんなり取れることだろう。

ジャンダルムも穴妙味十分。

前走中京記念は久々にこの馬らしいレースぶり。直線で伸びないインを突いて勝ち馬と0秒5差なら及第点を与えられるものだ。中山芝はホープフルS2着、弥生賞3着と実績豊富。この馬、皐月賞を除く右回りで上がり3F3位以内を外したことがない。

さらにはトロワゼトワル。

今年に入り、4.1.2.1着と成績が安定。特筆すべきは直近2戦いずれも自身の持ち時計を1秒以上更新していることだ。過去10年の京成杯オータムハンデにおいて、前走3勝クラスから臨んだ馬の成績は【3-0-0-3】。勝ち馬3頭中2頭に中山芝1600m連対歴があった点も後押しする。


【中山11R 京成杯オータムハンデ予想の印】
◎1 プロディガルサン
〇4 クリノガウディー
▲2 ジャンダルム
☆10 トロワゼトワル
△9 グルーヴィット
△11 ディメンシオン
△5 ストーミーシー
△8 フローレスマジック
△7 ロードクエスト

【3連複/フォーメ】1-4,2,10-4,2,10,9,11,5,8,7(18点)




田中正信 さん

セントウルSの追い切り注目馬

皆さん、こんばんは。田中正信です。
今週からいよいよ秋競馬の開幕。開催初週から3重賞が組まれ、いずれも後のGI戦線でも重要なカギになると目される馬の出走がちらほらとおり、それらがすべて順調に仕上がっているかというと……。

今回は阪神のセントウルSをピックアップしました。「競馬サロン」内ではセントウルSの全頭追い切り診断を公開中ですので、合わせてご参考にしていただければ幸いです。

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主役候補となる馬は何頭かいるものの、
確たる中心馬がいないスプリント戦線。
その候補たちが出走してくるGI前哨戦は、
古馬と3歳馬とも、まさに好メンバーにして拮抗。
GI馬の休み明け、夏に使われた組の上積みは?
開幕週の阪神、最難にして最大の核心を突く!

■9月8日(日)
阪神競馬場 芝1200m 別定
セントウルS(GII)

■2枠2番 マテラスカイ
今回のテーマは芝への適性。ほぼ、これに尽きるといってもよいだろう。そして個人的には答えも出ている。「まったく問題はない」と。そう断言すると、一度芝を使ってどうにもなっていないじゃないかとの反論もあるだだろうが、敗戦はあくまで2歳時の話。しかも、格上挑戦しての重賞でのもの。適性どうこう以前に、完成度の差を見せつけられただけで終わったと判断するのが妥当だろう。少なくとも本馬が圧倒的なまでのスピードをレースで見せるようになったのは4歳夏から。それ以前である2歳時の一戦をフォーカスして適性云々を語るのはナンセンスだ。

それならば、最近の走りを見て評価するべき。国内ダートは芝スタートのレースも多い。例えば中京1400m。そう、前走である。気持ち良く飛ばしすぎて止まったとはいえ、あの前半の芝でのアクションを見て適性がないと誰がいえよう。むしろ、オール芝なら押し切れていたと思うのは私だけか…。ドバイ帰りで調整に四苦八苦していた前走時と違い、この中間は順調そのものでひと追いごとの動きの良化ぶりも顕著。そして何より、この馬としては動きに硬さがないのも良い。となれば、オッズ次第で狙う価値も十分ある。


■4枠4番 イベリス
牝馬らしい無駄肉のない体型で、仕上がりには手間取らない馬。実際に、これまでは少々レース間があいていても2本もスピードに乗せてやれば、問題なく力を発揮できていた。それを踏まえると、この中間は随分と熱心に乗り込んできていることがわかる。3週前の金曜日から動かし初め、量にして6本。そのうち負荷の掛かるものは4本と、休む前と同じ馬とは思えないほど調教を強化できているのである。それだけ、この休ませている間に成長したということであろう。この成長は何も肉体面だけではない。気性に関しても期待が持てる。

根拠は休む前と今回の直前のメニューの違い。以前は1週前までに仕上げきってしまい直前はサラッと流してお釣りを残すかたち。レースで無駄にエキサイトしないよう、考慮した調整が施されていた。だが今回は、直前でも坂路で自己ベストに迫る時計を叩き出し、加減した様子がない。これこそが精神的にシッカリとしてきた証といえよう。調教内容にしても僚馬の間、後ろに入れて差す競馬を学習させていたりと、まさしく心身をバランス良く鍛えてきた。前脚を投げ出すような豪快なフォームで、実際の動きも抜群。ここへきて一気に化けた感もある。


■5枠6番 ファンタジスト
前走も追い日には坂路で3週連続4F51秒台と水準以上には動けていた。心身ともに短距離志向の強い馬だけに、あれで十分に整うと判断したが…。結局は、距離をこなすためのメニューを課さずに適性外の距離を使い続けた弊害が出てしまったということだろう。前向きだった馬が、前走のレース当日にはボケッとしていたのだ。春の連続大敗で、想像以上に精神面に傷を負っていたということか。問題はひと叩きした程度でそこから立ち直れているかどうか…。

では、この中間を見ていく。まず目につくのは、やはり直前に4F49秒台という破格の時計をマークしてきたこと。ただし、破格というのは他の馬と比べての話。2歳の早い段階で既に4F50秒台を切れていた本馬としては日常でしかない。だが、その日常が前走の中間ではできていなかったという事実。つまりは、それだけ前走時はスイッチが入っていなかったということ。それに妙に折り合っていた前走時と違い、今回はガムシャラな感じで登坂していたりと気持ちを前面に出して駆けるスプリンターらしい仕草が増えてもきた。少なくとも前走以上は確実で、簡単に見限るのは早計。


■5枠7番 タワーオブロンドン
結局は短距離志向が強いのだろう。大型馬のわりに使って素軽くなったり、集中力が出たといった好印象はない。2歳時から活躍していたように、完成度自体も高かった馬である。本質は早熟の短距離馬でほぼ間違いないのでは。それを藤沢和厩舎がマイルまでもつようチューンナップしてきただけ。おそらく早い段階から短距離専門の道を歩ませていたら、賞味期限はとうにに切れていたように思う。若かりし頃、あえて適性距離よりも気持ち長いマイルを主戦場に競馬を教え込んだからこそ、「タメて弾ける」を理解した状態で本来の主戦場である短距離界へ参戦できる“今”があるのでは。

とはいえ、そういうタイプだけに中1週での臨戦となる今回、それほどの上積みは期待できない。ただ、それは陣営のほうがわかっているはず。それでも、あえて使ってきたということが答えだろう。ダメージの蓄積はそれほどなく、少なくとも能力発揮に支障がない心身は保てているということ。直前も必要がないだけに負荷の掛かる内容ではなく、単走でサラッと。だが、丁寧に手前を替えさせていたりと念入りな動作確認は怠っていない。のびやかな走りで、集中力もOK。前走とほぼ同様の状態での出走と見る。


■8枠12番 ミスターメロディ
大型馬とはいえ、リキみが目立つぐらいに前向きな気性の馬。おそらく本質的には仕上がり早で、2、3本もスピードに乗せてやれば、実戦でも動けないということはない。だが、そのわりに鉄砲実績が今イチ。このあたりが今回の課題となる。結局は久々のほうが中身へ強くアプローチを行う必要があるぶん、ストレスがたまってしまうのだ。結果、いつも以上にリキんだ走りになる。これが久々だと実戦でコントロール不可に陥っていた要因。果たして、この中間はそれをどう対処してきたのか。

結論からいうと今回も直前で芝コースを使用して、実戦並に飛ばすガス抜きを敢行したのみ。そう、これまでも直前には頻繁に行ってきたパターンだ。ただし、今回は4ハロンからではなく5ハロンから。助走距離を延ばすことで、より気持ちよくスピードに乗れるよう工夫してきた。もちろん、距離を延ばせば負担も上がる。だからこそ、追い日の負荷が高くなる前の週末で時計を出さないことでバランス調整。この中間での時計の出し方が週2本だったり週1本だったりと一定でないのはそのため。何かあったからではなく、耐えられる範囲を越えないよう調整しただけである。引き締まった馬体に、気負いのないスカッとした走り。これは、ほぼピークに達している。





元騎手・坂井千明の乗り役流儀

【セントウルSの追い切り診断】前走で不完全燃焼のアンヴァル、ここでも十分勝負になる
■アンヴァル【A】
体を使えて、気分良く走れている。反応も良かった。脚の運びも首の使い方もいいね。前走は変なところに突っ込もうとして脚を余すもったいない競馬だった。そういうのがなければ、ここでもいい勝負になりそうだね。

■イベリス【B】
追い出されてからの反応は良かった。ただ、少し硬い感じの走りなんだよね。1200mだからこのぐらいでも大丈夫だとは思う。

■カイザーメランジェ【C】
体を使って走れていた。ただ、抑えているときはいいんだけれど、おっ放した(手綱をゆるめた)ときに、トモが入ってこない。その点でイマイチな感じがするね。

■キングハート【C】
体を使えて気分良く走れている。ただ、この馬もトモが入ってこないんだよね。近走を見るとあまり走れていないから、このメンバーに入ってどこまでやれるか。

■ダイメイプリンセス【A】
前走では反応は良かったし首の使い方も良かったけれど、今回は気持ち体が重いかなという印象。ただ、汗のかき方がいいよ。馬にダメージがある感じではなく、すごく気分良く走れているから体調はいいと思う。当日の輸送を考えての仕上げなんだろうね。

■タマモブリリアン【C】
首の使い方がイマイチで、嫌々ながらなんとか走っているという印象だね。あまり走るほうに気が向いてないのかもしれないな。

■タワーオブロンドン【A】
前走のキーンランドC前は『体が重そう』という話をしたけれど、今回は体を使っていて走りが軽くなっている。単走でもスムーズにスッという感じで坂路を上がっていったね。

■ファンタジスト【A】
これは前走の北九州記念の前に『硬い走り』といっていて、今回その硬さがなくなって体がしっかり使えていた。一度叩いて、だいぶ上向いてきたという印象だね。

■ペイシャフェリシタ【B】
体を使えていて、脚の運びもいいし順調かな。あとはここに入っての力関係だね。

■マテラスカイ【A】
首の使い方は相変わらずイマイチなんだけれど、体は使えている。スピードがあるし、芝スタートのレースでハナを奪えるぐらいだからから、芝がダメということはないと思うよ。ただ、少し重い感じがする。ユタカが追い切りに乗って、馬を促すように追うということがあまりないことなんだよね。重いと感じたからそうしたんだろうなと。

■ミスターメロディ【A】
少し掛り気味だったね。ただ力強さが出てきているし、体の使い方も良かった。少し重いかもしれないけれど順調にきているね。当然、目標は先でビッシリ仕上げてはこないはずだから、これぐらいでいいと思う。

■モーニン【B】
力強い走り。体調自体は悪くないけれど、やはりパワータイプだしダートで走る馬だなと。

■ラブカンプー【C】
体を使っている。首の使いや脚の運びもいいんだけれど、力が入っていない感じかな。

良く見えたのはまずアンヴァル。そして、使われつつ順調なタワーオブロンドン。芝でも走れそうなマテラスカイ。少し重いかもしれないけれど、ミスターメロディ。あとは夏場に使って変わってきたファンタジスト、ダイメイプリンセス。ここは実績上位の馬が総じて順調だよ。

【A】=水準以上の動き。調整過程は良好
【B】=デキは平凡。特筆すべきポイントなし
【C】=状態面に不安アリ
【危】=好調時とくらべて著しく状態が悪い。危険な人気馬
【VIP】=先々が楽しみな素質馬


【京成杯AHの追い切り診断】クリノは至って順調/グルーヴィットも状態はすごくいい
■カルヴァリオ【C】
頭が高くて、トモの蹴りがあまりない。坂路で、終いも13秒と結構掛かっているのも、踏ん張りがきいていないからかもしれないね。

■クリノガウディー【A】
体を使って気分良く走れている。首の使いも良かったから、至って順調という感じだね。前走の中京記念では古馬にまじって2着。今回はそこからハンデが2キロ重くなるから、そのあたりがどうか。

■グルーヴィット【A】
こちらは中京記念を勝ってきた3歳馬。体の使い方は良かったし、軽い走りができている。状態はすごくいいと思うよ。こちらは3キロ重くなるので、古馬とのハンデ差がどうかだね。

■ジャンダルム【B】
相変わらず全体に硬い走りをする。ただ、首の使い方が前走よりも良くなっている。硬いタイプは得てして距離がもたないタイプが多いんだけれど、この馬は2歳時にマイルでも勝っているように大丈夫だと思うよ。

■ストーミーシー【B】
体を使っているし、首の使い方、脚の運びは良かったけれど反応が物足りなかった。ただビシッと追われているから、このひと追いでどれだけ変わってくるかだね。

■ディメンシオン【A】
体を使えているし、首の使い、脚もしっかり伸ばしていて、力の入れ方がしっかりしている。前走の関屋記念のときなんかは少し、力が抜けている感じがしたんだ。今回は状態上向きといったところだね。

■トロワゼトワル【C】
坂路を単走で、序盤は少し掛りながら。飛びが大きいんだけれど、大きいわりに首の使いのほうはイマイチ。それに、右手前になってからは走りが上になってしまうんだよね。右回りの中山はあまり合わないかもしれない。

■ハーレムライン【B】
体を使って走れている。ただ、前走も追い切りは良かったんだよ。そこからは変わっておらず、この馬なりには順調なんだとは思う。

■プロディガルサン【A】
体を使って気分良く走れている。力強い走り。順調だね。去年は中山だと成績が安定してるし、マイルも合うから条件的には向くと思うよ。

■フローレスマジック【C】
相変わらず走りは硬くて、追われてからの首の使い方や脚の伸びもイマイチな感じ。

■プールヴィル【C】
体は使えているんだけれど、飛びが大きいわりに力が入っていない。このひと追いでどこまで…かな。

■ヤングマンパワー【C】
頭が高くて硬い走り。いつも追い切りでどうこう言える馬ではないんだけれど、成績がいいときは気難しい面を出していたんだ。悪さを出しているときが、好調のバロメーターなのかな。

■ロードクエスト【A】
体を使って、相変わらず力強い走り。そして、前走では上へ上へといった走りだったところが、今回は前に推進力が向かっている。この馬なりに良くなっている感じだね。ここしばらく栗東で調整されていたのも、いい刺激になってのかもしれないね。

一番良く見えたというか、ガラッと変わってきたなというのがディメンシオンだね。グルーヴィットやクリノガウディーの3歳馬2頭も、いい動きをしていた。ただこっちは古馬とのハンデ差がどうかというところ。ロードクエストも、いい変化があったね。それと条件が向きそうなプロディガルサンに、ストーミーシーもハマるかハマらないかだけれど状態は悪くない。

【A】=水準以上の動き。調整過程は良好
【B】=デキは平凡。特筆すべきポイントなし
【C】=状態面に不安アリ
【危】=好調時とくらべて著しく状態が悪い。危険な人気馬
【VIP】=先々が楽しみな素質馬




競馬コラム「水島晴之の単複で買え」

ペイシャフェリシタが坂上一気に差す/セントウルS

阪神11R セントウルSは(1)ペイシャフェリシタを狙う。前走のキーンランドCは、好位の内を追走したが7着と伸びを欠いた。高木師は「行きすぎましたね。もう1列後ろじゃないと。ためていった方が切れる馬なので」と敗因を語る。中団で脚を温存できれば、この相手でもやれる力は持っている。幸騎手がうまく馬群をさばいて、坂上一気に差し切る。単1000円、複3000円。

中山11R 京成杯AHは(5)ストーミーシーの大駆けだ。朱鷺Sは鮮やかな差し切りだったが、ここ3戦連続でメンバー最速の上がりをマーク。5走前のマイラーズC(5着)でもダノンプレミアム、ケイアイノーテックなどのG1馬を上回る32秒0の脚を使った。斎藤誠師は「年齢を重ねてメリハリが利くようになった。中山の方が脚の使いどころが楽だし、中1週も問題ない」と一発を狙う。単2000円、複4000円。(ここまでの収支 マイナス13万5600円)
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結果

阪神11R ①ペイシャフェリシタ 4着

中山11R ⑤ストーミーシー 6着



水上学の血統トレジャーハンティング

日曜中山11R 京成杯オータムH(G3)
◎本命馬
④クリノガウディー
(牡3、栗東・藤沢則厩舎、戸崎騎手)
何とも頭の痛い台風15号だ。中山は前売りが一旦中止され、進行方向や進行速度によっては開催が危ぶまれる事態となっている。土曜日午後の天気予報では、明日午後から雨ということ、中止までには至らないとはみるが、予断は許さない。

良馬場なら、ロードカナロアの切れに軍配を挙げ、母が無類の中山巧者だったトロワゼトワル本命で穴狙いを見込んでいた。しかし同産駒は多少の道悪は問題ないが、重不良、それも坂コースの道悪となるとかなり減殺される。そこで先週の道悪の小倉2歳Sでも強さを発揮しただけでなく、道悪問題なしの馬が多いスクリーンヒーロー産駒から、④クリノガウディーが本命だ。

母の父も馬力のディアブロ、さらに母の母父は道悪といえば・・・のメジロライアン、さらに上に、野芝得意の在来牝系。雨は最大の味方、崩れる要素は少ない。なお万一降らなくても対抗には推せる。

$お宝馬
⑤ストーミーシー
(牡6、美浦・斎藤誠厩舎、大野騎手)
追い込み馬にしては、使っている脚も比較的安定、掲示板へ入ってくることも少なくない。アドマイヤムーン産駒は道悪を得意とする馬が多いし、母の父ゼンノエルシドはこのレースをレコード勝ち。しかしゼンノはカーリアン産駒だったので、レコードを出しながらも、道悪がダメということはない血統だ。渋って追い込みやすくなれば突き抜けるシーンも。

相手上位は ⑩トロワゼトワル、①プロディガルサン、⑨グルーヴィット。 押さえに ⑦ロードクエスト、⑪ディメンシオン。




境和樹の穴馬券ネオメソッド

阪神11R セントウルS(GⅡ)(芝1200m)

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セントウルSは、前半3Fで2度の10秒台を刻む前傾ラップから、失速率の高い競馬になるのがデフォルト。

2019centaur02.png

この流れにいかに対応するか、また、血統的にこういった流れに対する適性をどこに見出すかがポイントになります。

2019centaur03.png

まずはストームキャット系。昨年も母父に同系統のジャイアンツコーズウェイを持ったグレイトチャーターが7人気3着。

その他、シーキングザゴールドなど全般的に米国血統の重要性が高いレースですが、中でもストームキャット系保持馬は好走例が多く、最重要血統と考えられます。

ストームキャット系に代表される米国血統は、テンの速いダート的な前傾戦に強いという特色があります。その特色が、セントウルSの前半の流れにピッタリ嵌るという構図です。

2019centaur04.png

その一方、真逆のスタミナ血統を内包している馬が頻繁に好走するのもこのレースの特徴。特に、スタミナの権化と言われるネヴァーベンド系は、母父、母母父に入って好走馬を次々と送り込んでいます。昨年、一昨年とこのレースを連覇したファインニードルも、母系の底にこの血を持っていました。

ラスト1Fの失速率の高い消耗戦。ラストで踏ん張る底力が問われるところ、ネヴァーベンド系のスタミナがそれを後押しするわけです。

テンの速さに対応する米国血統(中でもストームキャット系)か、終いの失速に耐える底力を持つネヴァーベンド系か。このいずれかを持った馬を候補馬とします。

⑦タワーオブロンドン 1着
(母父ダラカニ)

⑩モーニン
(父ヘニーヒューズ)

⑫ミスターメロディ
(父スキャットダディ)

⑬タマモブリリアン
(母父ヘネシー)

注目穴馬は⑩モーニン。父ヘニーヒューズがこのレースの最重要血統であるストームキャット系。

芝の実績はありませんが、過去には阪神Cで目を引く脚を見せており、展開ひとつで対応は可能。バリバリのダート馬であるマテラスカイが引っ張る流れが想定される今年のレース。ダートっぽさを持ったこの馬に向いたレースになると見ています。
結果 ⑩モーニン 9着

【午後の穴馬ターゲット】
中山11R
京成杯AH(芝1600m)
◎⑪ディメンシオン 

2019keiseihaiah01.png

中山マイルで行われる古馬の重賞で目立つのは、サドラーズウェルズ系“一族”の存在感。

サドラーズウェルズ一族とは、ストレートにサドラーズウェルズの血を持っている馬だけでなく、サドラーズウェルズの全弟であるフェアリーキングの系統も含めた考え方。
フェアリーキングの系統といえば、最も馴染み深いのはファルブラヴだと思いますが、他にもエリシオ、オースやエンコスタデラゴなどが該当します。

ダービー卿CTでは、17年1人気2着、18年6人気2着と連続好走したキャンベルジュニアが父エンコスタデラゴ。14年9人気2着カオスモスが父ファルブラヴ。
また、17年のターコイズSでは、3人気2着フロンテアクイーン、7人気3着デンコウアンジュと、2頭のメイショウサムソン産駒が同時好走を果たしています。

2019keiseihaiah02.png

この京成杯AHでも、サドラーズウェルズ一族は頻繁に馬券圏内に馬を送り込んでいます。昨年も母父ファルブラヴのワントゥワンが2着と健闘しました。

今年の京成杯AHもサドラーズウェルズ一族の血に注目。

②ジャンダルム
(父キトゥンズジョイ)

⑪ディメンシオン
(母父モンジュー)

⑪ディメンシオンは、母父モンジューがサドラーズウェルズ系で血統テーマをクリアする存在。

オープン昇級後、まだ結果を出せてはいませんが、前走0.1秒差4着で重賞にメドは立ちました。その前走より一枚落ちと目されるメンバー構成のここなら、勝ち負けは十分可能と見ます。
結果⑪ディメンシオン 2着  複勝配当310円



セントウルS週

【美浦の『聞き屋』の囁き】

●人気馬の取捨●

サマースプリントシリーズ最終戦となるセントウルS。

春のスプリント王者ミスターメロディの始動戦であり、実績馬たちと夏の新興勢力がぶつかりあう、秋を占う大事な一戦。

注目したいのは函館スプリントSからキーンランドC、そして今回のセントウルSと夏競馬3戦目となるタワーオブロンドン。

まったく同じローテーションのペイシャフェリシタに、アイビスSDも出走して夏競馬4戦目となるカイザーメランジェというさらに上を行くローテーションの馬もいるが、驚くべきことは、名門藤沢厩舎が夏競馬で重賞勝ち馬を3走も走らせること、さらに中一週と間隔が詰まるうえ、輸送が札幌→美浦→阪神という強行軍であるということ。未勝利クラスの馬でもこれだけの過密ローテーションでの競馬は滅多になく、それがGⅠを狙える馬で出走させるからには、よほど状態がいい、ということだろう。

セントウルSの結果次第では中2週でスプリンターズSへ向かうとされており、その後はマイルCSも視野に入れているというから驚きだ。

身体的に強いタワーオブロンドンがすごいのか、状態を保たせる藤沢師の手腕がすごいのか。

どちらにせよ、タワーオブロンドンの取捨がセントウルSのポイントにはなってくるはず。

【関西事情通のちょっとイイ?話】

●サマーシリーズ最終戦②●

夏の小倉・新潟も終わり、今週から中央に戻り秋の阪神・中山が開幕したが、日曜日は夏の余韻を残すサマーシリーズの最終戦が東西で行われる。

阪神ではサマースプリントシリーズの最終戦、セントウルS。勝ち馬にはスプリンターズSの優先出走権も与えられるため、一応トライアル的な立ち位置ではあるが、サマースプリントシリーズのチャンピオンには褒賞金として馬主に3,200万円、厩舎関係者に800万円という、合わせて4,000万円というGⅢ優勝なみの賞金が懸かっているため、やはりサマーシリーズの最終戦という意味合いの方が強い。

ゆえに、高松宮記念を制したミスターメロディが出走しているが、注目したいのはサマーシリーズの優勝が懸かっている陣営の方。


チャンスがあるのは…

現状ポイントランキングトップのカイザーメランジェが12ポイントなためサマースプリントシリーズに1戦でも参戦している馬ならここで勝てば可能性がある。

勝たなくても可能性があるのは、前述のカイザーメランジェと北九州記念を勝ったダイメイプリンセスの2頭のみ。

注目したいのは後者、ダイメイプリンセスだ。

昨年はCBC賞からアイビスSD、そして北九州記念を経てセントウルSでは無くGIスプリンターズSへ出走、結果は勝ち馬からコンマ2秒差の4着と大健闘した。

今年はアイビスSDから北九州記念を経て、スプリンターズSでは無くここへ出走。まさにサマーシリーズを狙って来ている雰囲気がある。

3月のオーシャンSの頃は480キロ台まで体を減らしてしまっていたが、前走はベストと言える500キロ、馬体のハリが戻り、状態自体が上向いて来ていた。

今回はこの夏3戦目、昨年の夏3戦目は、勝てはしなかったが強い競馬だった北九州記念、当時のピークと言っていいだろう。ゆえに、今年は今回がピークと言っていいはずだ。

実際、今週の追い切りでも好時計で駆け前走以上の動きを見せている。

鞍上は、この馬の重賞連対全て手綱を取っている秋山騎手が京成杯AHのプールヴィルに先約があったため乗れなかったのだが、替わって川田騎手を確保できたのだがら悪いはずは無い。

何といっても、今年全国リーディングトップを直走るトップジョッキー。しかもこの夏、JRA重賞騎乗機会4連勝を含み大暴れ、サマージョッキーズシリーズでは2位の岩田騎手に17ポイント差を付け、最終戦を待たずに優勝を早々に決め、さらには先日行われたWASJでも総合優勝を飾るなど、今乗りに乗っているスーパージョッキー。ダイメイプリンセスがサマースプリントシリーズで逆転優勝するためにはこれ以上無い切り札と言っていいだろう。

負けても5着以内ならカイザーメランジェと勝ち馬次第で可能性はあるが、勝てば文句なしの優勝、乗りに乗っているスーパージョッキが鞍上なら、そんなシーンも十分可能性はありそうだ。

【競馬場から見た推奨馬券】

馬も人も、そして我々もバテバテとなった夏競馬がやっと終わり、本格的な競馬シーズンの到来!と意気揚々だったが、今週のこの頭数とレベルの低さは何??
完全に出鼻を挫かれた感じ…。
来週は3日間開催ということだし、今週は様子見の勝負とした方が良いかも。
特に日曜は台風の接近に伴い、馬場状態が微妙。午前中は何とかもちそうだが、午後は何とも言えない。台風の進路と速度により大雨もあるし、良馬場の可能性もある。
いずれにしろ、強風は間違いなさそうなので、勝負度合いは下がりそう…。

午前中は雨が降らないと見て、中山4Rから入りたい。狙い馬は8番メールデゾレ。
前走は、初めての不良馬場で、全く力を発揮できず参考外。春はハイレベルの3歳1勝級で差のないレースをしており、今回のメンバーでは実績上位。持ち時計的にも最右翼と言って良い。
夏場をじっくり休養にあてたことにも、好感が持てる今回は一番得意な中山。しかも良馬場であろう。発馬さえしっかり決めれば、勝ち負けになるはず。

馬連 4-8 6-8 3-8
3連複 4-6-8 3-4-8 4-8-10 4-8-16

自信度 C

もう一鞍は、雨が降り始めないことを祈って、中山11R京成杯AH。もちろん開幕週の中山マイルだけに、内枠狙いが鉄則。
馬券の軸は4番クリノガウディー。
前走の中京記念は、2コーナーで挟まれて位置を下げたが、本来は先行して器用さを活かすタイプ。この枠順、戸崎騎乗なら先行は間違いない。
その不利があった中京記念でさえ、今回も人気のグルーヴィットと、首の上げ下げの差。スムーズに自分の位置が取れていれば、勝っていたと思える。それに今回は鞍上強化で、斤量も1キロもらった。枠順差も考えれば、グルーヴィットに負けることは考え辛い。
その他の馬との比較は容易ではないが、グルーヴィットが人気なら、クリノガウディーを買うことをお勧めしたい。

単勝 4
馬連 4-9 4-5 4-11 1-4
ワイド 4-5

自信度 B


【関西事情通のちょっとイイ?話】

●サマーシリーズ最終戦①●

夏の小倉・新潟も終わり、今週から中央に戻り秋の阪神・中山が開幕する。土曜日の重賞は中山で紫苑S、まさに秋の大舞台に向けた始動戦の重賞ではあるが、日曜日は夏の余韻を残すサマーシリーズの最終戦が東西で行われる。

中山ではサマーマイルシリーズの最終戦・京成杯AH。現時点ではチャンピオン該当馬は存在しないものの、サマーマイルシリーズの3戦全て出走となるロードクエスト、中京記念で上位入線しているディメシオンとクリノガウディーの3頭は勝てば権利が発生し、あとは既に中京記念勝ちのあるグルーヴィットの着順次第で全てが決まる。

チャンピオンには褒賞金として馬主に2,400万円、厩舎関係者に600万円が交付されるとあって、関係者にとっては、馬主はほぼ倍、そして厩舎関係者は倍以上の賞金が懸かるとあって普通の重賞ではなくなるは当然だろう。

そんな中で注目したいのは、中京記念で惜しくもハナ差で2着に敗れたクリノガウディーだ。

2歳秋のGI朝日杯FSで後にNHKマイルCも勝つアドマイヤマーズの2着、マイル適性の高さを見せていた。

春の最大目標はその距離適性からNHKマイルCというところだったが、3歳牡馬の宿命と言える、クラシック戦線への参戦があり、スプリングSから皐月賞も経由した。ゆえに、マイルCはベストの条件とは言え、短期間に3戦連続の長距離輸送ではさすがに状態をキープするのは厳しかったのだろう。

その疲れを癒し、休み明けで臨んだ中京記念。まだ急仕上げ気味だった前走、それでも勝ちに等しい競馬を魅せるところがこの馬の能力の高さ。

その後、関屋記念を使うという話もあったのだが「春と同じ轍は踏まない」と、関屋記念はパスしここへ備えてきた。この辺りにも、ここへ向けた意気込みが窺えるが、鞍上にも、森裕太朗続投の話もあったが、東スポ杯で一度騎乗経験のある戸崎騎手にスイッチした。まさに、勝ちに拘るがゆえの行動だ。

勝たなくては権利が発生しないものの、勝てばチャンピオンは確定、あとはグルーヴィットの着順次第で単独になるかどうかだけ。

急仕上げを使って上積みは必至、逆転優勝の可能性は十分にあるだろう。注目してみたい。

【美浦の『聞き屋』の囁き】

●復活はあるか●

新潟リーディングを獲ることはできなかったが、1勝差の3位で勝率は断然の1位だったデムーロ騎手。

一時の不振を脱して秋競馬に向けて確実に調子を上げているようだ。

日曜日のメイン、京成杯AHではロードクエストとサマーマイル3戦連続でのコンビ。

今年9戦目はオープン馬としては異例の出走回数の多さで、今年はまだ未勝利。

打開策として今回からチークを着用。

デムーロ騎手の進言で、後方一気の競馬ではなく、先団から中団につけて流れに乗るための作戦。

サマーマイル3戦連続のコンビ結成は、以前も書かせてもらったが、そもそもはデムーロ騎手からの志願。

ただ、秋の大目標となるマイルCSではアドマイヤマーズやペルシアンナイトというお手馬が控えているので、コンビ結成は今回で一時中断となることはすでに決定事項。

ここで結果を出すことができれば、また他のトップジョッキーが手を挙げて騎乗する可能性もあるし、ロードクエストを売り込むにしても、トライアルレースでの勝利は大きなアピールポイントになる。

また、調子を上げているデムーロ騎手も、やはり重賞を勝ってその存在を示したいはず。

ロードクエストとデムーロ騎手のコンビによる、復活ののろしが上がるかもしれない。





日曜メインレース展望・柏木収保

【セントウルS】レコードホルダーの快速馬の激走に期待

母方の競走成績は欧州芝に集中している


 今年のセントウルSは、GIスプリンターズSを目標にする1200mのGII別定戦とすると、レース後に評価一変の可能性はあるものの、人気の58kgミスターメロディは芝1200m1戦1勝だけ。タワーオブロンドンは芝1200m【0-1-1-0】。6歳牝馬ダイメイプリンセスも、勝った1200m重賞は1分08秒2の前回の北九州記念が初めて。

 本番のGIは好メンバーが揃うが、このレースのランクは必ずしも高くないという見方がある。強気に先手を主張する快速馬も少ない。

 伏兵マテラスカイを買いたい。一本調子でもろいのが死角だが、父スペイツタウンの秘めるセクレタリアトの「3×4」が関係するのか、快調教が実戦に結びつく傾向がある。ツボにはまると激走するタイプ。

 米チャンピオンスプリンターのスペイツタウン(全10勝がダート7F以下)は、ダート巧者の産駒が多いが、輸入馬モズスーパーフレア(今春のオーシャンSの勝ち馬)は、1分07秒0-1での3勝を含み、全6勝が芝1200m。猛調教を生かし、17年のNHKマイルCを1分32秒5で2着(13番人気)したリエノテソーロもスペイツタウン産駒。芝がダメという父系ではない。

 マテラスカイの母方の競走成績は欧州の芝に集中し、祖母の半兄バーリ(父リヴァーマン)はマイルの英GI2勝。種牡馬として凱旋門賞馬サキーなどを送った。08年の函館2歳Sを制し、11年の京成杯AHを1分31秒9で快勝したフィフスペトルの母の父がバーリだった。

 マテラスカイが昨年夏のプロキオンS(ダート1400m)を1分20秒3のJRAレコードで独走した際の1200m通過は、芝と同様の1分07秒5だった。

京成杯AHは“伝説のファミリー出身”の馬に注目

 3歳クリノガウディーの中京記念の1分33秒6(上がり34秒4)は目立たないが、行きたがる気性をみせず、朝日杯FSでアドマイヤマーズの2着した際と同様、控えて差す形が取れたのは大きな進境。ハナ差だけ及ばなかった1着グルーヴィットに、上がりは0秒2上回っている。

 ハンデ戦の今回はグルーヴィットと比べ負担重量が1kg軽いプラスもある。凡走とはいえ皐月賞2000m、スプリングS1800m(0秒4差)のコース経験も大きな強みになる。

 超高速馬場ではなくなった近年の京成杯AHは、極端にタイムが速くならないと同時に、1800m、2000m級にも対応できる総合能力が求められるケースが多い。

 クリノガウディーの父スクリーンヒーロー(その父グラスワンダー)は、2008年のジャパンC制覇などの中距離タイプ。活躍産駒の適距離もゴールドアクター、モーリス、グァンチャーレ、ジェネラーレウーノなど、1600m-2400mに集中している。この馬もやがては2000m級が合う馬になりそうに思える。

 スクリーンヒーローの祖母は、1987年の京王杯AH(当時)を1分32秒2で圧勝したダイナアクトレス。最初はマイラー色が濃かったが、古馬になってジャパンCを3着してみせた。

 クリノガウディーは、その母方も伝説のファミリー出身。7代母にあたる鶴藤(競走名ワイド。第一回のオークス3着馬)は、史上最強牝馬と称されるクリフジ(繁殖名年藤。父トウルヌソル。オークス、日本ダービー、菊花賞など11戦不敗)の全姉にあたる。

 繁栄をつづける現代の名牝系とはいえないが、牝系に古い新しいはなく、勢いがあり発展しているかどうかだけ。南関東で目下【8-2-0-8】の活躍馬4歳メテオバローズ(父シニスターミニスター)の8代母は、クリフジ(年藤)である。




優馬

重賞データ攻略
京成杯オータムハンデ


 2015年には13番人気が勝利して馬連6万超の大波乱となったが、以降は1番人気が3連勝、昨年は1~3番人気が上位を独占とハンデ戦らしからぬ決着。今年はどうなる?

開幕週でも差し有利?
 2014年に水はけ改善のための馬場改修工事が行われた影響か、2015年以降の当レースを振り返ると、差し~追込馬の活躍がとにかく目立つ。それほど先行馬が揃ったというメンバー構成ではないかもしれないが、今年も末脚勝負になる可能性は十分。

脚質別成績(2015年以降の過去4年)
逃げ〔0.0.0.5〕
先行〔0.1.1.17〕
差し〔3.1.3.12〕
追込〔1.2.0.15〕

 4角5番手以内という条件でも〔0.1.1.24〕という成績で、特に逃げ馬には厳しい状況。また、上がり3F最速をマークした馬が〔3.1.0.0〕と、ほぼ完璧な成績を納めている。

ポイントは近走で速い上がりを使えているか
 2015年以降の好走馬について掘り下げていくと、特に近2年の連対馬に関しては、「近2走以内に上がり3F1~2位をマーク」していることが共通点として浮かび上がった。

京成杯AHの連対馬(過去2年)
2017年
1着 グランシルク →2走前・パラダイスS 2着(上がり3F1位)
2着 ガリバルディ →2走前・大阪城S 3着(上がり3F1位)
2018年
1着 ミッキーグローリー →前走・阿武隈S 1着(上がり3F2位)
2着 ワントゥワン →前走・関屋記念 2着(上がり3F1位)

 「近2走以内に上がり3F1~2位をマーク」という条件をクリアしたのはストーミーシー、プロディガルサン、レインボーフラッグ、ロードクエストの4頭。しかし、近4年の連対馬8頭中6頭に芝1600m以上の重賞連対実績があり、距離延長組が近4年で〔0.0.0.9〕という点も踏まえると、推奨はプロディガルサンとロードクエストの2頭になる。

推奨馬
プロディガルサン
ロードクエスト


重賞データ攻略
セントウルS


 GI・スプリンターズSの前哨戦、セントウルS。春のスプリント王ミスターメロディが始動するが、サマースプリントシリーズの最終戦でもあり、一筋縄にはいかない予感も?

GI馬が貫録を示すか?
 過去10年、1番人気馬が〔3.5.1.1〕と高い好走率。ただ、近3年こそ3連勝で勝ち切っているが、その前の4年間はすべて2着。あくまで目標は先、ということで人気馬が取りこぼすシーンも珍しくはない。

同年にGIを勝利した馬のセントウルS成績(過去10年)
2009年 4番人気14着 ローレルゲレイロ 2走前・高松宮記念1着
2012年 3番人気4着 カレンチャン 前走・高松宮記念1着
2013年 1番人気2着 ロードカナロア 前走・安田記念1着
2015年 3番人気4着 ストレイトガール 前走・ヴィクトリアマイル1着
2016年 1番人気1着 ビッグアーサー 前走・高松宮記念1着
2018年 1番人気1着 ファインニードル 2走前・高松宮記念1着

 同年にGI勝ちを収めている実績馬が〔2.1.0.3〕。半分は連対しているが、GI馬という肩書きを考えると物足りないか。上記6頭は、このセントウルSが休み明けであり、目標が先であることを考えると、今春の高松宮記念を制したミスターメロディについても、全幅の信頼は寄せづらい。

サマーシリーズの決着を
 前述の通り、休み明けとなる前走・国内GI組は過去10年で〔1.3.0.12〕と一息な結果であり、ここはやはりサマーシリーズ各戦からのローテーションを重視したい。

前走レース別成績(過去10年)
北九州記念〔5.1.6.49〕
アイビスSD〔2.2.0.6〕
高松宮記念〔1.2.0.4〕
CBC賞〔0.1.0.6〕※2012年以降
函館SS〔0.1.1.2〕
1600万〔0.0.0.3〕
OP特別〔0.0.1.25〕

 前走がサマーシリーズのいずれかのレースを使っている馬が〔7.5.7.66〕という成績。そこで注目すべきは騎手の乗り替わりだ。前走の騎手が継続騎乗なら〔7.3.4.35〕だが、乗り替わりが発生していた場合は〔0.2.3.31〕と対照的な数字。ハッキリと乗り替わりはマイナスと出た。

 また、サマーシリーズ組で前走3着以内に好走していた馬は〔5.5.1.12〕、継続騎乗&前走3着以内なら〔5.3.1.8〕で連対率は47.1%になる。この条件に当てはまるアンヴァル、タワーオブロンドンの2頭が狙い目。

推奨馬
アンヴァル
タワーオブロンドン
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