重賞データ分析・小林誠

【オールカマー】二強で買うべきは間違いなくこちら!

■オールカマー(G2・中山芝2200m)フルゲート17頭

★3行でわかる!オールカマー 攻略の糸口

1. メチャクチャ堅い。穴馬を狙うには強力な材料が必要。
2. 前走G1組が格で圧倒するレース。勢いでは勝てない。
3.内枠有利ではないという点に注意。「やや内」がベスト。

データ特注推奨馬
★現時点ではなし

 レース名が完全に有名無実化しているオールカマー。昨今はトリッキーな中山芝を毛嫌いする陣営が増えてきており、出走頭数は今年も少なくなりそうだ。それもあってか、近年のオールカマーは「猛烈に堅いレース」となっている。昨年は1~3番人気が上位を占めるという、穴党には手も足も出ないような結果だった。おそらく今年も、大きく荒れるようなケースはないだろう。買い目の点数を絞って儲けるべき1戦といえる。

 7番人気以下馬はトータル[1-0-1-66]で複勝率2.9%、複勝回収値13という惨憺たる結果。2016年以降は全滅しているように、堅く決まる傾向がさらに加速している。無理な穴狙いは絶対に避けるべきで、狙うならば「関西所属騎手が継続騎乗」といった、強力な買い材料が必要だ。フルゲートにでもなれば話は別だが、少頭数になりそうな今年は、人気馬をどういった組み合わせで買うかで勝負したい。

 大きな特徴といえるのが、とにかく「格」が重要だということだ。夏競馬で好成績をあげていた馬が出走してくるケースもあるが、そのほとんどが前走G1組に跳ね返されるという無惨な結果。「勢い」では勝ち負けに持ち込めず、最低でもG2を人気で勝ち負けできるような地力がないと、ここでは厳しい。

 そして、中山芝ながら「内枠有利ではない」という点にも注意が必要だろう。少頭数になりそうなので大きな影響はないが、内枠に入った馬は「やたらと2~3着には来るが勝てない」という結果が続いている。内枠が有利なコースやレースであれば、これはありえない結果。馬番5~8番など「やや内」のほうが、ここは狙いやすい。


【コース総論】中山芝2200m Cコース使用
★人気サイドの強さが目立つコース。とくに4~6番人気は内容のよさが目立つ。
★内枠である馬番1~4番が絶不調。意外に内がゴチャつくケースが多いのかも。
★最後の直線が短い中山芝らしく先行勢が優勢だが、上がり最速馬は成績優秀。

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 ホームストレッチの4コーナー側、直線に入ったところがスタート地点。最初のコーナー進入まで400m以上と、距離的な余裕はかなりある。また、スタート直後に急坂があるというのも特徴で、高低差はかなり大きい。外回りなのでコーナーは緩く、スピードに乗ったコーナリングができるかどうかが問われる部分もあるはず。器用さや機動力のあるタイプに向くコースといえるだろう。

 まずは人気別だが、全体的には上位人気馬の強さが目立つコース。とくに優秀なのが4~6番人気で、信頼度の高さはもちろん、回収値ベースの数値も非常に高い。もっとも狙い目といえるのは、このゾーンだ。また、7~9番人気の「3着率」が高いのも特徴で、ここを3連複や3連単のヒモで狙うのも面白そう。人気サイドからのチョイ荒れ狙いが、もっとも有効に機能しそうである。

 次に馬番だが、意外なことに内枠である馬番1~4番がトータル[12-8-15-197]で連対率8.6%、複勝率15.1%、複勝回収値52と低空飛行。「中山芝=内有利」というイメージが強いが、このコースにそれはまったく当てはまらない。コース形態から考えても不自然なほどの弱さで、おそらく展開的に内がゴチャつきやすい面などがあるのだと思われる。ギャップ値も大きなマイナスで、評価を少し割り引いて考えたい。

 最後に脚質だが、こちらはイメージ通りに先行勢が優勢。最後の直線が中央4場でもっとも短い中山芝では、直線一気などはまず決まらない。3コーナーから4コーナーで前を射程圏に入れておかないと、勝ち負けどころか3着も厳しいと考えるべきだ。上がり最速馬はかなりの好内容だが、だからといって差し馬の過剰評価は禁物。逃げた馬が残る確率も高く、イメージ以上に前有利だと思っておいたほうがいい。


【レース総論】オールカマー(G2) 中山過去10年(9回)
・レースの要所!
★5番人気以内馬[8-8-5-24]と順当決着傾向が強い一戦。無理な穴狙いは禁物。
★枠番は内枠が強いが平均人気差が大きく判断が難しい。コースデータ重視。
★脚質はコースデータ同様の傾向。前走クラス別では前走G1組が猛烈に強い。
★鞍上の乗り替わりは大幅マイナス材料。関東所属騎手「以外」がオイシイ。

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 レースの平均配当は、単勝820円、馬連1764円、3連複3354円という、なかなかお目にかかれないレベルの低さ。5番人気以内馬がトータル[8-8-5-24]と好成績であることからもわかるように、順当決着傾向が非常に強い一戦である。9番人気のヴェルデグリーンが制した2013年のような例もあるにはあるが、この時も2~3着は1番人気と2番人気。上位人気が揃って飛ぶようなケースは考えづらい。

 枠番については評価が難しいところ。単純な比較ではハッキリと「内>外」なのだが、少頭数で行われた年が多いことや、平均人気差の大きさから、内のほうが有利とは一概には言えない。本当に内枠が有利なのであれば、馬番1~4番に入った馬がもっと勝っているはず。それが勝率2.8%に終わっているのだから、コースデータ通りに「内枠はイマイチ」と考えたほうがいい。こちらは、2~3着で狙うのがオススメだ。

 脚質面はおおむねコースデータ通り。こちらも少頭数の影響が大きく出るので過信は禁物ではあるのだが、ある程度は前のポジションが取れる馬を狙ったほうがいいはずだ。中団からの差しも届くレースだが、後方に置かれるとその時点でゲームオーバー。中団やや前あたりがベストポジションで、それは少頭数になりそうな今年も変わらないはずである。

 次に年齢別だが、6歳馬が健闘しているように高齢馬でも上位に食い込めるレース。ただし、さすがに7歳以上になると信頼度はガクンと落ちる。もっとも成績がいいのは連対率28.6%、複勝率42.9%をマークしている4歳馬で、出走数は少ないが内容のよさはバツグン。それがG1で勝ち負けしているような実績馬であれば、文句なしに「買い」といえるのだが、残念ながら今年は出走がなさそうな気配だ。

 前走クラス別成績や出走間隔別成績からハッキリと見てとれるのが、「格」がきわめて重要なレースであること。騎乗の空論になるが、前走G1組と前走海外組の単複を買っているだけで、馬券収支は大幅なプラスだった計算となる。前走宝塚記念組など、前走でG1に出走していた馬が中心となるレースであるのは間違いない。前走が人気薄や不振な結果であったとしても、それを気にする必要はない。

 そして、かなり重視したいのが騎手データ。というのも、完全に「継続騎乗>乗り替わり」のレースであり、関東所属騎手「以外」が強いという傾向が猛烈に強いからである。ここで問題となるのがレイデオロの扱いで、今回は鞍上が福永騎手にスイッチする見通し。乗り替わりは大幅マイナスなのだが、関西所属騎手の騎乗は大幅プラスという、悩ましい騎乗パターンとなりそうだ。プラスマイナスゼロ、と考えるべきか。


【血統総論】

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 血統面は、ディープインパクト産駒、マンハッタンカフェ産駒、ステイゴールド産駒をプラス評価の対象とした。もっとも高く評価したのはディープインパクト産駒で、連対率が30.0%もあるというのは驚異的だ。ドリームジャーニー産駒もやたらと強いが、出走数の少なさからプラス評価には至らないと判断。ただし、出走予定であるミライヘノツバサが当コースで見せている適性の高さは、疑いようがないものである。


★出走予定馬 総論×各論

 春に香港でG1を制したウインブライトが、ここから始動。中山では別馬と化すほどコース適性が高い馬だけに、ここでも人気を集めることだろう。そして前走G1組では、レイデオロが昨年同様に出走を予定している。昨年の覇者で、古馬でもトップクラスの能力馬だけに、鞍上が乗り替わっても上位を争うのは確実だ。このままいけば、この2頭による「二強オッズ」になると推測される。

 気になるのが、主導権を握る馬の不在である。出走の意向が把握できる馬で、徹底先行型はゼロ。先行勢の1頭が、押し出されるようなカタチで逃げる展開となる可能性が高い。前が残りやすいコース&レースであるのは前述の通りで、中団に位置する馬が差し損ねるケースは十分に考えられる。人気薄がまさかの逃げ切り──といった結果も、なくはなさそうな雰囲気なのだ。

 そう考えると、前々で流れに乗れるウインブライトのほうが、レイデオロよりも格段に信用できるはず。中山適性の高さは文句なしで、松岡騎手の継続騎乗もプラス。デキについては現時点では何ともいえないが、相手関係にも恵まれたここならば、キッチリ仕上がっていればフツーに勝ち負けだ。多く出走してきそうなステイゴールド産駒のなかでも、信頼度の高さは断然だろう。

 そして、二番手評価にレイデオロ。ただし、この馬の場合は東京コースのほうが適性は高いはずで、間違ってもベストな条件ではない。昨年も適性ではなく能力の高さで何とか押し切ったという印象で、福永騎手がテン乗り予定というのも気がかりな要素。この相手関係ならば格好はつけると思うが、2~3着に取りこぼす可能性はけっこう高いはず。現時点では、ここを「1着では買わない」という絞り方を推奨したい。

 以下はスティッフェリオ、クレッシェンドラヴ、ゴーフォザサミットという評価の序列。ただし、想定の段階では把握できていなかった有力馬が出てきた場合には、評価順が大きく入れ替わる可能性もある。ぜひ「ハナを主張する中山芝適性の高い馬」がエントリーしてほしいものだ。






回収率向上大作戦・須田鷹雄

ダービー上位馬好走で堅くなりがちな神戸新聞杯

格がモノを言うのはセントライト記念と同じだが…


 先週の本欄ではセントライト記念について書き、前走ダービー組が前走条件戦組を圧倒しているという話を書いた。もちろん例外になる年も今後いつかは来るのだが、今年は傾向の通りとなり、前走ダービー組が1、2着、ダービー出走権を持ちながら回避したザダルが3着に入った。

 2着に比較的人気薄のサトノルークスが入ったことで配当はそこそこ伸びたが、今週の神戸新聞杯は場合によっては、趣旨が同じでさらに堅い版になるかもしれない。

 神戸新聞杯の過去10年、前走レース別成績を見るとダービー組が[8-6-3-28]、ラジオNIKKEI賞組が[1-1-2-5]。唯一前走条件戦から勝ったリアファルは準オープンから来た馬で、さらにダートだが重賞2着はあった(兵庫チャンピオンシップ)。

 格がモノを言うのはセントライト記念と同じだが、神戸新聞杯はダービー組でも上位の馬が出走しやすく、さらに堅い決着になりやすい。過去10年全馬を均等買いした場合の回収率は単35%・複67%。これは相当に低い数値だ。

 原因は、やはりダービー上位馬が来てしまうところにある。セントライト記念は関東馬が多いこともあって、ダービー6着以下から好走する馬も多い。しかし神戸新聞杯における前走ダービー組は、ダービー1~5着だった馬が[8-5-0-5]、6着以下は[0-1-3-22]。そりゃ堅く収まるだろう、というところだ。

 今年はダービー1、2着馬が不在だが、3、4着馬がいて、他のダービー組は当時の8着馬と14着馬。こうなると人気にもなるであろうダービー3、4着馬については素直に受け入れて、残り1枠について考えるほうがよいのかもしれない。
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