栗山求コラム「血統の裏庭」

​神戸新聞杯(G2)血統的考察

​ 先週のローズS(G2)は
中団を追走した○ダノンファンタジー(1番人気)が
ゴール直前で△ビーチサンバ(6番人気)をとらえて優勝した。

勝ちタイム1分44秒4はレコード。

次走の秋華賞は1ハロンの距離延長となるが、
それを見据える競馬をして結果を出したことで、
本番でも人気を集めそうだ。


さて、今週は神戸新聞杯(G2・芝2400m)。

レースが行われる阪神芝2400mは外回りコース。

直線が長いのでペースに関係なく差しが届きやすい傾向が見られる。

末脚のしっかりした馬を主力視したい。


過去10回のうち1番人気が8連対。

この8頭はすべてダービー最先着馬だった。

ダービーで最先着を果たした1番人気は堅い本命といえる。

昨年はダービー馬ワグネリアンが2番人気に甘んじたが、結果は1着。

2番人気であってもダービー最先着馬は強い。


【ヴェロックス】

今年のダービー最先着馬はヴェロックス。

1着ロジャーバローズ、2着ダノンキングリーに次ぐ3着だった。

「ジャスタウェイ×モンズーン」という組み合わせ。

父ジャスタウェイはハーツクライの代表産駒で、
現役時代に父ドバイドューティーフリー(首G1・芝1800m)を6・1/4馬身差で圧勝し、
ワールドサラブレッドランキング(2014年・130ポンド)で
世界ナンバーワンとなった名馬。

母セルキスはドイツ産馬で、
現役時代に独オークストライアル(G2・芝2000m)を勝った。

母の父モンズーンはドイツ血統のスタミナ型。

ソウルスターリング(オークス、阪神JF)の母の父でもある。


母方にチーフズクラウンを持つジャスタウェイ産駒は6頭中3頭が勝ち上がり、
本馬のほかにラブミーファイン(函館2歳S-2着)、
マスターフェンサー(ベルモントS-5着、ケンタッキーダービー6着)が出ており
成功している。

阪神芝コースは若葉S(L)を3馬身差で勝ち、野路菊S(OP)で2着という成績。

まったく問題なく、2400mもダービー3着なので心配ない。

仕上がりに問題がなければ順当に馬券圏内に入れるはずだ。


【サートゥルナーリア】

日本ダービー(G1)で単勝1.6倍の断然人気に推されながら4着と期待を裏切った。

スタートで出遅れて位置取りが悪くなり、
人気を背負っていたため勝ちに行く競馬をしたものの、
その強引さがたたってラストで脚いろが鈍ってしまった。

外を回ったこと、前残りの競馬となったことも厳しかった。

皐月賞(G1)をぶっつけで勝ったものの、
結果的に日本ダービーは上がり目に乏しく、
出遅れの原因となったテンションの高さも
そのあたりに起因するものではなかったかという気がする。

結果論ではあるが、負けるべくして負ける競馬だった。


「ロードカナロア×スペシャルウィーク」という組み合わせで、
母シーザリオはオークス(G1)やアメリカンオークス(米G1・芝10f)などを制した名牝。

半兄にエピファネイア(ジャパンC、菊花賞)、
4分の3兄にリオンディーズ(朝日杯FS)がいる。

ロードカナロア産駒はスピードが武器だけに、
芝1800m以上では成績が低下する傾向が見られるが、
母は「スペシャルウィーク×サドラーズウェルズ」というスタミナ豊富な配合で、
前述のとおりオークスを勝っている。

ダービーは敗れたとはいえ、前述のとおり負けるべくして負けたレースであり、
2400mをこなせない血統ではない。

オークス(G1)とジャパンC(G1)を勝って2400mをこなしたアーモンドアイは、
母フサイチパンドラがオークス2着でエリザベス女王杯(G1)の勝ち馬だった。

臨戦過程は順調で稽古では素晴らしい動きを見せている。

力を出し切ればモノの違いを見せつける可能性は高い。


【ワールドプレミア】

「ディープインパクト×アカテナンゴ」という組み合わせで、
マイラーズC(G2)をレコード勝ちし、
皐月賞(G1)でも2着となったワールドエースの全弟にあたる。

母マンデラはドイツの名馬マンデュロ
(ジャックルマロワ賞、プリンスオブウェールズS、イスパーン賞)の半姉にあたる良血で、
現役時代に独オークス(G1・芝2200m)3着、ポモーヌ賞(仏G2・芝2700m)3着、
サンタバーバラH(米G2・芝10f)3着などの成績を残した。

アメリカでも好走しているのは堅い馬場への適性という面で大きい。

「ディープ×アカテナンゴ」の成績は
父の平均値を大きく上回っており成功している。

同じ阪神コースで行われた3月の若葉Sでは
ヴェロックスに3馬身差をつけられて2着に甘んじた。

この力差を半年で逆転できるかどうか。

阪神芝コースではディープインパクト産駒が連対率27.0%と好成績を挙げており、
神戸新聞杯(G2)では16年にサトノダイヤモンド、18年にワグネリアンが勝っている。

得意レースなので期待できる。


神戸新聞杯は王道路線が強く、
過去10年間の連対馬20頭のうち14頭が日本ダービーからの直行組だった。

残る6頭のうち2頭はラジオNIKKEI賞、3頭は1000万特別勝ち、
1頭は1600万特別勝ちで臨んできた馬。

2ヵ月以上の間隔を取っていなかったのは
昨年の2着馬キセキ、一昨年の2着馬ミッキーロケットの2頭だけ。

休み明けの実績馬が圧倒的に優勢だ。

1番人気が強いことを考えても「格」が幅を利かすレースといえる。

上がり馬よりも春の実績馬が信頼できる。


調教の動きを含めて総合的に判断し、
週末に最終結論を出したい。
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