調教Gメン研究所・井内利彰

【オールカマー・神戸新聞杯追い切り】濃いメンバーで争われる秋のG1トライアルを制すのは?

調教内容は十分、懸念するのは雨馬場ぐらい


 今週はオールカマー、神戸新聞杯という、秋のG1トライアル。にしては、特別登録の段階で10頭、11頭と少ない登録頭数になってしまいました。このあたりはどちらのレースにも早々の出走表明をしたG1ホースがいたこともあると思いますが、それと同時に夏の上がり馬的な存在が少ないことも影響しているのかも知れません。

 特に神戸新聞杯は18日の時点で、ここを回避して自己条件という馬も3頭ほどいるようですから、ますます頭数は少なりそう。ただ、質の濃いメンバーではあると思うので、どんなレースを見せてくれるか注目してみたいところです。


【オールカマー/スティッフェリオ】
 小倉大賞典の時の調教内容が2週前追い切り以降が坂路2F25秒切りを続けているので、レース間隔があいた時の見極めのポイントはここだと思っています。今回は2週前追い切りこそ、2F25.1秒ですが、それ以降は25秒切り。これは宝塚記念と同じパターンなので、決して悪くないはず。

 ただ、4F時計が52.0秒は小倉大賞典が4F51.1秒だったことを思うと、少し不満。ビックリシタナモーとの併せ馬では相手に一瞬迫られながらも、ゴール前では再び前へ出たあたり、終いの脚もしっかりしているという見方でいいと思いますが、全体時計が遅めだったことを考えると、もう少し楽に動いてもよいのかなといったところ。少しだけ反応が鈍いような気もするだけに、そこがレースでどう影響するかでしょう。


【神戸新聞杯/サートゥルナーリア】
 日本ダービーを振り返ると、パドックでの周回時には抜群だった気配も時間の経過と酷暑によって、テンションの維持が難しくなって、ゲートの出遅れになったというのが個人的な解釈。あれがなくても2400mという距離は長かったかも知れない、それは今回でハッキリするでしょう。

 そういった意味では前回と同じ最終追い切りになるかと思いましたが、今回は坂路。これはホープフルSや萩Sの時と同じですから、決してマイナスの変化とは思いません。むしろ、前半と後半にラップ差をつける内容だったことを思えば、スローペースを想定した追い切りができたとも考えることができます。雨馬場は決して不利ではないと思いますし、今回の状況で4着以下になるようなら、本当の距離適性が見えてくるのかも知れません。


【神戸新聞杯/ヴェロックス】
 ちょうどレースの1ヶ月前にノーザンFから帰厩。すぐに追い切り時計を出して、ここまでしっかりと乗り込んできました。1週前追い切りはCWで併せ馬でしたが、追い出すとどこまでも伸びていきそうな脚の使い方で、1速ずつギアを上げるような、長い脚を使っています。

 このあたりが中身が整っている動きだと感じますが、最終追い切りもCWで単走でしたが、同じ印象を受けました。川田将雅騎手が跨って、最後は軽く済ませる内容でしたが、それでも一完歩ごとにスピードに乗る感じ。時計は6F83.2秒と遅めでしたが、これは全く問題ありません。雨馬場は若葉Sでの実績がありますし、その時以来の勝利も期待できる状態です。


【神戸新聞杯/ワールドプレミア】
 デビュー勝ちはしたものの、友道康夫調教師のトーンがなかなか上がってこなかった馬。だからこそ、若葉Sで2着したものの、その後の皐月賞には駒を進めなかったという経緯があります。

 その当時に比べると、随分としっかりした、そんな印象を受ける最終追い切り。前走時とほぼ同じ4F時計ですが、見るべきは2F時計。前回は25.6秒だったのが、今回は24.7秒。それだけ終いの脚力がしっかりしてきたということですし、その動きには余裕がありました。これなら若葉Sでつけられた着差も詰めることができそうです。


【神戸新聞杯/レッドジェニアル】
 京都新聞杯からの強行軍だった日本ダービーでしたが、メンバー中2位の上がりはなかなかのもの。脚をためることができれば、G1でも十分に通用するところがあるのはこれで証明できたような気がします。

 ただ、最終追い切りを強く課せないのはこの馬の特徴。前走時も京都新聞杯の時も坂路でソロッとやるといった感じ。今回も2歳を相手にした坂路での併せ馬ですから、時計もあまり出ていません。とはいえ、1週前追い切りはCWで追われてしっかりと伸びていましたし、速い6F時計も出していますから、調教内容としては十分。あとは雨馬場を懸念するくらいでしょうか。


◆次走要注意

・9/16 白井特別【サトノダムゼル】(1人1着)

 今週も「サトノ」から推奨。さすがは2戦2勝という馬体でしたが、パドック周回当初は少し落ち着きない仕草。しかし、慣れてくると周りを見渡して、威嚇するくらいの迫力が出てきました。ひとまずは重賞でどんな走りをするか見てみたい逸材です。

[メモ登録用コメント] [パドック]常に落ち着いて周回できれば勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・3歳上1勝クラス【セラピア】
 CWでの併せ馬でしたが、先行した相手をゆっくりと見ていきながら、最後は一瞬の切れ味で先着。フローラSでは1番人気に支持された素質馬ですが、難点は折り合い。じっくりとためてレースできれば、もの凄い脚を使える馬です。



【神戸新聞杯】栗東レポート

【神戸新聞杯】栗東レポート~ヴェロックス
○ヴェロックスについて、中内田充正調教師

・(春のクラシックについて)皐月賞は上手に競馬をしてくれて最後までしっかり走ってくれました。相手が強かったレースでしたが、この馬の競馬は出来ました。ダービーは道中上手に走ってくれて最後はバテるかなというところからもう一脚使ってくれました。両方のレースとも一生懸命頑張ってくれました。

・(休養をはさんで戻ってからは)順調にきています。夏を本当に上手に越してくれて馬体は成長しました。精神的にはまだ幼い部分は残しているものの良い形で帰ってきてくれました。

・(セールスポイントは)どの競馬も上手に走ってくれています。

・(今回の舞台は)距離に関してもコース形態に関しても心配してはいません。(距離に関しては)延びれば延びるほどいいと感じています。

・ここまで順調に来ているので次のステップに順調にもっていければと思っています。春の悔しさを晴らせるよう頑張っていきたいと思います。


【神戸新聞杯】栗東レポート~サートゥルナーリア
○サートゥルナーリアについて、辻野泰之調教助手

・ダービーはゲート裏からテンションが高く、スタートに響きました。でもあのレースでこの馬が能力の底を見せたわけではありません。

・(ダービー後は)北海道に放牧に出しまして精神的にも肉体的にもゆったりと余裕のある状態で帰ってきてくれましたしここまでは本当に良い意味でしっかり負荷をかけて余裕のある調整を出来ていると思います。

・(一週前追い切りは)今厩舎にはこの馬と併せられる馬がいないもので変則的な追い切りになっていますが、ルメール騎手に乗ってもらい感触を確かめてもらい「いいコンディション」というコメントは(ルメール騎手から)頂いています。

・(今週の追い切りは)先週Cウッドチップコースで追い切りましたので直前は坂路でサッとイメージしていました。想定どおりの追い切りができました。追い切ってきてもテンションが上がることが無いので落ち着いた雰囲気で調教をこなせています。今のメンタル、フィジカルの状態ならいいパフォーマンスをすることが出来ると思っています。

・(夏を越えて)以前はよく鳴いたり立ち上がったり子供っぽいところを見せていましたがそういった回数も減り順調に大人の階段を登っているように感じます。

・(阪神芝2400m)前回のダービーで距離の限界の声も聞かれていますが、こちらとしても今回のレースでそれを確認したいと思っています。ですから今回は五分のスタートを切って距離がどの程度影響するのか見てみたいです。今後の方向性を決める上で大切なレースになります。選択肢を拡げる意味でもいいレースを期待しています。


【神戸新聞杯】栗東レポート~ワールドプレミア
○ワールドプレミアについて、友道康夫調教師

・デビューの頃からソエに悩まされていたので(前走の若葉ステークスの時は)気にはしていましたが競馬に行くと頑張ってくれて、あと少しでした。惜しい結果でした。

・(その後は)ソエを気にしていたのでダービー路線は諦めてすぐに北海道に(放牧に)出して休養しました。ソエの方も良くなって身体も一回りぐらい大きくなって大人の体になって戻ってきました。

・一週前二週前と藤岡康太騎手に乗ってもらい馬場(CW)でしっかりやりました。二回続けてしっかり追ったことで本来の動きに戻ってきたなという感じがあります。

・(最終追い切りは)本番の武豊騎手に乗ってもらいました。久しぶりに乗ってもらい感触を確かめてもらいました。いい感じで動いていました。

・元々どっしりとした馬なので(精神面は)あまり変わっていません。ただ走り出すと以前に比べて前向きさが出てきたことと馬場入りで落ち着きが出て、より大人の競走馬になってきた印象があります。

・競馬に行ってムキにならないので今回の神戸新聞杯の2400mとか次に予定している菊花賞とか距離が伸びて持ち味を出してくれると思います。ただこの阪神開催は時計が速いので、その勝負になった時に若干心配です。でも良い競馬ができる舞台だと思っています。

・いつも先行する馬ではありませんが3コーナーでズブい面を見せます。その点は騎手がわかってくれているので、3コーナーあたりから進出して最後まで頑張って欲しいですね。

・春はクラシックに出走できませんでしたがなんとか最後の一冠目指して頑張っていきたいので応援よろしくお願いします。


【オールカマー】栗東レポート

【オールカマー】栗東レポート~スティッフェリオ
○スティッフェリオについて、生野賢一調教助手

・(前走後は)いつも通り厩舎に戻ってきてから様子を確認して一旦放牧に出しました。この馬自身、前走は持ち味が生きる競馬ではなかったのかなと思います。でも力は付けてきたかなと思います。

・(一週前の追い切りは)時計を出しにしっかりやりました。良かったと思います。

・(今週は)先週しっかりやりましたので、ゆっくり入ってラストをまとめるような形でやりました。放牧から帰ってきた時から良さそうでしたし、先週より今週の方が動きも良く状態はいいのかなと思います。

・(中山芝2200mに関して)距離コースともに問題ありません。長く良い脚を使う馬なので、それを生かせる競馬になればいいですね。一生懸命走る馬です応援よろしくお願いします。


【オールカマー】美浦レポート~ミッキースワロー
菊沢隆徳調教師のコメントは以下の通り。

「(七夕賞は)トップハンデでしたが、流れにも乗れて強い競馬をしてくれたと思っています。(中間は)前走の疲れを取って、放牧して、また戻してきて、徐々に立ち上げてきて、随分、馬は元気ですよ。

(今日の追い切りは)僕らは前の方を走っていて、(騎乗していた菊沢一樹騎手は)何度も乗っているので、感覚に任せていきました。まだゴールの時に走っている姿しか見ていませんが、気分良さそうに走っていますし、引き上げてくる時も涼し気な顔をしていましたし、充分かな、と思っています。(菊沢一樹騎手は)どうだ、って聞いたら、いいです、って言っていました。

(2か月半開いて)涼しくなってきたので、いい方向に向かってくるのではないかと思います。

馬体に関しては徐々にしっかりしてきた部分があり、精神面でも普段は余計なことはしなくなってきたので、快適に過ごしていると思います。

(中山芝2200mは)デビューの頃から何度か経験しているので、コース形態に不安はありませんが、今回はメンバーも違いますのでどうでしょうか。今の中山の馬場はとてもいい状態なので、少々雨が降ってもいいのではないでしょうか。

GI馬も出て、とても素晴らしいメンバーだと思いますので、胸を借りるつもりで、GI馬に負けないように頑張ってもらいたいと思っていますので、応援よろしくお願いします」


【オールカマー】美浦レポート~レイデオロ
藤沢和雄調教師のコメントは以下の通り。

「(宝塚記念は)海外遠征の後の出走でした。スタートは良かったんですが、狭いところに入ってしまい、道中は少し気にしながら走っていたので、思ったような結果が出なくて残念でした。

(中間は)夏は牧場へ帰って、1か月前に戻ってきました。このレースに向けて順調に調整しています。先週と今週は併せ馬、それまでは単走で調整していました。

(今日の追い切りで)最後は併せるということでしたが、福永騎手が初めて乗ってくれて、いい感じだったということで安心しています。宝塚記念を使わせてもらってからそんなに間隔が開いているわけではなく、調整は楽で、ここまで順調に来ています。

昨年のこのレースは強い競馬でした。今年も秋競馬が始まりますし、また頑張ってもらいたいです。

(中山は)先週も雨が降りましたが、馬場の状態が良いので、(多少の)雨が降っても不良にならないと思うので、何とか頑張ってもらいたいです。

前回は応援してもらったのですが、残念な結果でした。今回は体調が良さそうなので、応援してください」






データde出~た

第1354回 二強対決になるか、それとも? オールカマーを展望する

今週末の重賞は、中山で古馬G2のオールカマー、阪神で菊花賞トライアルの神戸新聞杯がいずれも日曜日に行なわれる。昨年の当欄では神戸新聞杯を取り上げているので、今回はオールカマーを分析したい。今年は出走登録が10頭と少々寂しいものの、レイデオロ、ウインブライトという2頭のG1馬が出走を予定しており、その走りをしっかりと見届けたいところ。もちろん、ほかの馬も秋の飛躍につなげるために2頭を食う走りを見せたいはずだ。そんなG2戦を、過去10年のデータから展望してみたい。ただし、新潟開催となった14年は除外し、実際には9年分が集計の対象となる。データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。


■表1 人気別成績
人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気  3- 4- 1- 1/ 9 33.3% 77.8% 88.9% 60% 115%
2番人気  1- 1- 3- 4/ 9 11.1% 22.2% 55.6% 34% 81%
3番人気  2- 2- 1- 4/ 9 22.2% 44.4% 55.6% 135% 104%
4番人気  0- 1- 0- 8/ 9 0.0% 11.1% 11.1% 0% 43%
5番人気  2- 0- 0- 7/ 9 22.2% 22.2% 22.2% 167% 55%
6番人気  0- 1- 3- 5/ 9 0.0% 11.1% 44.4% 0% 146%
7番人気  0- 0- 1- 8/ 9 0.0% 0.0% 11.1% 0% 37%
8番人気  0- 0- 0- 9/ 9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
9番人気  1- 0- 0- 8/ 9 11.1% 11.1% 11.1% 422% 66%
10番人気~0- 0- 0- 41/ 41 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表1は人気別成績。1番人気は堅調で、3着を外したのは12年4着のルルーシュしかいない。同馬を除く延べ8頭にはすべてG1連対歴があり、G1通用級の馬が1番人気に推されたら堅軸となりそうだ。また、2、3番人気は複勝率55.6%で並んでおり、上位人気馬が確実に走ってくる。裏を返すと穴馬は苦戦しており、7番人気以下は合わせて【1.0.1.66】。13年に9番人気のヴェルデグリーンが勝った例はあるが、この年はG1馬が10歳のマイネルキッツだけというやや手薄なメンバー構成で、そのため穴馬が台頭する余地が生まれたとも考えられそうだ。


■表2 厩舎の東西所属別別成績
厩舎 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
関東 7- 2- 6- 63/ 78 9.0% 11.5% 19.2% 83% 44%
関西 2- 7- 3- 32/ 44 4.5% 20.5% 27.3% 20% 53%

表2は厩舎の東西所属別成績。特に着目したいのは1着と2着の数で、1着は関東馬7回に対して関西馬2回、逆に2着は関西馬7回に対して関東馬2回という結構な偏りが見られる。また、3着も関東6回、関西3回と少し差がついている。券種でいえば、馬単や3連単で狙う場合はこの傾向が参考になるかもしれない。


■表3 斤量別成績(4歳以上の牡馬・セン馬のみ)
斤量 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
56キロ 2- 4- 3- 54/ 63 3.2% 9.5% 14.3% 65% 44%
57キロ 2- 2- 6- 29/ 39 5.1% 10.3% 25.6% 23% 45%
58キロ 2- 0- 0- 2/ 45 0.0% 50.0% 50.0% 165% 70%
59キロ 1- 2- 0- 0/ 33 3.3% 100.0% 100.0% 46% 120%

表3は斤量別成績。今年は牝馬や3歳馬の出走登録がないため、ここでは4歳以上の牡馬・セン馬のみを対象とした。オールカマーは別定戦で、G1などで実績を収めた馬は斤量を多く背負うことになるが、そうした馬ほど好成績を収めていることが、表3からは読み取れる。現在のオールカマーの設定では59キロを背負うことはないものの、以前に59キロで出走した3例はすべて連対。58キロも4戦2勝となっている。表1の項で人気馬が強いことを延べたが、その理由のひとつとして、斤量を背負う実績馬が確実に走っていることも挙げられるだろう。


■表4 前走クラス別成績
前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
未勝利     0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1勝(500万下) 0- 0- 0- 0/ 0
2勝(1000万下)0- 0- 0- 0/ 0
3勝(1600万下)0- 0- 0- 8/ 8 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
オープン特別  0- 0- 1- 16/ 17 0.0% 0.0% 5.9% 0% 14%
G3      1- 2- 3- 40/ 46 2.2% 6.5% 13.0% 82% 40%
G2      1- 0- 3- 20/ 24 4.2% 4.2% 16.7% 19% 42%
G1      6- 6- 2- 9/ 23 26.1% 52.2% 60.9% 126% 107%
海外      1- 1- 0- 1/ 3 33.3% 66.7% 66.7% 66% 83%

表4は前走クラス別成績。前走G1の好走例が最多で、好走率も抜けて高く、しかも単複の回収率は100%を超えている。前走海外(すべてG1)を含め、このデータからも実績馬が強いレースであることがわかる。前走G1以外の好走馬は計11頭おり、そのうち10頭は前走でG2かG3に出走。つまり、前走が重賞以外のレースだった馬の好走は1頭しかなく、かなりの苦戦となっている。


■表5 前走レース別成績(同年の国内G1のみ)
前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
宝塚記念   3- 4- 2- 3/12 25.0% 58.3% 75.0% 100% 113%
天皇賞・春  1- 1- 0- 4/ 6 16.7% 33.3% 33.3% 33% 73%
ヴィクトリアM1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 780% 280%
安田記念   0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 170%
大阪杯    0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表5は、同年の国内G1に限った前走レース別成績。同じ2200mということもあって前走宝塚記念の出走例が多く、成績も非常にいい。そのなかでも「宝塚記念で9着以内だった牡馬」に限れば【2.3.2.0】と、すべての馬が好走を果たしている。次いで出走例が多いのは天皇賞・春だが、距離が1000mの大幅短縮となる影響もあるのだろう、好走率は宝塚記念よりだいぶ下がる。いずれも出走例は1回ずつながら、1600mのヴィクトリアマイル、安田記念はその1回できっちり結果を出しており、こちらのほうが相性はいいようだ。


■表6 前走G1以外の1~3着馬の芝2200m実績
年 着順 人気 馬名 主な芝2200m実績(前年・同年)
09年
1 3 マツリダゴッホ 08年オールカマー1着
3 2 シンゲン 出走なし10年
3 6 トウショウシロッコ 09、10年AJCC3着
11年
3 2 カリバーン 10年グレイトフルS(1600万下)1着
12年
2 4 ダイワファルコン 出走なし
3 6 ユニバーサルバンク 11年京都新聞杯2着
13年
1 9 ヴェルデグリーン 出走なし
2 2 メイショウナルト 13年三田特別(1000万下)1着
15年
3 7 ミトラ 15年AJCC2着
16年
3 6 ツクバアズマオー 16年湾岸S(1600万下)1着
17年
3 3 タンタアレグリア 17年AJCC1着

表6は、前走でG1以外のレースに出走し、オールカマーで1~3着に入った11頭の一覧で、主な芝2200m実績(前年・同年のみ)を付記している。こうして見ると、11頭中8頭は芝2200mの重賞で3着以内か、条件戦で1着の実績を持っていたことがわかる。また、出走歴がなかった3頭のうち、09年3着のシンゲンと13年1着のヴェルデグリーンの2頭はのちに芝2200m重賞を制しており、結果としてこの距離を得意とする馬だった。前走G1などの格上馬が強いオールカマーにおいて実績面で見劣る馬が食い込むためには芝2200mの適性を活かすのが近道となるようだ。


【結論】
 
今年のオールカマーで人気が予想されるのがレイデオロとウインブライト。いずれもほかの馬より2キロ重い58キロを背負うことになるが、4歳以上の牡馬は斤量が重いほど好成績で、その点は心配しなくていいだろう。

レイデオロは宝塚記念以来。宝塚記念では5着と不本意な結果に終わったが、オールカマーに関しては「前走宝塚記念で9着以内だった牡馬」という凡走なしの条件を十分に満たす。ウインブライトはG1初勝利を飾った香港のクイーンエリザベス2世C以来。前走海外は【1.1.0.1】と悪くない成績を収めており、昨年2着のアルアインとまったく同じ実績あるローテーションなので不安はなさそうだ。

ただし、この2頭はどちらも関東馬。表2の項で確認した通り、関東馬は1着と3着が多く、2着が少ない傾向にあった。実際、集計対象の9年で関東馬の1、3着が4回あったのに対し、ワンツー決着は1回のみ。実績的には明らかに格上の2頭ではあるのだが、関西馬に割って入られる可能性は考慮しておいたほうがいいのかもしれない。

その候補となる関西馬としては、「前走宝塚記念で9着以内だった牡馬」という条件を満たすもう1頭の馬であるスティッフェリオだろう。そのほか、前走G1出走馬以外では前年・同年の芝2200m実績を重視し、18年AJCC2着のミッキースワロー、18年セントライト記念3着のグレイルの2頭を挙げておきたい。
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