田原基成さん

サートゥルナーリアほか、2019神戸新聞杯出走予定馬8頭分析
神戸新聞杯が行われる今週。出走馬8頭と寂しい頭数になってしまったが、春のクラシック戦線を彩った「2強」を軸に癖のあるメンバーが集結。各馬の見極めを徹底したいところだ。

そこで今回のコラムでは、2019神戸新聞杯に出走予定の8頭をあらゆる角度から分析してみたい。私なりの視点で捉える8頭の判断基準が、あなたの予想の参考になれば幸いだ。

・ヴィント
直線平坦コース【2-2-0-0】に対し、急坂コースでは【0-1-0-4】。阪神芝外回りを使われた3戦はいずれも馬券圏外と、適性がどこにあるかは明らかだ。

・ヴェロックス
勝利を逃した野路菊S、東スポ杯2歳S、日本ダービーはいずれも直線の長いコースでの施行。ジャスタウェイ産駒のイメージと真逆の適性を持つ馬だ。上がり3F最速をマークしているように阪神芝外回りはこなせないコースではないものの、気になるのは当日の馬場。ジャスタウェイ産駒は芝重賞で良馬場【0-4-2-10】に対し、稍重-不良馬場【0-0-0-7】。気に留めておきたい数字だ。

・サートゥルナーリア
単勝1倍台の支持を集めた日本ダービーはまさかの4着。独特の雰囲気とスタンド前発走に「狂気の血」が爆発してしまったような印象を受けた。当時を底値としたとき、地元関西圏に戻る今回は値幅の上昇を期待するのがベター。渋った馬場を苦にしない一族である点も含め、私のなかで大きく割り引く材料は見当たらない。

・シフルマン
冬の中京、開催後半の新潟・阪神とこれまで挙げた3勝はタフな馬場に集中。軽い芝の切れ味勝負では分が悪いのが現状だろう。同馬の特徴を踏まえたとき、週末の雨予報は歓迎材料。勝ち切るまではどうかも、ヒモ穴候補として一考しておきたい。

・ジョウショームード
過去10年の神戸新聞杯において、前走2勝クラスで3着以下に敗れた馬の成績は【0-0-0-12】。春のGI好走馬相手では分が悪いだろう。

・ユニコーンライオン
前走馬体重はデビュー時との比較でマイナス30キロ。馬体を絞りつつ上昇気流に乗るのだから非常に珍しいタイプと言えよう。パンパンの切れ味勝負では歯が立たないと思われるが、今週末の阪神は渋った馬場コンディション想定。積極策で後続の脚を封じ込める競馬が叶えば、粘り込みの可能性は十分だ。

・レッドジェニアル
上がり3F最速の脚を繰り出した3戦はいずれも良馬場。3歳世代トップクラスの切れ味を発揮するには馬場状態に注文がつく馬だ。稍重のアザレア賞4着→良馬場の京都新聞杯1着がその証。急坂コースでは馬券圏内がない点も踏まえると、良馬場になった場合の菊花賞が狙えるタイミングだろう。

・ワールドプレミア
デビュー以降はとにかく勝負どころでのズブさが目立った馬。そのポジションでの「助走」が可能な京都芝外回りで2勝を挙げているのは当然と言えるのかもしれない。今回の舞台は直線を向いてから追い出しのタイミングがはじまる阪神芝外回りコース。「まだ本来の動きじゃない感じ」の鞍上コメントも気になるところで、過大評価は禁物だ。


レイデオロほか、2019オールカマー出走予定馬10頭分析
オールカマーが行われる今週。毎年中山巧者が幅を利かせるレースだが、GI馬2頭と前走七夕賞1.2着はその中山で複数勝利実績あり。4頭の取捨選択が大きな鍵となりそうだ。

そこで今回のコラムでは、2019オールカマーに出走予定の10頭をあらゆる角度から分析してみたい。私なりの視点で捉える10頭の判断基準が、あなたの予想の参考になれば幸いだ。

・ウインブライト
中山を中心とした小回りコースとそれ以外とでパフォーマンスに大きな差が出る馬。何しろ皐月賞以降、東京・京都芝外回りコースでは【0-0-0-4】。今後のローテーションが天皇賞(秋)→香港Cに決まっている点を踏まえると、むしろ狙いは次走より今回だろう。香港Cで負かした相手は世界のトップクラスばかり。この舞台なら譲れない。

・エンジニア
前走を除き、2018年以降使われたレースはすべて左回り。その条件で施行される新潟記念には登録すらしなかった。6連対を誇る叩き2-3戦目にピークを持っていきたいクチ。狙いは左回り替わりの次走と判断する。

・グレイル
昨年同時期に施行されたセントライト記念3着馬。当時と同じ中山芝2200mに適性を示した点は評価できる。内回りコースでは上がり3F3位以内を外していない馬。着狙いに徹した際の3着は想定すべきだ。

・クレッシェンドラヴ
左回り【0-0-1-3】に対し、右回り【5-4-1-4】。典型的な右回り巧者で、次の舞台が東京GIだとすれば評価を上げる理由はないと思っている。裏を返せば、得意条件で臨むここは勝負仕上げを施す可能性が高いということ。高速馬場に不安を抱えるタイプだけに、時計のかかる馬場コンディションが叶えば面白い。

・ゴーフォザサミット
太め残りの日経賞を経て、近2走はそれぞれ12キロの馬体重減。2走前はともかく、前走のマイナス体重は誤算だったのではないだろうか。日本ダービーを含め、左回りでは常に勝ち馬から0秒5差以内の競馬をしている馬。アルゼンチン共和国杯、もしくはオクトーバーSで食指が動く。

・ショウナンバッハ
2017年以降、馬券圏内に入った3戦はいずれも斤量54キロ。その斤量かつ得意な左回りで臨んだ前走をピークとしたとき、この条件はいかにも厳しい。

・スティッフェリオ
強豪相手に挑んだ春競馬はGIの分厚い壁に跳ね返される結果に。それと同時に「戦法の限界」を実感した春でもあったと私は捉えている。先行抜け出しの王道競馬では苦しい。となると、ここは【2-2-0-0】連対率100%を誇る「逃げ戦法」が濃厚。週末の天候を考えたとき、前に行けるアドバンテージは計り知れない。

・トニーファイブ
中央場所では【0-0-0-11】。厳しい。

・ミッキースワロー
この馬もウインブライト同様、中山を中心とした小回りコースとそれ以外とでパフォーマンスに大きな差が出るタイプ。【2-1-0-0】連対率100%の中山芝2200mは間違いなくベストマッチと言えるだろう。しかし、前走は鞍上が良くも悪くも大外ぶん回しと腹をくくった結果が吉と出たレース。先週と同じ馬場悪化に見舞われた際、大外から突き抜けるイメージは想像しにくい。

・レイデオロ
ドバイからスタートした今年は6.5着。とりわけ前走宝塚記念は伸びずバテずと本来のパフォーマンスとは程遠い競馬だった。立て直しを図りたい一戦だが、個人的に「休み明け凡走→また休む」ローテーションは不安でしかない。【3-1-0-0】連対率100%の左回り東京芝にピークを持っていくことは容易に想像できるし、中心視するには躊躇してしまう。





田中正信さん

オールカマー、全頭の調教診断

皆さんこんばんは。
今週はオールカマーの全頭追い切り診断を行っていきます。出走頭数は10頭とややさびしい感じですが、海外GIを制したウインブライトや、今回は福永騎手へ乗り替わりとなるダービー馬にして昨年の覇者レイデオロ。前走、人馬とも重賞初勝利を飾ったミッキースワローなど、他にもなかなか“濃い”メンバーが集まったように思います。

それでは、全頭診断をご御覧ください。

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オールカマー・全頭診断
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■ウインブライト
3週続けて松岡が騎乗。1週前は5馬身追走の負荷をモノともせず、馬なりのまま弾けて3馬身の先着。5F65秒3と時計も速く、調整の順調さがうかがい知れる。今週は4馬身の追走でスタート。前半は無理せず馬のリズムに合わせ、軽やかなフォームはラップ以上のスピード感。直線で馬体を並べると促す相手を見ながら余裕の同入フィニッシュ。緩いところもなく、好調時と遜色ない出来だ。

■エンジニア
時計は出たものの、2週続けて2歳馬に手応え劣勢は不満。手先に重苦しさが残り、もうひと追いほしい。

■グレイル
CWコースで単走。一見して前脚が高く上がり、調教への前向きさがうかがえる。後方にウッドチップが飛んでいる様子も、蹴りの力強さを物語っている。手前(軸脚)を替えていない点は押さえておきたいが、それでも勢いが鈍っていないので、さほど気にする必要はないのだろう。ちなみに過去の勝利はすべて右回りで、今回と同じだ。ラスト12秒台前半も大したものだが、さらに6ハロンから追われて80秒を切っているのは特筆点。このコースではセントライト記念3着もあり、決して無視できない存在だ。

■クレッシェンドラヴ
併せ馬を重ねて、じっくりとつくってきた。1週前は内田を背に先着。今週は7馬身追走のハード追いも、最後はグイグイと伸びて1馬身の先着。覇気も旺盛で、順調な仕上がり。


■ゴーフォザサミット
レイデオロとの併せ馬。先行から最後まで楽な手ごたえのまま、互角の伸び脚で併入。体も太め感なし。

■ショウナンバッハ
平坦ウッドは合うのか、馬なりのまま鋭く伸びて5F64秒6の好時計をマークした。追えばまだまだ時計が詰まったように、活気にあふれている。

■スティッフェリオ
坂路で併せ馬。中腹からすでに僚馬と馬体を併せており、これはなかなか負荷が掛かっている。パートナーより姿勢が低く、理にかなった効率のいいフォーム。残り1ハロンあたりからは躍動感も見せ、闘争心を表に出している。これはいい傾向だ。パートナーのほうに首を向け、威嚇するようなシーンもあった。手応え的には多少見劣るものの。先着することが大事。陣営が思い描いたことはできたのではないか。

■トニーファイブ
坂路で併せ馬。フォームはなかなかスピーディーで、四肢を真っすぐに振り下ろす。道中は首をうまく使っていたものの、いざ追われた時に少し首をすくめるというか、フォームが乱れたシーンが一瞬あったのは気になった。最後はわずかに僚馬に遅れ。ただ、必死に追われて遅れたわけではないので、さほど気にしなくていい。

■ミッキースワロー
菊沢を背に3頭併せ。2馬身間隔の一番後ろから追走。直線内から楽に追いつくと、勢いのある伸びで楽に先着した。5F65秒3をマークしており、動きは好調時と遜色なし。


■レイデオロ
ゴーフォザサミットとの併せ馬。2馬身先行させた僚馬を目標に進んだだけに、行きたがるところはあっても何とか我慢して5ハロンあたりで馬体を併せた。直線は体を大きく使って、この馬らしい迫力の伸び脚。体もうまく仕上がっている印象で、秋へ向けて順調な仕上がりをアピールしている。




単勝二頭流

オールカマー&神戸新聞杯の注目穴馬公開中!

■オールカマー(G2)
先週同様、今週も雨予報の中山芝コース。雨にも関わらず時計は速く、内枠、先行馬が超有利の馬場が出現する公算が高い。先週は雨になった場合は、そこまで高速が残るとは想定できずにぜっかくこのブログでも推していたザダルをわざわざ馬券から外すという失態をおかしてしまったが(結果3着抜けで3連単を外してしまい、申し訳ありません!)、今週はきっちり修正する。
穴馬としての狙いはゴーフォザサミットとスティッフェリオ。両者とも中盤が緩まないラップで流れる先行策で良績を残すタイプ。上がりがかかるコース、レースを得意としており、馬場が渋って他馬の切れ味がそがれるのはプラス材料だ(ちなみに切れ味が削がれるのと高速馬場は矛盾しません)。特にゴーフォザサミットは内枠を引いた幸運もある。


■神戸新聞杯(G2)
8頭立てと穴馬を探すのも一苦労だが、シフルマンに注目する。阪神も中山同様雨の予報だが、雨で渋った阪神芝コースは良馬場とはまったく逆のパワフル馬場となる。シフルマンは力を要する中京、稍重ながら阪神で好走しており、春の早い段階で古馬相手の古馬2勝クラスを勝利。重賞でも好走できる条件、適性はクリアしており、好走が期待できる。





亀谷敬正さん

400mで割れない距離と直線が短い競馬場巧者を狙うレース

主流からズレる距離はスペシャリストが育ちやすい


 1400m1800m、2200mと400mで割れない非根幹距離重賞は、非根幹距離を何度も勝っている馬、特に同競馬場に実績のある馬が何度も走ります。

 基本的にJRAの芝競馬は1600、2000、2400mと「400m」で割れる距離。直線が長いコースで強い馬を基準に種牡馬が淘汰されるため、微妙に主流からズレる距離、コースはスペシャリストが育ちやすいことも影響を与えているでしょう。

 2017年のオールカマーの当コラムも同じ話をして、ルージュバックを取り上げました。亀谷敬正ホームページで公開している最終予想でもルージュバックを本命。5人気で優勝しました。

 ルージュバックは芝重賞で4勝。すべて400mで割れない1800m2200mでした。また、ルージュバックの父マンハッタンカフェは400mで割れない非根幹距離が得意な馬を出しやすい種牡馬。芝2200mG1エリザベス女王杯ではマンハッタンカフェ産駒が1、2着したこともあります。

 ウインブライトは400mで割れない芝1800m重賞を3勝。非根幹距離巧者は同じレースを何度も勝ちやすい傾向通り、中山記念を2勝。直線が短いコースの重賞も得意。

 また、香港のクイーンエリザベス2世Cは芝2000mですが、あえてウマイ馬券で公開している予想でも本命にしました。その理由のひとつに、JRAの根幹距離G1では力を出しきれない馬の方が香港の根幹距離に合うからです(今回は香港のレースではないので、詳しい説明は割愛します)。

 父はステイゴールド。新路盤になった中山芝では、直線のスピードが要求されるため父がステイゴールドの場合は母がスピード型の方が走りやすい傾向も。

 ウインブライトは母父がスピード型ナスルーラで芝1200mG1にも実績を残すアドマイヤコジーン。新路盤の中山芝2200にも合うタイプのステイゴールド産駒です。
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