単勝二頭流

編集部通信 9月27日号 〜石橋武のスプリターズS解説。の巻〜

皆さん、こんにちは。
Sportsmaster運営事務局の本田です。

パンパカパーン!
秋のG1シーズンがいよいよスタート致します!
緒戦はかなりレベルの高いメンバーが揃ったスプリンターズS。いきなり難解なレースで困っちゃいますが、そこはほら、この方がいらっしゃいます。芝短距離得意の石橋武さんです!

石橋 武(以下、石) こんにちは。石橋武です。

本田(以下、本) いよいよ始まりましたね、秋のG1シーズン。

石 始まりますね〜。ただ、芝短距離得意って、どのカテゴリーもあまり戦績は変わらない気がしているんですけど。

本 いや、スタッフが近5年の勝負予想を調べたんですよ。芝短距離、芝マイル〜中距離、芝長距離、ダート短距離、ダート中距離〜のカテゴリーで。

石 勝手に?

本 勝手に(笑)。石橋さん、あまりそういうの気にしていないので。

石 まあ、過去にどれだけ当たったかより、これからのレースを当てるほうが大事だと思っていますので。

本 ただ、実際に勝負予想を購読する方は気になるところだとは思うんですよ。

石 そうかもしれません。

本 で、調べてみたんですけど、たしかに的中率は大きな差はないものの、芝短距離が1位で、続いてダート短距離。あとは芝長距離、ダート中距離、芝マイル〜中距離の順。まあ、施行レース数の関係もあるので、これで得意云々は言いませんけど。

石 だったらなぜ?

本 10万円以上の高額馬券になったレースを調べたんですよ。そしたら実に4割くらいが芝短距離だったんですよ(次いでダート中距離、ダート短距離、芝中長距離、芝長距離と続きます)。

石 あ〜、それはわかりますね。新潟千直、北海道シリーズ、あと中山芝1200mとか、高配当が出やすいので。この前の北九州記念も◎ダイメイプリンセス(9人気1着)が逃げ切って高配当になりましたしね。

本 そうでしたよね。率が高いうえに、配当的にもかなり荒れているレースをとっているので、石橋さんの芝短距離ってかなりお得なんですよ。

石 へ〜、そうなんだ。じゃあ、今週も期待を裏切らないようにしないと。

本 お願いします! ただ、ご自身でなぜ芝短距離に10万超えの馬券的中が多いかわかります?

石 やはり展開面のまぎれが少ないというのはありますよね。あとはあれでしょう。たとえば日本の競馬の王道(主流)の路線って、芝のマイルからダービー距離の2400mですよね。

本 そうですね。

石 言ってみれば、日本の生産者はその王道路線で活躍できる馬をつくっているわけで、そういう馬は言うまでもなく、適性は芝のマイル〜2400mに出やすい。

本 まあ、そうなります。

石 言い換えればスプリント戦はそういう王道タイプの馬の適性とはズレた所にあることになります。求められる適性が違うんですね。さらにそういう王道タイプの馬って人気になりやすいんですよ。それがバンバンこけちゃうもんだから高配当になりやすいという。

本 なるほどね〜。

石 もちろんこれが全てではないですけど、他路線で切れ負けしていた馬が切れ味不足を補える短距離戦で一変するとか、やはり求められる適性の違いが大きいかなと。

本 そういうことですか。で、石橋さんはそういうちょっとズレた適性を持つ馬を探すのがうまいと。

石 元来ひねくれ者なので(笑)。まあ、でも性格悪いので、人気馬のアラを見つけるのは好きですし(笑)、人と違う馬を見つけたいというのもありますし、それがある意味特殊な(王道ではない)カテゴリーの的中につながっているのかもしれません。

本 たしかに。

石 たしかにって言われた(笑)。

本 ああ、そういう意味ではなくて(笑)、たしかに人と違う馬をみつけてくるよな〜と思いまして。実際、ダービーでも◎ロジャーバローズ。
(12人気1着。ちなみに日本ダービーの予想内容は下記の予想サンプルページで全てご覧いただけます)
→予想サンプル

石 あれは適性もそうだし、あとは馬場の特徴もありましたね。そういう意味では今週のスプリンターズSも特徴のある馬場で行われるので、予想的にはかなり面白いですよ。

本 へ〜、どういう馬場なんですか?

石 先週からCコースに替わって、やはり時計が速い、内枠有利の馬場ですよね。外から脚を使わされる展開になると届かない。

本 内枠有利なんですね。

石 とも言い切れないんですけどね。どの馬も馬場のいいところを通りたいわけで、そうなるとゴチャついてしまう。結果、出るに出られないリスクもありますし……。そのあたりはテンからのラップ、ペースを判断して、どの馬が最も有利なのかを見極める必要がありますよね。適性を踏まえたうえで。

本 なるほど〜。では現時点での注目となると?

石 まずはファンタジスト。前走はタワーオブロンドンにちぎられましたけど、その前に久々のスプリント戦に使ったことで、あのスピードにも対応できていましたよね。先行して粘ったのは大きい。どこからでも動ける自在性と、あとは前走でしめしたスピードの持続力。今の中山の馬場にぴったりだなと。

本 続いては?

石 イベリスも面白いですね。こちらも前走はタワーオブロンドンに完敗しましたけど、抑えて競馬ができたのはよかったですね。距離はこれぐらいがベストですし、この距離ならハイペースで飛ばしても終いまでしっかり伸びてこられますから。

本 ちなみにこの2頭って、前走でちぎられたタワーオブロンドンを逆転できるんですか? スプリント戦の3馬身差ってけっこう致命的だと思うんですけど。

石 逆転できる可能性は十分にありますよ。前走は13頭立てでスムースに回ってこられましたけど、今回はフルゲート、しかも中山の馬場ですから。追って味がないというと悪いですけど(笑)、イベリスの高速で粘れる、スピードの落ちない一本調子のほうが合っているんです。内枠でも引いて、モズスーパーフレアの番手につけられれば、かなり面白いんじゃないですかね。

本 そうか、枠順もチェックしておきたいですね(この対談は枠順発表前の木曜日に行われています)。

石 あとはアレスバローズですかね。

本 2頭とは打って変わって追い込み脚質ですね。

石 どう転んでもハイぺースになるのは間違いないので、いくら内有利の馬場とはいえ、差し馬も押さえておきたいんですよ。ましてや人気薄ですから。

本 馬券に入れておいて損はないと。

石 そうですね。ちょっと天気が心配なんですけど、多少の雨なら今の中山なら高速馬場というのは変わらないでしょうし、となれば、この馬にも出番はありますよ。

本 なるほど〜。よくわかりました。ではこの3頭に注目しつつ、週末の勝負予想を楽しみに待っています。今日はお忙しいなか、どうもありがとうございました。

石 こちらこそありがとうございました。勝負予想、決めますので、ぜひご期待ください。





田原基成さん

タワーオブロンドン・ダノンスマッシュほか、2019スプリンターズS出走予定馬16頭分析

スプリンターズSが行われる今週。グランアレグリア、ステルヴィオのGI馬2頭が回避したことは残念だが、混迷を極めるスプリント路線で覇権を握るべく多士済々なメンバーが集まった。その一方で、直近5年において3連単10万オーバーは4回。荒れるレース傾向は明確で、穴馬発掘に視線が向かう舞台と言えよう。

そこで今回のコラムでは、2019スプリンターズSに出走予定の16頭をあらゆる角度から分析してみたい。私なりの視点で捉える16頭の判断基準が、あなたの予想の参考になれば幸いだ。

・アレスバローズ
典型的な夏馬で、昨年はこの時季から下降曲線をたどった。その状況に加えて前走よりはるかにメンバー強化となる今回、厳しい戦いは避けられないだろう。

・イベリス
古馬との初対戦となった前走セントウルSは3着。直線でミスターメロディに何度もぶつけられつつ芝1200mでの馬券圏内率100%をキープした点は評価すべきだろう。中山経験がないマイナス材料こそあれ、急坂コースの阪神芝で牡馬混合重賞を含む2勝は立派。軽視は禁物だ。

・セイウンコウセイ
過去2年、それぞれフタ桁着順と相性の悪いスプリンターズS。コース適性を危惧する声もあるかと思われるが、私はローテーションが影響したものだと捉えている。中10週以上の休み明け成績【0-1-1-6】、叩き2戦目【1-3-0-3】、叩き3戦目【2-0-0-1】。要するに叩き良化型なのだ。過去の反省を活かし、今年はCBC賞→キーンランドCを経て叩き3戦目での参戦。「臨戦過程の妙」を感じられる今年は侮れない。

・タワーオブロンドン
強行軍にも思えた前走セントウルSだが、終わってみればレコード勝ち。京王杯SCといい、高速馬場に対する適性の高さは現役屈指だ。とはいえ気になるのは夏を連戦した疲労。過去のサマースプリントシリーズ覇者はスプリンターズSで【0-2-2-8】と勝利を掴めておらず、C.ルメール騎手も芝1200mGIでは【0-0-1-3】と「ルメール基準」では不安定を欠く印象あり。自身中山芝未経験という点も引っかかり、全幅の信頼を置くには躊躇してしまう。

・ダイメイプリンセス
オープンクラスで連対をはたした4戦すべて直線平坦コース。昨年4着もイン伸び馬場の恩恵を受けた印象は否めず、上積みには疑問が残る。

・ダノンスマッシュ
スプリント戦線に矛先を向けた昨夏以降、6戦中5戦で馬券圏内。抜群の安定感は評価すべきだが……その間に計時した上がり3Fで3位以内はわずかに一度。勝ち方にインパクトがないため、私はこの馬に対して「絶対的な強さ」を感じないのだ。京阪杯・シルクロードSは内枠からロスなく抜け出す競馬、キーンランドCは激流かつ外伸び馬場を見越して通常より後方のポジション。自在性は評価できるが、どんな競馬でも勝てる印象を与えてはくれない。今回の舞台は唯一芝1200mで3着内を外した急坂コース。この馬もまた、全幅の信頼を置くには二の足を踏んでしまう。

・ディアンドル
デビュー以降、一度も芝1200m以外を使われていない馬。3歳クラシック出走権を満たす賞金があるにもかかわらず見向きもしなかった。純然たるスプリンターに育てるシルク×ノーザンの狙いがあると思われるが……過去10年のスプリンターズSにおいて1400m以上の距離未経験馬が3着内に入ったケースはゼロ。香港馬ですらクリアしていた条件に該当しない点をどうとるか。個人的には、ラスト1Fの我慢比べでマイナスに働く懸念を抱いてしまう。

・ノーワン
スプリント戦も中山芝も未経験。強調材料は乏しい。

・ハッピーアワー
休みを挟んでもなお、ゲート難は解消されず。芝1400m【2-2-0-0】の戦績を踏まえると、距離延長のスワンSが狙い目か。

・ファンタジスト
五分のスタートを切った前走はハイペースを先団で追走。最後まで渋太く粘り連対を確保した。こうなると北九州記念の惨敗理由が気になるところだが、管理する梅田師いわく「パドックでもゲート裏でも寝ようとしていた。バカンスに来たぐらいに思っていたのでは」。長年競馬に携わるなかで初めて聞いたコメントだ。いずれにせよ、有力馬との比較で中山芝経験がある点は魅力。連下候補としてマークしておきたい。

・マルターズアポジー
正直なところ、この馬が参戦する意図がまったくわからない。短距離で刺激を与えて次走距離延長時に楽をさせるためか……。いずれにしろ、中山芝1200mは合わないだろう。

・ミスターメロディ
エイシンフラッシュ、ストレイトガール、ステファノス。「藤原英厩舎の叩き2戦目」はもはや格言として成り立っている。当然この馬にも過去の再現を期待したくなるが……前走内容に見どころはひとつもなく、右回りと外枠への不安を露呈しただけ。高松宮記念は枠の利を存分に受けた一戦だけに、当時並みの期待値を求めるのは酷と言わざるを得ない。個人的にこの馬は芝ダート問わずの二刀流だと思っている。私が想像する未来は、ここを凡走したのちの根岸S→フェブラリーSローテだ。

・モズスーパーフレア
初角2番手以下成績【1-0-0-6】に対し、初角先頭時【5-1-1-2】。これほどわかりやすい逃げ馬もいないだろう。なお、初角先頭時成績から左回りを抜くと【5-1-1-0】。よりわかりやすい馬へと進化した。プラス26キロの馬体重で臨み、逃げ戦法を選択しなかった前走はスプリンターズSへの伏線。やることは決まっている。再度のチャンスをもらった鞍上が、断固たる決意で先手を奪い切れば勝ち負けだ。

・ラブカンプー
古馬に混じって快進撃をみせた昨年から一転、今年は当時の見る影もない成績に。今年は3-4コーナー付近でレースをヤメてしまっており、復活への道は険しい。

・リナーテ
本格化を遂げた今年は1200-1400mで大崩れなし。GIの舞台でも期待がかかるものの……テンに速く、ラストに坂が待ち受ける中山芝1200mは癖だらけの条件だ。当舞台未経験かつ、ステイゴールド産駒は中山芝1200mで58戦未勝利。ハッピーアワー同様、スワンSで食指が動く1頭だ。

・レッツゴードンキ
2歳夏から7歳秋まで大きな故障もなく20度目のGI参戦。この馬の馬主孝行ぶりには本当に頭が下がる思いだが……今回は決して「参加賞」にとどまらない可能性を秘める。昨年のスプリンターズSは極端なイン伸び馬場を外から鋭進し5着、今年の高松宮記念は直線で進路を失う不利がありつつ勝ち馬から0秒3差……いずれも上がり3Fは最速だった。イメージは2006年16番人気3着馬タガノバスティーユ。距離ロスを極限まで防いだイン突きなら上位進出の可能性は十分だ。







田中正信さん

スプリンターズS、全頭の調教診断

皆さんこんばんは。
今週はスプリンターズSの全頭追い切り診断。秋GIの開幕戦ということで、いつもより厚めに見解を記していきます。情報規制の対象となっている事情もあり、土曜更新のピックアップはお休みになりますので、今回はこちらの全頭診断をご参考にしていただければ幸いです。

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スプリンターズS・全頭診断
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■アレスバローズ
坂路で単走。やや首が高く、ハミにも抵抗するような感じがある。よそ見するシーンもあった。れでも後肢はダイナミックにウッドチップを蹴り上げているし、ラスト1Fでは前を向いて集中した。集中する時間帯がもう少し長ければと思うが、タイムは悪くない。この馬なりに出来上がったという感じだがGIには足りないように思える。

■イベリス
坂路で併せ馬。パートナーの直後にもぐり込んで、残り1Fでサッと横に出し、スピードを上げて抜け出す形。目標が明確なのは非常にいいことだ。逃げてアーリントンCを制したが、セントウルS(3着)は他馬の後ろから。同じスタイルの競馬を目指す、その練習をしていると高らかに宣言したということ。動きに違和感は感じず、馬もだいぶ慣れてきた。この進化ぶりは頼もしい。

■セイウンコウセイ
やればやるだけ良くなる馬。1週前の意欲的な追い切りに続いて、今週も直線でビシッと追って5F66秒2ー1F12秒3。体を柔らかく使えており、フォームも切れに切れている。前走からの上積みは必至。


■ダイメイプリンセス
坂路で併せ馬。完歩も大きいし、姿勢も低い。時折、後肢が派手にウッドチップを蹴り上げるし、僚馬をかわす時の迫力も上々。ただ、僚馬に並んだ時に一瞬、待ってみるとか、ゴーサインが出るまで我慢させるなどのメリハリが欲しいことは確か。このクラスになれば先着することは簡単。もう一つプラスアルファがあると良かった。


■ダノンスマッシュ
坂路で単走。一見して分かるが、他馬とは首の動かし方の迫力が全く違う。川田が追わなくてこれだから馬のモチベーションが一枚も二枚も上なのだ。レースや調教を嫌がらせない、安田隆厩舎の普段からの教育とは何と素晴らしいのかと思う。自ら後肢で蹴り上げるウッドチップの量もなかなかのものなのだが、他厩舎の馬が蹴り上げてダノンスマッシュの目の前に飛んできているのだが、それを全く怖がらないというか、気にしていないというところもさすが。調教に集中しているし、少々のことには気を取られない点が実に頼もしい。グッと横にも張ったトモもたくましい。


■タワーオブロンドン
レースはルメール騎乗だが、最終調整は北村宏。ジョッキーならではの感覚で最後のスパイスを効かせた格好だ。オーバーワークを避けるために、馬場のいい朝一番で単走追い。5Fから15秒5の走りで徐々に加速させる理想的な調教で、直線は持ったままはじけて1F12秒7。ダイナミックなフォームは、激戦の疲れどころか、益々パワーアップしている印象だ。馬体の張り、肌ツヤも絶好で、現時点でこれ以上無いほどの状態。


■ディアンドル
いかにもまだ3歳馬という幼さがある。首が高く、夢中で脚を動かしている感じは否めない。ただ、いい意味で調教に慣れ切ってしまった感じからはほど遠く、気持ち的にはフレッシュでスポンジのような吸収力にあふれている点は大きな魅力だ。かき込むようなフットワークも非常に見ていて気持ちいい。最後まで無我夢中なのだが好感度はかなり高い。

■ノーワン
随分と久しぶりになるし、前走オークスから距離も半分になるわけだが、前走で2400mを使っているだけあって、気持ちが前掛かりすぎていない点は悪くない。1200mを使った後はこうはいかないだろうが、ノンビリした雰囲気でレースを迎えられそうなことは悪い点ではない。最後は四肢も伸びやか。好走は難しそうだが仕上がりは悪くない。

■ハッピーアワー
3歳馬で、こちらも幼さが残る。完歩のたびに体が小刻みに揺れている感じがあり、ロスだなと感じる。ただ、馬の癖かもしれず、この揺れによって気分良く走れるというのであれば、それも個性ということで直す必要はない。馬体は細く見え、まだたくましさを身につけていない感じなのだが、それでも僚馬に並んでいく時は四肢に迫力があった。

■ファンタジスト
坂路で単走。他厩舎の馬が横に3頭並んでいたが、それでも泰然自若。自分のペースでラチ沿いを上がった。これは非常にいいこと。勝負どころの馬混みで自分の走りだけに集中できるのは大事なことだ。悠々と大きい完歩。ハミを掛け直しただけでスピードがグッと上がったあたり、スタッフによる教育が行き届いているなと思わせた。

■マルターズアポジー
内目を通って時計は出たが、さばきの硬さ、気配は好調時の出来とはかけ離れている。変わり身は見込めない。


■ミスターメロディ
中2週だが芝コースに入れ、福永騎手を乗せてきた。これはズバリ、勝負手だと思う。馬も芝でスピードが乗って楽しく思えるのか、飛ばし気味。福永騎手が懸命に抑えた。これが陣営が思い描いた追い切りなのだと思う。休み明けで凡走した前走に恐らく馬は納得していない。そこである程度、奔放に走らせることでのガス抜き。これが狙いだろう。最後は大きい完歩で伸び伸びと走った。思い通りにできたのでレースでは素直に従ってくるはず。反撃の態勢は整った。

■モズスーパーフレア
松若騎手を背に坂路単走。鞍上の体重が軽いと馬はどうしても飛ばしたくなるものだが、そこで自分のペースを守れた点は評価していい。前肢を前に送り出す動きが大きく、これが推進力の源。馬場も荒れた時間帯だが、ラスト11秒7は非常に優秀。深くなったウッドチップをものともせず、四肢をパワフルに動かしたことは高く評価したい。

■ラブカンプー
実戦では2桁着順が続くが、追い切りを見る限りはいつも悪くない。このあたりが競馬の難しさ。併せた相手に迫る時も、パートナーの方に首を向け、闘志を発散している。前脚のかき込みにも力があって、なぜこの仕上げでレースで力を発揮できないのか。恐らく陣営も首をひねっていることだろう。最後は先着。調教自体は完全に合格点に達している。

■リナーテ
坂路でウッドチップが舞う量は1つの参考となる。それだけウッドチップの奥深くに脚が食い込みそこから力強く上に引き上げているから、チップが舞うのである。パワーを判断する1つの明確な材料にはなる。最もウッドチップが派手に舞ったのがこの馬。前脚が前方遠くに深く刺さるので前脚からも舞う。そして後肢からも舞う。なかなかのパワー。血統の良さがついに開花する気配すらある。

■レッツゴードンキ
7歳秋だが相変わらずの迫力だ。四肢は引き続き、しっかりと膨らんでいる。胸前の筋肉もたくましくそこから動く前肢のさばきのパワフルさも素晴らしい。しっかりと前を向いて集中し続けている点にも注目。飽きることなく調教に臨めることがこの馬の競走馬人生を伸ばしてきたといえるだろう。





亀谷敬正さん

【スプリンターズS】新次元の馬場と芝1200のレコード決着に強い血統

高速馬場である今開催の中山芝への適応性を重視


 今年の中山芝は例年以上に時計が出ます。(正直申しますと、例年通りと思ってコメントした馬場に関する記事、動画は忘れてほしいぐらいです)

 開幕週の京成杯AHはトロワゼトワルが1分30秒3のレコードタイムで優勝。驚くべきは、1分6秒台で1200mを通過しながら、道中は余裕があったこと。

 思い返せば、昨年のジャパンカップでレコードを出したアーモンドアイも道中は余裕の追走でした。

 トロワゼトワルとアーモンドアイはいずれもロードカナロア産駒。「新次元の馬場」に適応性が高い種牡馬といえるでしょう。

 また、ロードカナロアは父父がキングマンボ。「キングマンボ系種牡馬」も今開催の中山芝には好相性。9月の中山芝重賞レースの勝ち馬4頭のうち3頭は父がキングマンボ系です。

 ダノンスマッシュは父がロードカナロア。さらに母父のハードスパンはダンチヒ系。

 ダンチヒも芝のレコードが出る短距離に強い血統。JRAの芝1200mレコードを記録しているアグネスワールドは父がダンチヒ。芝1400mのレコードを出したマグナーテンも父ダンチヒ。トロワゼトワルにレコードを破られる前に芝1600mのレコードを記録していたのもダンチヒ系のノームコア。

 管理するのはトロワゼトワル、その父ロードカナロアも育てた安田隆行厩舎。カナロアの血を育むことを知り尽くしたスタッフ。

 新次元の馬場に強い父に加え、古くから芝1400m以下の高速決着に強い母父。今の馬場に最適です。
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