重賞データ分析・小林誠

【秋華賞】今年もなんだかんだで堅く決まる!?

■秋華賞(G1・京都芝2000m内)フルゲート18頭/登録19頭

★3行でわかる!秋華賞 攻略の糸口
1. 近年はとにかく堅い。上位人気から素直に流すべき。
2. 総合力が問われる一戦。決め脚だけでなく器用さも必要。
3.前走での着順が今回に直結。巻き返しのきかないレース。

データ特注推奨馬
 ★現時点ではなし

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 荒れまくっていた時代は何だったのか──と思ってしまうほど、堅い決着が続いている近年の秋華賞。コースは同じなのに、傾向がここまで大きく変わるというのは、かなり珍しいケースといえる。現在では、数あるG1でもトップクラスの「堅さ」を誇っており、穴狙いが非常に難しいレースと化している。

 過去10年の勝ち馬はすべて3番人気以内で、2着馬もすべて7番人気以内。15番人気で3着に激走した、2013年のリラコサージュのような例もあるにはあるが、この再現を狙うのはかなり難しいだろう。上位人気馬を軸に取って、そこから素直に流すような馬券で勝負したほうがいいレース。手広く勝負するのではなく「絞る」ことに注力したい。

 あまりにも堅く決まっているレースなので「特注」感には乏しいが、かなり重視したいのが鞍上の騎乗パターンだ。G1らしくハッキリと「継続騎乗>乗り替わり」という傾向が出ているのと、関東所属騎手がサッパリの結果に終わっているという2つのポイントが、ここから見てとれる。とくに目立つのが関東所属騎手の不振で、トータル[1-2-0-55]で複勝率5.2%、複勝回収値9ではさすがに手を出しづらい。

 あとは、勝ち負けに「適度な機動力と器用さ&適度な決め脚」を求められる、総合力が問われる型のレースであること、前走からの巻き返しがまったくきかないレースであることなども、予想する上での重要なポイント。前走着順が今回の成績に直結する──と考えるべきだろう。


【コース総論】京都芝2000m内 Aコース使用
★内回りながら意外に紛れがないコースで、中穴を2~3着で狙うのが面白そう。
★極端な差はないが、やや内有利の傾向。ひとケタ馬番の馬はプラス評価対象。
★前も残るが、やや差し優勢のコース。勝ち負けには鋭い決め脚が要求される。

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 正面スタンド前からの発走で、そこから内回りコースを約1周チョイ回る、京都芝2000m。多少の高低差はあるが、まるでローカルのようにオーバルなコース形態となっており、さらに最後の直線も約330mと短いので、勝ち負けには小回り向きの機動力や器用さも要求されてくる。京都芝のなかでも、やや特殊なコースといえるだろう。

 まずは人気別だが、基本的には人気サイドが強いコースである。16頭立て以上の多頭数に限定したデータにおいても、ふたケタ人気の超人気薄はトータル[1-4-6-462]で複勝率2.3%、複勝回収値28と期待薄。高配当を狙うにしても、7~9番人気から攻めたほうがいい。大穴の激走率が低いぶん、中穴の好走率はけっこう高め。4~6番人気や7~9番人気は、積極的に買う価値がある。

 次に枠番別成績だが、結論としてはやや内枠有利。平均人気に差があるので過剰に高く評価するのは避けたいが、馬番1~4番や5~8番など、内のほうが全体的に好内容である。この両方のギャップ値がプラス圏で、人気よりも上の着順に来るケースが多いというのも、高評価する理由のひとつ。ひとケタ馬番に入った馬は、少しプラスに評価したい。

 最後に脚質。先行勢と中団待機組の成績が拮抗しているが、内容的には後者のほうがやや優秀といえそうだ。最後の直線が短い内回りながら、逃げた馬が意外なほど粘れていない。最速上がり馬が好成績を残しているように、決め脚の鋭さも要求されてくる。「差し→先行」決着や「差し→差し」決着となる確率が高いという想定で、馬券を組み立てたほうがいいだろう。


【レース総論】秋華賞(G1) 過去10年
・レースの要所!
★過去10年の勝ち馬はすべて3番人気以内。相手も紛れず、かなり堅く決まる。
★馬番1~6番が高信頼度も平均人気差が大きい。外枠からの一発を警戒したい。
★脚質面での傾向はコースデータ通りだが、後方に置かれるとゲームオーバー。
★前走重賞で掲示板が好走の必要条件。躍進が目立つ紫苑S組も要チェックか。

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 レースの平均配当は、単勝421円、馬連1642円、3連複1万884円。単勝平均と馬連平均の低さは、全G1のなかでもトップクラスだろう。一昔前は「荒れるG1」の代名詞的存在だったが、現在はすっかり鳴りを潜めている。ここまで極端に堅い結果が続くと、そろそろドカン!と荒れそうではあるのだが、「まだはもう、もうはまだ」という相場の格言もあるように、そこを狙いすますのはなかなか難しいものだ。

 というわけで、平均配当の低さが示しているように、かなり堅く決まる傾向。過去10年の勝ち馬はすべて3番人気以内で、2着馬も10頭中9頭までが6番人気以内である。フルゲート18頭でありながら、ふたケタ人気馬は[0-0-1-57]と、ほぼ壊滅状態。7~9番人気でさえも買いづらいという、極端なまでに堅い結果となっている。近年の傾向からは、堅い馬券で勝負すべきレースといえるだろう。

 枠番については、コースデータと同様にやや内枠有利の傾向が見受けられる。ただし、平均人気の差が大きいのも事実で、この成績差が「能力」によってもたらされている部分は、けっこう大きいだろう。それでも多少は内有利だと思うが、過信は禁物。無理は承知で「人気薄での一発」を期待するなら、外枠に入った馬を1着で狙うのが面白そうだ。

 脚質面も基本的にはコースデータ通りで、先行勢と中団待機組の成績が拮抗。ただし、4コーナーを13番手以下で回った後方待機組はトータル[0-3-0-46]と壊滅的な成績で、コースデータ以上に追い込めていない。このあたりが「G1での内回り」ということなのだろう。後方から一気の末脚で勝負するようなタイプは、人気でも評価を大幅に割り引きたいところ。やはり、勝ち負けになるポジションを取れる機動力や器用さが欲しい。

 前走クラス別や前走レース別では、当然ながら最重要トライアルであるローズS組が中心。ただし、その内容には意外なほどに見るべきものがないので、注意が必要だ。出走馬のレベルがいちばん高いのは事実だが、近年の「勢い」でいえば、重賞に昇格して以降の紫苑S組のほうが上。こちらを上に取る手も十分にありそうだ。

 そして最後に、好走の「必要条件」について。非常に大きな差が出ているのが「前走5着以内馬」と「前走6着以下馬」で、後者が馬券絡みするのはかなりのレアケース。前走大敗からの巻き返しがきくレースではないと、しっかり認識しておく必要がある。当然ながら前走重賞組のほうが強い一戦であり、「前走重賞で5着以内」という条件を満たしているかどうかが超重要。この条件を満たしていない馬は、大きな割引が不可欠といえる。


【血統総論】

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 血統面は、ディープインパクト産駒、ハービンジャー産駒など、5種牡馬の産駒をプラス評価の対象とした。複勝率42.9%をマークしている、ディープインパクト産駒が見せているコース適性の高さは、やはり驚異的。あとは、ジャスタウェイ産駒も好内容で、こちらは単勝適正回収値114.8と爆発力も秘めている。勝利数こそ少ないが、ヴィクトワールピサ産駒も侮れないところ。血統的にも「混戦」といえるだろう。


★特別登録馬 総論×各論

 ローズSもそうだったが、今年は桜花賞馬グランアレグリア、オークス馬ラヴズオンリーユーの両方が出走しない秋華賞となった。そうなれば、通常であれば混戦模様となるはずなのだが、近年の異様なまでの「堅さ」と考えると、それでも順当に決まってしまう可能性が高そう。ダノンファンタジー、カレンブーケドール、クロノジェネシスなど、上位人気馬から「どう買うか」が主題となりそうだ。

 トップ評価は、いたってフツーにダノンファンタジー。前走のローズSでは、これは負けた──と思ったところからビーチサンバ以下をねじ伏せるという、非常に強い内容を見せた。1ハロンの距離延長が課題とはなるが、折り合いをつけてうまく流れに乗れれば、内回りコースならば我慢できそう。勝てるとまでは断言しないが、馬券に絡む確率はもっとも高いと思われる。

 二番手評価にビーチサンバ。ローズSでのダノンファンタジーを高く評価する以上、それにクビ差の接戦まで持ち込んだこの馬も、やはり高評価すべきだろう。オークスでの大敗で人気を落としていたが、得意とする距離に戻れば、その力はやはり世代でも上位。こちらもダノンファンタジーと同様に距離延長がプラスには働かないだろうが、それでもギリギリ我慢できるとみた。

 三番手評価にカレンブーケドール。前走の紫苑Sは3着に敗れたが「負けるならばこのパターン」という想定通りの結果でもあり、秋の緒戦としては上々の結果といえる。ひと叩きされた効果は間違いなくあるはずで、このコースやレースに向きそうという意味では、この馬がナンバーワン。コース替わりと叩かれた効果で、前進を期待する。鞍上が関東所属の津村騎手であるのが、もっとも評価を割り引いた項目だ。

 以下はクロノジェネシス、コントラチェック、フェアリーポルカ、シゲルピンクダイヤという評価の序列。このまま買ってもトリガミ必至級に儲からないと思われるので、直前の人気や枠番といったファクターも加味して、買い目を徹底的に絞った3連単で勝負をかけたいところである。
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