秋華賞週

【関西事情通のちょっとイイ?話】

●既成勢力よりも新興勢力●

桜花賞馬・オークス馬不在の秋華賞。唯一のGI馬であるダノンファンタジーが、トライアルのローズSを快勝したことで恐らく1番人気に推されることだろう。

もちろん、勝つ可能性のある1頭に間違い無いのだが、今年の秋華賞は、春の2冠の勝ち馬が居ないのならば、既成勢力より新興勢力に注目してみたい。

7月の中京以来のぶっつけとはなるものの、5戦3勝で連勝中のエスポワール。そのレース振りの見た目のインパクトも注目だが、鞍上が決まる過程を考えても注目と言える。

そもそも、その3勝全て手綱を取っていたのはミルコ。ただミルコにはオークス馬ラヴズオンリーユーの存在があり、早い段階でシュタルケに打診があった。もう何回も来日しているだけあって日本の競馬を良く知るシュタルケ、GIでチャンスのある馬に乗れるとあって、今年の残りの短期免許期間をここに合わせて来日を決めた。

実際、両方の手綱を取っていたミルコにしても、片やGI馬で片やまだ条件馬、実績的には雲泥の差ではあるが、どちらが上なのか評価できないというほど、エスポワールにも素質を感じていた。この馬のために来日するとしても、十分理解できる存在だろう。

しかし、その後ラヴズオンリーユーの回避が決まりミルコが宙に浮いた。ここで普通なら乗り替わりがあってもおかしくないのだが、オーナーと調教師サイドの意向で、来日が決まっているシュタルケをそのまま起用することで落ち着いた。

前記通り、日本の競馬を良く知るシュタルケは、ミルコが空いた時点では乗り替わりを覚悟していたそうだ。ゆえに、替わらず乗せて貰えることへの感謝の気持ちは当然大きい。

1週前追い切りでエスポワールの手綱を取り「集中力を欠くところはあるもののかなりの能力を感じた」と話し、来日初週の先週は2勝を上げまずまずの滑り出し。

また、馬場悪化は濃厚で、道悪好走実績のあるエスポワールにとっては追い風が吹いていると言えるだろう。

まだ日本でのGI勝利は無いシュタルケだが、地元ドイツではダービー7勝、それ以上に凱旋門賞を勝利しているジョッキー。日本でのGI制覇は時間の問題と言える。

次週の菊花賞、そしてその翌週の天皇賞では今のところ騎乗予定が無く、今回の来日ではここが最大のチャンス。

前述通りオーナーサイド・調教師サイドへの感謝の気持ちとともに、自らの日本でのGI制覇へ向け、ここ一発の騎乗が見られそうだ。

エスポワールと鞍上のシュタルケ、注目してみたい。

【美浦の『聞き屋』の囁き】

●秋華賞のあれこれ、その2●

フローラSは5着、オークスでは16着、と春は歯が立たなかったフェアリーポルカだが、ひと夏を越して迎えた紫苑ではオークス2着のカレンブーケドールに先着する好内容の競馬で秋華賞の優先権を獲得。

ただ、この時点で手綱を取った三浦騎手は秋華賞当日の東京で予定を組んでおり、メインレースのオクトーバーSでは有力候補に騎乗予定だった。

その有力馬を断るのはオーナー、調教師を考えると難しいということで、1度はフェアリーポルカの秋華賞での依頼を断ったようだが、紫苑Sの走りからどうしても乗りたいと気持ちが傾いて、直談判でその有力馬を断りに行ったところ、揉めることなく断ることができてフェアリーポルカとのコンビ継続となった、とのこと。

関東リーディング2位、自己最多の91勝を超えるペースで勝ち星を重ねており、今年は好調そのもの。

いい時はすべてがいい方向へと回るのかもしれない。

【美浦の『聞き屋』の囁き】

●秋華賞のあれこれ●

桜花賞馬グランアレグリアとオークス馬ラヴズオンリーユーを欠くこととなった秋華賞。

どの陣営も色気あり、といった感じで混戦ムード。

ここで注目したいのは、新興勢力組のパッシングスルーとサトノダムゼル。

パッシングスルーの鞍上は戸崎騎手、サトノダムゼルの騎手はデムーロ騎手。

一見すると、前走と同じままのコンビ継続なのでなにもないように見えるが、実は色々とあったのだ。

どういうことかというと、戸崎騎手は紫苑Sではパッシングスルー、ローズSではウィクトーリアに騎乗。

結果はパッシングスルーは1着、ウィクトーリアは3着。

この結果を踏まえて戸崎騎手が選んだのがウィクトーリア。

すぐに鞍上を確保したかったパッシングスルー陣営が選んだのがデムーロ騎手。

その後、サトノダムゼルが勝ち上がり秋華賞での騎乗依頼を打診したが、パッシングスルーをすでに受けていたデムーロ騎手は当然断るしかなく、サトノダムゼルは出否も含めて未定となった。

そして、すでにご存知のとおり、ウィクトーリアが故障してそのまま引退。

秋華賞での騎乗馬がなくなった戸崎騎手だが、ウィクトーリアとパッシングスルーがともにノーザンファーム主導の依頼だったので、なんの問題もなかったかのようにパッシングスルーが戸崎騎手のもとへ。

もっともアオリを受けたデムーロ騎手はすぐさまサトノダムゼルへ騎乗を志願。

出否未定だったこともあり、まだ鞍上が決まっていなかったので、こちらも問題なくデムーロ騎手のもとへと戻ってくることとなった。

馬の故障という不測の事態で仕方のないことではあるが、玉突き的に鞍上が変わって、その結果がなにもなかったように収まった不思議な乗り替わりがあった。

戸崎騎手が最初に選んだのはウィクトーリアだった、これは覚えておいてもいいかもしれない。







栗山求さん

京都11R 秋華賞(G1) 芝2000m OP 馬齢

◎8カレンブーケドール
○15コントラチェック
▲1ダノンファンタジー
△5クロノジェネシス
△11フェアリーポルカ
△17エスポワール

<見解>
◎カレンブーケドールは
「ディープインパクト×スキャットダディ」という組み合わせ。

母ソラリアは南米チリ産で、
牝馬ながら同国のダービーを含めて3つのG1を制覇し、
年度代表馬に選ばれた女傑。

ダービー(芝2400m)の勝ちタイムは
2分23秒34というトラックレコードだった。

その一方で、道悪の芝マイルG1を勝っており、
晴雨兼用というタイプだった。

前々走のオークス(G1)は積極策で直線先頭に立ち、
勝ったラブズオンリーユーからクビ差の2着。

馬場コンディションが良かったとはいえ
走破時計は2分22秒8と従来のオークスレコードを更新するものだった。

母の父がスキャットダディなので、
単純なスピードタイプではなく、
母と同じようにパワーも兼ね備えている。

ドロドロの不良馬場ならともかく、
並程度の重馬場ならこなせるはず。

日曜日の京都競馬場は晴れるので、
レースが行われるころには稍重程度に回復する可能性が高いと思われる。

パフォーマンスが低減することはないだろう。

ディープインパクト産駒は秋華賞を過去4勝(2着3回)。

京都芝内回りコースだけに前に行ける脚質なのもプラス材料だ。

前走の紫苑S(G3)は3着に敗れたが、
状態は七分程度で本番への叩き台という雰囲気だった。

今回は一度使った上積みが大きい。

オークスの内容から
トップクラスに引けを取らない能力を備えている。








田原基成さん

【秋華賞】波乱の使者はアノ馬に託す。本命に迷いはない。/京都8R 3歳上1勝クラス

【京都11R 秋華賞】

「残機ゼロ」

2019年10月7日、私が観た光景だ。

その場所は横浜。シトシトと降り注ぐ雨を照らすのは眩いばかりのカクテル光線。地響きのような歓声が絶え間なく続く。

横浜DeNAベイスターズ、クライマックスシリーズ敗退。

いま持てる力のすべてを出し切った結果、冒頭に記した言葉が真っ先に浮かんだ。余力のある選手など誰ひとり残っていない。それは死闘を繰り広げた阪神タイガースにも言えること。何かと批判も多いプレーオフ制度だが、この戦いを眼前にしてもなお同じ想いでいられるだろうか?

試合後、チームを牽引してきたキャプテン・筒香嘉智がチームを去る意向を示した。彼が見据える舞台はアメリカ。その決断を称えつつ、大手を振って送り出すのがファンの役目。不動の4番不在という「残機ゼロ」の状態から来年は始まるのだ。下を向いている暇などない。

話を秋華賞に移す。

GI戦線もまた、残機との戦い。昨年はアーモンドアイが前哨戦を使わない直行ローテで三冠達成。2着ミッキーチャームも約2カ月の間隔をあけた馬だ。高速馬場化に拍車がかかり、サラブレッドへの負担が増す近代競馬。「ホース・ファースト」の観点に則れば妥当な判断と言えよう。

それを踏まえ、今年の主な有力馬をローテーション別に確認していきたい。

【中10週以上の休み明け】
・クロノジェネシス
・コントラチェック
・エスポワール

【叩き2戦目】
・ダノンファンタジー
・ビーチサンバ
・カレンブーケドール
・フェアリーポルカ
・シゲルピンクダイヤ

【叩き3戦目】
・パッシングスルー

【叩き4戦目以上】
・サトノダムゼル

ここから軸馬選定作業がはじまるわけだが、過去10年において叩き4戦目以上のローテは【0-1-0-23】。中10週以上の休み明けはGI馬or前走勝ち馬の好走がほとんど。今年のメンバーを見渡したとき、このゾーンから中心馬を据えるには心もとない。

上記に挙げた馬から、条件に該当するのは以下のとおり。

・エスポワール
・カレンブーケドール
・フェアリーポルカ
・パッシングスルー

私の本命候補として残った4頭を詳しく分析する。

まずはエスポワール。

ワールドプレミア、メイショウテンゲン、タガノディアマンテ……重賞好走馬3頭を輩出したエスポワールの新馬戦は世代屈指のハイレベルレースだった。その後わずかな足踏みもあったが、休みを経て臨んだ近2走はいずれも上がり3F最速の脚で連勝。いよいよ本格化の香りが漂う。前走シンガポールTC賞の勝ち時計2分0秒8は中京競馬場リニューアル後における最速。重賞11連対中9連対が急坂というオルフェーヴル産駒の適性は気がかりだが、GI即通用の可能性は十分だ。

次にカレンブーケドール。

12番人気の低評価を覆す激走をみせたオークス。ディープインパクト×ストームキャット系の配合馬だけに春の東京高速馬場は大好物なのだろう。1分58秒台が珍しくないこの舞台でも期待が集まるが……日曜京都は台風19号の影響で渋った馬場が濃厚。休み明けとはいえ外からパッシングスルー、内からフェアリーポルカに差された前走紫苑S内容も気がかりで、初の関西圏も含め上積み材料には乏しい。

フェアリーポルカはどうか。

オール野芝の前走紫苑Sを上がり3F33秒台、1分58秒3で走破。時計のかかる馬場巧者のイメージを持っていただけに、この好走には驚かされた。秋華賞当日は渋った馬場が想定されるが、同馬の近親リオンリオンは馬場が渋った青葉賞、セントライト記念を勝利。デニムアンドルビーも稍重-重で行なわれた重賞2勝と一族の道悪適性は折り紙済みだ。これで内枠を引き当てることができれば、単なる穴馬にとどまらない可能性を秘める。

最後にパッシングスルー。

外回りコースで切れ味に屈した4・3走前から一転、2000mへの距離延長で先行押し切りを決めた近走。とりわけ1000m通過59秒7の前傾ラップを4角先頭で突き抜けた2走前は小回り適性の高さを証明するものだった。関東馬のなかで数少ない関西圏経験馬。念には念をと栗東滞在で臨むローテーションにも好感が持てる。

どこから入るべきか……。

初志貫徹、ここはフェアリーポルカに本命の印を託す。

理由は前述のとおりだが、補足があるとすればデビュー戦のパフォーマンス。開催最終週、上がりのかかる冬の芝で最内から鮮やかに抜け出したレースが忘れられない。タフな馬場・展開は願ってもないものだ。

加えて強調したいのが対牡馬成績。

私が考えるこの世代の脆さは「牝馬以外における対戦経験のなさ」。ダノンファンタジー、ビーチサンバ、コントラチェック、ブランノワール……いずれも馬券圏内は牝馬限定戦。いわゆる「対外試合」を積んでいない点に不安を覚えてしまう。

ヴェロックス。
リオンリオン。
ロードマイウェイ。

菊花賞で1番人気濃厚の馬に重賞2勝馬、そして古馬相手に4連勝を飾った馬。フェアリーポルカが若駒Sで戦った牡馬は強い。見逃せないのは、覇を競った舞台が秋華賞と同じ京都芝2000mだったことだ。

欲を言えばもう少し内枠がほしかったが、万事が上手く人生などありえない。何より重要なのは、自分の信念を最後まで貫き通すこと。仮にブレたとして「それっぽい馬を本命にする」結末が容易に想像できる。自戒の念を込めて言うが、京成杯AHにおける内枠のディープインパクト産駒・プロディガルサンを本命にした私のように。

前走馬体重はプラス16キロ。
大丈夫、残機はまだ十分だ。

波乱の使者はこの馬。フェアリーポルカの本命に迷いはない。

トライアルをスキップする臨戦過程が不気味なエスポワール、京都芝馬券圏内率100%のシゲルピンクダイヤ、芝2000m2戦2勝のパッシングスルー、稍重2戦2勝のブランノワールまでを3連複フォーメーション2列目に設定。

【京都11R 秋華賞予想の印】
◎11 フェアリーポルカ
〇17 エスポワール
▲14 シゲルピンクダイヤ
☆16 パッシングスルー
△1 ダノンファンタジー
△5 クロノジェネシス
△18 シングフォーユー

【3連複/フォーメ】11-17,14,16-17,14,16,1,5,18(12点)


【京都8R 3歳上1勝クラス】

日本馬の挑戦は、またしても惨敗で幕を閉じた。

海外馬券が発売されるようになってから早3年。日本競馬を支配している「馬券識者」は海外競馬にもその手を伸ばしている。凱旋門賞でそこそこの人気に推された日本馬だが、3連系の馬券ではまったくと言っていいほどの低評価。

9番人気1着-1番人気2着-3番人気3着。

この組み合わせで3連複2490円には驚かされた。さすがにみんな、上手すぎだろう。

さて、凱旋門賞といえば武豊と石橋守のストーリーも欠かせない。

石橋守を背に皐月賞・日本ダービーを勝利。翌年の天皇賞(春)も制し、競馬界の主役となったメイショウサムソン。野球・サッカーをみればわかるように、日本制圧完了後の視線は世界へと向く。国内最強馬の凱旋門賞挑戦は自然なことだ。

ここで浮上したのが鞍上。

「大ベテラン」と呼んで差し支えないポジションにあった当時の石橋守。とはいえ国際経験豊富とは言えず、フランスの馬場に対する事前知識に乏しい。乗り慣れた現地の騎手に任せるべきか……。

陣営がとった策は、武豊へのスイッチ。馬インフルエンザの影響で4歳秋の遠征は立ち消えとなってしまったものの、大一番で重要視したのは経験値だった。石橋守は武豊が尊敬する人物のひとり。勝負の世界とはいえ、万歳三唱で乗り替わりを受諾するのは心苦しい。

ところが、石橋守は違った。

「自分からも頼みたいくらいです、そうしてください」

この一言が武豊の決意を生み、天皇賞春秋連覇の偉業へとつながった。フランスでの戦いは10着に終わったが、日高の馬が最高峰の舞台に立った意味は大きい。そして石橋守の懐の広さ……社台ノーザンお抱えの外国人ジョッキーがGIを席巻するなか、こういうのも人間味らしくて私は好きだ。

今回、メイショウオニテは武豊と石橋守のタッグで臨む。

「コイツのために頑張ろう」という精神論が競馬の世界に働くとすれば、このコンビが該当するのだろう。2019年を例にとると【4-1-2-1】複勝率87.5%。唯一の馬券圏外は競走中止だから、実質100%に近い。

馬自身、中間の坂路では4F49秒9と自己ベストを2秒も更新。ひと夏を越して馬がグンと成長してきた印象だ。サクセスエナジー、シュウジ、ヒラボクラターシュ……砂路線のオープン馬を多数輩出するキンシャサノキセキ産駒。初ダートがマイナスになるリスク以上にプラスに転じる可能性に食指が動く。

武豊×石橋守。
初ダートのキンシャサノキセキ。
昨年制した秋の京都1400m。

賽は投げられた。メイショウオニテの本命に迷いはない。

【京都8R 3歳上1勝クラス予想の印】
◎11 メイショウオニテ
〇1 グランドビクトリー
▲6 アシャカリアン
☆10 ナムラシェパード
△3 コパノマーティン
△7 トウカイオラージュ
△12 ドラセナ
△5 キセキノツヅキ
△9 クオンタムシフト

【3連複/フォーメ】11-1,6,10-1,6,10,3,7,12,5,9(18点)







競馬コラム「水島晴之の単複で買え」

カレンブーケドール早めスパートで押し切る/秋華賞

京都11R (8)カレンブーケドールで勝負したい。紫苑Sはスタートでトモを落としたのが敗因。体勢を立て直して出ていった分、3コーナーまでハミをかんでしまった。力んで走っては体力を消耗する。それを考えれば、鼻+半馬身差の3着は勝ちに等しい。
1回使って馬体の張りが良くなった。9日は坂路でドナアトラエンテ(古馬1勝クラス)と併せ、4ハロン52秒1-12秒3(馬なり)。追いつくまでに苦労したが、並んでからは余裕があった。国枝師は「体が大きく見えるね。体重は同じでも中身が違う」と上積みを強調した。
台風19号の影響で馬場は悪い。初めて道悪を経験することになるが、津村騎手が「まじめで勝負根性があり、勝ちたい気持ちが強い馬」というように、少々のことではへこたれない。強靱(きょうじん)な精神力があれば道悪もこなせる。
立ち回りの上手な馬で内回り2000メートルも合う。直線328メートルの直線なら、早めスパートから押し切れる。単1万円。(ここまでの収支 マイナス15万7100円)
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結果

京都11R ⑧カレンブーケドール 2着  複勝配当190円




日曜メインレース展望・柏木収保

【秋華賞】本物になってきた秋シーズンで激走に期待

この牝系なら、実績不足は死角にならない


 ジャパンCが創設されたころ、多くのファンの海外のビッグレースに対する注目が高まった。輸入種牡馬がどんどん増えた時期でもある。1982年、第2回ジャパンCの2着馬は、フランスの3歳牝馬オールアロングだった。父ターゴワイスはすでに輸入され、1981年から日本で供用されていた。オールアロングは4歳の翌1983年、凱旋門賞を快勝している。

 そのときの2着が3歳牝馬サンプリンセスだった。その父イングリッシュプリンスも、1981年からの日本の輸入種牡馬になる。春の英オークスを勝ったサンプリンセスは、そのとき3戦目。なんと未勝利馬だった。それなのに大差で勝っている。

 しばらくして、1996年の日本ダービーを勝ったのは、デビューしてわずか3戦目のフサイチコンコルド。2歳戦が組まれるようになった1946年以降、キャリア2戦の馬が勝ったのは初めて。数々のデータを粉砕する歴史的な快挙だった。

 フサイチコンコルドの母バレークイーン(父サドラーズウェルズ)は、サンプリンセスの産駒だった。祖母と同じ3戦目の快挙である。フサイチコンコルドの半弟ボーンキングも3戦目に2001年の京成杯を制して評価を上げた。さらにその弟のアンライバルドは、実績不足とされながら、5戦目に2009年の皐月賞を制している。

 また、07年の皐月賞を人気薄で制したヴィクトリー(祖母バレークイーン)は、そのとき史上最少出走タイの4戦目だった。

 輸入されたバレークイーン(その母サンプリンセス)の一族は、キャリア不足でも、実績は乏しくとも、素質全開の大仕事をするファミリーとなった。

 今秋の秋華賞の伏兵エスポワール(父オルフェーヴル)は、3代母がバレークイーン。4代母になるのがサンプリンセス。もう魔法のような快挙は達成できないかもしれない。今回が初オープン。それでいきなりGI挑戦。「穴人気買うべからず」の金言が当てはまりそうな気もするが、デビュー当時よりひと回り身体が成長し、休み明けの2走前も着差以上の完勝(上がり33秒1)なら、重馬場の前回も実にパワフルな圧勝だった。この牝系なら、実績不足を死角にしなくていいだろう。

 未完成で激走するため、フサイチコンコルドを筆頭に活躍期間の短い一族の印象はあるが、サンプリンセスは6戦目に秋の英セントレジャーを制している。つづく凱旋門賞を2着し、翌年の26頭立ての凱旋門賞は9着にとどまったが、人気のサドラーズウェルズが8着、のちにサクラローレルの父となるレインボークエストは、この年は18着だった(翌1985年にサガスの降着で1着)。

 重馬場で上位に入れなかった馬の凱旋門賞着順は(やめているので)あまり意味を持たない。サンプリンセスは通算【3-4-1-2】。3勝はすべてGI。早い時期に快走しただけの牝馬ではなかった。

 オルフェーヴル産駒のエスポワールはここまで【3-1-1-0】。いま本物になりかけたばかり。これから本物となる秋シーズンを迎えている。




坂井千明さん

【秋華賞の追い切り診断】クロノはいいフォームに/ダノンは相変わらず頭が高く…

■エスポワール【A】
体をしっかり使えていて首の使い方、脚の運びも良かった。気分良く走れているし、順調だね。この馬は伸びのある走りではなく、手先の返しというか、脚をかき込む感じの走り方だから重馬場は合うと思う。

■カレンブーケドール【A】
相変わらずトモが開く走り。ただ体は使えているし、首や脚の使い方も良かった。これも順調にきていると見ていいね。トモが開くような馬は地面に力がしっかり伝わりにくいから、力のいる馬場になると少し割り引いて見たほうがいいかもしれないね。

■クロノジェネシス【A】
体を使えている。そして、以前より首の使い方が良くなっている。トモがしっかりしてきたからだろう。頭の高い走りをしていたのが、今は首の位置が下がって来てバランスのいいフォームになった。間隔があいたぶん、馬が成長してきたと考えていいだろう。

■コントラチェック【C】
体は使って、首の使いや脚の運びも良かったんだけれど、全体的に力が入っていない感じだね。

■サトノダムゼル【A】
体を使えているし、首や脚の使い方も良かった。競馬に行っても、追ってからすごくいい伸びをしそうな感じ。追い出されてからの首の使い方がすごく良かったからね。

■シェーングランツ【C】
体を使ってはいるんだけれど、全体的に力が入っていない。飛びが大きくて、一見するとフットワークはダイナミックに見えるけれどもグッという感じがないんだよね。

■シゲルピンクダイヤ【A】
気分良く走れているし、体をしっかり使って脚の運びも良かった。いたって順調という感じ。

■シャドウディーヴァ【B】
追われてからの反応は良かった。ただ首の使い方がイマイチだし、手先で走っている感じがする。動きも少し硬いかな。

■シングフォーユー【B】
体を使えているし、この馬なりに順調。あとはGI級のメンバーに入って力関係がどうかな…というところだね。

■ダノンファンタジー【A】
頭が高いのは相変わらず。それでも首の使い方は良かったし、脚の出ももいい。力強い走りで気分良く走れている。順調と見ていいだろうね。今回は2000m、3歳馬同士だからなんとかなりそうだとは思うけれど距離はギリギリかな。

■トゥーフラッシー【C】
走り方がすごく重い感じ。首が使えていなくて、その分、頭が高い走りをする。この感じでは芝では少し足りないかもしれないな。

■パッシングスルー【C】
頭が高い走りで、首の使い方がイマイチ。脚の出も上に上に出していて伸びる感じではなかった。これも首の使い方が良くないからだろうな。

■ビーチサンバ【A】
体全体を使う走りで、気分良く走れている。ただ、飛びが大きいかな。体調自体はいいので、あとは自分の競馬ができるかどうか。

■フェアリーポルカ【C】
走り方が硬い。力の入り方がイマイチな感じ。だから、どうしても体が使えていない。前回のほうが良かったかな。

■ブランノワール【A】
頭が高いんだけれど、体は使えているし首もそれなりに使えている。気分良く走れているから、この馬なりに順調といったところかな。

■メイショウショウブ【C】
体は使っていたんだけれど、追われてからの首の使い方がイマイチだね。前回のほうが良かった感じはする。

■レッドアネモス【B】
力強い走りができている。体を使って気分良く走っているように見えるけれど、どちらかといえばダートでいい馬のように思える。だから、時計勝負になると厳しいかもしれないけれど、力がいる馬場になったら面白いかもしれないね。

■ローズテソーロ【C】
頭が高くて首の使い方がイマイチ。ただ、手先で走ってはいるんだけれど脚の出は良かった。状態自体はいいと思うよ。

一番良く見えたのはダノンファンタジーだね。それからビーチサンバ。クロノジェネシスは、前回からだいぶ変わってきた印象だね。エスポワール、カレンブーケドールなんかも、順調にきている。相手関係で通用すればサトノダムゼルや、シゲルピンクダイヤとブランノワールも、状態はいい。GIだけあって、仕上がりのいい馬が多かったね。あとは日曜にどの程度、馬場が回復するのかわからないけれど、今回は重の巧拙がかなり影響すると思うな。

【A】=水準以上の動き。調整過程は良好
【B】=デキは平凡。特筆すべきポイントなし
【C】=状態面に不安アリ
【危】=好調時とくらべて著しく状態が悪い。危険な人気馬
【VIP】=先々が楽しみな素質馬



ダイワスカーレットで制覇
安藤勝己


◎ ①ダノンファンタジー
○ ⑭シゲルピンクダイヤ
▲ ⑤クロノジェネシス
☆ ⑦ビーチサンバ
△ ③ブランノワール
△ ⑪フェアリーポルカ
△ ⑬サトノダムゼル

桜花賞馬(グランアレグリア)とオークス馬(ラヴズオンリーユー)が不在。となれば混戦模様って言えなくはないけど、結局は王道のローズSを快勝した2歳女王ダノンファンタジーが受け皿になって高い支持を集めることになる。オレもそれに異論はないで。オークス5着は距離が長かったと割り切れる敗戦。2歳からトップクラスで戦い続けてきた経験に、そこで磨いてきたレースセンス。乗り難しい京都内回り2000mも問題ないやろ。ただし、昨年のアーモンドアイのように飛び抜けて強いわけやないから、あくまで頭ってよりは軸って感覚。要はこの馬が一番計算できるんは確かやけど、その他にも頭を狙える馬が結構おるってのが正直なところで、そのあたりが馬券のポイントかもしれないね。

以下は道悪を考慮した順の印で、対抗はシゲルピンクダイヤ。前走は課題だったスタートが決まったし、ダイワメジャーの仔で時計がかかる馬場は悪くないはず。デビューからコンビを組んどる和田が手の内に入れとるからね。安定度と地力を買って単穴にクロノジェネシス。惑星に挙げるビーチサンバ然り、あとワンパンチというタイプが馬場を味方に激変しそうな気がするんやて。ここ2走の内容が秀逸で枠もいいブランノワール、春から注目しとって馬体が成長した秋緒戦で変わってきたフェアリーポルカ、まだ負けてないという魅力でサトノダムゼルまで押さえる。






水上学の血統トレジャーハンティング

日曜京都11R 秋華賞
◎本命馬
⑧カレンブーケドール
(牝3、美浦・国枝厩舎、津村騎手)
本稿執筆は台風19号の上陸前とはいえ、被害が少しでも小さくて済むことを願ってやまない。競馬については土日の東京は中止となり、日曜京都は通常開催の見込み。金曜時点の予報からみて、週末の京都の雨量はさほど大きなものではなく、日曜は朝から晴れが見込まれる。悪化していても稍重想定と考えて予想を進めることにする。

台風の影響で通常より早い予想公開となるが、この馬場なら初志貫徹でいきたい。⑧カレンブーケドールが、3冠ラストチャンスをモノにするとみた。直線の長いコース短いコース、共に好位を取って対応できる器用さ。ダノンキングリーと接戦した新馬戦、スイートピーSからのキツいローテで勝ち馬以上の厳しい競馬をしたオークスに見る純粋な強さ。能力の絶対値はかなり高い。

母ソラリアはチリの年度代表馬となった、距離万能の女傑。そこに父ディープインパクト、血統組成もまたかなりのレベル。同じディープ×南米牝系のダノンファンタジーとの戦いとみるが、ダノンより距離は適するし、切れに傾くダノンよりも上がりのかかる競馬への対応もできる。不在の桜花賞、オークス馬から受けるブーケトス、次の女王の座に最も近いのはこの馬だ。

$お宝馬
⑪フェアリーポルカ
(牝3、栗東・西村厩舎、三浦騎手)
終始大外を回らされながら、小差に差し込んできたフローラSの競馬はかなり強い。オークスは反動で大敗も、紫苑Sでキッチリ結果を出して胸を張っての出走だ、当レースと相性の良いキングマンボ系、かつ大舞台で強いトゥザ一族。オークスの悔しさをこの舞台で晴らしたい。

相手上位は ①ダノンファンタジー、⑮コントラチェック、⑯パッシングスルー。 押さえに ⑤クロノジェネシス、⑨シャドウディーヴァ。




境和樹の穴馬券ネオメソッド

京都11R 秋華賞(GⅠ)(芝2000m)

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桜花賞馬、オークス馬を欠き、有力馬の中にはブッツケ本番の馬も。何やら波乱の香りがする今年の秋華賞。

その秋華賞で狙うべき血統は、ミスプロ系。特にキングマンボとマキャベリアン。

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昨年の該当馬アーモンドアイはおいておくとして、それ以外にも多数の好走例があるキングマンボ系保持馬。10月の京都芝、特に内回りコースにおける成績が非常に良い系統であり、それをそのまま秋華賞にも反映しているという状況です。

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キングマンボ系をはじめとしたミスプロ系が全般的に強い秋華賞。その中で、キングマンボに次ぐ重要血統として注目しておきたいのが「マキャベリアン」の血。
マキャベリアンは、ミスプロ系の中でも欧州的な芝適性のある系統で、キングマンボに近い適性を持っていると言えます。その結果として、キングマンボ系が強い秋華賞において、それを追い駆ける立場を構築しているという構図です。

昨年は唯一の該当馬だったスカーレットカラーが前日に出走を取り消してしまいましたが、16、17年と連続して馬券に絡み、存在感を見せています。12年以降、該当馬は7頭のみ。出現率が決して高くない中でこれだけの結果を残していることで、本質的な血統適性の高さが浮き彫りになります。


キングマンボとマキャベリアンに注目したい秋華賞。今年の候補馬は……

②メイショウショウブ
(母父キングカメハメハ)

③ブランノワール
(母母父マキャベリアン)

⑪フェアリーポルカ
(父ルーラーシップ)

⑫レッドアネモス
(父母父マキャベリアン)

⑯パッシングスルー
(父ルーラーシップ)

③ブランノワールは、父が昨年の勝ち馬アーモンドアイと同じロードカナロアでキングマンボ系保持馬というテーマをクリアし、母母父にマキャベリアンを内包。

現在2連勝中。そのいずれもが本格化を如実に感じさせる好内容。昨年2着のミッキーチャームがそうだったように、「夏場に古馬2勝クラスを勝っていれば通用」は、秋華賞の古くからの伝統でもあります。波乱の主役になる可能性大と見ています。

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結果  ③ブランノワール 7着





【秋華賞】京都芝2000mの法則&注目馬
狩野雄太さん

秋華賞のポイント
3歳の牝馬限定戦にしてはペースが速くなりやすいレースで、基本的にはオークスで速い上がりを出して好走した馬が強い。今年はオークスの上がり1位、2位とも不在で、狙いはローズSまたは紫苑Sで差し遅れて2~5着に負けた馬。このパターンが毎年2頭は馬券に絡んでいる。今年該当するのはカレンブーケドール、シゲルピンクダイヤ、フェアリーポルカ。
結果 カレンブーケドール2着、シゲルピンクダイヤ3着


優馬

重賞データ攻略
秋華賞


 今年は桜花賞馬、オークス馬が揃って不在で、やや混戦模様。春の実績馬が最後の一冠をモノにするのか、ひと夏を越えて力をつけた新興勢力の台頭か、データ班の導き出した答えは?

ローズS組に注目
 臨戦過程に注目すると、やはり王道ローテであるローズS組が一歩抜きんでた結果となっている。過去10年の前走レース別成績は以下の通り。

前走レース別成績(過去10年)
ローズS〔5.7.6.60〕
紫苑S〔2.1.0.12〕※重賞昇格後
紫苑S〔1.0.0.31〕※OP特別時代
オークス〔1.0.0.9〕
その他条件戦〔0.2.2.26〕

 馬券の半数以上を占めるローズS組が中心。この組の取捨が最大のポイントとなりそうだ。また、注意したいのがオークスからの直行組で、このローテで好走したのは昨年の優勝馬アーモンドアイ一頭のみ。人気馬も敗れている危険なローテとなっている。今回、このパターンで臨むクロノジェネシス、コントラチェック、シェーングランツに過信は禁物。

ローズS組の好走条件は?
 続いてローズS組で馬券に絡んだ18頭について見ていきたい。

ローズS組で馬券に絡んだ18頭の特徴(過去10年)
前走5着以内(18頭中16頭)
前走1着か負けても0.2秒差以内(18頭中14頭)
前走上がり3F3位以内(18頭中11頭)
今回が叩き2戦目(18頭中15頭)
前回から乗り替わりなし(18頭中16頭)

 上記5項目をすべて満たす馬は過去10年で〔4.4.0.2〕となり、連対率は80%。ここへ向けてひと叩き、そこで決め手を生かし好走していた馬が狙い目となる。今年は桜花賞の2着馬シゲルピンクダイヤと2歳女王ダノンファンタジーがこの条件をクリア。

推奨馬
シゲルピンクダイヤ
ダノンファンタジー
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