データde出~た

第1362回 春の二冠&両トライアルの勝ち馬不在となった菊花賞の行方は?

今週のG1は京都の芝3000mで行なわれる菊花賞。事前の報道で中心視されているヴェロックスは、皐月賞2着、日本ダービー3着と、春はあと一歩のところで涙を飲んだ。先週の秋華賞では同じように惜敗を繰り返したクロノジェネシスが悲願のG1勝利を飾っているが、それに続くことはできるか。それとも新興勢力の台頭があるのか。3歳クラシック最後の一戦を、過去10年のデータから占ってみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。


■表1 人気別成績
人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気  5- 1- 1- 3/ 10 50.0% 60.0% 70.0% 112% 96%
2番人気  0- 3- 0- 7/ 10 0.0% 30.0% 30.0% 0% 47%
3番人気  1- 0- 2- 7/ 10 10.0% 10.0% 30.0% 69% 82%
4番人気  0- 1- 0- 9/ 10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 27%
5番人気  1- 2- 0- 7/ 10 10.0% 30.0% 30.0% 134% 102%
6番人気  0- 0- 2- 8/ 10 0.0% 0.0% 20.0% 0% 89%
7番人気  2- 1- 2- 5/ 10 20.0% 30.0% 50.0% 377% 238%
8番人気  1- 0- 0- 9/ 10 10.0% 10.0% 10.0% 192% 60%
9番人気  0- 1- 0- 9/ 10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 50%
10番人気~0- 1- 3- 86/ 90 0.0% 1.1% 4.4% 0% 40%

表1は人気別成績。1番人気は過去10年で半数にあたる5勝を挙げており、複勝率70.0%も水準以上の数値。掲示板を外したのは1頭だけで、なかなかの安定感を見せている。対照的に2番人気は不振傾向で好走は2着3回のみ、掲示板外に敗れた馬も5頭を数える。以下、好走率から走破圏内と呼べるのは7番人気までだろう。その7番人気は2勝を含む計5頭が好走を果たしており、要注意の人気と言える。10年1着のビッグウィーク、18年1着のフィエールマンなど、7番人気で好走した5頭すべてがいわゆる「夏の上がり馬」だった点も見逃せないところだ。


■表2 枠番別成績
枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1枠 3- 0- 1-16/20 15.0% 15.0% 20.0% 137% 61%
2枠 3- 3- 0-14/20 15.0% 30.0% 30.0% 86% 110%
3枠 1- 0- 0-19/20 5.0% 5.0% 5.0% 116% 23%
4枠 0- 0- 1-19/20 0.0% 0.0% 5.0% 0% 30%
5枠 0- 2- 2-16/20 0.0% 10.0% 20.0% 0% 56%
6枠 1- 2- 2-15/20 5.0% 15.0% 25.0% 72% 136%
7枠 2- 2- 3-23/30 6.7% 13.3% 23.3% 19% 89%
8枠 0- 1- 1-28/30 0.0% 3.3% 6.7% 0% 17%

表2は枠順別成績。過去10年、1枠と2枠は各3勝を挙げ、いずれも勝率15.0%を記録しているのに対し、8枠は1勝もできなかった。また、7枠は計7頭と好走した馬の数自体は多いのだが、1着は11年のオルフェーヴルと17年のキセキで、いずれも1番人気だった。付け加えると、前者は言わずとしれた三冠馬。後者の17年は稀に見る不良馬場で行なわれた点を考慮する必要もありそうだ。よほどの傑出馬や、例外的な馬場なら話は変わってくるが、基本的には「内枠有利、外枠不利」とみて間違いないだろう。


■表3 厩舎の東西別成績
厩舎所属 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
関東 1- 0- 1- 45/ 47 2.1% 2.1% 4.3% 30% 20%
関西 9- 10- 9-105/133 6.8% 14.3% 21.1% 55% 79%

表3は関東馬と関西馬の成績を比較したものだが、ご覧の通り、関西馬が圧倒的に強いというデータが残っている。過去10年で好走した関東馬は、14年3着のゴールドアクター、18年1着のフィエールマンのわずか2頭だけ。関東馬が人気薄ばかりだったわけでもなく、1~3番人気の計4頭、4番人気の6頭もすべて4着以下に終わっている。

参考として、皐月賞とダービー、同じ京都で行なわれる長距離G1の天皇賞・春における関東馬の成績を記しておくと、皐月賞で【4.0.3.51】、ダービーで【2.3.5.46】、天皇賞・春で【4.3.1.35】(このデータに限り、集計期間は10~19年)。これらの3レースと比較して、菊花賞における関東馬の不振は際立っていると言わざるをえない。


■表4 前走レース別成績
前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
神戸新聞杯・G2    7- 6- 4-49/66 10.6% 19.7% 25.8% 62% 60%
セントライト記念・G2 1- 3- 1-46/51 2.0% 7.8% 9.8% 26% 44%
野分特別・1000万   1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 640% 200%
ラジオNIKKEI賞・G3  1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 1450% 450%
札幌記念・G2     0- 1- 0- 2/ 3 0.0% 33.3% 33.3% 0% 166%
阿賀野川特別・1000万 0- 0- 2- 0/ 2 0.0% 0.0% 100.0% 0% 855%
兵庫特別・1000万   0- 0- 2- 6/ 8 0.0% 0.0% 25.0% 0% 182%
支笏湖特別・1000万  0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 520%

表4は前走レース別成績。トライアルに指定されているふたつのG2戦のうち、神戸新聞杯が計17頭の菊花賞好走馬を送り出しているのに対し、セントライト記念は5頭と大きな差がついている。好走率もかなりのギャップがあり、まずは神戸新聞杯組を重視するのがセオリーと言える。ほかには、前走で1000万下(現2勝クラス)を走っていた馬が全部で6頭好走。いずれも前走を勝っており、6頭中5頭の前走は芝2200m以上の長丁場のレースだった。


■表5 前走神戸新聞杯出走馬の前走着順別成績
着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1着   4- 1- 1- 2/ 8 50.0% 62.5% 75.0% 83% 93%
2着   1- 4- 0- 4/ 9 11.1% 55.6% 55.6% 50% 105%
3着   2- 1- 1- 5/ 9 22.2% 33.3% 44.4% 334% 166%
4、5着 0- 0- 2-11/13 0.0% 0.0% 15.4% 0% 63%
6~9着 0- 0- 0-18/18 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10着~  0- 0- 0- 9/ 9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表5は、前走神戸新聞杯出走馬の前走着順別成績。なお、のちに紹介する表6、7を含め、今年の出走登録馬に該当する着順がないところには薄いグレーをかけてある。

神戸新聞杯1着馬は出てくればかなり有力ながら、サートゥルナーリアは天皇賞・秋へと向かったため今年は出走なし。2着馬の好走率も高いのだが、本番でも2着という例が多いのは留意すべきところか。3着馬もなかなかの好成績ではあるものの、近3年の結果が9着、11着、14着と振るわないのは気になるところではある。以下、4、5着馬は3着までで、6着以下から本番で好走した例は皆無となっている。


■表6 前走セントライト記念出走馬の前走着順別成績
着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1着   1- 0- 0- 7/ 8 12.5% 12.5% 12.5% 167% 46%

2着   0- 1- 1- 5/ 7 0.0% 14.3% 28.6% 0% 84%
3着   0- 1- 0- 9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 55%
4、5着 0- 0- 0- 9/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
6~9着 0- 1- 0- 9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 77%
10着~  0- 0- 0- 7/ 7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表6は、前走セントライト記念出走馬の前走着順別成績。この組も今年の1着馬であるリオンリオンが故障のため戦線を離脱したのが残念のひと言である。表4の項で述べた通り、この組は本番の成績が振るわず、全体に低調な数値が並ぶ。


■表7 日本ダービーでの着順別成績
着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1着   1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 70% 55%
2着   2- 2- 0- 3/ 7 28.6% 57.1% 57.1% 55% 72%

3着   0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
4、5着 1- 2- 1- 7/11 9.1% 27.3% 36.4% 12% 79%
6~9着 0- 1- 0-16/17 0.0% 5.9% 5.9% 0% 29%
10着~  1- 2- 2-24/29 3.4% 10.3% 17.2% 46% 72%

表7は日本ダービーでの着順別成績。今年の菊花賞にはダービー1、2着馬の出走登録がなかったが、そもそも過去10年で菊花賞に出走したダービー1着馬は2頭しかいない。天皇賞・秋に向かった馬、海外遠征を敢行した馬のほか、故障によって休養または引退を余儀なくされた馬も少なくなく、ダービーというレースの過酷さを物語っている。

それはともかく、好走例が多いのは、ダービー4、5着馬と10着以下。より興味深いのは10着以下で、着順が上だった6~9着は2着1回しかないのに、こちらは計5頭が馬券になっている。そして、この5頭のうち4頭は皐月賞にも出走していて、セイウンワンダーは3着、トーセンラーは7着、キタサンブラックは3着、クリンチャーは4着。つまり、皐月賞ではなかなかの走りを見せていたのに、ダービーではふたケタ着順に落ちてしまった馬たちだ。なお、過去10年、ダービー3着馬は半数の5頭が菊花賞に出走したものの、好走例が見当たらない。


■表8 皐月賞・日本ダービーともに不出走の好走馬
年 着順 人気 馬名  1000万下の戦績  トライアルの戦績
09年
1 8 スリーロールス 2戦(5着、1着) 不出走
2 7 フォゲッタブル 2戦(8着、2着) セントライト記念3着
10年
1 7 ビッグウィーク 1戦(1着) 神戸新聞杯3着
3 13 ビートブラック 2戦(7着、1着) 不出走
12年
2 5 スカイディグニティ 1戦(6着) セントライト記念2着
3 7 ユウキソルジャー 2戦(6着、1着) 神戸新聞杯4着
13年
2 5 サトノノブレス 1戦(2着) 神戸新聞杯3着
3 3 バンデ※ 1戦(1着) セントライト記念6着
14年
1 3 トーホウジャッカル 1戦(2着) 神戸新聞杯3着
3 7 ゴールドアクター 1戦(1着) 不出走
15年
3 1 リアファル※※ 不出走 神戸新聞杯1着
17年
1 1 キセキ 1戦(1着) 神戸新聞杯2着
3 13 ポポカテペトル 3戦(5着、6着、1着) 不出走
18年
1 7 フィエールマン 不出走 不出走
3 10 ユーキャンスマイル 1戦(1着) 不出走

※13年のバンデはトライアル→1000万下の順で出走
※※15年のリアファルは1600万下には出走し、1戦(1着)

表8は、皐月賞・日本ダービーとも不出走ながら菊花賞で好走した馬15頭を一覧にしたもの。併せて1000万下(現2勝クラス)における簡単な戦績と、トライアルでの成績を掲載している。昨年のフィエールマンのように1000万下にもトライアルにも不出走という馬もおり、今後は同様の臨戦過程が増えてくる可能性もあるが、現状ではさすがにレアケースだ。

1000万下に出走歴があった13頭の共通項を見ていくと、使ったレースは2戦以下だった馬が12頭を占め、そのうち9頭はこのクラスを勝ち上がり済み。そして、1000万下で勝ち上がれなかった4頭は、次に出走した東西どちらかのトライアルで優先出走権を獲得している。このふたつのうちどちらかは満たしておくことが、夏の上がり馬の目安となるのではないか。

ただし、気をつけるべきことがひとつある。それは4歳夏の降級制度が廃止されたこと。実際、今年の夏競馬では2勝クラスで3歳馬が勝利するケースが明らかに増えた(18年26頭→19年46頭)。やはり、上のクラスから降級してくる4歳馬がいないのは大きいようで、2勝クラスを勝った3歳馬の価値も下がった可能性は否定できない。つまり、この組に関しては以前より厳しめにジャッジしたほうがいいかもしれない。


■表9 種牡馬(父、母の父)別成績
種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率

ディープインパクト 2- 2- 2-23/29 6.9% 13.8% 20.7% 57% 82%
ステイゴールド   2- 2- 0-14/18 11.1% 22.2% 22.2% 15% 48%
ダンスインザダーク 1- 1- 0- 0/ 2 50.0% 100.0% 100.0% 960% 575%
スペシャルウィーク 1- 0- 0- 3/ 4 25.0% 25.0% 25.0% 172% 70%
シンボリクリスエス 1- 0- 0- 4/ 5 20.0% 20.0% 20.0% 32% 22%
ルーラーシップ   1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 150% 70%
ブラックタイド   1- 0- 0- 3/ 4 25.0% 25.0% 25.0% 335% 92%
バゴ        1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 2320% 470%
キングカメハメハ  0- 1- 2- 8/11 0.0% 9.1% 27.3% 0% 105%

母の父
メジロマックイーン 2- 0- 0- 2/ 4 50.0% 50.0% 50.0% 70% 55%
サンデーサイレンス 1- 1- 2-19/23 4.3% 8.7% 17.4% 100% 64%
ブライアンズタイム 1- 1- 1- 2/ 5 20.0% 40.0% 60.0% 384% 504%
スペシャルウィーク 1- 0- 0- 4/ 5 20.0% 20.0% 20.0% 32% 22%
Unbridled's Song  1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 345% 140%
ディープインパクト 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 450% 210%
サクラバクシンオー 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 1340% 370%
Orpen       1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 230% 130%
Green Tune    1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 1450% 450%
トニービン     0- 2- 0- 6/ 8 0.0% 25.0% 25.0% 0% 105%

※1着馬もしくは2頭以上の2、3着馬を出した種牡馬のみ掲載

表9は種牡馬別成績で、父および母の父としての成績を掲載している。なお、集計対象は1着馬もしくは2頭以上の2、3着馬を出した種牡馬のみとなっている。どちらのランキングにも共通するのが、現役時代に菊花賞を勝った種牡馬が強いこと。ディープインパクトとダンスインザダークは両方に名前があり、母の父だけではメジロマックイーンも該当する。両方に名前があるもう1頭のスペシャルウィークも菊花賞で2着に入っている。そのほか、かつては父として複数の菊花賞馬を送り出したサンデーサイレンスやブライアンズタイムが、現在では母の父としてランクインしている点にも注目したい。


【結論】   
今年の菊花賞で前評判が高いのは、皐月賞2着、ダービー3着のヴェロックス。秋初戦の神戸新聞杯でも2着にまとめて順調なところをアピールしているが、表5の項で確認した通り、このレースの2着馬は本番でも2着が多いというのは気になるところだ。表7の項目で述べた通り、ダービー3着馬は好走例がない。もちろん実績最上位で侮れない存在ではあるが、データ傾向としてはさほどの追い風が吹いてはいないことを記しておきたい。

ダービー出走組では4、5着と10着以下の好走例が多かった。今年の出走登録で該当するのは5頭で、5着のニシノデイジー以外は10着以下のほうとなる。そのニシノデイジーは、父ハービンジャーの産駒が菊花賞で【0.0.0.6】、母の父アグネスタキオンの産駒も【0.0.0.3】と現状実績がない。母の母の父まで遡れば98年の菊花賞勝ち馬であるセイウンスカイがいるのだが。また、関東馬というのもデータ的には苦しいところではある。ダービー10着以下では、10着のメイショウテンゲンと17着のサトノルークスがディープインパクト産駒。いずれもセントライト記念に出走しており、データ通り、2着に入った後者を重視すべきだろう。

夏の上がり馬だと、まずは神戸新聞杯3着でディープインパクト産駒のワールドプレミア。また、セントライト記念3着のザダルは関東馬という点がネックだが、父のトーセンラーは11年の菊花賞3着馬で現役時代に実績がある。この東西のトライアル3着馬は血統的にも注目できる。

2勝クラスを勝ってきた馬では、芝2200mのレースを勝ってきたホウオウサーベルとヒシゲッコウが目につくところだろう。ただし、前者は父がハーツクライというのは気になるところで、産駒は長距離戦を得意とするものの、自身は現役時代に菊花賞で1番人気7着に敗れ、産駒も【0.1.0.10】と不振が目立つ。一方の後者は、17年の勝ち馬であるキセキを送り出した父ルーラーシップという血統面はいいのだが、こちらも不振の関東馬。名伯楽である堀宣行調教師の手腕をもってクリアできるかどうか。

そのほか、2走前に2勝クラスを勝ち、前走の3勝クラスでも3着に入ったルーラーシップ産駒のヴァンケドミンゴ、いずれも複数の好走馬を出している父キングカメハメハ、母の父サンデーサイレンスのカウディーリョの名前を挙げておきたい。





栗山求コラム「血統の裏庭」

​菊花賞(G1)血統的考察

​ 先週の秋華賞は
△クロノジェネシス(4番人気)が好位から伸びて
◎カレンブーケドールの追撃を抑え、初のG1タイトルを獲得した。

2歳時からトップクラスで活躍してきた馬で、
いままで馬券圏内を外したことがない堅実派だったが、
あとひと押しが足りなかった。

3歳夏を越して馬体重が20kg増え、いよいよ本格化してきたようだ。

今年は別路線に行ったり海外遠征に行く古馬牝馬が目につくため、
エリザベス女王杯は3歳勢が優勢。

クロノジェネシスが王手を掛けたといってもいいだろう。


さて、今週は菊花賞(G1・芝3000m)。

過去10年間の成績を見ると1番人気馬が6頭連対しているので、
人気馬はそれなりに信頼できるレースといえるが、
直近の3年間は9、10、7番人気の伏兵が連対。

ヒモ荒れ型のレースとなっている。

出走各馬がおしなべて中距離タイプに均質化しているので、
未経験の長距離戦でも有利不利が出にくく、
結局はその馬の持つ絶対能力で決まってしまう傾向が見られる。

ただ、同じ中距離馬であっても、菊花賞向きと思える馬、思えない馬はいるので、
そのあたりを選別してみたい。


【ヴェロックス】

「ジャスタウェイ×モンズーン」という組み合わせ。

父ジャスタウェイはハーツクライの代表産駒で、
現役時代に父ドバイドューティーフリー(首G1・芝1800m)を6・1/4馬身差で圧勝し、
ワールドサラブレッドランキング(2014年・130ポンド)で世界ナンバーワンとなった名馬。

母セルキスはドイツ産馬で、
現役時代に独オークストライアル(G2・芝2000m)を勝った。

母の父モンズーンはドイツ血統のスタミナ型。

ソウルスターリング(オークス、阪神JF)の母の父でもある。

皐月賞(G1)2着、日本ダービー(G1)3着という成績は
世代トップクラスの実力を示すのに十分なもので、
前走の神戸新聞杯(G2)は
サートゥルナーリアに器の違いを見せつけられたとはいえ2着を確保した。

馬のタイプとして距離延長が必ずしも有利とは思えないが、
優秀な中距離馬なので、初の3000mも絶対能力の高さでこなすだろう。

今年の菊花賞は皐月賞馬もダービー馬も出走しない。

同じようなシチュエーションだった先週の秋華賞は
既成勢力のクロノジェネシスが勝った。

既成勢力実績ナンバーワンのヴェロックスは重く見るべきだろう。

おそらく道悪は上手いと思われるので馬場が渋れば好走確率は上がる。


【ワールドプレミア】

「ディープインパクト×アカテナンゴ」という組み合わせで、
マイラーズC(G2)をレコード勝ちし、皐月賞(G1)でも2着となったワールドエースの全弟にあたる。

母マンデラはドイツの名馬マンデュロ(ジャックルマロワ賞、プリンスオブウェールズS、イスパーン賞)の半姉にあたる良血で、
現役時代に独オークス(G1・芝2200m)3着、ポモーヌ賞(仏G2・芝2700m)3着、
サンタバーバラH(米G2・芝10f)3着などの成績を残した。

アメリカでも好走しているのは堅い馬場への適性という面で大きい。

「ディープ×アカテナンゴ」の成績は
父の平均値を大きく上回っており成功している。

全兄ワールドプレミアと違って距離の融通性があり、
前走の神戸新聞杯はスローの上がり勝負で
後方待機のこの馬には向かない流れだったにもかかわらず3着を確保した。

3000mは問題なく、立ち回りひとつだろう。

ディープインパクト産駒は
16年のサトノダイヤモンド、18年のフィエールマンが勝っており、
現在4年連続で馬券圏内に食い込んでいる。

菊花賞は苦手、というのは過去の話だ。


【ヒシゲッコウ】

「ルーラーシップ×ファルブラヴ」という組み合わせ。

ここまで4戦3勝(3着1回)で前走阿寒湖特別(2勝クラス・札幌芝2600m)を2馬身差で楽勝した。

マイルCS(G1)を勝ったステルヴィオの4分の3弟で、
父はロードカナロアからルーラーシップに替わった。

父の距離適性の違いが兄弟の個性の違いとなっている。

母ラルケットはクイーンC(G3)3着馬。

母方にフェアリーキングを持つルーラーシップ産駒は、
デビューしたわずか10頭から
ディアンドル(葵S)、テトラドラクマ(クイーンC)と2頭の重賞勝ち馬が出ている。

ルーラーシップ産駒は上り調子にあるときはクラスの壁を突破して強くなる。
したがって前走が2勝クラスであることはさほど気にする必要はないが、
一方で、札幌芝2600mから直接菊花賞へ臨むパターンはゴールドアクターの3着が最高。

のちに有馬記念(G1)を勝つレベルの大物でようやく複勝圏なのでハードルは高い。


【ホウオウサーベル】

「ハーツクライ×アカテナンゴ」という組み合わせ。

母バランセラは重賞勝ちこそないものの、
クイーンエリザベス二世チャレンジC(米G1・芝9f)2着、
ガーデンシティH(米G1・芝9f)2着などアメリカの芝路線で好成績を残した。

母の父アカテナンゴはワールドプレミアの母の父でもあり、
現役時代、7つのG1を含めて重賞を14勝し、
3年連続で西ドイツの年度代表馬に輝いた歴史的名馬。

引退後は独リーディングサイアーの座を5回獲得し、
ジャパンC(G1)を勝ったランドをはじめ多くの名馬を生み出した。

母はヨーロッパの晩成型スタミナ血統で、父は完成に時間の掛かるハーツクライ。

したがって、2歳夏に新馬戦を勝ったとはいえ
春のクラシックに間に合わなかったのは致し方ない。

前走、阿賀野川特別(2勝クラス・芝2200m)では好位につけて直線は5馬身差の独走。

晩成血統がようやく本領を発揮した感があった。

阿賀野川特別→菊花賞という路線は
17年のポポカテペトルと18年のユーキャンスマイルが出走していずれも3着。

それぞれ13番人気、10番人気だったことを考えると大好走といえる。

間隔を空けて大事に使われてきた馬なので、このローテーションは吉と出るはずだ。

ハーツクライ産駒は菊花賞でウインバリアシオンの2着があるだけで、
残りの10頭は掲示板にも入っていないが、
日本を代表するステイヤー種牡馬であり、
芝3000m以上では連対率29.0%、重賞を6勝している。

上昇度も魅力で馬場が渋っても問題ない。


【ザダル】

「トーセンラー×レモンドロップキッド」という組み合わせ。

母は未勝利馬だが、2代母マジックブロードはセリマS(米G3・ダ9f)の勝ち馬。
血がサンデー系で2代母の父がブロードブラッシュという血統は
昨年の2着馬エタリオウと同じ。

父トーセンラーはディープインパクト産駒で、
マイルCS(G1)の勝ち馬だが、同時に芝2200mの京都記念(G2)を勝っており、
天皇賞・春(G1)2着、菊花賞3着という成績もある。

距離の融通性のある馬だった。

母の父レモンドロップキッドは
米三冠の最終関門ベルモントS(G1・ダ12f)の勝ち馬。

3000mをこなすスタミナは備えている。

前走のセントライト記念(G2)3着は明らかに余裕残しの仕上げだった。

父は京都コースの鬼だったので、
初の京都遠征は不安よりも期待のほうが大きい。


菊花賞は、実力的に抜きん出た中距離馬が勝つことは珍しくないが、
人気薄で突っ込んできた伏兵は必ず血統的な裏付けがある。

ロベルト、サドラーズウェルズ、リボー系といった血を持つ馬は注意が必要だ。

長距離戦ではベタな血統買いがハマることが多い。


以上の傾向を踏まえ、調教の動きなどを加味しつつ、
週末に最終結論を出したい。






【菊花賞】美浦・栗東レポート

【菊花賞】栗東レポート~サトノルークス
池江泰寿調教師のコメントは以下の通り。

(前走のセントライト記念2着を振り返って)
「状態に関してはやや急仕上げな感があって、もう一本欲しいという状態でのレースでした。重馬場で走りにくそうでしたし、直線も窮屈だったのですが、それでも2着に来てくれたので、相変わらず能力は高いのだなと再確認しました。
 体つきは大してそんなに変わっていないのですが、春のクラシックは二冠ともあまり成績が良くなかったので、精神的ダメージを受けて前走もあまり良い走りができないのではないかと心配していましたが、それも杞憂に終わりました。メンタルな部分で春のクラシックで心が折れなかったことは良かったのではないかと思います」

(前走後の調整について)
「在厩のままだったのですが、先週は結構しっかりやったのですが、とにかく順調に来たという感じです」

(最後追い切りを振り返って)
「先週でしっかりやっていて、レース間隔も詰まっているので、馬なりで行いました。(福永騎手が)初めて騎乗するということなので、馬の癖や特性を主に感じ取ってほしいというのがテーマでした。
 状態は、使って上積みもありますし、先週しっかり追い切りもやっています。今週は馬なりでサッとやったので、そんなに派手な動きやタイムではありませんでした。上手くしっかり道中もなだめて走らせてくれていましたので、福永騎手との手も合いそうだなと思いました。本人も乗りやすい馬だと言っていますので、そういう印象でレースに臨んでくれるのはありがたいです」

(今回のレースに向けて)
「引っ掛かるほどではないのですが、ややハミを噛んで前進気勢が旺盛というか、前向きな面があります。その辺で3000mがもつかどうかというのが今回のテーマです。今日の福永ジョッキーの初コンタクトを見ても、しっかり折り合いがついていましたし、上手くこの馬の能力を引き出してくれるのではないかと思います。血統的には母の父がサドラーズウェルズでスタミナは豊富にあるのではないかと思っています。
 前走のセントライト記念は重馬場で川田ジョッキーだったのですが、やはり良馬場だったらもっとやれたとは言っていました。願わくば良馬場でやらせたいですが、天気ばかりは仕方がないので、腹を括っています。
 今年の春のクラシック前はダークホース的な存在で結構支持していただいたファンの皆さんが多かったのですが、皆さんの期待を失望させるようなレース内容だったので、秋はその人たちが応援していただいた分をしっかり恩返ししたいと思っています。ぜひ注目していただければと思っています」


【菊花賞】栗東レポート~ワールドプレミア
友道康夫調教師のコメントは以下の通り。

(前走の神戸新聞杯3着を振り返って)
「着順は3着だったのですが、休み明けと秋初戦としてはまずまず良い内容だったのではないかと思っています。
 一番感じたのは、春までは3~4コーナーでいつも置かれるようなところがあったのですが、今回は自分からハミを取って、ジョッキーの指示に従うような感じで3~4コーナーから上がって行けたというのが大きな収穫だったと思います。
 ジョッキーのレース後のコメントは、精神的な成長はまだまだというものでしたが、その分に関して言えばすごく成長したと思っています。
 春はソエだとかいろいろなことに気を遣いながら調教をやっていました。夏に帰ってきてからはそういう心配事が全くないので、馬も気にするようなところがなくて、伸び伸び走れるようになったのではないかと思っています。
 位置取りの差で着順は開いたのですが、最後の動きは良かったと思っています」

(前走後の調整について)
「春までは競馬を使った後、ダメージがありました。ひと夏を越しまして体がしっかりして、今回は神戸新聞杯のダメージは全くなかったので、週明けからすぐに乗り出しました。先週はジョッキーにしっかり追えるぐらいに乗ってもらいました。今回初めてと言っていいぐらい順調に競馬を迎えられると思います。
 今年の夏休みも良かったのだと思います」

(最終追い切りを振り返って)
「間隔が詰まっていますし、先週はジョッキーが乗ってしっかりやりました。今週はうちの助手を乗せまして、坂路で単走で、終いは少しだけ伸ばすような感じで54秒~55秒ぐらいでということでやりました。こちらの指示通りに上手くいったと思います」

(今回のレースに向けて)
「京都の外回りはこの馬にとっては結構相性の良いコースです。距離に関して言えば、競馬に行くと自分からぐいぐいとハミを取って行く感じの馬ではないので、折り合いは付くと思うので、3000mの距離は大丈夫だと思っています。
 数字的にはそんなに変わりはないのですが、私たちが見た感じでは一回りぐらい大きくなったというか、肉付きの質が変わってきた感じです。春はポチャッとした感じだったのですが、より筋肉質の体になってきたなと思っています。
 春に比べて、今週もすごく良い出来で出走できます。この馬が良くなるのはまだまだこれからで、来年以降だと思っています。
 春は競馬に使う当該週まで本当に使えるのかどうかというぐらい悩んでいた馬です。今回は神戸新聞杯の後からも順調に、なおかつ、またさらに上積みがあるような状態で出せることが、私はじめスタッフ一同は本当に喜んでおります。
 菊花賞に一番相性の良い武豊ジョッキーに乗ってもらえるので、あとはジョッキーに任せるだけです。
 春は(クラシックに)出走すらできなかったのですが、何とか最後の一冠に間に合いました。三冠の一つでも獲らせてあげたいと思っていますので、応援よろしくお願いいたします」


【菊花賞】栗東レポート~レッドジェニアル
高橋義忠調教師のコメントは以下の通り。

(前走の神戸新聞杯4着を振り返って)
「休み明けの初戦でしたが、落ち着いて競馬ができたと思います。
 菊花賞に向けて、精神的な状態も含めて試したいことがいろいろありましたので、折り合いなどの面が確認できました。今回のレースにつながるようなレース内容ではあったかなと思います。レースの流れ自体が少しこの馬には合わなかったというところでしたが、収穫のあるレースだったと思います。
 春は折り合いの面でだいぶ課題がありましたので、そういう面はだいぶ解消されつつあるのかなと思っています。
 ダービーに出走した後、上手い具合に放牧期間を過ごせました。放牧期間に馬の状態を確認しに行った時にだいぶ落ち着いているなという感じに見受けられました。良い形で今は来ているかなと思います。
 デビューする前辺りが一番良いというか、馬体的には良い感じでデビューできたのではないかと思っていました。その後はあまりにも精神的な状態が伴わなかったというか、少し気負うようなところもかなりありました。そういうところで体重を落としていました。その辺がまた普通に戻ってきたかなという感じでしょうか」

(前走後の調整について)
「少し変則な調教日程ではありましたので、普段と同じように日曜日に負荷をかけました。この馬はいつも当該週は木曜日に追い切りをしている馬ですので、変わりなく明日もやる予定です。あまり日程的な変化もなく今回も調整できていると思います」

(今回のレースに向けて)
「相性の良いコースだとは思いますので、自信を持って競馬に臨めればと思います。
 競馬に行けば、ジョッキーにお任せするしかありません。毎日の調教自体が春先に比べるとかなり充実した感じに見受けられますので、その辺が競馬に行っても変わりなく平常心で走れれば、結果は付いてくるのかなと思っています」


【菊花賞】栗東レポート〜タガノディアマンテ
鮫島一歩調教師のコメントは以下の通り。

(前走のセントライト記念6着を振り返って)
「夏にリフレッシュして久々のレースでした。良い仕上がりだったのですが、外々を回らされるような感じで早目に脚を使わされて、いつものように負けてしまいました。
 結局、早目に脚を使ってしまったというのもあるのですが、内が残るレースだったので、外々を回って、あの馬なりには頑張ってくれたレースかなと思います。
 ひと夏を越して、若い馬なので、体も太い感じもそんなにしませんでした。成長分ですね。
 リフレッシュしていた期間に馬が精神的に結構リラックスして、その間にぐっと一回り幅が出てきた感じです。良いリフレッシュができたと思いますよ」

(前走後の調整について)
「変わらずに、何事もなく、その後も順調にこのレースに向けて調教を進めています」

(調教過程を振り返って)
「(1週前は)併せ馬でCウッドチップコースで6ハロンから行きました。終いを伸ばす感じでしたが、そんなに凄いというような調教時計を出せる馬ではないのですが、動きは良かったです。ジョッキーも満足して、あとはあまりテンションを上げないでねという感じで帰っていきました。
 元々が調教再審査を受けたぐらいの馬なので、その辺は(父の)オルフェーヴルに似ているのです。そんなにテンションが上がってガンと引っ掛かるとかそういうのはないのですが、少し難しい気性があるので、その辺はリラックスしてレースに向かえるようにしたいです。
 若い頃に調教再審査を受けた頃に比べたら、クラシックレースに使うようになってからはほぼ安定してきてはいましたが、今もそういう状態が続いているので、安心しています。
 今日もCウッドチップコースで6ハロンから、スムーズに前半は運んで、終いを伸ばす感じでした。馬なりでしたが良い動きでした。
 しっかりと満足できるような追い切りができたと思います」

(今回のレースに向けて)
「京都は得意というか、問題はないと思います。距離も、ダービーのレースを見ていたら問題ないのではないでしょうか。
 終いを生かせる競馬が理想ですが、いつも外を回らされたり、少し不利があったりとかがあります。スムーズなレースで終いを生かせる競馬ですよね。
 これだけ乗ってきたのだから、そんなに詳しい話はしていませんが、彼(田辺騎手)に任せるだけです。
 成長した分、それがレースにつながってくれればいいなと思います。
 体幹などもしっかりして、いわゆるドシッとした感じが調教でも見られますので、それがレースになって良い結果につながればと思います。
 春は残念な結果に終わったのですが、最後の一冠は頑張りたいと思います。応援よろしくお願いいたします」


【菊花賞】美浦レポート~ザダル
大竹正博調教師のコメントは以下の通り。

「前走のセントライト記念は初めての重賞で、太目ながら3着になりました。内容は良く、次につながる走りでした。今は体が10キロ近く絞れています。今朝は自ら動けるかどうか確認してくれと指示を出しました。その通りの動きで、一回使ってかなり気持ちも前向きになりました。

 態勢は整ったのですが、輸送に不安な部分が残っています。この馬のデビューは去年暮れの阪神を予定していたのですが、輸送中に暴れてケガをして出走取消になりました。その後は中山と東京しか使っていないので、京都までの輸送をクリアしてくれたら、という思いでいます。馬運車で馬が飽きないように細かく餌をあげるなどして、今までのノウハウを生かせたらいいと思っています。

 3000メートルについてはやってみないと分かりませんが、お父さんのトーセンラーが菊花賞で3着になっているので血統的には対応できると思います。立ち回りの上手さを発揮出来ればいい競馬になるでしょう。

 いろいろあってダービーには使えませんでしたが、最後の一冠ですからゲートが開くまで細心の注意をはらっていきたいと考えています。」

石橋脩騎手のコメントは以下の通り。

「前走のセントライト記念は枠順も良く春との違いを感じながら乗りましたが、もともと競馬が上手な馬でいい競馬だったと思います。上手に走ってくれました。

 レースの立ち回りが上手な馬ですが、レースについては大竹調教師と話をして決めたいと思います。ただ後ろからにはならないと思います。関西への輸送は初めてになりますが、厩舎の人達がいろいろ考えてくれていますので心配はしていません。

 京都競馬場は僕としては乗りやすいコースだと思っています。頑張ります。」


【菊花賞】美浦レポート~ニシノデイジー
高木登調教師のコメントは以下の通り。

「前走のセントライト記念ではしっかり折り合って、最後いい脚を使ってくれました。次の菊花賞を見据えたレースで、収穫がありました。落ち着いてきて、夏を越して成長が見られます。

 この中間は前走の反動もなく、順調に来ています。今朝の追い切りでは久々に併せてやりました。乗ったルメール騎手に感触を確かめてもらいましたが、ルメール騎手は非常にいいと言ってくれました。

 一回使って動きにキレが出てきました。3000メートルは未知の部分がありますが、正直合っていると思っています。馬のリズムを大事にして行けばいいと思います。今回はルメール騎手で何も心配していません。」

クリストフ・ルメール騎手のコメントは以下の通り。

「今朝の追い切りに乗りました。ウッドコースでの2頭併せでしたが、すごくいい動きで、自分で加速して行きました。状態は良さそうです。

 これまでのレース映像を見ましたが、スタートしてすぐにはスピードが出ないようです。前走は後ろからの競馬になりましたが、菊花賞では出来ればもう少し前のポジションにつけたいと思っています。しかし、一番大事なことはリラックスすることです。スタートから押して出して行きたくはないです。冷静に走らせたいです。

 3000メートルはいけそうです。ハービンジャーの産駒ですから雨が降っても大丈夫でしょう。今回はみんなにチャンスがあると思います。」


【菊花賞】美浦レポート~ホウオウサーベル
奥村武調教師のコメントは以下の通り。

「先週負荷をかけて作ってきていたので、今朝は輸送もあるので上がり重視でやりました。騎乗した蛯名騎手もいいよと言ってくれました。馬の息づかいが凄く良く、戻ってきてケロッとしていました。中身は出来たと思っています。

 まだ条件馬で、皐月賞やダービーに出た馬を相手にチャレンジャーとして臨みますが、去年から期待が高かった馬です。本当に良くなるのは来年だと思いますが、今の段階でどれだけやれるか楽しみです。

 関西までの輸送は気になりません。右回りを走ったことがありませんが、ローテーションを組んだら、たまたま左回りの競馬場だっただけです。普段の調教でも右回りでスムーズに走れていて心配はありません。距離については、体形を見て分かるように典型的なステイヤーです。折り合いに問題はなく、距離はいくらあってもいいと思っています。

 1勝クラスを勝った頃から馬が立ち上がってみたり、男の子らしい面が出てきてからグンとパフォーマンスが良くなりました。目標にしてきたレースまで無事に来られたので、結果が出るように頑張りたいと思います。」

蛯名正義騎手のコメントは以下の通り。

「今朝の追い切りに乗りました。先週ハードにやっていて、今朝は併せた相手に合わせて軽く気合を乗せるくらいの感じで、これから輸送もあり、距離も長いということを重視して余力のある追い切りでした。

 この馬は春から期待していましたが、どうしたら秋にはいい形で菊花賞に臨めるかみんなと相談しながらやってきました。おっとりしたおとなしい馬で、これなら距離がもつと思っていました。穏やかなところが良さだと思います。

 今回は初めての右回りになりますが、長い距離については不安がないので、流れに乗せられると思っています。みんな同じ条件ですし、今まで貯金していた分をここで出せたらいいと思います。

 僕自身は調教師試験が終わり、やっと騎手として戻ってきたと思っています。調教師試験に向けてやってきたことは無駄ではなく、これから馬に携わっていく上でプラスになればいいと考えています。騎手としてダメだから違う道へ行こうと思ったわけではありません。

 試験に落ちたことが良かったと思うファンが多いようで、『もう一回ダービーに乗れ』、『ダービーで頑張れ』などと励ましの言葉をもらい有難く思っています。今でもジョッキーという仕事は大好きですし、いい競馬をして喜んでもらいたいです。そしてどういう立場になっても応援していただけるようになればいいと思っています。


【菊花賞】美浦レポート~ヒシゲッコウ
上原佑紀調教助手のコメントは以下の通り。

「今朝の追い切りでは6頭で馬場に入り、理想は併せ馬だったのですが少し前に離されてしまいました。しかし、調教では本気を出さない馬で、この馬なりに走れていましたし、ゴール後もしっかり追って負荷が十分かかって内容としては悪くありませんでした。

 この夏は函館と札幌でレースをして、前走の後セントライト記念を使うか考慮しましたが、状態も良く、菊花賞には出られそうだと分かり、そのまま直接向かうことになりました。

 デビュー前から長距離に適性があると見ていた馬で、前走は2600メートルでしたがなんなく対応してくれました。騎乗したルメール騎手も長距離適性があると言ってくれました。自信を持って臨めるので楽しみです。

 勝った3戦はともに後ろからの競馬で、折り合いに問題がないところが一番の良さです。道中無駄なエネルギーを使わず、その分しっかり末脚を伸ばすことが出来ます。それが生きる展開になればチャンスは十分あると思っています。今回はクリストフ・スミヨン騎手とのコンビになりますが、スミヨン騎手は堀厩舎のキンシャサノキセキで重賞を勝ったこともあり信頼しています。世界的なジョッキーで何の心配もしていません。」
スポンサーサイト