単勝二頭流

編集部通信 10月18日号 〜石橋の菊花賞注目穴馬はこちら!の巻〜

皆さん、こんにちは。
Sportsmaster運営事務局の本田です。

先週は台風19号の影響でバタバタな競馬となってしまいましたが、それよりも競馬どころではないという方もいらっしゃるでしょう。被害に遭われた方、心よりお見舞い申し上げます。いち早く普段通りの生活を取り戻せますよう、お祈り申し上げます。

という大きな爪痕を残した台風19号ですが、競馬においてもまだ影響は残っておりまして、先週の日曜日に中止になった東京開催が来週の月曜日に行われることになっております。
3日間開催となりますので、ご注意ください。

と、いろいろなことがあった先週の競馬だったんですが、簡単に結果を振り返っておきますと、G1の秋華賞は奥田さんが3連複を的中。ちなみに奥田さん、月曜日の府中牝馬Sでも3連複を的中しており、牝馬重賞をダブルゲット。
そして配当的には月曜日の京都メイン・オパールSですね。
こちらは3連単10万5,840円とビッグな配当になったわけですが、これを見事に奥田さんと石橋さんが大的中!
石橋さん、おめでとうございます!

石橋 武(以下、石) ありがとうございます。

本田(以下、本) ◎アウィルアウェイ(4人気1着)からの馬券で、見事に高配当を的中でした。

石 そうですね。人気のミラアイトーンが凡走したこともあって、配当的にはけっこうついてくれましたよね。

本 そうですね。◎アウィルアウェイは狙い通りの走りで?

石 ええ。軽量52キロ、最内枠、あと意外と差せる馬場だなというのも感じていたので、狙い通りですね。ジョッキーもうまくさばいてくれたし。

本 で、秋華賞ですね。

石 いきなりダメなほうに話を飛ばすんですね(苦笑)。

本 甘やかせてばかりもいられませんので(笑)。こちらは見解にもあった通り、△クロノジェネシスの戴冠も示唆していましたけどね。あ、見解読んでいただきましょうか。ちょっと長いですけど。

「式ブログ( http://keibat.blog.fc2.com/ )でも話したが、春のクラシックは軽い馬場、長い直線、スローペースの3条件が揃うことが多く、瞬発力に秀でたタイプが上位を占め、反対に持続力に秀でたタイプは切れ負け、あるいは伸びてきたときには大勢が決しているということになりがち。この手のタイプは5〜8着(あくまで目安だが)くらいに負ける。

一方、秋華賞は春のクラシックとは違い、内回りで短い直線を意識して早めにペースアップ、あるいはスタートからハイペースで進み、その流れのなかでいかに脚を伸ばせるか、ゴールまで粘れるかという資質が問われる。あるいは一瞬の切れ味に特化したタイプもいい(ハイペースに乗じて、短い直線で末脚が活きるタイプ。春のクラシックでは直線で脚が上がる)。基本的にはこの2タイプが穴馬としての狙いになるのだが、加えて今回は降雨によるパワフル馬場。切れは軽視して、パワー重視のタイプを狙いたい。

そこで穴馬の本命は◎シェーングランツ。クラシックでは桜花賞9着、距離を延ばしたオークスで7着と惜敗。2歳時のアルテミスS勝ち、阪神JFでも4着(2歳時は能力だけで上位に走れる)と善戦しているように能力自体は高く、今春の負け具合は、要は春のクラシックの舞台が合わなかったということ(桜花賞=阪神芝1600mよりも条件が合うオークス=東京芝2400mでパフォーマンスを上げたのも、能力ではなく適性で桜花賞が走れなかった証)。春のクラシックを走るには瞬発力が足りず、(オークスでの上昇を見ても)スタミナ寄りの適性、さらにスピード不足で阪神、東京の高速馬場も合わない。それが今回は、パワフルでスピードが必要のない、スタミナが活きる(他馬にとっては瞬発力が削がれ、スタミナが削られる)馬場。そしてタフな同馬にはぴったりのハイペース&上がりのかかる展開と、春とは打って変わって同馬向きの条件が揃う。もともとの能力値は高いだけに、好条件が揃ったここは勝ち負けまで期待できる。タフな追い込みが決まりやすいレースでもあり、ペース判断に長けた鞍上込みで大駆けを期待したい。

一方、人気馬の本命には◎エスポワール。前々走で速い流れ、時計のかかる馬場で他馬を圧倒し、前走では中京の道悪というパワフル馬場を楽勝してきた。古馬相手の2勝クラスを圧勝できるレベルであれば、3歳限定のG1でも十分勝ち負けになるうえ、この条件(内回り、パワフル馬場)への適性の高さを考えれば、思ったよりも人気に推されているのもやむなし。若干、性格的に前向きすぎるところが心配の種ではあるが、逃げるコントラチェックのすぐ外だけに、前に馬を置く競馬はできるだろう。前走も前向きさを見せながらもコントロールが利かないというレベルではなく、また自在性も買って人気馬の本命とする。

相手関係を見ていくと、上位から3頭目、△フェアリーポルカ、△サトノダムゼル、△クロノジェネシスまでは戴冠の可能性はあると見る。この3頭に共通して言えるのは、思いのほか馬場の回復が進めば、これらの馬のチャンスは大きくなるということ。言い換えれば、パワフル馬場の適性の差で本命馬2頭との差をつけた形だ。△フェアリーは立ち回りの上手さを活かすうえでも、また、一瞬の切れを活かす意味でも京都芝2000mがベスト。△サトノはエンジンのかかりが遅く、多頭数&ゴチャつきやすい競馬では不利を受けるリスクがあるものの、適性的には積極的に買うべき馬。△クロノジェネシスは能力上位だが、鞍上に若干の難あり。G1になると緊張するのか、判断が一歩も二歩も遅れる。ただ、今回は馬場の内が荒れて、そこを避ける馬が増えれば進路を気にする必要がなく、同馬は初めてスムースに競馬ができることになる。オークスはさすがに距離が長かったが、それでも強気の競馬で上位に走っているだけに、ここも勝ち負けする力はあると見る。

上位人気で無印とした馬にも触れておくと、ダノンファンタジーは春から言っているように早熟さが気になる。加えてひと叩きして良くなる馬ではなく、緒戦から全力で走る馬。前走のローズSをレコードで走った反動も気になり、また、パワフルな馬場よりも軽いスピード馬場でこその馬。ここで評価するポイントがなく、無印とさせていただいた。同様にカレンブーケドールも軽いスピード馬場が合うタイプ。紫苑Sをひと叩きされて上積みはあるだろうが、東京、中山の軽い馬場で結果を出していたことを考えると、ここでは強調材料はなかった。」

本 これは正直、馬場を意識しすぎたんじゃないですか? あくまで結果論になっちゃいますけど。台風の印象も強かったでしょうし。

石 おっしゃる通り。見解にもありますけど、仮に稍重発表になったとしても、実質は重だろうなと。それくらい雨の影響は残ると踏んでいたんですけど、直前のレースで速い時計が出ていて、あちゃ〜と。加えて人気馬の本命に推した◎エスポワールが全然前に行かないし、皆さんには申し訳ないなと思いつつ、ああ、これは△クロノジェネシスだと。

本 2着のカレンブーケドールも切っていましたし。オークス(12人気2着)では最大の惑星とまで評価していたのに。

石 軽いスピード馬場のほうがいいタイプなので。秋華賞にも合っていないタイプなんですよ。結果的に馬場の回復と能力の高さでこられちゃいました。見立てが甘かったですね。申し訳ありません。

本 まあ、そのぶんは得意の菊花賞で返していただきましょう。

石 そうさせていただきます。

本 ちなみに菊花賞も馬場状態が微妙ですよね。

石 ああ、土曜日が雨の予報で。ただ、先週の雨量より少ないですし、どのタイミングで雨がやむかにもよりますけど、今回は想定しやすいかなと思っていますけどね。ただ、馬場状態は大切ですよ?

本 と、言いますと?

石 軽いスピード馬場になるのか、重めの力がいる馬場になるのかで、好走する馬が全然変わってくるので。

本 なるほど。ちなみに軽い馬場だと?

石 良馬場の1800mを走れるようなタイプ。今回で言うとそうだな、カリボールみたいな馬ですね。人気のないところで言うと。

本 パワーを要する馬場だったら?

石 2200m以上で結果を残しているタイプですね。それがパワフル馬場なら、なお良しで。当たり前か。

本 具体的には?

石 サトノルークスとか。あとニシノデイジーもいいかな。

本 このあたりが現時点での注目穴馬になります?

石 それぞれの馬場に即したというところでは。

本 では、もう1頭とっておきの馬を挙げていただけますか? ほら、これはというのがいるって聞きましたよ。

石 正確に言うと、これとこれかなって言ったはずなんだけど。その1頭のほうはもうちょい確認したいことがあるので、週末の勝負予想までお待ちいただくとして、もう1頭はホウオウサーベル。なんかそこまで人気薄じゃなくて申し訳ないですけど。

本 いやいや、それでも5〜7番人気くらいじゃないですか? ホウオウサーベルはどのあたりがオススメなんです?

石 単純に前走が強かったですよね。速めのペースを前で受けて、シュッと抜け出す競馬で。距離は問題ないし、馬場か軽いよりも力がいる馬場になったほうがよりいいですけど、まあ、大丈夫でしょう。東スポ杯では6着に負けているとはいえ、流れに乗れないままの競馬で、しまいだけで掲示板近くにまで顔を出しているし、当時先着を許したニシノデイジー、ヴェロックスとの差もあまり気にしなくていいかなと。

本 適性的にも合うと。

石 合いますよ。菊花賞はラスト8000mのロングスパートの競馬になりやすいですけど、それこそ東スポ杯で見せた伸びそうで伸びない感じとか、あと前走で見せた速い流れからのスパート、特に34秒台後半の上がりでメンバー最速という流れからのスパートは菊花賞向き。穴人気しそうなのがイヤですけど、かなり面白い一頭だと思いますよ。

本 なるほど。では現時点、そして馬場状態次第では、これらの馬に注目してということですね。

石 そうですね。あとは週末の勝負予想でご確認いただければと。

本 わかりました。先週のオパールSに続き、また高配当的中を期待していますね。石橋さん、お忙しいなかどうもありがとうございました!






田原基成さん

アドマイヤマーズほか、2019富士S出走予定馬18頭分析
富士Sが行われる今週。マイルCSにつながるステップレースだが、注目すべきはこのレースを落とした馬による巻き返し。マイネルファルケ、ダノンシャーク、ペルシアンナイトと本番の舞台で一変をはたした馬が多く、次を見据えた捉え方を持ちたい一戦と言えよう。

そこで今回のコラムでは、2019富士Sに出走予定の18頭をあらゆる角度から分析してみたい。私なりの視点で捉える18頭の判断基準が、あなたの予想の参考になれば幸いだ。

・アドマイヤマーズ
GI2勝の実績は古馬に混じっても大威張りできるもの。当然ここも好勝負を期待したいところだが……過去10年の富士Sにおいて前走NHKマイルC組は【0-0-0-6】。6頭中5頭までもがフタ桁着順に敗れているのだ。賞金面を考えると、大目標はマイルCS。思わぬ伏兵に脚元をすくわれる可能性は想定しておくべきだ。

・アンノートル
昨秋以降に頭角を現してきた馬。特筆すべきはマイル適性の高さで、道悪の中山に高速馬場の東京と条件問わず勝利を収めている。中間の坂路では4F自己最速タイの51秒7、ラスト1Fは自己ベストを更新する12秒0。得意舞台での一発があっても驚けない。

・イレイション
前走春興Sは内枠の先行馬が上位を占める展開を利しての逃げ切り。東京芝1600m【0-0-0-2】の戦績も含め、強調材料には乏しい。

・エメラルファイト
いまだ適性を掴みかねる馬だが、白梅賞、スプリングSのパフォーマンスを見るより上がりのかかる消耗戦に高い適性を感じる。同じクロフネ産駒でもアエロリット型ではなくパクスアメリカーナ型なのだろう。いずれ穴をあける馬だと思うが、今回がそのタイミングとは思えない。

・カテドラル
前走中京記念は渋った馬場に切れ味を削がれた印象。上がり3F33秒台で好走を続けてきた馬だけに、当時のコンディションでは凡走も致し方ないだろう。高速馬場の東京替わりで……と言いたいところだが、現時点で週末東京は金曜-土曜午前にかけて雨予報。状況を見つつ取捨を決めたい1頭だ。

・キャンベルジュニア
さまざまな条件を使われる近走だが、復調の兆しは窺えず。ここも厳しい戦いが予想される。

・クリノガウディー
こちらはカテドラルとは正反対の適性を持つ馬。レコード決着の前走京成杯AHは高速馬場に対応することができなかった。東京で馬券圏外に敗れた2戦はいずれもパンパンの良馬場による高速決着。中京記念と同じようなシチュエーションなら軽視は禁物だ。

・ショウナンライズ
左回りの1400mベストの印象。6歳にして初挑戦となる東京芝1600m適性も未知数で、評価は上がってこない。

・ジャンダルム
復調の兆しが窺えた2走前を経て、久々の馬券圏内をはたした前走。勢いを利して更なるジャンプアップを目指したいところだが、その前走は道中1-3番手を進んだ馬がなだれこんだレース。内枠を引いた15番人気馬と0秒1差の内容に着順ほどの価値はないだろう。【0-0-0-3】の東京芝1600m替わりとなる今回、過大評価は禁物だ。

・ストロングタイタン
いかにもここは叩き台の印象。次走芝2000mへの距離延長時に再考したい。

・ダッシングブレイズ
2018年以降、馬券圏内から遠ざかる馬。近走内容に見どころもなく、一変を望むのは酷か。

・トミケンキルカス
オープンクラスの壁に跳ね返され続ける現状。得意の芝1400m替わりなら見直せる可能性が出てくるが……。

・ノームコア
この馬には父ハービンジャーではなく、母父クロフネの影響を強く受けている印象がある。父の仔が得意とする時計のかかる馬場(エリザベス女王杯、中山牝馬S)で凡走を喫した一方、高速馬場(紫苑S、ヴィクトリアマイル)で自身最高とも言えるパフォーマンスを披露。高速馬場の東京ならさほど嫌う必要はないと感じていたが、折からの雨で土曜東京は道悪濃厚。骨折明けのダメージも加味すると、ここは嫌って妙味なのかもしれない。

・メイショウオワラ
東京芝成績【0-0-0-3】から、舞台適性に疑問あり。厳しい。

・リコーワルサー
初芝の前走5着は時計のかかる馬場に助けられた印象。裏を返せばその馬場のローカル・オープン特別ですら馬券圏内に届かなかったということで、中央場所の重賞では分が悪い。

・レイエンダ
1800→2000mと距離を延ばし、再度1600mへ。一貫性が窺えないローテーションだ。【1-1-0-1】と好走目立つ叩き2戦目で臨める点はプラスも、中心に据えられるほどではない。

・レッドオルガ
東京芝1600m成績【2-1-1-1】が示すとおりの舞台巧者。はじめて馬券圏外に敗れた前走ヴィクトリアマイルは直線で前をカットされる不利を受けたものだった。東京新聞杯ではのちの安田記念勝ち馬インディチャンプと実質同斤量で0秒1差2着。GI出走には不安な取得賞金を考慮すると、次を見据えた仕上げは考えにくい。

・ロジクライ
馬番フタ桁番時成績【0-1-0-4】に対し、馬番ひと桁番では【5-1-4-4】。評価基準は枠順といっても過言ではない馬だ。昨年の勝ち馬でコース適性は申し分なく、当日想定されるのは3戦2勝の稍重-重。あとはフタ桁番さえ引かなければ……。


ヴェロックスほか、2019菊花賞出走予定馬18頭分析
菊花賞が行われる今週。春のクラシックホース不在で行われる構図は秋華賞を思い起こさせる。終わってみれば春の実績馬が上位を占めた先週を踏まえてどの路線から臨む馬を評価するか……慎重な判断が問われるところだ。

そこで今回のコラムでは、2019菊花賞に出走予定の18頭をあらゆる角度から分析してみたい。私なりの視点で捉える18頭の判断基準が、あなたの予想の参考になれば幸いだ。

・1枠1番 ザダル
初の2000m、初の東京、初の道悪……あらゆる「初体験」を跳ね除け3着内をキープし続ける精神力は見事だ。私がこの馬に対し「只者ではない」と感じたのは勝ちパターンに持ち込んだ2着馬をゴール寸前で差し切ったプリンシパルS。終始窮屈なポジションを強いられた前走セントライト記念は相当にタフな競馬。この条件でも低評価は禁物だ。

・1枠2番 ニシノデイジー
C.ルメールへの乗り替わりで人気沸騰の同馬。「長距離は騎手」の格言に倣えば注目の1頭だが、過去10年の菊花賞において3着内に入った30頭すべてが年内での馬券圏内実績あり。3歳秋を迎え問われるのは成長力を裏付けるパフォーマンスなのだろう。4連対はいずれも1800mと長距離適性に対する不安も拭えず、私のなかで評価は高くない。

・2枠3番 カリボール
京都芝外回りで2勝2勝。いかにも菊花賞で穴妙味をそそる馬だが……重視すべきは相手関係。3走前に下したダンツキャッスル、前走下したナムラムツゴローは芝未勝利馬。2勝クラス勝利から菊花賞馬に輝いたスリーロールスが伝説の新馬戦4着(アンライバルド、リーチザクラウン、ブエナビスタが1-3着)だったことを考えると、見劣りしてしまう印象だ。

・2枠4番 ユニコーンライオン
重賞を使われた3戦は11.5.5着。神戸新聞杯は世代トップクラスの馬との力差をはっきり感じる内容だった。個人的にはダート替わりを今か今かと待っている馬。たとえ敗れようとも見限らないようにしたい。

・3枠5番 ワールドプレミア
この馬で真っ先に浮かぶのが気性面。「気性面の成長がうかがえず残念」と前走後に武豊が語ったように、同世代の各馬と比べて完成度は良くて7割程度といったところだろうか。勝負どころでの反応がとにかく鈍いのだが、実は自身より後ろに位置する馬に交わされたことは一度もない。誰よりも京都芝長距離戦を知るジョッキーだけに、2012菊花賞を制したゴールドシップばりの大胆な騎乗に出る可能性も十分。京都芝3000m超での成績【1-5-3-11】複勝率45.0%を誇る調教師の存在も含め、ノーマークは危険だ。

・3枠6番 ディバインフォース
フルゲートの菊花賞において、多頭数での好走歴はあってマイナスにはならない。同馬の3連対はいずれも12頭立て以下。来年の北海道シリーズ・長距離戦で出番がありそうだ。

・4枠7番 ヒシゲッコウ
カウディーリョと同じく右回りでは3戦3勝。違いを挙げるとすれば、左回りの東京でも馬券圏内を確保している点だ。とはいえ9頭立ての近2走でも道中通過順は後方。フルゲートの今回も後ろから数えたほうが早いポジションが考えられる。いかに距離ロスを防ぐかが長距離戦の鍵。大外ぶん回しのリスクがある以上、高い評価を与えるには躊躇してしまう。

・4枠8番 メロディーレーン
330キロの小さな馬体からは似つかないスタミナを持つ馬。とはいえ馬体がそうさせるのか、馬券圏内を確保した4戦はいずれも斤量51キロ以下に限定されている。55キロ・牡馬混合の条件はいかにも厳しいが、ひとつでも上の着順を目指してもらいたい。

・5枠9番 ヴァンケドミンゴ
全3勝を福島で挙げる馬。夏競馬での連勝は上がりのかかる展開を上がり3F最速の脚で差し切ったものだ。年内を考えたとき、狙いたい舞台は冬の中山。そのときまで待ちたい。

・5枠10番 カウディーリョ
右回りでは3戦3勝と負け知らず。中山・札幌と小回りコースで機動力を存分に活かした勝利だった。翻って、今回の舞台は直線の長い京都芝回り。滞在競馬適性が高い点から、初の長距離輸送も気がかりだ。

・6枠11番 シフルマン
不本意な形で逃げの手に出た前走。スローの上がり勝負では上位馬に叶う術がなかった。距離延長で巻き返しを……と言いたいところだが、直線急坂コース【2-1-1-1】に対し、平坦コース【1-0-0-3】。馬券圏外3戦はすべて京都と、前走比での上積みは少ない。

・6枠12番 レッドジェニアル
前走神戸新聞杯はいつもより前でレースを進め4着。プラス12キロと余裕残しにあって、スローとはいえ先行力を示せた点は大きな収穫と言えるだろう。今年のメンバー中唯一、京都芝外回り重賞勝利実績がある馬。極端に馬場が悪くなるとどうかも、阪神→京都の舞台替わりを味方につけられる1頭だ。

・7枠13番 ヴェロックス
サートゥルナーリア、ダノンキングリー、ロジャーバローズ……春に覇を競ったライバルたちが揃って淀の長距離戦にエントリーせず。新星誕生にわずかな期待を持たせた前哨戦で未対戦馬を問題にしなかったこの馬が中心になるのは当然のことだ。平坦右回り芝では2戦2勝、いずれも4角2番手から上がり3F最速をマーク。渋った馬場も若葉Sでこなしており、死角らしい死角は見当たらない。

・7枠14番 サトノルークス
関東遠征のたびに馬体を減らし続けた春。減った分が戻ってこなかった前走セントライト記念は連対こそ確保したが、個人的には不満が残る一戦だった。インにこだわった競馬で好走した前走内容から、外枠替わりはマイナス。渋った馬場は歓迎のクチも、完成はまだ先だと思っている。

・7枠15番 ホウオウサーベル
前提として、降級制度が廃止されたことで古馬混合2勝クラスでの勝利は以前ほど高い価値を持たない。ただ、それを差し引いてもクラスが上がるたびに着差を広げるレースぶりは素晴らしいの一言に尽きる。オウケンブルースリ、ポポカテペトル、ユーキャンスマイルと阿賀野川特別の勝ち馬は菊花賞好走馬多数。これに京都芝3000m超の成績【6-3-5-20】複勝率41.2%を誇る鞍上・蛯名正義の技が加われば勝機は十分だ。

・8枠16番 ナイママ
2歳夏から怪我なくクラシック戦線を皆勤。まずはその頑丈ぶりに敬意を表したいところだ。勝ち負けを望むのは酷だが、先行策での見せ場を期待したい。

・8枠17番 タガノディアマンテ
致命的な不利を受けた日本ダービーから巻き返しを図った前走セントライト記念は6着。イン伸び馬場を3-4コーナーから大外ブン回し……ニシノデイジーにも言えることだが、あの競馬で勝ち負けに加わることなど不可能だ。京都芝外回りはきさらぎ賞2着と重賞好走歴がある舞台。「死んだフリ作戦」がハマッた際の激走は頭に入れておきたい。

・8枠18番 メイショウテンゲン
雨中の弥生賞を制したあとは15→10→11着。着順以上に気になるのは一向に上がってこない道中通過順だ。近走上がり3F成績にも乏しく、上位進出は厳しいものとなるだろう。






田中正信 さん

菊花賞、全頭の調教診断

皆さんこんばんは。
今週は菊花賞の全頭追い切り診断です。秋華賞と同じく春2冠の皐月賞、ダービー馬が不在の3冠最終戦。様々な事情からのGIも情報規制の対象となっており、こちらの全頭診断をご参考にしていただければ幸いです。

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菊花賞・全頭診断
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■ヴァンケドミンゴ
CWコースで2頭を追走。4角で2馬身差まで差を詰めたので追いつくのかと思ったがサッと離されてしまった。その後も差をつけられる一方。ひょっとしたら最初から馬体を並べる気はなかったのかもしれないが、それでもいったんは並ぶところまでは行ってほしかった。ラストは12秒5とまずまずのタイムを出したが、気持ちの面でこれで大丈夫かという思いはある。

■ヴェロックス
栗東CWコースで単走追い。序盤はかなりゆったりと入り、長距離を意識していることが十分にうかがえた。折り合い面に多少不安を抱えているのだが、この日は行き出しからスムーズ。折り合いもぴったりとついて、半マイルから徐々にペースアップ。直線はあくまで反応を見る程度だが、鞍上が軽く仕掛けると一気にフォームが変わって推進力あふれる走りに。この馬らしいのびやかなストライドでぐんぐんと加速し、ラストは11秒6と素晴らしい切れを披露。オン、オフがしっかりと利いている。前走で完全にガス抜きは成功。心身とも申し分ないレベルに到達した。

■カウディーリョ
体の使い方が上手になり、フットワークに無駄がなくなった。コーナリングもスムーズで、直線は気合いを入れて一直線に伸びきった。馬体の緩みもなく、態勢は整っている。

■カリボール
CWコースで先行し、外を回った。直線を向いて内から僚馬が迫ったが馬に動揺はなし。重心を低くして、自分のフットワークをキープすることに専念しており非常に好感が持てる。パートナーにかわされない程度にスピードを維持しながらも、脚はしっかりためている。残り100mからは鞍上が手綱をしごき、前に出た。この時の勢いが非常にいい。ゴーサインに俊敏に反応。レースに向けてのシミュレーションという意味では完璧だ。四肢の伸びもしっかり。それでいて、どこか余裕を残している。

■ザダル
1週前に6F83秒7。今週は輸送を考慮して直前は半マイルから軽めの調整。4F56秒1ー1F12秒7。弾むようなフットワークを見せており、出来は安定している。

■サトノルークス
CWコースで併せ馬。セントライト記念でも好調教を連発したが、今回の調教も遜色ない高いレベルにある。直線を向いてスッと並びかける時の勢いがいい。前脚が高く上がり、走りたい気持ちが充満している。やや首が高い感じもあるが、それもじきに解消。自然と前に出たところで、僚馬がもう1度迫ってきた。これはきつい。それでももうひと踏ん張りして並びかけてフィニッシュ。最後は四肢をしっかりと伸ばしており、重心も低くなっていた。最後にひと伸びできたことがレースに向けて非常に良かった。最高の負荷をかけることができたと思われる。

■シフルマン
松山騎手を背に栗東CWコース。最初は意識的に鞍上が抑えるような感じで入り、直線までは我慢を利かせるような内容。逆らうような面も見せず、とにかくリズムを重視して長丁場に備えた。直線では軽く仕掛けると馬も瞬時に反応。加速しながらゴールを駆け抜け、ラストは11秒9でまとめている。硬さがなく、スムーズに最後まで走れていたのは好感。今は苦しい部分がないのだろう。走りのバランスが良く、特筆するほどの迫力はないが、これと言って気になるところもない。順調。

■タガノディアマンテ
CWコースで併せ馬。外を回した。並びかける時の脚さばきはスムーズで、胸前の動きも非常にパワフル。スピードが上がるにつれて首が前に出るようになり、前脚も遠いところをつかもうとしているように伸びている。ラスト12秒0という数字以上に中身の濃さを感じた。

■ディバインフォース
栗東CWコース。けいこでしっかりと走るテルペリオンと併せ馬。こちらが先導する形を選び、ペースメーカー的な役割を果たした。ストライドがしっかりと伸び、しなやかな走り。直線では馬体を並びかけてくる迫力満点の僚馬に対してひるむこともなく、併入でフィニッシュしている。6F83秒5~12秒3。ラストはプレッシャーをかけられていただけに、数字以上に中身は濃かったのではないか。もう少し全体的に力強さがつけばさらにいい。

■ナイママ
柴田大を背に5F70秒0ー1F13秒0。以前に比べれば、だいぶリラックスして走れるようになった。ただ、中間の馬体、動きから、大きく変わった印象はない。

■ニシノデイジー
1週前は実戦さながらの3頭併せ。直線はビシッと追って一気に抜き去った。今週はルメールを背に併せ馬。5Fで6馬身追走したが、直線は馬なりのまま抜け出して5F66秒6ー1F12秒4。鞍上との呼吸はピタリで、最後は3馬身の先着。ダイナミックなフォームは迫力満点で、馬体もパンパンに張った状態。ここ目標に完璧な仕上げ。

■ヒシゲッコウ
ケイコは動くタイプだが、1週前はあっさりと遅れ、今週も反応が鈍く、前に進まなかった。気持ちの入りもひと息で、いい頃の出来にはない。

■ヒッチコック
坂路で単走。ラストは13秒4と時計を要した。フットワークにモタつきがあり、キビキビと動けていない印象。スタミナが切れた感じで、あまり印象は良くない。首ももう少し動かしてほしいところ。全体時計はまとめており、ラストから2F目で12秒4を計時しているので、そこで体力を使い果たしたということか。

■ホウオウサーベル
蛯名騎乗で併せ馬。2馬身の追走で、道中はリラックスした走り、直線で内に潜るといつでも抜け出せそうな勢いのまま、しっかりと伸びきった。この中間はデビューから1番ハードに攻めており、満足できる仕上がり。

■メイショウテンゲン
先週に引き続き、栗東CWコースの6F追い。併せたパートナーも同じメイショウワダイコだった。内容もほぼ一緒。4馬身ほど前に見ながら発進し、序盤は池添騎手との折り合いを確認。先週よりはスムーズにコンタクトが取れており、直線は気合を注入。ややもたつき加減だった先週とは違い、今週の方が加速はなめらかになっている。併入で終わるかと思ったが、最後は気持ちを前面に出して首差先着。気合もかなり乗ってきた。

■メロディーレーン
レース間隔が詰まっていることも考慮してか、中間は速い時計が1本もなく、最終追いもあくまで栗東坂路で馬任せ。馬体を併せながら、15~15に少し毛が生えた程度の内容にとどめた。4F57秒5~13秒5。ラストは一応、仕掛けているのだが、あまり瞬時に反応できていなかったのも気になる。この全体時計ならせめてしまいは切れてほしかった。太目感はないが、大一番前としては少々物足りない。

■ユニコーンライオン
岩田騎手が騎乗して栗東CWコースで併せ馬。前を5馬身ほど大きく追いかけた。やや序盤は行きたがるそぶりも見せたが、許容範囲。徐々に差を詰め、3~4角はなめらかなコーナリングで内へ。直線は意欲的と言っていい内容。しっかりと負荷をかけ、直線半ばで並びかけてからさらにもうひと伸び。最後は地力を見せつけるように1馬身先着した。欲を言えばもっとスパッと切れるような反応はほしいが、これだけやれるのだから悪いはずはない。元気いっぱいだ。

■レッドジェニアル
馬場入りもスムーズで精神的にはかなり安定している。栗東CWコース、僚馬を1馬身追いかける形でスタート。前をムキになって追いかけることもなく、なめらかな走りで4角は内へ潜った。最後まで馬なりだが、前進気勢は十分。かといって、変に気負う面は最後までなかった。自らハミをとって、しっかりと併入でフィニッシュしている。前走時よりもトモにボリュームが出て、課題のテンションも克服。大一番にふさわしい仕上がりだ。

■ワールドプレミア
四肢に躍動感があり、かき込みも力強いのでウッドチップが大きく舞っている。首もリズミカルに動かしており、体全体が有機的に動いてスピードを引き出している。前脚が高く、そして遠くに出ており、それが迫力あるフットワークの源。ラストは12秒7だが数字以上に内容のいい追い切りであったことは間違いない。







亀谷敬正さん

菊花賞も凱旋門血統に注目ならドイツ血統も注目

今の京都芝は「欧州指向」のタフな血統がポイントに


 先週の秋華賞は◎クロノジェネシスが優勝。父は凱旋門賞馬バゴ。3着シゲルピンクダイヤ(4番手)は母父が英&愛ダービー馬。母母父は凱旋門賞馬。

 欧州血統、凱旋門血統が有利な馬場でした。

 開幕週の京都大賞典も欧州血統ハービンジャー産駒のドレッドノータスが大穴で優勝したように、今の京都芝は「欧州指向」のタフな血統に注目です。(出走馬の国別血統タイプは「スマート出馬表」を参照)

 また、今年の菊花賞は「ドイツ血統」もポイントになりそうなメンバー構成。ドイツ血統はここ数年の「凱旋門賞」では重要な血になっていることと、ドイツ血統は伝統的に晩成のステイヤーを育む繁殖方針だからです。

 今年の凱旋門賞勝ち馬はヴァルトガイスト。5歳にして凱旋門賞を勝ち取った晩成傾向のタフな馬でした。母父はモンズン。ドイツ生産馬でドイツの年度代表馬。ドイツの名種牡馬ズルムーの孫。ヴァルトガイストの父の母アーバンシーもドイツ牝系馬。

 ホウオウサーベルの母父はアカテナンゴ。モンズン同様のドイツ生産馬でドイツの年度代表馬。ドイツの名種牡馬ズルムーの孫。そして、トニービンの血を持つ馬。

 トニービンの血を持つ馬は心身が前向きになって追走力が上がると、もう一段パフォーマンスを上昇させる傾向の血統。

 歴代の菊花賞の勝ち馬オウケンブルースリ、キセキはいずれもトニービンの血を持つ馬。ホウオウサーベル同様、夏の新潟の条件戦を勝ち上がった辺りから、腰に力も付きはじめ上昇カーブを描きました。

 そしてヴェロックスも母父がドイツ血統のモンズン。凱旋門賞勝ち馬のヴァルトガイストと同じ。この馬もトニービンを持ちますし、今後は心身ともに前向きになり、追走スピードが上がる可能性は高いです。

 ただし、能力の方向性は一定ではないので、追走スピードが上昇しすぎることは、好材料だけではありません。構えてスタミナを活かす競馬へのパフォーマンスは下げることもあります。たとえば、キセキは追走スピードが上がってからは軽い馬場で先行する競馬のほうがパフォーマンスを発揮できる馬になりました。

 その点を今回心配する必要があるのか?週末の馬場チェックも含め、週末の最終決断まで(決断後も)レースと予想を楽しませていただきます。
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