【朝日杯FS】美浦・栗東レポート

【朝日杯FS】栗東レポート~レッドベルジュール
藤原英昭調教師のコメントは以下の通り。

(前走のデイリー杯2歳S1着を振り返って)
「あの後手は想定外だったので、そこら辺を上手くリカバリーして、武ジョッキーが乗ってくれました。
 預かった時点で前評判もありましたから、乗って調教して、やはり能力があるなと確信していました。それが競馬に行ってどういうセンスで走るかというのは、ここ2戦を見てイメージ通りには来ていると思っています。
 脚があってのことですし、それを上手く誘導して、誘導にも対応できるということですから、総合的なセンスは見受けられました」

(この馬の良さと課題は?)
「やはりディープ産駒らしく瞬発力がありますし、乗りやすいですし、秘めた能力というのは確信しています。やはりまだまだ不安の方が大きいというのが現状です。しかし、将来に向けて本当に期待している馬ですし、ディープの産駒も少なくなってきましたから、しっかり上を目指す気持ちでやっています。
 どの馬でもどの陣営でもそうですが、今の2歳ではすごく経験をしなければいけないですし、それに対応できる心技体がまだまだ欠損しているところがあります。そこが課題・不安ではありますが、これを強化していくというのがこれからの我々の仕事です。今回に関してもいろいろな不安・課題を持ちながらの出走だとは思います」

(調教過程を振り返って)
「1週前は息をしっかり使わせて、スピード感を出すような調教でした。今週は芝でやってスミヨン騎手が乗るのは決まっていました。先週はある程度しっかりやって、今週は感触を掴む程度でやっていました。
 正直な話、(スミヨン騎手は)良いよとは言っていました。
 本来ならプラス10キロ前後なのですが、プラス28キロというのはよほど夏場が辛かったのだと思います。プラス28キロはすごく増えて成長したと思います。それは良い曲線なのですが、しかし反対に夏場に無理をさせたのかなと感じました。
 夏に使ってこれだけ成長しているというのは、ギャップがあるということですごく良いことです。これからもう少しやれるのか、維持していくのか、馬の様子を見ながらやっていきたいです」

(今回のレースに向けて)
「あともう1ハロンぐらい長ければいいかなと思って、今回はスミヨンジョッキーに乗ってもらいました。マイルの反応や走りはどうかというのを聞きましたが、まして外回りですから、そこは大丈夫だろうという感じでジャッジしていました。
 強い馬もいますが、まだまだ先は長いので、ここは競馬を覚えさせて、それが結果につながれば一番良いです。しかし、まだそこまで大きな野望はなく、まずは順調に帰ってくることを課題にして出走したいと思います」


【朝日杯FS】栗東レポート~タイセイビジョン
余田宏章調教助手のコメントは以下の通り。

(前走の京王杯2歳S1着を振り返って)
「道中は少し行きたがっていたのですが、あれをルメール騎手がなだめてくれていました。見ている方はヒヤッとしましたが、抑えが効いて最後はすごい脚を使ってくれたので、本当に収穫のあるレースだったと思います」

(前走後の調整について)
「前走後は短期放牧に出まして、帰ってきました。一回使ったことによって気合いが乗ったまま帰ってきたのですが、今になってだいぶ落ち着いてきて、メリハリの効いた調教ができるようになってきました」

(調教過程を振り返って)
「1週前の追い切りは併せ馬で(武)豊さんが乗って、終いだけ伸ばすという感じでした。本当に無理なく並走馬をちぎって、負担なく、また伸び伸び走れていたので理想的な調教ができたと思います。
 (今日は)1週前に結構良い時計で一杯気味に走っていたので、終いの脚を確認する程度でした。終いまで我慢が利いて、リラックスして、最終追い切りとしては良かったと思います」

(今回のレースに向けて)
「新馬戦で勝った舞台なので、最近は返し馬でのテンションなど課題はあるのですが、一番縁起の良い舞台です。距離延長は課題ですが、今の落ち着きを維持できれば克服できると思います。
 初めて厩舎に来た時は、調教で止まりませんでした。このままどこまでも走っていきそうだったので、どうなるのかなと思いました。やはり頭の良さがそれをカバーして、今はすごくオンとオフが利くようになりました。初めての時は暴走気味で若干不安になりました。
 ムキになるわけではなくて、調教やレースに対して走ることに真面目というか、一生懸命ということが一番のセールスポイントだと思います。
 今回は距離延長200mというのが鍵になりますが、折り合った時は素晴らしい脚を使ってくれると我々も信じています。応援よろしくお願いいたします」

武豊騎手のコメントは以下の通り。

(騎乗した1週前追い切りの感触は?)
「先週、調教で初めて乗ったのですが、動き自体はすごく良かったです。元々調教も一生懸命走るタイプだと聞いていたのですが、動きは抜群に良かったです。ただ、少し引っ掛かるというか、一生懸命になり過ぎる気性なので、そこはレース中に注意したいです」

(レース映像を見た印象について)
「前走は強かったですが、クリストフ(ルメール騎手)からもいろいろこの馬のことは聞いています。結構引っ掛かると言っていました。今回はさらに距離が延びますし、外回りなので、そこは心配です」

(今回のレースに向けて)
「もちろん2歳GIはあまりないですから、ここを目標にするという馬たちが集まってきましたので、レベルは高いと思います。
東京で重賞を勝ってきていますから、強かったです。上手く折り合いを付けられればラストは良い脚を使うのかなというイメージです。枠順などによると思います。
 まだ(朝日杯は)勝ったことがないのですが、そろそろ勝ちたいです。良い馬でチャンスをもらったので、期待しています」


【朝日杯FS】栗東レポート〜ペールエール
安田隆行調教師のコメントは以下の通り。

(重賞での走り振りについて)
「惜敗続きで悔しい思いをしています。
 新潟の時は一瞬勝ったかなと思いましたが、勝った馬に脚をすくわれたという感じで、やはり勝った馬は褒めるべきかなと思いました。
 前走は本命馬が先頭に立ってきたりで展開がすごくゴチャゴチャしていましたので、うちの馬もそれに戸惑ったような感じで、先頭に立つのが早かったかなという気がしました。
 力を出し切れなかったというよりも馬自身が惑わされたという感じです。
 今度は阪神で良い形で結果を残してほしいと思っています」

(調教過程を振り返って)
「先週はある程度負荷をかけまして、ビシッと行きました。今週は競馬の週なので、一応相手の馬の行く横を見て、流してほしいという指示は出しました。
 見ている限りは、テンは後ろから入って、ゴール前で並んで入って、手応えも余裕を持って入ったので、良い調教だと思います。
 前走もある程度良い形で仕上がっていましたし、大きな変動はないと思っています。
 火曜日に計った時が500キロありましたが、競馬の時に少し減りますが490キロ台なら問題ないと思っています」

(今回のレースに向けて)
「この馬にとって1600mは最高の舞台だと思っています。直線に坂もあって、合っているような気がします。
 理想としては直線勝負の競馬が合っているような気がします。引っ掛かる馬ではないので、ある程度ポジションはどこでもいいかなと思っています。
 前の馬を追いかけて捕えるという感じのイメージを持っています。早めにハナに立ってしまうと前の目標がないのでフワッと息を抜いてしまうのかなと思っています。
 枠順はどこでもいいですね。
 胸を借りるつもりでチャレンジしたいです。
 先週はダイワメジャーの牝馬が勝ったので、今週は(ダイワメジャーの)牡馬が勝たなきゃダメでしょう!
 今週も2歳GIで舞台は整ったので、何とか本当に良い結果を残してほしいなと思っています」


【朝日杯FS】栗東レポート~トリプルエース
斉藤崇史調教師のコメントは以下の通り。

(デビューからの3戦を振り返って)
「初めて入厩してきた時はまだ少し頼りないところがありましたが、ゲート試験から追い切りを重ねるごとに、すごく馬がしっかりしている印象がありました。デビューの時から期待していた馬なので、ここまで順調に来られたかなと思います。
 (前走は)小倉に比べるとスタートが決まりましたし、前目で運べるのかなという感じでスタートしました。しかし何かどんどん後ろに下がってしまって、後手後手の競馬になってしまって、もったいなかったです。
 (初めてのマイルだったが)そういうのも試す意味でデイリー杯に行ったので、最後までバテずに終いもしっかり脚を使えて競馬ができたのが良かったと思います。これでマイルもちゃんとこなせる馬だと分かったのが良かったです」

(前走後の調整について)
「元々予定通りデイリー杯から朝日杯という感じだったので、デイリー杯もトライアルのつもりで使っていました。疲労も残さず順調にここまで来られたかなと思います。
 (最も間隔があいていたが)それも含めて前回は調整してきたので、前回から今回にかけてちゃんと上向いてきているなという印象もあります。順調に来られました」

(調教過程を振り返って)
「ジョッキーには馬の感じを掴んでもらうのと、しっかりと体を使わせてほしいとお願いしました。時計的にも内容的にもすごく良い追い切りができたと思います。ジョッキーも好感触を得てくれたので、良い追い切りができました。
 (ビュイック騎手は)良いスピードがあるし、ギアを上げていったらどんどん加速していくし、すごく良い馬だと言っていました。
 先週でしっかり負荷をかけているので、今週は負荷をかけ過ぎないようにということで坂路で行きました。やはりスピードのある馬なので、前半からそこそこの時計にはなっていましたが、最後は無理をしていないですし、ぶれずに真っ直ぐ上がって来られました。走りも良かったです。問題ないかなと思います。
 ここを目標にやって来られたので、予定していた通りに順調に来られました。あとは競馬に行って結果を残してくれたら良いなと思っています」

(今回のレースに向けて)
「阪神は新馬戦で走っていますし、1600mも前回で大丈夫だと思っています。広いコースですし、有利不利がないと思うので、この馬の力を存分に出してくれたら良いなと思います。
 小倉も前回も少し流れに乗りきれない競馬が続いてしまっているので、今回は流れに乗って競馬ができたらもっと良いレースができるのではないかと思っています。
 馬群の中で流れに乗って競馬がしたいなという感じです。
 デビューの前から2歳馬にしては随分と芯がしっかり入った馬だなと思っていました。それにようやく体が伴ってきたかなという感じがあります。まだまだ良くなるでしょうが、良いスピードと瞬発力を持っているので、それを生かせるようなレースと今後の成長を期待したいです。
 ここ2回、重賞で惜しいレースが続いていますが、能力は全然引けを取っていないと思っています。良いレースができるようにこちらも頑張りますので、応援よろしくお願いします」


【朝日杯FS】栗東レポート~ラウダシオン
斉藤崇史調教師のコメントは以下の通り。

(デビューからの3戦を振り返って)
「牧場で見ている段階からしっかりした馬だなと思っていました。デビューする時、それよりも緩さが目立ってしまって、大丈夫かなという感じでレースに行きました。予想していた以上に良いレースができましたし、一回レースを使ってからその緩さも抜けてきて随分と馬が変わってきたという印象がありました。変わり身という意味ではすごく成長を感じます。
 (前走は)あのような馬場をこなせるかどうかも含めて未知数な面が多かったですし、1400mもどうなのかなと思っていました。折り合いがしっかりついていましたし、良いレース内容で競馬ができたのが良かったと思います」

(前走後の調整について)
「あそこで賞金をちゃんと稼げたので、間隔を取って朝日杯という目標を立ててノーザンファームしがらきへ放牧に出しました。順調に馬体が回復しましたし、予定通りここまで来られました。
 体が戻っていましたし、ピリピリしていた部分がなくなって随分と落ち着いたなという感じがあったので、それが一番良かったです。
体重的にはそんなに大きく変わらないのですが、随分筋肉量が増えてきたような感じに映ります。デビューの頃に比べるとガッシリしてきたなという印象があります」

(調教過程を振り返って)
「(1週前は)折り合い重視で終い重点というのはいつもの感じですが、直線は促してからしっかり反応できていました。最後まで体を大きく使って走れていたので、順調に来られている印象です。
 明日はジョッキーに乗ってもらうので、折り合い面と体の使い方を確認してもらう程度で、そんなにビッシリと行かなくても良いかなと思っています」

(今回のレースに向けて)
「前回なんかもだいぶ馬場が悪い中で1400mを走ってくれて、ジョッキーもこの馬場で1400mを走れるなら1600mで大丈夫じゃない?と言ってくれました。その辺りは心配せずに、期待だけを持ってレースに挑みたいです。
 新馬の時にゲートに入らなくて迷惑をかけてしまいました。小倉とこの前のもみじステークスとゲート先入れで、入るのは大丈夫だったのですが、中でソワソワしてしまいまして良くなかったので、その辺りを改善して、ちゃんとスタートを決められるように練習しています。この中間で随分と馬が落ち着いているので、その辺りもだいぶリラックスして立てるようになりました。この感じで競馬に行ければ、何とかなるのではないかという感じはします。
 もう少しピリピリする馬なのかなと思っていましたが、前回から今回にかけて随分とリラックスできるようになりましたので、大丈夫かなと思っています。
 ジョッキーは一回乗って分かっていますし、ジョッキーに任せて、その感じでやってもらえれば良いかなと思います。
 一生懸命走ってくれる馬ですし、少し促してからスピードに乗るまでに時間がかかるのかなという感じがしますが、スピードに乗り出したら良いスピードが長続きする馬だと思います。それを生かすには阪神の1600mが良い舞台だと思うので、頑張ってくれるのではないかと思います。
 阪神も走ったことがありますし、阪神の1600mでも良いレースをしてくれると思っているので、皆さん応援よろしくお願いします」


【朝日杯FS】美浦レポート~ウイングレイテスト
青木孝文調教師のコメントは以下の通り。

(前走デイリー杯2歳Sを振り返って)
「休養明けと初の関西遠征、重賞と初ものづくしでしたが、全部上手にクリアしてくれました。馬の体としては、仕上り途上だったのは間違いないですが、よく頑張ってくれたと思います。ただこれは意外でもなく、ある程度期待通りだったと思います」

(前走はプラス12キロでしたが)
「これは、全部成長分だと思います」

(前走の結果については、満足ですか?)
「いくらステップレースとはいえ、勝ちたいのは間違いないので、負けてしまった事は満足していないですが、そこまでの過程や出来に関しては概ねうまくいっていると思います」

(中4週、この間の調整は?)
「特に奇をてらった調整をする訳でもなく、脚元も丈夫だし体も健康そのものなので、普段の攻め馬もしっかりやって、体のケアに重点を置いて良い意味で淡々とやってきました」

(馬体の変化は?)
「体は引き締まっていますが、馬体重は減るよりもむしろ増えていて、筋肉のスジとか明らかに今までと違って馬体の良化は間違いないです」

(1週前の追い切りは?)
「ウッドチップコースで古馬を前に行かせて、しっかりと併せ馬を行いました。時計は気にせずに、最後まで意識をしっかりと持たせて、馬の気持ちを上げていくような調教をしました。狙い通りの調教ができたと思います」

(今朝の最終追い切りの内容は?)
「松岡騎手が騎乗して途中ハミをグッと噛むようなところはありましたが、調教パートナーも上手く対応してくれて、最後はしっかりと併せ馬ができました。松岡騎手は、抜け出した時の馬の反応を見たいと言っていたので、首ひとつ出た時に馬の集中も保てていたので、そこは良かったと思います」

(馬の状態は?)
「状態は良いと思います。ただ、まだ体も顔つきも幼いところを残しているし、完成というのはまだ先だと思います」

(阪神の1600mコースについては?)
「最後に急な坂が控えていたり、3コーナーとか4コーナーとかカーブが大きかったりとか色々ありますが、取り敢えず関西遠征もクリアしていますし、広いコースも右周り左周りの違いはありますが、東京コースを経験しているので問題ないでしょう。急坂もトモの筋肉がしっかりとしている馬なので不安はありません」

(レースへ向けて期待の程を)
「開業3年目でやっとGIレースで注目してもらえる馬が現れました。去年のウインゼノビア(阪神JF 13着)の反省、経験を活かして頑張ります。応援宜しくお願いします」


【朝日杯FS】美浦レポート~サリオス
森一誠調教助手のコメントは以下の通り。

(レコード勝ちの前走を振り返って)
「時計は、開幕週で良い馬場状態だったので、良いタイムが出てもおかしくはなかったのかなと思います。馬も順調に勝ってくれて良い内容だったと思います」

(最後も良い脚でした)
「直線を向いてからは、相手の反応の方が良かったんですが、こちらもジョッキーがゴーサインを出してからは良い反応だったと思います」

(今朝の追い切りはどんな点をポイントに?)
「先週までの段階でしっかりと負荷をかけていて、今週は輸送も控えていますし無理せずというところで、3頭併せの真ん中で良い併せ馬ができたと思います」

(馬の動きや反応については)
「両サイドから併される形でしたが、しっかりと折り合って最後まで集中して走っていたと思います」

(キャリア2戦、ここまで思い描いてきた通りに?)
「デビュー前から能力は感じていましたが、その中でレースできちんと勝つことができていて能力は発揮できていると思います」

(3戦とも別の騎手になりますが)
「すごい操縦性の良い馬ですし、ライアン(・ムーア)騎手も2週前に跨ってくれて馬の感触を確かめてくれました。レースでは初めてになりますが問題ないと思います」

(輸送は初めてになりますが)
「関西圏の輸送は初めてですが、中間もノーザンファームしがらきに放牧に出したり輸送も経験しているので、そのあたりが活きてくるのかなと思います」

(右回りの阪神コースについては?)
「普段から調教でも右回りの馬場を経験していますし、レースでは初めてですが問題ないと思います」

(相手関係については)
「GIレースで、これまでと比べると1段階強い相手になると思いますが、この馬自身も凄い能力の高い馬ですから期待しています」





調教Gメン研究所・井内利彰

【朝日杯FS 追い切り】先週に続き同舞台での2歳GI、求められる能力は同じ!? 追い切りを徹底解説!

先行馬をマークする立場なら、末脚を爆発できる


 先週の阪神JFはレシステンシアの圧勝劇。当欄にも「ラップの踏み方がここまで安定してくると過去2戦以上のパフォーマンスを期待したくなります」と記しましたが、その通りの結果になりました。先週の土日阪神はともにマイル戦でしたが、勝ち馬の最終追い切りはいずれも栗東坂路で2Fが24.1秒と23.9秒。この脚力が今の阪神マイルには必要なのかも知れません。

 そう考えると、今週の朝日杯FSでも栗坂2Fの時計は馬券の鍵を握るかも知れません。実際、昨年の朝日杯FSは最終追いに限らず、2週前から栗坂追いが人気薄激走しやすいというのは他メディアで書いた調教適性。そうなってくると、美浦所属馬の扱いをどうするかなど、予想の組み立てを考えないといけませんが、ひとまずここでは栗東所属馬の調教内容を解説しましょう。


【朝日杯FS/レッドベルジュール】
 前走が約5ヶ月ぶりのレース。その調教内容としては、調教前半に栗東坂路で軽く時計を出し、その後はCWと栗芝で追い切るという形。併用調教ではありますが、どちらかといえば、トラックに重点を置いた調教内容だったと思います。

 今回はレース間隔が違いますが、トラックに重点を置く調教内容は前走時と同じ。1週前追い切りはCWで併せ馬を行っていますが、残り300m地点までは持ったままの手応えで前に迫ってくる前進気勢が見られました。追い出すと右手前に替えて、更に伸びようとしていましたが、そのフットワークはダイナミック。最終追い切りは栗芝になりましたが、その動きからは好調を感じます。


【朝日杯FS/タイセイビジョン】
 過去3戦していますが、阪神、函館、東京といろんな競馬場で1200mと1400mを走って、自身の上がり3Fはすべてメンバー最速。これは高く評価できる内容だと思っています。ちなみに栗東坂路で最終追い切りを行った時は2戦2勝ですから、自身にとってもレースの調教適性にとっても栗坂はポイントになりそう。

 ちなみに1週前追い切りは武豊騎手が跨った栗坂での併せ馬でしたが、並びかけるまでは2歳馬らしい首を振るシーンもありましたが、1頭になってからはまっすぐ駆け上がる姿。気分よく走れたという印象です。最終追い切りは2回目のハローが終了した直後、非常に走りやすい馬場状態の中で4F55.4秒。時計は気持ち物足りないかなと思います。


【朝日杯FS/ペールエール】
 前走は案外なレース結果にガッカリというのは正直な印象ですが、あらためてこの馬を見直すことになったのは1週前追い切り。CWで3頭併せの最後方でしたが、ゴール前では先行馬が脱落して、最後はトロワゼトワルとの追い比べ。とはいっても、相手が前に出ていましたし、その手応えも楽。「追いつかないだろうな」というのが一瞬見た時の判断です。

 ただ、ジョッキーが追い出すと、ぐんぐんと伸びて、手前も逆ではありますが、右に替えて抜け出してきます。この動きを見て感じたことは「目標へ向かって加速する能力は素晴らしいものがあるけど、抜け出すとホッして力を抜く」タイプだということ。サリオスあたりの強い先行馬をマークする立場なら、ゴール前で今まで見せたことがないような末脚を発揮する可能性は十分ありそう。

 最終追い切りはO.マーフィー騎手が跨って併せた相手を最後まで交わすことがありませんでした。むしろこの動きから、実戦で前を追い抜くということをやってくれれば。


【朝日杯FS/ラウダシオン】
 前走時も今回も共通しているのは、追い切りがすべてCWで行われている点。速い6F時計を出すというよりも、単走で終い重点という形で、1週前追い切りもその形でしたが、最後まで集中して走れているのが印象的でした。

 併せるとそれだけ行きたい気持ちが出てしまうのかも知れませんが、そのあたりが多頭数で距離延長となる今回の鍵。追い切り自体は丹念にこなしているので、この馬自身の好走パターンの調教内容との比較では問題ありません。ただ、レースに対する調教適性も加味した上での判断となると、評価は高くないというのが正直なところです。


【朝日杯FS/ビアンフェ】
 デビューから3戦は函館競馬場で調整していたため、栗東での最終追い切りは前回が初めて。中竹和也厩舎らしく、休み明けはあまり本数が多くないという状態でしたが、栗坂で2F24.1秒をマークして2着という結果でした。

 今回は3週前から週1本ずつの追い切り。追うごとに2F時計を詰めていて、最終追い切りは栗坂で2F24.3秒。1F11.8秒の走りは本当に素晴らしかったと思います。自分のリズムで走ることができれば、しっかりと脚を使えます。ここも自分の競馬をするだけでしょう。


◆次走要注意

・12/8 阪神JF【リアアメリア】(1人6着)

 圧倒的1番人気を裏切る結果となりましたが、今回はレースに戸惑ったのかなという印象。もう少し前の位置でレースするつもりだったようですし、そのあたりの鞍上の指示と馬の気持ちにズレがあったのかも知れません。決してこれで終わる馬ではないと思いますし、今後は厩舎もしっかり調整してくれるはずです。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りで併せ馬先着なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・2歳未勝利【ベニトアイト】

 CWでモズダディーに先行する併せ馬でしたが、4コーナーから最後の直線へ向かう時のギアチェンジが素晴らしい動き。それでいて、スピードを出しすぎることなく、適度に余裕を持った走り。ゲートさえしっかり出れば。





栗山求コラム「血統の裏庭」

​朝日杯フューチュリティS(G1)血統的考察

​ 先週の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)は、
果敢にハナを切ったレシステンシア(4番人気)が
ハイペースをものともせず後続を5馬身ちぎって逃げ切った。

1分32秒7はコースレコード。

前後半45秒5-47秒2の前傾ペースながら
上がり最速(35秒2)をマークしたのは力の違いとしか言いようがない。

結果的に上位人気3頭はレシステンシアの影すら踏めず終わってしまった。

桜花賞戦線の勢力図はこの一戦でガラリと書き換わった。

別路線から脅かす馬が現れないかぎり桜花賞は堅く決まりそうだ。


さて、今週は朝日杯フューチュリティS(G1・芝1600m)。

14年に中山から阪神に場所を移して行われるようになった。

以前のような枠順の有利不利がなくなり、
ほぼ公平な条件で争われるようになったので英断だろう。


阪神芝1600mにおける2歳戦の種牡馬成績を連対率順に並べてみた
(最少レース機会数20、2010年以降、現2歳に産駒がいる種牡馬のみ対象)。

1位 ディープインパクト 35.1%
2位 ロードカナロア   31.6%
3位 ハーツクライ    21.7%
4位 ジャングルポケット 21.4%
5位 ゼンノロブロイ   20.0%

4位ジャングルポケット、5位ゼンノロブロイは今回の登録馬に産駒がいない。

1位ディープインパクト(レッドベルジュール)、
2位ロードカナロア(メイショウチタン)、
3位ハーツクライ(サリオス)は1頭ずつ登録がある。


1位ディープインパクトは151戦53連対と、
十分なサンプルがありながらこの数字は破格だ。

これまでに挙げた37勝のうち、
朝日杯フューチュリティSと阪神ジュベナイルフィリーズの勝ち馬を計6頭出している。

これも他の種牡馬の追随を許さない。


朝日杯フューチュリティSは、
阪神で行われるようになった2014年以降、
昨年までの5年間にディープインパクト産駒が3勝を挙げている。

きわめて相性がいい。

・14年 ダノンプラチナ
・16年 サトノアレス
・17年 ダノンプレミアム
※15年は出走馬なし


【レッドベルジュール】

今年はデイリー杯2歳S(G2)の覇者レッドベルジュールが登録してきた。

レッドベルローズ(フェアリーS-3着)、
レッドベルディエス(クイーンC-5着)の全弟で、
すでに2戦目で重賞を勝ったので母レッドファンタジアの仔のなかでは一番の出世頭だ。

3代母フォーンチャッターは米2歳牝馬チャンピオンに選ばれた名牝で、
母レッドファンタジアはインランジェリー(米G1スピンスターSなど重賞3勝)の4分の3妹にあたる良血。

母方にアンブライドルズソングを持つディープインパクト産駒は、
出走26頭中22頭が勝ち上がる好成績で、2歳戦ではこれまで[19-9-7-20]。

勝率34.5%、連対率50.9%、複勝率63.6%は驚異的。

とくに今年の2歳世代は、本馬の他に
コントレイル(東京スポーツ杯2歳S)、リアアメリア(アルテミスS)、
ルナシオン(1戦1勝)、ブレッシングレイン(2戦1勝)など、
どういうわけか素質馬が群がり出ている。

本馬と同じ「ディープインパクト×アンブライドルド」の
組み合わせを持つダノンプラチナは、
2014年の当レースを制している。

血統的には申し分ないが、ノド鳴りを抱えているため、
持てる能力をしっかり発揮できるかどうか不安がある。

ただ、症状が酷ければ使えないはずで、
使うからにはデイリー杯と同じく走れる状態にあると考えていいだろう。


【サリオス】

サウジアラビアロイヤルC(G3)をレコード勝ちし、2戦2勝でここに臨む。

勝ちタイム1分32秒7は、
阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)でレシステンシアが出したタイムとまったく同じ。

世代ナンバーワンの好タイムだ。


父ハーツクライは現2歳世代が絶好調。

本馬の他にマイラプソディ(京都2歳S)、ウーマンズハート(新潟2歳S)、
ワーケア(アイビーS)、クラヴァシュドール(阪神ジュベナイルフィリーズ-3着)
といった素質馬を擁している。

サリオスは
サラキア(ローズS-2着、エプソムC-2着/父ディープインパクト)、
サロニカ(エルフィンS/父ディープインパクト)の4分の3弟。

母サロミナ(独オークス)、
2代母ザルデンティガーリン(オイロパ賞-2着、独オークス-3着、独ダービー-4着)は
いずれも独3歳牝馬チャンピオン、という筋の通ったファミリーに属している。

母方にニニスキとデインヒルを併せ持つハーツクライ産駒なので
ワーケアと配合構成がよく似ている。

デインヒルを持つハーツクライ産駒は
2歳戦の芝で連対率34.5%と走っており、
アドマイヤミヤビ(クイーンC)、グレイル(京都2歳S)、
カテドラル(NHKマイルC-3着)、シャドウディーヴァ(フローラS-2着)、
コスモインザハート(札幌2歳S-5着)などが出ている。

ハーツクライ産駒にしては完成が早く、
芝1600~2000mがベスト、という傾向が見られる。


朝日杯フューチュリティSは東京芝1600mと結びつきが深い。

いずれのコースも直線の長いマイル戦で、コース設定が似ているからだろう。

前走、東京芝1600mを勝って本番に臨んできた馬は
[3-0-2-0]と一度も馬券圏内を外していない。

前走、サウジアラビアロイヤルカップをレコード勝ちしたサリオスは
勝ち負けになる可能性が高い。


【ウイングレイテスト】

「スクリーンヒーロー×サクラユタカオー」という組み合わせ。

京都新聞杯を勝ったベストメンバー(父マンハッタンカフェ)の半弟にあたる。

母の父サクラユタカオーはスプリント王サクラバクシンオーの父で、
自身は芝1800mと芝2000mで日本レコードを樹立した
芝中距離向きのスピード馬だった。

母グレートキャディは
ナスルーラ4・5×4・6にミスタープロスペクターが入るスピード配合で、
現役時代に芝1400~1600mで2勝を挙げた。

昨年のこのレースで2着に食い込んだクリノガウディーは
同じスクリーンヒーロー産駒だが、
それよりもウイングレイテストはスピード値の高い配合馬だ。

前走のデイリー杯2歳Sは、
初の長距離輸送、初の良馬場、休み明け、外枠、一気の相手強化と
厳しい条件がそろっていたため、11頭中7番人気に過ぎなかったが、
直線で馬群を割って伸びて2着に食い込んだ。

勝ったレッドベルジュールの切れ味には屈したものの、
展開次第では逆転できる差だった。

経験値が高くたくましさが感じられるので
G1の舞台でも太刀打ちできるだろう。


京王杯2歳Sの1、2着馬タイセイビジョン、ビアンフェはもちろん争覇圏内。

前者は折り合い、後者は距離克服が鍵となる。


調教の動きなどを加味しつつ、
週末に最終結論を出したい。






「虎の子」の一頭

【朝日杯FS】トラックバイアスから狙う馬は例年と異なるタイプになりそうだ

「トラックバイアスの不利」を受けた馬を狙う


 日曜のメインレースとして行われた阪神JFは1分32秒7の2歳コースレコードで決着。リニューアルされて初年度の開幕週にウオッカが記録していた基準タイムを初めて更新した。

 レース内容も振り返ると、内めの枠から淀みないペースで逃げたレシステンシアが後続に末脚を溜める隙を与えず、早仕掛けで圧勝。例年の阪神JFとは異なる珍しい決着パターンとなった。

 このような珍しい結果になったのは「馬場」の影響は大きい。今開催の阪神芝は、例年以上に「軽い馬場」で行われている。

 朝日杯FSも例年よりも「軽い馬場」で行われそうだ。(天気予報通り、晴れが続けば)

 近年の朝日杯FSが、馬場コンディション「軽い~稍軽い」で行われたのはダノンプレミアムが勝った2017年のみ。(なお、馬場判定はすべて私独自のもの。JRAの発表とは異なる)

 内、外のトラックバイアスもなく、上位馬がほぼ人気順通りの順当な決着となったが、勝ち馬のダノンプレミアムは内枠から先行して圧勝していた。

 先週の阪神JFも先行した馬が1、2着。「軽い馬場」の「先行」競馬を得意としている馬を狙う。

 ペールエールの前走デイリー杯2歳Sはトラックバイアス「外有利・差し有利」

 1、2着馬は後方位置取り。4番人気以下で5着内に入った3頭は6枠より外で外枠有利。7番人気2着と最も人気薄で5着内のウイングレイテストは8枠から後方位置取りだった。

 デイリー杯組は、上位4頭が揃って出走を予定。内で先行した「トラックバイアスの不利」を受けた馬を狙いたい。

 ペールエールは前の位置取りにつけていて、さらに内枠。最も不利な状況。

 また、前走はゲートから押して流れに乗る競馬。この経験も今の馬場を走るにはいい経験になった。先週の阪神JFは、道中で流れに乗る経験をしていなかった1、2人気がどちらも馬券圏外に消えた。

 一方勝ち馬は道中で流れに乗る経験をしていた。前走のデイリー杯の経験は「今の馬場」ではいい経験。さらに前走は「トラックバイアスの不利」が大きかった。巻き返しも狙える。
スポンサーサイト