データde出~た

第1386回 今年も未来の活躍馬を送り出せるか? 日経新春杯を展望する

今週末の日曜に京都芝2400mで行なわれる日経新春杯は、2020年最初のG2戦となる。昨年の勝ち馬グローリーヴェイズは天皇賞・春で2着に入り、年末には香港ヴァーズを制してみせた。同馬の活躍に続かんと、今年エントリーしてきたのは16頭。レース名の通り、新春に弾みをつけるのはどの馬か、過去10年のデータから有望と思われる馬を探してみよう。データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。


■表1 人気別成績
人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 4- 4- 1- 1/10 40.0% 80.0% 90.0% 109% 125%
2番人気 4- 1- 0- 5/10 40.0% 50.0% 50.0% 150% 72%
3番人気 0- 2- 1- 7/10 0.0% 20.0% 30.0% 0% 50%
4番人気 0- 1- 4- 5/10 0.0% 10.0% 50.0% 0% 115%
5番人気 0- 1- 0- 9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 20%
6番人気 1- 0- 0- 9/10 10.0% 10.0% 10.0% 121% 48%
7番人気 0- 0- 2- 8/10 0.0% 0.0% 20.0% 0% 86%
8番人気 0- 0- 1- 9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 41%
9番人気 0- 0- 0- 10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10番人気~1- 1- 1- 48/51 2.0% 3.9% 5.9% 44% 52%

表1は人気別成績。過去10年、1番人気は4勝2着4回3着1回と安定感抜群で、2番人気も4勝を挙げた。複勝率ベースでいっても4番人気以内と5番人気以下の間に大きな隔たりが見られ、穴馬の好走例は少なくなっている。日経新春杯はハンデ戦ではあるものの上位人気馬が強いレースと言えそうだ。


■表2 年齢別成績
年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
4歳  7- 5- 1- 19/32 21.9% 37.5% 40.6% 161% 80%
5歳  2- 3- 5- 21/31 6.5% 16.1% 32.3% 17% 118%
6歳  1- 2- 4- 29/36 2.8% 8.3% 19.4% 10% 54%
7歳以上0- 0- 0- 42/42 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表2は年齢別成績。ご覧の通り、年齢が若い馬ほど数値が高く、過去10年で7勝を挙げた4歳馬の成績は非常に優秀だ。5歳馬も計10頭が1~3着に入り、複勝率32.3%、複勝回収率118%と、なかなかの数字を記録。これら4、5歳馬に比べて、6歳馬は全体的に数値が下がりはするものの、計7頭が好走。しかし、7歳以上の馬は延べ42頭も出走しながら好走例が皆無となっている。高齢馬でも侮れない昨今だが、日経新春杯ではかなりの苦戦を強いられている。


■表3 ハンデ別成績
ハンデ 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
牡馬
~51kg 0- 0- 0- 7/ 7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
52kg  1- 0- 1- 10/12 8.3% 8.3% 16.7% 190% 82%
53kg  0- 1- 0- 13/14 0.0% 7.1% 7.1% 0% 10%
54kg  1- 1- 0- 21/23 4.3% 8.7% 8.7% 16% 12%
55kg  4- 2- 1- 16/23 17.4% 26.1% 30.4% 90% 61%
56kg  1- 5- 3- 21/30 3.3% 20.0% 30.0% 15% 74%
56.5kg 1- 0- 1- 0/ 2 50.0% 50.0% 100.0% 160% 145%
57kg  0- 0- 0- 7/ 7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
57.5kg 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
58kg  0- 0- 2- 5/ 7 0.0% 0.0% 28.6% 0% 45%
58.5kg 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 160% 110%

牝馬
~51kg 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
52kg  0- 0- 2- 3/ 5 0.0% 0.0% 40.0% 0% 372%
53kg  0- 0- 0- 0/ 0
54kg  1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 195% 80%
55kg  0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 215%

表3はハンデ別成績を牡牝別に示したもので、セン馬は牡馬に含めている。牡馬で好走率が高いのは「55~56.5キロ」や「58~58.5キロ」といったあたり。興味深いのは、その間の「57~57.5キロ」は合計11走して1回も好走例がないことだ。58キロ以上を課される馬は実力で重ハンデを克服できるが、57~57.5キロだとそれが難しいのかもしれない。牝馬は出走例こそ多くないが、全体に好走率は高く、好走例がある52~55キロなら大丈夫そうだ。なお、牡馬は54キロ以下だと好走率が下がり、51キロ以下の好走例は皆無。また、牝馬も51キロ以下だった2頭はいずれも4着以下に敗れている。


■表4 種牡馬別成績
種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
キングカメハメハ  4- 0- 1- 7/12 33.3% 33.3% 41.7% 103% 50%
ディープインパクト 2- 1- 2-13/18 11.1% 16.7% 27.8% 32% 46%
ステイゴールド   1- 1- 1- 5/ 8 12.5% 25.0% 37.5% 46% 70%
ハーツクライ    1- 1- 0- 3/ 5 20.0% 40.0% 40.0% 456% 144%
フレンチデピュティ 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 390% 160%
アドマイヤドン   1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 1210% 480%
マンハッタンカフェ 0- 3- 2-12/17 0.0% 17.6% 29.4% 0% 149%
ゴールドアリュール 0- 2- 2- 2/ 6 0.0% 33.3% 66.7% 0% 183%
マヤノトップガン  0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 100%
ダイワメジャー   0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 125%
ゼンノロブロイ   0- 0- 1- 5/ 6 0.0% 0.0% 16.7% 0% 68%
ナカヤマフェスタ  0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 190%
※好走例のある種牡馬のみ

表4は種牡馬別成績で、好走例がある種牡馬だけを掲載した。日経新春杯では同じ種牡馬の産駒が何度も好走する傾向が見られ、キングカメハメハ、ディープインパクト、マンハッタンカフェはいずれも3着以内を5回ずつ記録。そのほか、ゴールドアリュールが4回、ステイゴールドも3回の3着以内があり、この5種牡馬の産駒だけで計22回を占める。また、ハーツクライは出走回数こそ少ないが、全5走で1、2着が各1回と好走率は高い。以上、ここで名前を挙げた種牡馬の産駒は今年も要注意の存在になりそうだ。


■表5 前走クラス別成績
前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
2勝     1- 1- 1- 1/ 4 25.0% 50.0% 75.0% 570% 285%
3勝     1- 4- 1- 19/2 54.0% 20.0% 24.0% 14% 38%
オープン特別 0- 0- 2- 21/23 0.0% 0.0% 8.7% 0% 88%
G3     1- 4- 1- 30/36 2.8% 13.9% 16.7% 10% 38%
G2     1- 1- 4- 20/26 3.8% 7.7% 23.1% 18% 57%
G1     6- 0- 1- 20/27 22.2% 22.2% 25.9% 95% 45%

表5は前走クラス別成績。大きな特徴となっているのが、前走で条件戦(2勝クラス、3勝クラス)を走っていた馬の好走例が計9頭もあり、好走率も前走重賞出走馬と大差ないことだ。ただしこの9頭はすべて前走1着で、これは絶対条件と言えそうだ。また、9頭中7頭は前走1番人気で、これもひとつの目安となるだろう。前走でオープン特別に出走していた馬の成績は振るわない。なお、前走で重賞に出走していた馬については、表6、表7の項目で触れることとする。


■表6 前走G2・G3出走馬の各種データ
項目 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率 
前走人気
1番人気  1- 1- 0- 5/ 7 14.3% 28.6% 28.6% 55%4 2%
2番人気  1- 1- 1- 6/ 9 11.1% 22.2% 33.3% 52% 54%
3番人気  0- 2- 0- 2/ 4 0.0% 50.0% 50.0% 0% 157%
4番人気  0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 70%
5番人気  0- 1- 0- 2/ 3 0.0% 33.3% 33.3% 0%8 3%
6~9番人気0- 0- 1- 8/ 9 0.0% 0.0% 11.1% 0% 32%
10番人気~ 0- 0- 2-23/25 0.0% 0.0% 8.0% 0% 28%

前走着順
1着  0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 76%
2着  0- 2- 0- 5/ 7 0.0% 28.6% 28.6% 0%4 8%
3着  1- 2- 2- 3/ 8 12.5% 37.5% 62.5% 48% 120%
4着  0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 145%
5着  0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
6~9着1- 1- 0-15/17 5.9% 11.8% 11.8% 27% 34%
10着~ 0- 0- 1-21/22 0.0% 0.0% 4.5% 0% 21%

表6は、前走でG2・G3に出走していた馬について示したもの。前走人気別成績から見ていくと、6番人気以下だった馬は日経新春杯での好走率がだいぶ下がるので、5番人気以内が目安となる。そのなかでも勝ち馬が出ているのは前走1、2番人気という点も押さえておきたい。前走着順別成績も似たような傾向が出ており、6着以下だった馬は好走率が下がる。前走5着は出走例が1回しかないため保留とするが、前走G2・G3出走の場合、できれば掲示板には載っておきたいところだろう


■表7 前走G1出走馬のタイム差別成績
前走タイム差 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
負0.0秒   0- 0- 0- 0/ 0
負0.1~0.2秒 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 160% 110%
負0.3~0.5秒 3- 0- 0- 1/ 4 75.0% 75.0% 75.0% 450% 185%
負0.6~0.9秒 2- 0- 0- 3/ 5 40.0% 40.0% 40.0% 122% 52%
負1.0秒~  0- 0- 0-16/16 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表7は、前走でG1に出走していた馬について、前走時のタイム差別成績を示したもの。ご覧の通り、極めて明快な傾向が出ており、前走のG1でタイム差が0.9秒以内だった馬の勝率は非常に高い。また、タイム差が小さかった馬ほど好走しやすい。一方、前走のG1で1.0秒以上負けた馬の好走例はなく、厳しい戦いとなりそうだ。
なお、11年3着のローズキングダムは今回の集計対象から外している。というのも、前走となるはずだった有馬記念は出走取消。実際に走ったジャパンCは降着に伴う繰り上がり1着と、複雑な事情を抱えているからだ。


【結論】
  
以上の分析に基づいて、今年の日経新春杯にエントリーがある16頭のなかから有力と思われる馬を紹介していこう。

前走G1組で目につくのがレッドジェニアルだ。前走の菊花賞(6着)におけるタイム差は0.6秒で、表7で確認した好走圏内をしっかりキープ。ほかにも、牡馬のハンデ56キロ、4歳馬、父キングカメハメハと、好走率の高い要素が見事に揃う。京都新聞杯以来の重賞2勝目に向けて視界は良好といったところか。

前走G2・G3組は、その前走で1~5番人気かつ1~5着が目安だった。これに合致する馬として挙げられるのが、アルゼンチン共和国杯で1番人気3着だったアフリカンゴールド。牡馬(セン馬)のハンデ55キロ、5歳馬、父ステイゴールドと、この馬も致命的な弱点は見当たらない。前走の中日新聞杯で重賞初制覇を飾ったサトノガーネットは、当時が8番人気だったことが割引材料となる。この点を除くと、牝馬のハンデ55キロには好走例があるし、5歳馬、父ディープインパクトというのは悪くない。

前走条件戦組も侮れない存在。前走1着は絶対条件で、今年これを満たすのは比叡S1着のレッドレオンだけとなる。前走1番人気ならよりよかったが、牡馬のハンデ54キロ、5歳馬、父ディープインパクトと、この馬もデータ的には有望だ。






栗山求コラム「血統の裏庭」

​日経新春杯(G2)血統的考察

​ 先週のシンザン記念(G3)は
○サンクテュエール(2番人気)が好位から伸び、
△プリンスリターン(5番人気)にクビ差競り勝って優勝、
初の重賞タイトルを獲得した。

時計の掛かる現在の京都芝を苦にせず、牡馬相手に競り勝ったのは高い能力の証明。

一戦ごとに力をつけてきており、阪神JFで上位入線した馬たちと差はないだろう。

2歳女王レシステンシアは尋常でない強さの持ち主だが、
サンクテュエールはアメリカでG1を2勝したヨシダの4分の3妹で、成長力のある血統。

3ヵ月後の桜花賞(G1)で勝ち負けになるだけのポテンシャルを秘めている。


さて、今週は日経新春杯(G2・芝2400m)。

過去10年間の成績を見ると、
1番人気馬が8回連対している本命サイドのレースで、
連対馬20頭中4歳馬が12頭連対(連対率37.5%)と抜群の成績を挙げている。


【レッドジェニアル】

「キングカメハメハ×マンハッタンカフェ」という組み合わせ。

母レッドアゲートはフローラS(G2)の勝ち馬で、
10年前の日経新春杯で12番人気ながら3着と健闘している。

デビュー以来すべて2000m以上のレースを使っているように、
早くから長距離向きと評価され、京都新聞杯(G2)を11番人気で快勝。

前走の菊花賞でも勝ち馬と0秒6差の6着と健闘した。

日経新春杯はキングカメハメハ産駒が強く、
過去10年間に4勝(ルーラーシップ、トゥザグローリー、
レーヴミストラル、ミッキーロケット)を挙げている相性のいいレース。

鋭く切れる脚はないもののしぶとさがあるので、
現在の時計の掛かる京都芝は合うだろう。


【アフリカンゴールド】

「ステイゴールド×ゴーンウェスト」という組み合わせで、
ドバイワールドC(首G1・AW2000m)を勝ったアフリカンストーリーの半弟にあたる。

2代母ダニッシュは
クイーンエリザベス二世招待チャレンジC(米G1・芝9f)の勝ち馬。

母方にデインヒルを持つステイゴールド産駒、というパターンは、
フェノーメノ(天皇賞・春2回)、ナカヤマフェスタ(宝塚記念、凱旋門賞-2着)など、
スタミナと底力を武器とする中長距離向きの配合だ。

3歳時は、兵庫特別(2勝クラス)を4馬身差で圧勝して菊花賞(G1)に臨んだものの、
心身ともに若さがあり本番は12着と敗れた。

続く日経新春杯(G2)も15着。

気性の激しさによってまともに調教もできず、
高い素質が持ち腐れになっていたため、4歳春に去勢手術を施した。

復帰緒戦のマレーシアC(3勝クラス)は4着だったが、
続く六社特別(3勝クラス)を快勝し、
さらに前走のアルゼンチン共和国杯(G2)は3着と健闘した。

現在の京都芝は時計の掛かる馬場コンディションとなっており、
ステイゴールド系が大活躍している。

ここは馬場も合う。


【タイセイトレイル】

「ハーツクライ×シンボリクリスエス」という組み合わせ。

母マザーウェルはロードクロノス(中京記念)、
トレジャー(セントライト記念-2着)などの半妹にあたり、
2代母シンコウラブリイはマイルCS(G1)や毎日王冠(G2)など6つの重賞を制した女傑。

条件クラスから着実に出世してきて
昨年秋のアルゼンチン共和国杯で2着となったが、
勝ったムイトオブリガードもシンコウラブリイの孫だった。

父ハーツクライは中長距離への適性が高く、
日経新春杯では13年にカポーティスターが勝ち、
16年にシュヴァルグランが2着となっており、
過去5頭が出走してすべて掲示板を確保している。

レース適性は高い。

母の父がパワー兼備のシンボリクリスエスなので現在の京都芝も合いそうだ。


【サトノガーネット】

「ディープインパクト×ヴィクトリーノート」という組み合わせで、
母ビートリックスキッドはノネット賞(仏G3・芝2000m)で3着となった。

母方にフェアリーキングを持つディープインパクト産駒は大成功している。

デビューを果たした19頭中17頭が勝ち上がり、
ハープスター(桜花賞)、ジュールポレール(ヴィクトリアマイル)など4頭が重賞を勝ち、
連対率31.0%、1走あたりの賞金額500万円という非凡な成績を挙げている。

芝2400mは昨年6月に三田特別(2勝クラス)で経験済みで見事勝利している。

前走、中日新聞杯(G3)を勝ったことで、
今回は牝馬ながら55kgのハンデを背負う。

アフリカンゴールドやタイセイトレイルと同斤なので楽ではない。


【メロディーレーン】

「オルフェーヴル×モチヴェイター」という組み合わせで、
母メーヴェはクイーンC(G3)5着のほか丹頂S(OP・芝2600m)を勝つなど長距離適性があった。

母の父モチヴェイターはスタミナ豊かなサドラーズウェルズ系で、
父オルフェーヴルはこの系統と好相性を示している。

周知のとおり馬体重が340kg(前走)しかないが、
芝3000mの菊花賞(G1)で牡馬に交じって5着に食い込んだようにスタミナは満点。

なおかつ時計の掛かる芝も合う。

49kgの軽量を活かせば勝機もある。


調教の動きなどを加味しつつ、
週末に最終結論を出したい。
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