水上学の血統トレジャーハンティング

【アメリカJCC】復権の足掛かり

【今週のポイント】
日曜の中山メイン、アメリカJCCは、近5年続けて単勝7,8番人気が馬券圏に入ってきているが、反面1,2番人気も4年続けて連対中。昨年こそ、7番人気シャケトラがアタマを取り切って3連単は12万円台となったが、基本的には大波乱というよりヒモ荒れまでとなることが多い。

今年は3、4頭に人気が散りそうだが、注目は凱旋門賞以来となるブラストワンピースの復帰。あくまで始動戦なのか、しっかり勝って復権を期するのか、その見極めが重要となりそうだ。

人気馬総崩れは見込めないように思えるが、ただ今年の中山芝は異例で、例年より遥かに時計が掛かると共に、パワーが必要な状態となっている。前に行った馬の苦戦傾向も距離問わず目立っており、過去の傾向よりも、今年の馬場に合うタイプを選ぶ方が賢明かもしれない。そこに多少の付け目はありそうだ。

★土曜小倉11R 愛知杯(G3)
◎本命馬 パッシングスルー 2番人気7着
中団から進んでいたが、向こう正面で一度躓いて位置取りが下がり、さらに4角で上がっていこうとしたときに、バテたランドネが膨れてきて外へ持っていかれてしまい大きな距離ロス。それがなくても3着までに来たかは不透明だが、大きな不利だったことは確かだった。

$お宝馬 レッドランディーニ 8番人気15着
想定以上に雨が降ったことが痛かった。この馬は道悪適性は皆無なのだろう。

★日曜中山11R 京成杯(G3)
◎本命馬 ヒュッゲ 2番人気10着
ロールオブサンダーを行かせて2番手も、外からスカイグルーヴに張り付かれて、3頭合わせの真ん中に入ったかのようなポジションになってしまった。3頭並びあるいは雁行の際には、真ん中に入った馬が最もストレスが掛かることは知られているが、まともに拙いところに入ったために、早々に馬が音を上げてしまった。普通ならバテるようなペースではないだけに、メンタル面のストレスと、輸送で減らした馬体含めてコンディションが整わなかったのだろう。

$お宝馬 ヴィアメント 9番人気8着
中団から伸びもバテもせず。地力がまだないということに加え、イレコミも目立っていた。いくら力の要る馬場でも無理狙いだったかと反省。自己条件なら見直せる。

【次回の狙い馬】
土曜 中山9R 3着
インターミッション
前が残れない馬場で、積極的に行って直線まで勝ち負けに加わり、最後は前には離されたが3着を取り切ったのは立派。フェアリーS除外による調整の難しさもあっただろう。東京でも走れる馬で、次走は上積み必至だ。

日曜 中山12R 7着
スイートセント
内へササっていた上に、押っ付け通し。右回りもこなせるが左の方が良さそうだし、また現在は1200mは忙しすぎる印象。1400mがある東京の方が良いはずだ。次走東京1400m条件に狙ってみたい。




回収率向上大作戦・須田鷹雄

【AJCC】AJC杯・別定GIIに出走したGI馬

回収率は望めず、馬券はひと工夫が必要


 今年のAJC杯には2018年の有馬記念馬ブラストワンピースが登録している。GI馬がAJC杯出走というとミホシンザンを思い出してしまう世代の筆者だが、果たしてGI馬のAJC杯出走、あるいは別定GII出走というのはどのような結果を残しているのだろうか。

 起点を1989年のGI競走とし、まずは牡馬セン馬のGI馬(2歳GIを除く)がAJC杯に出走したケースを見てみよう。

 該当例はのべ16例で、結果は[1-1-0-14]。昨年のフィエールマンが2着、1999年のスペシャルウィークが1着しているが、16頭中14頭は馬券に絡んでいない。1番人気が5頭、3番人気が2頭いてこの成績は物足りない。

 ただ、なにぶん16頭のみの話なので、もっと参照できるデータを増やしたい。そこでAJC杯だけでなく、「芝の古馬別定GII全体」に対象を広げてみる(定量GIIは含まない)。

 総合成績は[143-71-58-293]で勝率25.3%・複勝率48.1%。回収率は単67%・複82%。当然ではあるが、年齢別では条件を満たして4歳時に出走したケースが最も良く、5歳、6歳、7歳……と下がっていく。ブラストワンピースの5歳1月は十分買える範囲だ。

 対象となった別定GIIの距離帯別では、

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 となっていて、距離が長いGIIにおいてほど成績が良い。では、「5歳で2200~2400m」ではどうだろうか。

 答えは[8-5-4-18]で勝率22.9%・複勝率48.6%。悪くはないが回収率は単63%・複89%で伸び切れていない。やはりGI馬のネームバリューで人気になってしまうぶんか。

 AJC杯そのものにおけるGI馬の成績不振がある一方、別定GII全体でも回収率までは望めないとなると、少なくとも本命にはしないとか、配当妙味のありそうな馬と軸2頭にするとか、そういった工夫は必要になりそうだ。



重賞データ分析・小林誠

【AJCC】例年以上に「前」を意識すべき!

■アメリカJCC(G2・中山芝2200m)フルゲート17頭

★3行でわかる!アメリカJCC 攻略の糸口

1.大穴の激走は望み薄。人気馬か中穴狙いを推奨する。
2.コースもレースも強いのは「前」。後方からでは厳しい。
3.前走の「格」が結果に繋がる一戦。馬格も相応に必要!

データ特注推奨馬
 ★現時点ではなし

 これは先週の京成杯とも共通する傾向なのだが、アメリカJCCは「大穴はサッパリ来ないが穴馬はコンスタントに来る」レース。具体的にいえば、7~9番人気が毎年のように好走している。昨年のように少頭数となるケースも多いことを考えると、実際は大穴が激走しているようなものだ。同時に人気サイドも強いので、この両面から馬券を組み立てるのがオススメである。

 もうひとつの特徴が、非常に「前」が強いレースであること。コースデータでも前が優勢なのだが、レースデータではそれ以上に先行勢が強いという傾向が出ている。中団から上位に食い込む馬もいるが、そのほとんどが上位人気。そして、後方からでは上位人気馬であっても差せない。上がりの時計がかかる時期でもあり、イメージ以上に差せないと思っておいたほうがいい。

 あとは、「勢いよりも格」のレースであるのも意識したいところ。前走有馬記念組や菊花賞組など、前走でG1に出走していた組がハッキリと強い。また、前走での馬体重が479キロ以下だったか480キロ以上だったかで、かなり大きな成績差が出ているのも攻略に繋がるポイント。雑にいえば「デカイ馬のほうが強い」レースであり、馬格のない馬は上位人気であっても過信は禁物である。

 こういった好走条件を満たすデータ特注馬は、残念ながら今週は見当たらない。というのも、出走予定馬がメチャクチャ一長一短で、かなりの混戦模様だからだ。今年も少頭数になりそうだが、それでもそうそう順当には決まらないはず。「チョイ荒れ~やや荒れ」あたりを前提に予想したい。


【コース総論】中山芝2200m Cコース使用
・コースの要所!
★基本的に人気サイドが強いコースで、ふたケタ人気の超穴馬は狙いづらい。
★枠番は「センター」あたりが好内容。外枠も買えるが信頼度は少し落ちる。
★脚質はハッキリと先行勢が優勢。後方からでは勝ち負けにならないコース。

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 ホームストレッチの右端、4コーナーを回ったところがスタート地点。最初のコーナー進入まで距離が十分にあり、さらにスタート直後には急坂もあるので、序盤のペースが速くなりづらい形態である。外回りコースをぐるりと1周するが、ホームストレッチ以外に直線らしい直線はないため、コーナーを上手に回る器用さが要求されてくる。直線勝負に賭けるような不器用な馬は、かなり割り引いて考えるべきだろう。

 まずは人気別成績だが、基本的には人気サイドが強いコース。1番人気は連対率51.4%、複勝率64.9%と高信頼度で、複勝回収値も86とけっこう高い。単勝適正回収値が高いのは4~6番人気の「中穴」で、こちらは信頼度の高さも上々。しかし、7番人気以下になると信頼度はガクンと低下し、単勝適正回収値や複勝回収値もイマイチと、どんどん買いづらい内容になってくる。極端な穴狙いは避けるのがベターだろう。

 次に馬番データ。平均人気の差が大きく比較が難しいが、トータルでみると「センターやや有利」という印象。内枠である馬番1~4番の内容はイマイチで、馬番5~8番や馬番9~12番のほうが内容は格段にいい。外枠の信頼度は低めだが、平均人気が低いのだから当然の結果ではある。内容が極端に悪いというわけでもないので、強い買い材料がある馬であれば、外枠に入った場合でもフツーに買えそうである。

 最後に脚質面だが、こちらはハッキリと「前」が優勢。4コーナーを5番手以内で回った馬が高信頼度かつ高回収値で、中団待機組を圧倒している。目立っているのが後方のポジションに置かれた馬の大不振で、4コーナーを11番手以下で回った馬はトータル[1-0-1-91]と、全滅に近い惨状。どれだけ末脚がキレる馬であっても、このコースではそのよさを活かせないと考えたほうがいい。


【レース総論】アメリカJCC(G2) 過去10年
・レースの要所!
★1~3番人気と7~9番人気が好内容。コースデータ同様に極端な人気薄は消し。
★枠番はフラットに近い印象。ただし脚質は、コースデータ以上に前が強い。
★高齢馬の活躍が非常に目立つレースだが、信頼度が高いのは5歳以下の若馬。
★前走の「格」がそのまま結果に繋がる。前走馬体重は480キロ以上が望ましい。

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 レースの平均配当は、単勝999円、馬連5078円、3連複1万2228円。おおむね平均値か、やや堅めといったところで、波乱傾向は低めの一戦だ。1番人気は[2-3-0-5]と半数が連対しており、2~3番人気も半数以上が馬券絡みと、上位人気馬は高信頼度。それとは対照的に、ふたケタ人気馬はトータル[0-1-0-44]と絶不調で、買う価値がほとんどないといっても過言ではない。基本的には手出し無用だろう。

 人気薄で狙うならば、トータル[2-2-2-24]と好結果を残している7~9番人気が断然オススメ。昨年1着のシャケトラ、一昨年の3着馬マイネルミラノ、2017年の1着馬タンタアレグリア、2016年の3着馬ショウナンバッハなど、近年は毎年のようにここが馬券に絡んでいる。単勝適正回収値や複勝回収値の高さはご覧の通りで、信頼度も4~6番人気とほとんど差がないのだから、ここを狙わない手はない。

 次に枠番データだが、センター枠番が強かったコースデータと同様の傾向にある。内容がもっとも優秀であるのは馬番9~12番で、それに次ぐのが馬番5~8番だ。外枠の信頼度が低いが、これは平均人気の大差が理由で、それを考えればよく健闘しているといえるほど。やはり「センターが少しだけ有利」という捉え方でいいと思われる。

 脚質面は、コースデータ以上に「前」が優勢。逃げた馬が[1-2-1-6]で複勝率40.0%と高確率で残っており、好位を追走していた組も素晴らしい内容。中団から差して上位に食い込むことも可能だが、連対した4頭はいずれも3番人気以内だった。さらに、後方に位置していた馬は全滅と、差し・追い込み勢にとって厳しいレースであるのは間違いなし。かなり「前」を意識して馬券を組み立てるべき一戦といえる。

 年齢別成績では、6~7歳馬が5勝をあげ、7歳以上馬が10回も馬券に絡むなど、高齢馬の活躍が目立っている。つまり、高齢を理由に評価を割り引く必要はないレースである。とはいえ、信頼度が高いのはやはり5歳以下馬のほうで、複勝率で比較すると、6歳以上馬とはかなり大きな差が出ている。爆発力の大きさを求めるならば高齢馬重視で、的中率を高めたいならば5歳以下馬を重視するのがよさそうだ。

 前走クラス別成績では、前走G1組の強さが目立っている。昨年も、前走有馬記念組のシャケトラが超長期休養明けにもかかわらず1着に好走し、前走菊花賞組のフィエールマンが2着と、ワンツーを決めている。また、馬券に絡んでいる馬のほとんどが前走重賞組であるのも、押さえておきたいポイント。勢いよりも、前走で出走しているレースの「格」がモノを言う一戦だといえる。

 時計のかかる馬場コンディションというのもあって、パワーの裏付けとなる「馬格」も求められている様子。前走馬体重が479キロ以下だった馬は、連対率7.9%、複勝率13.2%と低信頼度なので、小柄な人気馬の扱いには注意が必要だ。そして騎手関連データでは「乗り替わり>継続騎乗」と、鞍上の乗り替わりがマイナスとはならない傾向が見てとれる。また、ホームである関東所属騎手の健闘が目立つのも覚えておきたい。


【血統総論】

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 血統面では、ステイゴールド産駒、ディープインパクト産駒、ルーラーシップ産駒をプラス評価の対象とした。とくに素晴らしいのがルーラーシップ産駒で、勝率20.7%、連対率37.9%、複勝率44.8%と信頼度の高さは驚異的。さらに単勝適正回収値150.4、複勝回収値99、ギャップ値がプラス圏と、爆発力も十二分に備えている。もし出走してきたら、これだけを理由に買いたくなってしまうほどだ。


★出走予定馬 総論×各論

 昨年秋には凱旋門賞に出走したブラストワンピースが、今年はここから始動予定。実績は断然だが、「巨漢馬の冬場の久々」でもあり、その扱いにはかなり悩まされそうだ。それ以外にも、菊花賞で2番人気に推された明け4歳馬のニシノデイジー、中日新聞杯で2着に好走したラストドラフト、このレースと好相性の前走有馬記念組であるスティッフェリオなどが出走を予定している。

 特注データの項目でも述べたように、正直なところどの馬も一長一短。ただし、かなり前が有利なコース&レースで、しかも前に行きたい組が少ない組み合わせになりそうとなれば、上位に評価すべき対象は限られてくる。トップ評価は、有馬記念で果敢に先行するも13着に敗れたスティッフェリオ。昨年秋のオールカマーを逃げ切った実績からも、ここは見直す価値が大アリだろう。

 二番手評価に、鞍上がルメール騎手に乗り替わる想定であるステイフーリッシュ。前走の阪神・チャレンジCでは10着に大敗しているが、器用さがあるので中山替わりは大きなプラスとなるはず。2019年の中山金杯で2着に好走した実績があり、ローカル重賞で何度も好走していることからも、大きな前進があって不思議ではないはずだ。スティッフェリオと同じく、ステイゴールド産駒であるのもプラス材料だ。

 三番手評価に、牝馬のウラヌスチャーム。このところ後方からのレースが続いているので、どう乗るかが問われる一戦ではあるのだが、プラス評価となった項目の多さは、脚質面のマイナスを補ってあまりあるもの。ミナリク騎手への乗り替わりで新味が出る可能性もありそうで、コース適性がメチャクチャ高いルーラーシップ産駒であるのも見逃せないポイント。前走G1組であるのも、大きな強みである。

 四番手評価にラストドラフト。こちらは引き続き、マーフィー騎手が手綱を握る想定だ。まだキャリアはたったの6戦と伸び盛りで、まだまだ強くなるはず。父ノヴェリストという血統からも、成長力はかなりあると思われる。中山芝2000mの京成杯を制している実績もあり、皐月賞でも悪くないレースを見せていた馬。久々を二度叩かれて、本調子でレースに臨めそうなのも楽しみである。

 以下はニシノデイジー、ブラストワンピース、ミッキースワローという評価の序列。これらを組み合わせて「チョイ荒れ~やや荒れ」の決着を狙い打つというのが、現時点での基本方針である。
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