調教Gメン研究所・井内利彰

【AJCC・東海S追い切り】実力馬が集結した東西2重賞の追い切りチェック!

通常とは異なる馬場状態が鍵になるか

 2020年のスタートが日曜日、月曜日の開催だったこともあり、先週まで火曜日全休が続いていました。今週になって、ようやく通常通りの月曜日全休。やっと普段のリズムを取り戻すことができそうなのと、今週に関しては1日分余裕があるような気がして、ちょっとホッとしています(笑)

 1月21日は久しぶりに坂路小屋に行くことができましたし、やっぱりこの景色も必要だなあと痛感。毎日の積み重ねと調教データの分析の融合で、しっかりと今週末のレース予想も皆様のお役に立てるものにしたいと思います。ただ、馬場状態に関しては、中山の芝も京都のダートも通常とは少し違う印象。このあたりをどう予想に組み込んでいくかでしょうね。


【AJCC/ステイフーリッシュ】
 勝ち鞍こそ、京都新聞杯から遠ざかっていますが、重賞で2着3着と堅実な成績を残しているのは確か。ただ、前走は不利を受けた状況での惨敗。ひょっとしたらこれが影響しているのかなと思った1週前追い切りの動きだけに、今回は評価に悩んでいます。

 坂路で新馬との併せ馬でしたが、これを追いかけてゴール前では遅れ。追いつくこともできなかったあたりに全体的な鈍さを感じました。過去に1週前追い切りが坂路で併せ遅れは共同通信杯、大阪杯といった例がありますが、いずれも惨敗。当時とは違う、今回はGIじゃないという解釈もできるかも知れませんが、ここをどう判断するかでしょう。


【AJCC/スティッフェリオ】
 有馬記念はハイペースを先行しての惨敗。致し方ないところがあったかなと思いますが、やっぱり狙うべきはGIじゃなくて、楽逃げが望める条件。今回もひとり旅が可能なメンバー構成になっていますが、これに関して「別に逃げないといけないわけじゃないんだけど」とは音無秀孝調教師。

 「福島記念にしても小倉大賞典にしても好位置からレースできているので、逃げにこだわるわけじゃない。ただ、中山に関してはオールカマーと同じ舞台なのだから、あんな競馬ができた方がいいかもね」とも。あとは状態ですが、絶好調時は1週前追い切りか最終追い切りで4Fが51秒台、2Fが24秒台をマークする馬ですが、今回は1週前が4F52.6秒、2F25.3秒。最終追いが4F52.4秒、2F25.1秒。このあたりの数字を見ると、絶好調というところには少し足りないのかも知れません。


【東海S/インティ】
 昨年の東海S覇者ですが、今年は舞台が京都。しかも斤量が58キロですから、みやこSの惨敗が思い出されるという方もいるでしょう。しかも今開催の京都ダート1800mは差せる傾向もあり、前走チャンピオンズCでの3着があっても、ここで取捨に迷う方も多いはず。

 レース設定という意味では私も全く同じことを思いますが、状態に関しては、みやこSとは違います。1週前にCWで併せ馬を行って遅れていたのに対して、今回の1週前追い切りはCWで単走。この動きはチャンピオンズCの時と同じですが、むしろ6F83.4~5F68.3~4F53.8~3F39.3~1F11.7秒で終いのしっかり度合いは今回の方が上。レース間隔があいていますが、丹念に仕上げてきました。最終追い切りが坂路4F51.8秒というのは、昨年の東海S1着時の4F51.9秒に近い数字ですが、気になったのは4F目12.9秒。少しラチを頼るような感じでの走りになったところが気になります。


【東海S/スマハマ】
 逃げにこだわる脚質ゆえに惨敗したみやこSでしたが、前走はゴール前で差されたものの、本来のレース内容で2着に巻き返しました。そこから中3週、3歳時には500万下(現1勝クラス)を勝った京都ダート1800mという舞台ですから、特に問題ないと思います。

 ただ、気になるのは1週前追い切りの坂路。名鉄杯、ベテルギウスSはともに1週前に坂路で併せ先着。それが今回は遅れています。しかも4F目が13.5秒と非常に時計を要して遅れているという点が気になります。前記2レースでは12.4秒、12.6秒といったラップでまとめているだけに、そことの比較で1秒は遅くなっています。最終追い切りは坂路で終い重点の4F目12.3秒でしたが、これは4F56.3秒という遅い時計と関係しています。この内容では好走パターンと判断することはできません。


【東海S/エアアルマス】
 ダートへ転戦して3連勝したかと思えば、前走は惨敗。なかなか難しさを感じさせる馬ではありますが、調教内容を見れば、前走はひょっとしたら凡走するかもという可能性はありました。というのも、芝を走っていた頃も最終追い切り坂路で4F時計の自己ベストを更新したクリスマスキャロル賞が惨敗。武蔵野Sも最終追いで4F時計の自己ベストを更新する時計でした。

 さらに2レースの惨敗に共通するのが、3F目の11秒台ラップ。ここで一気に脚を使うような走りをしてしまうと実戦では結果が出ていません。そこに注視して、今回の最終追い切りを見ていましたが、3F目12.4秒からの4F目12.0秒。松山弘平騎手が跨っていましたが、本当に素晴らしい脚の使い方。この動きならきっちり好走してくれると思います。


◆次走要注意

・1/19 3歳新馬【タマモマクシム】(3人7着)

 半兄タマモメイトウが中山芝1200mの2勝クラスを勝ちましたが、この血統はいかに脚をためて、それを最後の直線で使うかが鍵。今回はデビュー戦ということもあり、4コーナーでは外に張ってしまい、それどころではない競馬。慣れた次走はもう少し違う結果が期待できるはずです。

[メモ登録用コメント] [芝]最終追い切りが坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・若駒S【ラインベック】
 武豊騎手が騎乗して、CWでの3頭併せでしたが、ゴール前は無理せずに肩ムチで反応を確かめる程度。友道康夫調教師がジョッキーに確認したところ「のめっていたので無理しなかった」とのこと。それよりも追い切り後にジョッキーからディープインパクトに似た走りをするというジョッキーコメントが出たところがポイント。今回はどんなレースをしてくれるか楽しみです。






【AJCC】美浦・栗東レポート

【AJCC】美浦レポート~ブラストワンピース
大竹正博調教師のコメントは以下の通り。

「前走の凱旋門賞は、今まで見せなかった表情や態度を確認できたことは良かったと思っています。日本の馬房と違い、慣れない環境に戸惑いましたので、それまでのルーティンにとらわれずに違うところで運動してみたりしています。
 
 牧場から年明けにこちらに戻り、いつもどおりウッドコースで3本の追い切りを消化してきました。先週の追い切りでは体がまだ重かったので長めから時計を出しました。今朝は川田騎手を乗せてウッドコースで2頭併せの追い切りで、軽く流すような調整でした。先週は3~4コーナーで前の馬に離されてしまうところがありましたが、今朝はかなりその点は解消されて、ゴール板まで手綱を抱え込むような形でフィニッシュしました。川田騎手は、追い切りはイメージしていた通りの動きをしてくれたと言っていました。このひと追いであとどれぐらい絞れてくるかがカギになってきますが、馬は元気いっぱいです。

 中山の2200メートルのコースは有馬記念と違って外回りですが、最後の急坂もあり、力の要するコースだと思いますので、いい結果が出るのではないかと思っています。前走はほとんど競馬に参加していませんでしたが、いろんな原因があっての凡走で、この馬自身の能力が足りなかったとは思っていません。今度はきっちり結果を出したいと思っています」


【AJCC】美浦レポート~ニシノデイジー
高木登調教師のコメントは以下の通り。

「前走の菊花賞はゲートの中で他の馬がうるさくて、その影響を受けて出遅れてあのポジションになってしまいました。流れもスローで、最後は距離が長すぎたのかばててしまいました。

 この中間は一回放牧に出して、1か月前に戻して順調にきています。あまりテンションを上げたくないので、それほどきつくない追い切りで本数をこなしたいという考えでやってきました。去年の秋頃から大人になってきた感じがして、年を越してさらに精神面の成長が見られます。体はそれほど大きくは変わっていません。

 先週の追い切りは今回初めてコンビを組む田辺騎手が乗って感覚を確かめてもらい、田辺騎手も分かったと言っていました。今朝はウッドコースでの3頭併せで、テンションを上げないように馬なりで気分よく走らせてちょうどいい追い切りでした。休み明けですが走れる態勢にあります。

 これまで中山で惨敗した時は引っかかったり、雨で道悪になったりと原因がはっきりとしているので、決して中山コースが合わないということはないと思っていますので改めて結果を残したいです。今回は強い馬もいますが、大阪杯を目標にしているので、賞金を稼ぐためにも次につながる競馬をしてほしいと思っています」


【AJCC】美浦レポート~ミッキースワロー
菊沢隆徳調教師のコメントは以下の通り。

「前走の福島記念は58.5キロというハンデで仕掛けどころでもたつき、伸びあぐねました。最後は伸びてきたので力のあるところは見せられましたが、次に向けて課題も出来たなと思いました。

 この中間は秋の疲れを取ることにして、このレースに向けて年末に戻して調整してきました。疲れも取れて、馬は張りも良く元気です。先週の追い切りは3頭併せで、時計はそれほど速くなかったのですが、気持ちも乗って、今朝はウッドコースでの単走でした。私が乗って、折り合いと仕掛けてからの反応を確かめるように追い切りました。今はフレッシュな状態で充実しています。

 3歳の時から今回のコースは走っていますので馬も覚えていると思います。走りやすいのではないかと思っています。今度は久しぶりに横山典弘騎手とのコンビになりますが、今年さらに上を目指して頑張りたいと思います」


【AJCC】栗東レポート~スティッフェリオ
生野賢一助手のコメントは以下の通り。

「有馬記念は状態がすごく良かったと思いますし、競馬に参加して、目一杯走ったと思います。前走は目一杯走ったので、馬に疲れが見られました。中間はしっかりケアして乗り出しました。1週前はしっかりとやりました。中間は楽をさせていた分、動きは悪くなかったんですけど、物足りなかったので、今週もしっかりやったんですけど動けていたと思います。
(中山の2200メートルは)1度いい成績も出ていますし、相性の良いコースだと思います。
6歳ですがまだまだ衰えは感じずに、元気のある馬だと思います。
一生懸命走ってくれると思います。応援よろしくお願いします」


【東海S】栗東レポート

【東海S】栗東レポート~ヴェンジェンス
大根田裕之調教師のコメントは以下の通り。

「前走の後は3週間ほど放牧に出しました。これはいつもやっていることなので、馬の調子が変わることはないと思います。去年の暮れに戻ってきて調整して、追い切りが3本ほど出来ましたので、狂わずに出来ていると思います。
(1週前は)指示というよりも気分よくしっかりと走らせることだけを考えました。タイムの指示はしていないんですけど、だいたいこの馬が普通に走れば、このくらいのタイムは出るだろうという感じで追い切りをしています。
(明日の追い切りは坂路で)4ハロン53秒、1ハロン12秒後半くらいで出来れば、思った通りという感じです。
(京都のダート1800mという舞台は)みやこSを勝った舞台ですが、条件が違うとすればペースが違う、展開が違うということは言えると思います。それでも自分の競馬をしてくれて、それで不利な展開になったとしてもねじ伏せるだけの力があるかどうかを試すレースだと思います。
7歳といっても、若い時に2年近く休んでいるので、身体のパワーが抜けているわけではないと思います。ダメージもそれほどないと思います。若い馬と同じくらい力は出ると思います。京都の1800メートルでは前々走にいいレースが出来ましたので、それと同じようなレースが出来ればと思います。よろしくお願いします」


【東海S】栗東レポート~インティ
野中賢二調教師のコメントは以下の通り。

「(前走のチャンピオンズCは)みやこSで崩れてしまって精神面などの心配をしていたんですが、自分のペースで行ければすごいメンバーでも戦えることが確認出来て、一安心しました。うまく折り合っていましたし、スムーズに競馬が出来れば彼の実力が出せるのは確認できて良かったと思います。
みやこSは外枠になってしまいましたし、スタートで出して行ってしまった分、中途半端な競馬になりました。スタートで出さずに番手で行くイメージが出来れば、それも出来るでしょう。今回は迷わずに行くつもりなので、そのあたり(展開)は気にしていません。できれば内枠がいいですが、ある程度外枠でも、今回は中途半端な戦略になるよりは行くということを、武豊騎手と徹底しておきたいです。
こちらはフェブラリーSに向けて、東海Sで戦える状態にはありますけれども、フェブラリーSでいい結果を出すために、ということしか考えていないですし、他の陣営がどうか、ということはあまり関係ありません。インティをフェブラリーS連覇に向けて、どう導くか考えているところです。
前走後は在厩で調整してきて、先週はCWコースでしっかり長めから負荷をかけていい動きでした。今週は坂路の終い重点で51秒8でした。いい調整ができているかな、と思います。昔ほど調教では行きたがることもなくなり、指示通り走れますので、そのあたりは成長を感じていますので、レースに結び付けばと思います。昔であれば返し馬も暴走気味に行っていたのですが、今は我慢できるようになっているのでやっていることが結びついているかなと思います。先週、CWコースでしっかりやって結果的にはいい前向きさが出ていると思います。
(京都ダート1800メートルは)みやこSで崩れましたが、それまでは2戦2勝で、速いタイムも持っていますし心配はしていません。
馬のバランスは左回りの方が乗りやすいらしいのですが、馬の特徴とすれば左手前が得意なので、京都の右回りで直線に左手前を出す方が得意なので、まだどうなるのかな、というところはあります。もともとは右回りの方が走れるのかな、とは思っていました。前哨戦とはいえ、ここを獲るために調整してきて、その状態には持って来れましたし、フェブラリーSに向けて、いい内容、いい結果がついてきてくれればと思っています。あと数日スタッフ一同頑張ります。応援よろしくお願いします」


【東海S】栗東レポート~スマハマ
高橋亮調教師のコメントは以下の通り。

「(前走は)楽に行かせてもらいましたが、勝った馬の決め脚も良かったみたいで負けました。みやこSはハイペースで負けましたが、前走はゆっくりしたペースで行ったので、自分でペースを作っていってもいいかな、と思いました。今回は速い馬もいるようなので、枠順もありますから、自分のリズムでは運びたいと思っています。前走後は在厩で調整しているんですが、馬の体調も変わらず良さそうです。
先週は坂路で追い切って、前の馬を抜かそうとしない素振りで気を抜くところがあったので、今日は先行させて後ろから追いかけてもらったんですけど、最後まで集中して走っていました。合格点を出せる追い切りでした。レースとは違うジョッキーに乗ってもらいましたが、しっかり最後まで走っていた、ということだったので、ジョッキーも評価してくれました。何回もレースに使っているので、(この1週間で)ガラっと変わるわけではないんですけど、集中して走れていたので、調整で修正できたかなと思います。
前回も体調は良さそうでした。今回は重賞でメンバーも強くなりますが、馬は変わらず状態は良さそうです。展開がどうなるかわからず、速い馬もいそうなので、そのあたりがポイントになるでしょうね。枠順が出てから考えます。
木曜から雨が続くようなので、走破時計は速くなりそうなので、そのあたりは対応できるかな、と思います。ここでいい競馬をしてもらえると、またGIでも楽しみを持っていけますね。
今回はまた、ファンの皆さんも展開とか、ある意味楽しみにされてるかもしれませんが、リズム良く走らせてもらって、いい結果が出るよう頑張ります。応援よろしくお願いします」


【東海S】栗東レポート~エアアルマス
大下智助手のコメントは以下の通り。

「(前走は)初ダートの時も見せたように、競馬で砂を被ると揉まれ弱いところがありますし、秋の3戦目だったので、見えない疲れがあったのかなと思っています。ダートに替わって連勝していたので、どれくらい通用するのかなと思っていたのでショックでしたね。
前走後は一旦放牧に出て帰ってきました。前走の敗因は揉まれ弱いところが要素としてあると思いますが、調教ではそういった面は見せず、実戦で砂を被るとそういうところがあるので、今まで通りに、調整過程としては思い切り変えたということはないです。
馬も元気ですし、今日の追い切りも十分動けていたみたいです。松山騎手に聞いたら『良かったです。さすがにオープン馬の動きでした』ということなので、変わりなく順調に来ていると思います。オープン馬なので、自分で身体を作っていく部分はあると思いますが、飼葉食いもいいし、馬房でも落ち着いているので順調に来ていると思います。
ダートで3連勝した時くらいの出来にはあると思うので、ここを勝ってさらに大きいところ、といえる状態にあると思います。期待しています。
有力馬で行く馬がいるので、その後の砂を被らない位置でいけたら、というイメージがありますが、決まった枠順で行くしかないと思うので、できればスタートを決めていい位置で、というつもりです。
初ダートの時の勝ち方が強かったので、これならやっていける、という感覚もありましたし、揉まれ弱さというのが大きいので、それが競馬でどう出るかと思っています。
胸を借りるつもりで、挑戦者の気持ちで、レースに臨みたいと思います。
能力は高いと思いますし、ダートで連勝して、期待もされてると思うので、GI馬に負けないよう頑張ってほしいと思います」





栗山求コラム「血統の裏庭」

​アメリカJCC(G2)血統的考察

​ 先週の日経新春杯(G2)は
△モズベッロ(2番人気)が中団から楽々と抜け出した。

まだ3勝クラスにも出られる格下馬だが、
52kgの軽ハンデを活かして快勝した。

生産した村田牧場(新冠)は血統・配合に明るく、
母ハーランズルビーは期待の輸入繁殖牝馬だった。

同馬の父ハーランズホリデイは
昨年の米リーディングサイアー・イントゥミスチーフの父でもある。

日本向きの適性を考えて海外セリで繁殖牝馬を吟味し、
ハーランズルビーを選び、目論見どおり花開いた。


さて、今週はアメリカJCC(G2・芝2200m)。

過去10年間で1番人気馬の連対は5頭で、
そのうち11年1着のトーセンジョーダン、
12年1着のルーラーシップは単勝2倍を切る大本命馬だった。

しかし、一本かぶりの人気馬だからといって必ず来るわけではなく、
15年は単勝1.3倍のゴールドシップがまさかの7着に敗れた。

ここ2年は単勝2.1倍のミッキースワロー、単勝1.7倍のフィエールマンがいずれも2着。

寒い時期の調整の難しさ、小回りコース特有のまぎれ、
といった原因が考えられる。

過去10年間の上がり3ハロン平均は35秒6。

かなり遅い。34秒台の上がりだったことは2回しかなく、
それぞれ1000m通過が63秒0、62秒2というスローペースだった。

たいていの年は一定のラップを刻む平均ペースとなって、
中団よりも前につけた馬が流れ込む、という競馬になりやすい。

後方に控えるタイプならマクれる馬を狙いたいところ。


【ミッキースワロー】

「トーセンホマレボシ×ジャングルポケット」という組み合わせ。

2代母は桜花賞(G1)2着馬ツィンクルブライドで、
母マドレボニータの半兄にペールギュント(デイリー杯2歳S、シンザン記念)がいる。

標準的なトーセンホマレボシ産駒とは異なり、
まるでディープインパクト産駒のような切れ味が武器。

マクる脚があるので小回りコースも苦にせず、
今回と同じ中山芝2200mでは4回走って[2-2-0-0]。

17年のセントライト記念(G2)を勝ち、
18年のアメリカJCC(G2)と19年のオールカマー(G2)で2着となっている。

前走の福島記念(G3)は3着と敗れたが、
トップハンデの58.5kgを背負っていたことを考えれば悪くない内容だった。

56kgで出走できる今回はおもしろい。

ただ、良馬場がベストで、稍重までは我慢できるが、重や不良になると良くない。

天候には注意したい。


【ブラストワンピース】

「ハービンジャー×キングカメハメハ」という組み合わせ。

18年の有馬記念(G1)優勝馬で、昨年は札幌記念(G2)を快勝した。

凱旋門賞で11着と敗れて以来の実戦となる。

母ツルマルワンピースは阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)5着馬で、
トライマイベスト=エルグランセニョール4×3という大胆な全兄弟クロスを持っている。

女傑アーモンドアイは、
トライマイベスト≒ロッタレース5×2という4分の3同血クロスに加え、
サンデーサイレンスとキングカメハメハを併せ持つので、
ツルマルワンピースと配合構成がよく似ている。

また、ハービンジャー産駒で
母方にサンデーサイレンスとヌレイエフを併せ持つ配合は、
ペルシアンナイト(マイルCS)、ディアドラ(英ナッソーS、秋華賞)、
プロフェット(京成杯)、ハービンマオ(関東オークス)など
多数の活躍馬を生み出しているニックス。

中山コースでは過去1回走っているが、それが有馬記念なので適性は高い。

別定57kgも実力を考えれば問題なく、まともに走れば勝ち負け必至。

久々なのであとは体調面だけ。


【ステイフーリッシュ】

「ステイゴールド×キングカメハメハ」という組み合わせ。

重賞は3歳春に京都新聞杯(G2)を勝ったきりだが、2、3着を再三繰り返している。

中山コースは過去2回走り、
ホープフルS(G1)で3着、中山金杯(G3)で2着という成績がある。

それぞれ8番人気、7番人気だったので、
いずれも期待を大きく上回る走りを見せている。

母カウアイレーンは
ブラックホーク(安田記念、スプリンターズS)、ピンクカメオ(NHKマイルC)の兄弟。

「ステイゴールド×キングカメハメハ」は
インディチャンプ(安田記念、マイルCS)と同じ。

中山で威力を発揮するロベルトが入る点は評価できる。

血統的に少し時計の掛かる現在の中山芝も合う。

2000m前後がいいタイプで、2200mはもちろん守備範囲。

ステイゴールド産駒は中山芝2200mの重賞を過去5勝と得意にしている。


【スティッフェリオ】

「ステイゴールド×ムトト」という組み合わせ。

母シリアスアティテュードは
チェヴァリーパークS(英G1・芝6f)、
ニアークティックS(加G1・芝6f)を勝つなどスピードを武器としたが、
母の父ムトトは
キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(英G1・芝12f)、
エクリプスS(英G1・芝10f)[2回]を勝つなどスタミナ豊富だった。

ベストは芝1800~2000m。

昨年秋のオールカマー(G2)を逃げ切ったが、スローペースの逃げがハマった感もある。

今回は立ち回りがカギとなる。


【ラストドラフト】

「ノヴェリスト×ディープインパクト」という組み合わせ。

昨年の京成杯(G3)を制し、前走の中日新聞杯(G3)で2着と健闘した。

父ノヴェリストはドイツの歴史的名馬で、
キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(英G1・芝12f)を
5馬身差でレコード勝ち(2分24秒60)するなど4ヵ国のG1を制覇した。

産駒で重賞を勝ったのは本馬のみで、
ほかにはラストドラフトがファルコンS(G3)で3着となった。

母マルセリーナは桜花賞(G1)を勝った名牝。

父の産駒は決して早熟ではなく、
父がそうであったように古馬になってからの伸びしろが期待できる。

したがって、まだまだ強くなる可能性を秘めている。

距離も問題ないのでここは楽しみ。


調教の動きなどを加味しつつ、
週末に最終結論を出したい。






「虎の子」の一頭

【AJCC】中山芝のトラックバイアスの出現傾向も重要

 先週のコラムでは、日経新春杯で11人気ながら3着に走ったエーティーラッセンを推奨。ウマい馬券での予想も的中。また、小倉最終レースも的中。今月の回収率は200%を超えた。

 しかし、今月は馬場が読めていたのにもかかわらず、ミスもあった。先週までの月間の回収率は300%以上も狙えただけに悔いも残る。今月最後の予想もしっかりと締めくくり、5年連続プラス収支へ向けてさらなる収支の上積みを狙う。

 さて、今週末の芝重賞は中山のAJCC。(馬場が読めている京都、小倉の予想は週末のウマい馬券をご参照いただきたい)

 先週の中山芝は土曜が雪、雨が降る重い馬場コンディションで開催が行われている。傷みも進んで、明らかな「外差し」のトラックバイアスが発生している。

 メインレースの京成杯は道中で最後方付近を追走していたクリスタルブラックが人気薄で勝利。日曜最終レースも外枠のタマモメイトウが道中後方外を追走して追い込み勝ちだ。

 今週末も馬場が重いことは間違いない。ただし脚質のトラックバイアスは「外差し」のトラックバイアスが続くとは限らない。

 東京、中山芝馬場が傷んで「外差し」のトラックバイアスが極端に発生した場合。「2週続けて外差しにはなりにくい」傾向があるからだ。

 なぜ、外差しが続かないのか?大きな理由は2点。ひとつは騎手意識。もうひとつは、中山、東京の馬場管理技術だ。

 中山、東京で極端な外差しが発生すると騎手、調教師は極端に仕掛けを遅らせることが多い。馬場状態を考慮しても極端なスローペースになって前が有利な展開になりやすい。

 また、中山と東京は馬場の管理技術が特に優れている。前週の状態を考慮して補修されてしまうのだ。

 今週も先週と同じようなトラックバイアスが続くとは限らない。いや、東京、中山のトラックバイアスのパターンを考慮すれば「重い馬場の前残り」が得意な馬が恵まれる可能性の方が高い。

 過去の重めの馬場コンディションで行われた2018年に近いコンディション、状況になりそうだ。

 2018年は逃げたマイネルミラノが8番人気3着。2番手を追走したダンビュライトが勝利。マイネルミラノは7枠。ダンビュライトは6枠。重い馬場巧者の先行馬。なかでも外めの枠で道中のコース取りを自由に選べる馬を狙いたい。

 スティッフェリオの前走有馬記念はトラックバイアス「内有利・超差し有利」と判定。明らかなオーバーペースで、前半はレースの流れにのらなかった(或いはのれなかった)二桁位置取り馬が上位を独占した。

 2走前の天皇賞秋は軽い馬場コンディションの2000m。前走は2500mとは言えハイペース。近2走ともGIらしい高レベルの争いだったので、GIIの今回は近2走と同程度のペースで追走させれば、楽に逃げることができるだろう。よりリズム良く運ぶために、できれば外枠が欲しい。
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