「虎の子」の一頭・馬場虎太郎

【京都記念】重い馬場で行われた時に恵まれる脚質は?

 先週の京都芝は今季では初めて週中の降雨がなかった。Bコース替りの2週目。開催当初に比べると、路盤の緩さも解消されていた。先々週までは「重い」馬場コンディションだったが、先週は「標準」な馬場コンディションになっていた。

 先々週まではパワーのない差し馬は伸びない馬場だったが、先週はスピードのある差し馬が、直線で伸びる馬場になった。

 しかし、今週は週中、週末ともに不安定な天気予報になっている。予報どおりにある程度の降雨があった場合、馬場の悪化は避けられない。開催の終盤で傷みがみられる路盤でもあり「重い」馬場状態になりそうだ。

 近4年、京都記念は2016年と2018年が馬場コンディション「重い」。2017年と2019年が「稍重い」。重めの馬場コンディションで行われている。

 重い馬場で行われた4回で1着になった馬は全て最初のコーナーを4番手以内で通過した先行馬。人気薄で勝利した2016年に6番人気で1着のサトノクラウン、2019年に6番人気で1着のダンビュライトは最初のコーナーを2番手以内で通過。

「重い」馬場コンディションで行われると、末脚を削がれ、先行馬が恵まれるのが京都記念の傾向だ。今年も予報通りに雨が降れば、重い馬場になって先行馬が恵まれるだろう。

 ドレッドノータスの前走天皇賞秋は「軽い」馬場。トラックバイアスは「内有利」。軽い馬場が苦手な上に外枠。さらにハイレベルメンバー。道中淀みない流れの追走に苦労し、内に入ることもできず。大きく離されて惨敗してしまった。

 ドレッドノータスは軽い馬場の2000m重賞ではまったく力を発揮できない。これまで重賞の芝2000mで馬場コンディション「軽い~稍軽い」と判定する軽めの馬場コンディションに出走したのは2019年天皇賞秋と2019年新潟大賞典の2回。どちらも16着、13着と惨敗。前走の惨敗は気にする必要はない。重い馬場の2200m。少頭数の今回は、楽に先行できる。巻き返しに期待する。




回収率向上大作戦・須田鷹雄

休み明けの馬が多い京都記念

厩舎別にデータを比較し目についたのは…


 今週の京都記念は登録10頭だが、半数以上の6頭は中11週以上での出走になる。

 そこで該当馬6頭の管理厩舎について、2010年以降の中11週~中23週時成績(平地のみ)について見てみよう。中23週までとしたのは、それ以上の本格的な休養は重い故障が絡む度合が高く、また別の話になってくると考えたからだ。今回ガンコとクラージュゲリエはそれ以上のレース間隔だが、ここでは11~23週のデータを記載する。

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 サンプル数の多い厩舎は、一般の休み明けより重賞の休み明けのほうが成績が良いことに気付く。国枝厩舎はもっと叩き良化型のイメージだったが成績はそれなりに良い。

 ただ、それ以上に目につくのは池江厩舎の複勝率と矢作厩舎が穴を出していること。今回は牝馬2頭が人気になるのでクラージュゲリエやドレッドノータスが馬券に絡めばそれなりに配当は伸びるはず。穴党の狙いどころはこのあたりだろうか。



重賞データ分析・小林誠

【京都記念】中穴狙いがとにかくオイシイ!

■京都記念(G2・京都芝2200m外)フルゲート16頭

★3行でわかる! 京都記念 攻略の糸口

1.7番人気以下馬は全滅も、中穴から入る馬券は妙味十分!
2.前走で出走していたレースの「格」が結果に直結する一戦。
3.先行勢が圧倒的に強く、差せない。年齢は若いほど好成績。

データ特注推奨馬
★カレンブーケドール

 京都記念の傾向をひと言で表現するならば「穴馬壊滅」といったところか。少頭数で開催されることが多いレースとはいえ、過去10年で7番人気以下馬が1頭も馬券に絡んでいないというのは、ちょっとした異常事態だ。だからといって人気通りのガチガチでは決まらず、4~6番人気が大活躍しているというのも、このレースの面白いところ。「上位人気の組み合わせなのに意外に配当がついた」という決着パターンが非常に多い。

 そして、前走で出走していたレースの「格」がモノを言うというのも、京都記念の大きな特徴。前走が中央G1もしくは海外遠征だった馬が強く、対照的に前走がG3や条件戦だった馬はかなり期待薄。有馬記念や菊花賞、香港国際競走からのローテで出走する馬がいれば、素直に高評価するべきだ。前走での人気や着順についてはあまり気にする必要はなく、大敗からでもアッサリ巻き返してくる。

 年齢は「若ければ若いほどベター」で、7歳以上の高齢馬は評価を大幅に割り引く必要アリ。そして、後方からの追い込みどころか中団からの差しもめったに決まらず、先行した組がそのまま押し切るケースが非常に多いというのも、予想する上で必ず意識しておくべきポイントである。

 現時点でのデータ特注推奨馬は、ジャパンカップで2着に好走したカレンブーケドール。さすがに今回は人気の一角となるだろうが、なぜかいつも過小評価されがちで、オイシイ配当をもたらしてくれる馬でもある。現在の馬場から、極端なキレ味勝負にならないと思われるのもプラス。待望の3勝目をあげられる可能性は、かなり高いはずだ。


【コース総論】京都芝2200m外 Bコース使用
※今回は京都芝2200m外、京都芝2400m外の2コースを集計対象としています
・コースの要所!
★人気サイドの信頼度が高いコース条件。人気薄ならば7~9番人気が狙い目。
★ハッキリと内枠有利。「真ん中より内」に入った馬は人気薄でも要注意!
★先行勢と中団待機組が互角に張り合う。重賞ではやや差し優勢となりそう。

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 京都芝2200m外だけではデータ母数が心もとないので、今回は京都芝2400m外のデータも含めた上で分析を行っている。かなり乱暴な分析になるが、この2コースはホームストレッチのスタート地点が200mズレるものの、勝ち負けに要求される適性などはそれほど変わらない。一緒くたに考えてもあまり影響が出ないはずだ。

 まずは人気別だが、こちらは上位人気馬が好成績。ただし、1番人気が飛び抜けて強いわけではなく、内容的には2~3番人気のほうが優秀。つまり、1番人気ではなく「上位人気」を信頼すべきコース条件といえるだろう。人気薄では7~9番人気の内容がいいが、ふたケタ人気の超穴馬も複勝回収値が高く、侮れない面がある。

 次に枠番別成績。最初のコーナー進入まで十分な距離があるコース条件なのだが、それでも意外なほど内枠が有利。単純に内外で比較したデータにおいても、勝率や連対率では約2倍という大差が出ている。平均人気の差を考慮しても、内枠のほうがベターであるのは間違いなし。「真ん中よりも内」の馬番を引いた馬は、たとえ人気薄であっても警戒が必要だろう。

 最後に脚質面だが、こちらは先行勢と中団待機組が拮抗。つまりは、組み合わせやペース、馬場バイアス次第である。逃げた馬が高確率で残っていることを考えると「少しだけ前優勢」なのだろうが、クラスが上がって中盤のラップが厳しくなるようだと、一気に差し優勢となる可能性もありそう。「後方に置かれると致命傷」という点だけ頭に入れておけば、とくに問題ないと思われる。


【レース総論】京都記念(G2) 過去10年
・レースの要所!
★7番人気以下馬はなんと全滅。大きく荒れるケースは今年も考えづらいはず。
★枠番は外枠が強いが過信は禁物。脚質面は完全に「前」が優勢なので要注意。
★前走レースの「格」が問われる一戦。年齢別では5歳以下馬の強さが目立つ。
★アノマリー系データながら前走馬番は要チェック。1~6番だった馬はプラス。

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 レースの平均配当は、単勝1030円、馬連2455円、3連複3043円と、馬連平均と3連複平均の低さが目立つ。それもそのはずで、過去10年の7番人気以下馬はトータル[0-0-0-55]と、なんと全滅しているのである。一昔前は人気薄もソコソコ上位に食い込んでいたのだが、近年はかなり順当決着傾向が強いレースと化している。

 だからといって「人気通りのガチガチ」では決まらないのが、京都記念の面白いところ。その要因となっているのが、中穴ゾーンである4~6番人気の強さである。トータル[6-3-2-19]で勝率20.0%と、なんと1~3番人気の勝率(13.3%)を上回る大活躍。単勝適正回収値233.5、複勝回収値132と、爆発力もかなりのものがある。今年も大いに期待できることだろう。

 次に枠番データだが、外枠である馬番11~15番が素晴らしい内容という、コースデータとは真逆の結果が出ている。この時期の馬場バイアスが影響しているのかもしれないが、信頼度の高さ、回収値の高さのいずれも文句なし。ただし、信頼できるのはデータ母数の多いコースデータのほうだ。判断が難しいが、今年は少頭数になりそうでもあり、枠番については「気にしない」という方針を推奨したい。

 ただし、脚質はメチャクチャ気にするべきだ。コースデータよりも格段に「前」が強い結果となっており、馬券絡みした30頭のうちじつに22頭までが、4コーナーを5番手以内で回った先行勢。後方どころか、中団から差すのさえ難しいという結論となった。最速上がり馬の勝率が13.3%しかないのも、前優勢の裏付け。逃げた馬がそのまま残る確率も高く、かなり先行勢優勢と考えたほうがいい。

 年齢別成績では、5歳以下馬の成績が優秀。昨年3着のマカヒキのように、6歳馬はソコソコ馬券に絡んでいるが、7歳以上馬になると信頼度は大幅にダウンする。年齢については「若ければ若いほどいい」が結論だ。そして前走クラス別成績では、前走が中央G1もしくは海外遠征だった馬が絶好調。前走で出走していたレースの「格」が、そのまま結果に繋がる傾向が強い。

 騎手関連データからは「鞍上の乗り替わりを割り引く必要なし」「外国人ジョッキーの騎乗馬はここでも強い」というのが、押さえておきたいポイント。そして最後に、なぜこのような結果が出ているのか説明できない、アノマリー系データを紹介しておこう。京都記念では、前走馬番が「01~06番」だった馬が猛烈に強く、なんと過去10年に馬券絡みした馬の過半数がコレに該当する。判断に迷った場合には、ぜひ前走馬番をチェックしてほしい。


【血統総論】

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 血統面では、ディープインパクト、ステイゴールド、ルーラーシップ、そしてオルフェーヴルの産駒をプラス評価の対象とした。なかでも特筆に値するのがオルフェーヴル産駒が見せている適性の高さで、勝率は25.0%と断然のトップ。単勝適正回収値162.2、複勝回収値147、ギャップ値プラス0.2と、人気薄での激走も大いに期待できる内容だ。もし出走してくるならば、押さえておいて損はない。


★出走予定馬 総論×各論

 出走の意向が把握できている馬が9頭しかいない上に、パフォーマプロミスが脚部不安で回避。特別登録する馬はここから多少は増えるだろうが、それでも少頭数となりそうである。注目は、現4歳世代のトップクラス牝馬である、クロノジェネシスとカレンブーケドールの出走。あとは、AJCCの2着馬であるステイフーリッシュや、愛知杯で2着に好走したアルメリアブルームなども出走を予定している。

 トップ評価は、データ特注推奨馬にもあげたカレンブーケドール。牡馬を相手にジャパンカップで2着に好走した実績は、胸を張れるものだ。4歳馬であること、先行脚質であること、ディープインパクト産駒であること、前走馬番が1番であることなど、プラス評価となった項目の多さもナンバーワン。現在のやや特殊な馬場さえこなせれば、勝ち負けになって当然といえる。

 二番手評価にステイフーリッシュ。前走のアメリカJCCでは、最後の直線では1頭だけラチ沿いを選択して粘るという、ルメール騎手の好判断もあって2着に好走している。今回は岩田康騎手に乗り替わる予定だが、前走と同じような競馬ができれば、この相手関係でも好走できる地力の持ち主。京都での好走実績もあり、引き続き好走が期待できそうだ。

 三番手評価にクロノジェネシス。前走の「格」がそのまま結果に直結する傾向のレースだけに、前走エリザベス女王杯組というのは大きなプラス。大崩れしない信頼度の高いタイプでもあり、好位~中団やや前で流れに乗るレースができれば、ここでも上位争いが期待できそうだ。やや小柄な牝馬でもあり、現在の馬場が懸念材料ではあるが、バゴ産駒ならばアッサリこなせる可能性もありそうである。

 四番手評価にノーブルマーズ。こちらは中山金杯からのローテで、しかも7歳と高齢であることなど割り引く材料も多いが、時計のかかる馬場は大歓迎のクチ。今回の鞍上については把握できていないが、積極的な騎乗ができるジョッキーが乗ってくるようならば、前走以上の結果も十分に期待できるはず。ソコソコ人気薄での一発があるとすれば、おそらくこの馬だろう。

 現時点で評価できるのはここまで。あとは、特別登録が出てからしっかり精査したいところだ。ここまで「4~6番人気」が強いレースも珍しいので、直前のオッズは必ず確認しておくべき。個人的には、「カレンブーケドールから4~6番人気に流す馬連」で勝負してみたいと考えている。
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