重賞データ分析・小林誠

【フェブラリーS】人気必至のあの馬がじつは危ない!?

■フェブラリーS(GI・東京ダ1600m)フルゲート16頭/登録24頭

★3行でわかる! フェブラリーS 攻略の糸口

1.前走プラス体重だった馬が、なぜか異様に強い一戦!
2.順当決着傾向は強め。中心となるのは距離短縮組!
3.外枠が強いが内枠も強い。脚質は意外に「前」が強い。

データ特注推奨馬
★インティ

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 フェブラリーSで、注目に値するデータはいくつもある。その中でも「特注」として紹介するのが、ここで取りあげている前走における馬体重の増減別データである。結論だけを簡潔にいえば、フェブラリーSでは「前走がプラス体重だった馬」を重視すべき。結果との相関関係を説明しづらい「アノマリー系」のデータではあるのだが、ここまで差がハッキリ出ているとなると、軽視はできない。

 前走がプラス体重だった馬は、トータル[8-5-6-57]で複勝率25.0%、複勝回収値108。それに対して前走がマイナス体重だった馬は、[2-3-3-52]で複勝率13.3%、複勝回収値31と、天と地ほどの開きが出ている。しかも前者はギャップ値も大幅プラス圏と、爆発力の大きさも文句なし。どちらが「買い」であるかは言うまでもないだろう。前走馬体重が500キロ以上だった大型馬ならば、さらに期待できる。

 そしてもうひとつ、前走から「距離短縮」となる組が明らかに強いというのも、フェブラリーSの大きな特徴。根岸S組に代表される距離延長組が人気を集めるケースも少なくないレースだが、割に合うかどうかでいえば「合わない」と断言できる。東海S組やチャンピオンズC組、交流重賞からのローテなど、距離短縮での出走となる組を徹底的に重視して、馬券を組み立てることをオススメする。

 あとは、かなり順当決着傾向が強いレースであることや、イメージよりも内枠が強く中枠の弱さが目立っていることなども、重視したいポイント。データ特注推奨馬は、プラス材料を非常に多く持っているインティだ。昨年の覇者でもあり、コース適性は証明済み。近走の結果から人気を落とすようならば非常にオイシイ。


【コース総論】東京ダ1600m
・コースの要所!
★基本的には人気サイドが強いコース。中穴狙いも面白そうな印象を受ける。
★やはり外枠が有利。馬番13~16番に入った馬はプラスに評価したいところ。
★瞬発力の要求度が非常に高いダートコース。中団から差す馬の強さが目立つ。

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 ダートGIが開催されるコースでありながら「芝スタート」である東京ダ1600m。芝をある程度はこなせる馬であれば、芝の区間を長く走れる外枠がプラスに出る。ただし、芝がド下手な馬だと逆効果となる場合もあるので、注意したいところ。また、コース全体における直線の割合が長く、不器用な馬でも能力を発揮しやすいというのも特徴である。

 まずは人気別成績だが、こちらは人気サイドの強さが目立つ。内容が優秀なのは1~3番人気や4~6番人気で、信頼度の高さはもちろん回収値の高さも十分。コース形態からもあまり紛れはないはずで、素直に上位人気を信頼したいコースだ。もちろん穴狙いもできるが、極端な人気薄から入るのは推奨しかねる。その場合は、4~6番人気や7~9番人気など、中穴を中心とした馬券の買い方をするのがベターだろう。

 次に枠番データだが、やはり外枠の好内容が目立つ。単純に内外を比較したデータにおいても、ハッキリと「内より外」であるのが見てとれる。芝をこなせて、さらに先行力も備えているような馬が外枠に入った場合には、人気薄でも必ずチェックすべきだ。内枠を理由に消すほどではないが、「外であればあるほどベター」であるのは、必ず念頭に置いておきたい。

 最後に脚質面だが、コーナーでも加速しやすい大回りで、しかも最後の直線が長いコースであるため、ダート戦とは思えないほど瞬発力の要求度が高いのが特徴。最速上がり馬の成績がこれほど優秀なダートコースも珍しいだろう。複勝回収値がもっとも高いのが中団待機組であるのも、このコースが「差し優勢」である裏付け。中盤で厳しいラップが刻まれると、この傾向はさらに強まる。


【レース総論】フェブラリーS(GI) 過去10年
・レースの要所!
★コースデータ以上に人気サイドが強い。ふたケタ人気馬は大幅割引が必要か。
★外枠が強いが意外に内枠も強い。揉まれやすい「中枠」は展開的にやや不利。
★先行勢の強さがコースデータよりも目立つ。年齢別では5歳馬が優秀な結果。
★根岸S組の信頼度は低め。距離延長組ではなく距離短縮組を重視すべき一戦。

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 レースの平均配当は、単勝3338円、馬連1万1250円、3連複1万927円と異様に高いが、これは2014年に最低人気で勝ったコパノリッキーの影響によるもの。実際はそこまで波乱傾向が強いレースではなく、ふたケタ人気馬が馬券に絡んだのも、過去10年でこの1例だけ。人気サイドの強さはレースデータ以上で、1番人気も[4-2-2-2]で複勝率80.0%と、非常に高い信頼度を誇っている。波乱度はかなり低めだ。

 枠番データでは、中枠の弱さが目立っている。外枠が強いのはコースデータと同じだが、レースデータでは内枠である馬番1~4番も優秀な成績。おそらく、道中で揉まれやすいことが中枠の成績不振に大きく影響していると思われる。このあたりは組み合わせにもよるが、中枠に入った馬の過信は禁物といえるだろう。

 そして脚質面だが、こちらはコースデータよりも「前」が踏ん張っている。複勝率がもっとも高いのが中団待機組と、相変わらず差し優勢の気配を感じる結果ではあるのだが、GI級のダート馬はそう簡単には止まらない。最後の直線が長い東京のダートであっても、4コーナー先頭~好位のポジションからそのまま押し切るケースが多いというのは、しっかり頭に入れておくべきだろう。

 年齢別成績では、高信頼度かつ高回収値である5歳馬が頭ひとつ抜けた存在。4歳馬や6歳馬も内容は悪くないが、成績がガクンと落ち込む7歳以上馬については、評価を相応に割り引く必要があるだろう。また、前走根岸S組に代表される「距離延長組」の弱さも、かなり意識したいところ。前走レース別データで好内容なのは、東海S組やチャンピオンズC組、東京大賞典組など、いずれも「距離短縮組」である。

 最後に騎手関連データだが、こちらはGIらしく継続騎乗組が好成績。前走と同じジョッキーが手綱を握る馬は、少しプラスに評価したほうがいい。あとは、関東所属騎手がイマイチな成績に終わっており、外国人騎手の強さが目立つというのも、昨今のGIらしい特徴。昨年も、関西所属騎手と外国人ジョッキーによるワン・ツー・スリー決着だった。


【血統総論】

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 血統面からは、ゴールドアリュール産駒、ヘニーヒューズ産駒、ロードカナロア産駒をプラス評価の対象とした。とくに素晴らしいのがヘニーヒューズ産駒が見せているコース適性の高さで、複勝率34.2%、単勝適正回収値115.4、複勝回収値99と高信頼度かつ高回収値。うまく外枠でも引き当てた場合には、さらに期待できそうだ。過剰人気ではあるが、ロードカナロア産駒が非常に強いというのも、覚えておいて損はない。


★特別登録馬 総論×各論

 モズアスコット、インティ、ヴェンジェンスといったあたりが人気を集めそうな、今年のフェブラリーS。地方からもミューチャリー、モジアナフレイバー、ノンコノユメが参戦と、なかなか多彩なメンバーでの一戦となりそうだ。今年「初」の中央GIでもあり、以降に弾みをつけるためにも、ここは是が非でも的中させたいところである。

 順当決着傾向の強いGIではあるが、今年はその取り扱いにかなり気をつかいたい馬がいる。それは、1番人気になる可能性もありそうなモズアスコットだ。初ダートだった根岸Sを完勝するのだからダート性能は相当なモノだと思うが、じつはデータ面でプラスとなった項目が非常に少ない。プラス評価となったのは、ルメール騎手が継続騎乗予定である点くらいのもの。つまり、かなり危なっかしいのだ。

 それとは対照的に、あらゆる項目でプラス評価を集めまくったのがインティ。文句なしのトップ評価で、自信を持って買えるパターンだ。前走の東海Sはエアアルマスの後塵を拝する結果となったが、あくまで前哨戦。ワンターンの東京のほうが競馬はしやすいはずで、昨年の覇者であるのも大きな強み。素直に信頼して、連覇を期待する。

 二番手評価にヴェンジェンス。以前は不器用さが目立っていたが、精神面が成長したのか、前走の東海Sでは上手な競馬でインティに先着してみせた。とはいえ、本質的には直線の長いコースで末脚を生かすような競馬のほうが向くはずで、そういう意味で広々とした東京に替わるのは大きなプラス。7歳馬であるのがマイナスも、決して侮れない。

 三番手評価にサンライズノヴァ。今回は現在のところ、絶好調である松山騎手が手綱を握る想定となっている。こちらもコース替わりが大きなプラスとなるタイプで、東京ダ1600mはベスト条件だろう。うまく中団で流れに乗れれば、実績的にも侮れないはず。中穴人気あたりになりそうなのも魅力的だ。

 ここまでが上位評価組で、以下はワイドファラオ、ミッキーワイルド、タイムフライヤー、モジアナフレイバー、アルクトスという評価の序列。モズアスコットの評価順はこの次で、いっさい買わないという選択肢も大アリだろう。個人的には「モズアスコットを1円も買わない」というスタンスで勝負する所存である。






フェブラリーステークス週

競馬サークル情報通の独り言
【先行プレミア公開】フェブラリーS モズアスコットに包囲網!?新星誕生を阻止するのは…


今年最初のGⅠ・フェブラリーSを巡る争いに新星が現れた。初ダートの根岸Sを完勝した矢作芳人厩舎のモズアスコットだ。

幾多の芝GⅠ級が挑戦しながら為す術なく跳ね返されてきたフェブラリーS。前哨戦の段階とはいえ初ダートであれだけの勝ち方を見せたのは衝撃的なものだった。

しかし、この新星の登場に黙っていられないのがフェブラリーSを目標にダートで実績を積み上げてきた馬たちの陣営。根岸Sを見てアッサリと白旗を掲げる訳はなく、むしろ“打倒・モズアスコット包囲網”と言うべき敵愾心を燃やしている。

そして、これには「ポッと出の馬にダートのGⅠを獲られてたまるか」という気持ちだけではなく、「矢作厩舎をこれ以上調子づかせちゃたまらん」という対抗心も働いているというのだ。

関西のある関係者は「矢作厩舎はリスグラシューとコントレイルで年末の話題を独占して今が最高潮。勝負事ですから他の厩舎が特別な対抗心を燃やすのも当然でしょう。フェブラリーSにイイ馬を使う厩舎はダート路線まで荒らされちゃたまらないと思ってますよ」と語る。

さらに「恐らく矢作厩舎は『ライバルを潰してモズアスコット向きの流れを作りたい』という理由でドリームキラリをフェブラリーSに登録したんでしょう。結果的には除外対象になりましたが、これは意地が悪いと相当他陣営の反感を買ったようですよ」とも。

やはり、矢作芳人厩舎とモズアスコットが他の出走馬、そしてライバルの他陣営から相当厳しいマークを受けることになるのは間違いない。これで果たして人気に応えることは出来るのか…?

さて、打倒モズアスコットの筆頭に挙がるのは、「ドリームキラリで潰しにいく」と名指しされたようなもののインティだろう。

逃げにこだわってきたこの馬が、東海Sで中団に控えて3着だったのにはちょっとした裏事情があった。それはここでは明かせないが、実はレース後に調教師がマスコミに向けて「すまんな」と、ハナを主張しなかったことを謝っていたというのだ。そう、レース前から控える作戦が選択肢にあったという事だろう。

今回の矢作厩舎の2頭に対して苦い表情だったようだが、ドリームキラリが除外対象と知って大喜び。厩舎と武豊騎手で連覇に向けてしっかり作戦を立てているという。

もちろん、根岸Sでモズアスコットに負けた馬たちも白旗状態で本番に臨むつもりは全くないし、GⅠ直行組も地方馬もダート路線のプライドを守るべく“打倒・モズアスコット包囲網”で全力だ。

もしもモズアスコットが包囲網の前に敗れ去った時、先頭でゴールを駆け抜けるのは果たして…。
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