栗山求コラム「血統の裏庭」

​フェブラリーS(G1)血統的考察

​ 先週の共同通信杯(G3)は
▲ダーリントンホール(3番人気)が
内から好位から抜け出して快勝、
クラシック候補に名乗りをあげた。

雨上がり特有の内から乾く馬場で、
ペースもスロー。

位置を取りに行って好位で
レースを進めたルメール騎手の判断が功を奏した。

サドラーズウェルズ系のニューアプローチ産駒なので
少し渋った馬場も良かったのだろう。

皐月賞が渋った馬場になればおもしろい。


さて、今週はフェブラリーS(G1)。

JRAで行われる今年最初のG1となる。

前哨戦に位置付けられている根岸S(G3)を経由した馬は、
過去10年間で3勝と、
前走レース別の勝利度数では最多となるが、
勝率5.3%、連対率8.8%、複勝率10.5%は低調。

これは根岸Sで凡走した馬が本番に大挙出走し、
凡走するケースが多いため。

根岸Sで4着以下に敗れた馬は
過去10年間で33頭出走しているものの、
本番で馬券圏内に入った馬は1頭もいない。

これらを除き、
根岸S1~3着馬だけの戦績を調べると、
23戦5連対(連対率21.7%)とまずまずの成績。

1着馬に限れば[2-1-1-4]で、
勝率25.0%、連対率37.5%、複勝率50.0%と優秀だ。

今年の根岸Sを勝ったモズアスコットは、
過去のデータから見ると好走確率が高い。

主要プレップレースで
1~3着となった馬は本番でも好走確率が高い。

この条件にあてはまる馬の
フェブラリーSにおける成績(過去10年)は以下のとおり。

チャンピオンズC
[0-2-0-1]…連対率66.7%、複勝率66.7%

川崎記念
[0-3-1-5]…連対率33.3%、複勝率44.4%

東京大賞典
[0-1-3-2]…連対率16.7%、複勝率66.7%

東海S
[3-1-1-6]…連対率36.3%、複勝率45.5%

根岸S
[3-2-2-16]…連対率21.7%、複勝率30.4%

単純に、格の高いレースで
好走した馬は本番でも好走確率が高い、
という身も蓋もない結論となる。

複勝率50%以上の部分
(チャンピオンズC、東京大賞典)に入る登録馬は以下のとおり。

ノンコノユメ…東京大賞典2着
モジアナフレイバー…東京大賞典3着

人気は無くとも押さえたいところ。


【モズアスコット】

前哨戦の根岸S(G3)を勝ったモズアスコットは、
かつて安田記念(G1)を制した芝の強豪。

同レースで単勝1.9倍の1番人気に推されたコパノキッキングは、
58kgを背負って他馬の目標になったとはいえ、
ダート1400mでは相当な実力の持ち主。

それを同斤の58kg、
デビュー20戦目にして初めてのダート戦、
なおかつスタートで出遅れ、
という三重苦を克服して鮮やかに差し切ったのだから、
その能力に何ら注釈を加える必要はない。

すでにダート路線で
トップを争う実力の持ち主といえるだろう。


父フランケルは
現役時代イギリスで14戦全勝、
2年連続で全欧年度代表馬に選ばれた近年最高の名馬。

ヨーロッパの競走馬だけに、
日本における産駒成績は
芝連対率24.6%、ダート連対率17.2%と、
芝のほうが圧倒的に優れている。

しかし、母インディアは
コティリオンH(米G2・ダ8.5ハロン)、
アゼリS(米G3・ダ8.5ハロン)などを制したアメリカのダートホース。

母方の特長が
ダート戦でモノを言ったということだろう。

安田記念を勝っているように
1ハロンの距離延長はまったく問題なし。

アグネスデジタルやメイショウボーラーの再来か。


【インティ】

インティは東海S(G2)3着から臨む。

前走は1、2着馬より2kg重い斤量で、
控える競馬を試してのもの。

本番へ向けてそれなりの収穫はあったが、
昨年のこのレースを最後に
丸1年勝っていないのも事実。

昨年の勢いは感じられない。


「ケイムホーム×ノーザンアフリート」という組み合わせ。

父ケイムホームは
ミスタープロスペクター系のパワー型種牡馬で、
過去にタガノトネール(武蔵野S)、
サウンドリアーナ(ファンタジーS)などを出した。

一昨年から九州の鹿児島で供用されている。

2020年の種付け料はわずか10万円。

母キティはダートの準オープンで
2着の成績がある活躍馬。

母のポテンシャルの高さに加え、
父との配合的な相性の良さが
インティの非凡な能力を形作ったと言えそうだ。

3走前のみやこS(G3)で
15着と大敗したように、
快進撃を続けていたころには
見えなかった弱点も明らかになっている。

気分よく走れたときには
勝ち負けに持ち込むだけの力を持っているが、
そうでない場合は
精神的な脆さを露呈して大敗する危険性もある。


【サンライズノヴァ】

「ゴールドアリュール×サンダーガルチ」という組み合わせで、
近親にサンライズバッカス(フェブラリーS、武蔵野S)、
マコトスパルビエロ(日本テレビ盃-Jpn2など重賞4勝)がいる
パワー型の一族に属している。

前走の武蔵野S(G3)は5着と敗れたが、
59kgの別定重量を背負っていたので参考外の一戦。

2走前のマイルCS南部杯(Jpn1)は、
地方競馬ナンバーワンの
吉原寛人騎手の手腕もあったとはいえ、
アルクトス、ゴールドドリームといった強豪を破って優勝している。


母方にミスタープロスペクターと
ロベルトを併せ持つゴールドアリュール産駒には
コパノリッキー(最優秀ダートホース)、
オーロマイスター(マイルCS南部杯)、
ランウェイワルツ(兵庫チャンピオンシップ-2着)などがいる。

ゴールドアリュール産駒は
コーナー4つの中距離戦よりも
ワンターンの東京ダ1600mのほうが成績がいい。

同産駒は東京ダ1600mの重賞を過去8勝しており、
フェブラリーSは[4-4-0-13]。

4勝、2着4回で勝率19.1%、連対率38.1%は驚異的で、
他の種牡馬の追随を許さない。

過去8勝のうち7勝を左回りで挙げ、
うち6勝は東京コース。

今回は得意の東京ダ1600mに替わるので期待できる。


【アルクトス】

「アドマイヤオーラ×シンボリクリスエス」という組み合わせ。

父アドマイヤオーラは
弥生賞(G2)や京都記念(G2)を勝った
芝向きの中距離タイプだったが、
種牡馬としては
クロスクリーガー(レパードS、兵庫チャンピオンシップ)、
ノボバカラ(カペラS、プロキオンS、かきつばた記念)など
ダート向きの大物を出している。

本馬は母ホシニイノリヲがダート勝ち馬で、
血統的にも「シンボリクリスエス×シーキングザゴールド」なのでパワー型。

東京ダートは[5-1-0-1]と相性がいい。

前々走のプロキオンS(G3)で初めて重賞を勝つと、
続くマイルCS南部杯(Jpn1)で2着。

着実にステップアップしている。

さすがにこのメンバーに入ると
楽観はできないが、
立ち回りの上手さを活かせば一発もある。


調教の動きを加味しつつ、週末に最終結論を出したい。





調教Gメン研究所・井内利彰

【フェブラリーS追い切り】有力馬の追い切りには気になる点も…

今週も雨の影響は最小限で済んでほしいところ


 先週末は各競馬場で雨の影響を受けるレースが多くなりました。私は土日、東京競馬場でしたが、日曜日の東京は午前中にかなり強めの雨。水分が馬場に与えた影響も大きく、これによって、予想の精度は低くなってしまいました。

 雨で傷んだ馬場で行われる最終週。土曜日あたりは雨の予報も出ていますが、できれば雨の影響は最小限で済んでほしいところ。特に小倉は土曜日「全12レース、マラソン予想」、日曜日「レジェンド競馬アナウンサースペシャルトークショー」「競馬BEAT presents浜口京子予想ステージ・レース回顧トーク」に出演させていただく予定になっていますので、ビシッと予想を的中させたいと思います。


【フェブラリーS/モズアスコット】
 前走初ダートでもきっちり勝ち切ったあたりは、馬も厩舎もさすがといった印象ですが、休み明けで追い切り本数が少なくても勝ったところが私には痛恨でした。速い時計は3本の坂路追い切りでしたが、そのすべてが2F24秒台。そして、最終追い切りは4F目が最速になるラップでしたから、量ではなく、質で評価すべきだったのかも知れません。

 今回は中2週になるので、金曜追いからの最終追い。このローテはスワンSやマイルCSと同じになるので、そこを参考にすべきでしょう。どちらのレースも3本の坂路追いでしたが、今回は2本。日曜日の15-15がないパターンですが、これは輸送の違いがあるかも知れません。気になるのは1週前追い切りのラップの踏み方。スワンSが4F目最速だったのに対して、マイルCSは3F目最速。そして今回は後者と同じですから、いいラップの踏み方とは言えません。

 最終追い切りは坂路で4F51.4秒。全体が速いことはもちろん評価できるのですが、3F目と4F目が12.4秒のラップ。4F目が最速にならなかったことをどう判断するか。前走もスワンSも4F目最速ということを考えると、ちょっと評価を落とすべきかも知れません。


【フェブラリーS/インティ】
 昨年の覇者。昨年は連勝で挑戦し、その連勝を伸ばすという、素晴らしい結果でしたが、今年は紆余曲折ある成績を経てきました。1年間、勝ち鞍がなかったというのは本当に不思議なところですが、やっぱり強くなった逃げ馬の宿命なのかなと思ったりもします。

 ローテーション自体は昨年と同じなので、その調教内容を参考にすべきだと思いますが、1週前追い切り、最終追い切りともに、坂路4F53秒台に対して、4F目最速ラップという内容でした。1週前追いは坂路4F53.7秒で、4F目12.3秒の最速ラップでした。

 そして最終追いは2回目のハローが終了した坂路。馬場の中央を軽快に駆け上がっていく姿を見て、前走のようにラチを頼りにするところがないと思った瞬間、右の方へとよれていきました。結局、時計は4F51.1~3F37.7~2F24.8~1F12.5秒。2F目から12秒台を踏んだので、当然の4F目という気はしますが、昨年とはちょっと違うラップ踏みになったのは間違いありません。


【フェブラリーS/サンライズノヴァ】
 今年で3回目の挑戦になるフェブラリーS。過去2回は根岸Sからのローテーションでしたが、今年はレース間隔をあけています。これについては「オーナーとも相談して、意図的に間隔をあけた」と音無秀孝調教師。これまで休み明けで良績を残していることを思えば、このローテにチャンスありという印象もあります。ちなみに近走を見ると脚質も変わってきた印象ですが、今回どんな戦法を考えているのかは音無師にあらためて聞いて、ウマい馬券に記載するつもりです。

 肝心の動きも抜群。毎週のように坂路でクリソベリルと併せ馬を行っていますが、遅れたことはありません。休み明けなのに、馬体をスッキリ見せて、素軽さが出ているように思います。

 最終追い切りは坂路で松山弘平騎手が跨り、インディチャンプを追走。追いつくのかな?という疑問よりもこれは動くだろうなという前半の走り。しかし、後半になって、インディチャンプが加速するのについていくのがやっと。というよりも最後は離されるような形で、結局は遅れました。時計が4F51.0秒なので、決して悪い内容ではありません。ただ、遅れたという事実はちょっと気になります。


【フェブラリーS/ヴェンジェンス】
 腰に疲れが出たということで、ここへの出走も状態次第ということでしたが、うまく調整を進めて出走が叶いそう。中3週というローテーションはチャンピオンズCと同じですが、当時が2本の追い切りで今回は3本。1週前の日曜日にCWで時計を出し、1週前追い切りは坂路というのはプロキオンSと同じになります。

 プロキオンと比較した場合の1週前追いで言えば、時計的には物足りません。2F24.3秒だったプロキオンに対し、今回は25.1秒。決して時計を要する馬場状態ではなかっただけに、ちょっと迫力不足の印象。最終追い切りは幸英明騎手が跨って坂路で単走。4F52.8~3F38.1~2F24.9~1F12.7秒。25秒は切ったものの、これもちょっと物足りなさを感じる内容となった気がします。


【フェブラリーS/ワイドファラオ】
 前走が決して悪くない調教内容と思っていましたし、1週前追い切りをCWで併せ先着はユニコーンSと同じでしたから、これは高く評価しました。ただ、ユニコーンでは最終追い切りもCWだったのに対して、坂路でした。これがどう出るか注目していましたが、結果的には煮え切らない着順という印象があります。

 今回はまたパターンを変えて、1週前追いから坂路。これはデビュー以来初めてのパターンになります。しかも先週末の日曜日にも4F56.1秒という時計。レース間隔が詰まっているのにここまで攻めてくると不気味さが漂います。

 最終追い切りは1回目のハローが終了した時間帯のCW。2コーナーから入場しましたが、先行馬がかなり前へ行ってしまったため、前半は単走のような走りぶり。後半になって追いつきましたが、最後は離されてしまいます。6F81.6~5F65.6~4F51.2~3F38.3~1F12.3秒と時計は悪くないのですが、あの突き放された姿を思い出すと、なかなか高い評価ができません。


◆次走要注意

・2/15 3歳新馬【アルベロベッロ】(1人4着)

 パドックでの様子は頭を下げて、まだ気持ちが乗っていない、というよりもこれからレースだということが分かっていないような状況でした。それでも馬体は素晴らしいものを持っていたと思います。レースを使ったことでいろいろ覚えたと思いますから、次は変わってくるはず。

[メモ登録用コメント] [芝中距離]パドックで水平首の周回ができれば勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・フリージア賞【アメリカンシード】
 最終追い切りCWでの併せ馬は先行したということもあり、楽々と先着する内容。その時計が6F82.6~5F66.4~4F51.9~3F37.4~1F11.5秒という数字から、いかに楽な逃げ切りだったか分かると思います。それでも見た目にはまだ修正できる走りだと思いますし、ここは楽に勝ち上がってほしいところです。




【フェブラリーS】美浦・栗東レポート

【フェブラリーS】美浦レポート アルクトス
栗田徹調教師のコメントは以下の通り。

(最終追い切りを振り返って)
「いつも当該週はポリトラックコースでやっているのですが、今朝の追い切りもポリトラックコースで田辺騎手に乗ってもらいました。先々週も乗ってもらったのですが、そこからの確認と、気持ちの面を重視して追い切りました。
 
先々週はウッドチップコースで追い切りをしたのですが、少しモタモタしている感じにも見えましたので、先週もしっかりと追い切りました。日曜日にダートで追い切った感じはすごく良い感じだったので、今日の追い切りも良かったと思います」

(前走の南部杯2着を振り返って)
「初めてのGIでどういう競馬をしてくれるかと思いましたが、コース適性はあると思っていました。枠順が内側だったもので、少し出し気味に行って最後は外から差されてしまうような感じでしたが、力は出してくれたと思っています」

(前走後の調整について)
「南部杯の後は近くの牧場で心身ともにベースアップを図る目的でケアしながら2ヶ月間過ごさせてもらいました。1月16日に美浦に帰厩させました。

3歳、4歳の頃は右の背腰に弱い部分がありまして、競馬を使ったり追い切りをかけたりすると少しダメージがあって、回復させるのに手間取った感じはありました。前々走辺りからしっかりしてきた印象があります。
今回に関しましては、水曜日、日曜日と週2回追い切りを重ねることができました。以前は水曜日が終わった後に来週に向けて週末に回復させるような調教メニューやケアの内容でした。今回は日曜日も時計を出せて順調に来ています」

(この馬の良さは?)
「普段は扱いやすくて勝ち気なところもあるのですが、体が大きい馬で、フットワークも大きいです。先行力もあり、そして切れる脚はないのですが、長く良い脚を使えるタイプだと思っています。以前は弱点だった右トモを気にするところがあったのですが、今回に関しましては今までになく順調に来ています。課題という課題は特に見つかりません」

(今回のレースに向けて)
「この馬に関しましては、ここまで休みを挟みながら力を付けてきました。また、東京の1600mダートの舞台というのは4戦4勝で一番力を発揮できる舞台なので、新たに戦うメンバーも出てきますが、どこまでやれるか楽しみです。

(馬場状態によっての巧拙は)速い時計も持っていますし、あまりないと思っています。
調整過程に関しましてはジョッキーの意見を聞きながら、馬の変化を見ながら隔週ごとに調教メニューを組んできたつもりです。競馬に関しましては田辺騎手が厩舎以上に分かっていると思っています。その辺に関しては全て彼に任せています」

田辺裕信騎手のコメントは以下の通り。

(最終追い切りについて)
「前走の1週前追い切りに乗って、自分の中でもう一つ動き切れていないなというのがありました。今回は早めから乗って感触を見たいなということで、4週前ぐらいから乗り出しまして厩舎側と意見交換しながら調整してきました。

ウッドチップコースで少しモタつくようなところもあったので、それは前走もそうでした。最終追い切りは前走もポリトラックコースでやって動きが良かったこともあって、今日はポリトラックコースで流す感じで終わりました」

(前走の南部杯2着を振り返って)
「この馬は本調子かな?と思うような状態での出走でした。レースに行ったら私が思った以上に頑張ってくれました。その後少し疲労は来ましたが、上のメンバーでやれているというのがフロックではなかったなと思いました」

(休養明けの状態について)
「成長という段階ではないと思うので、大きく変わることはないですが、良い状態で安定しているとは思います」

(馬の変化した部分は?)
「もともと良い馬だなというのは思っていました。ただ、体質などもあって、大事に大事にずっと使ってきてもらっていたというのもあります。本当によくここまで成長してくれたなと思います。あの時感じていた感触は本物だったのだなというのは思います」

(今回のレースに向けて)
「スタートが上手なのと、長く良い脚を使えるというのは武器だと思います。
 (東京は)何回も走っていますし、1400mのダートでも勝ったことがあるのでペースが速くなっても対応できるのではないかと思います。
 (展開は)そんなに決め付けはしないですね。どういう状況でも走れるようにということで、あえて逃げていた馬に控える競馬をさせたり、砂を被らせたりというのを今までやってきたので、それが生きればいいなと思います。
 (調教師とは)いろいろと話しはしていますが、今になってこの馬に対して言うというのは特にないです」


【フェブラリーS]美浦レポート デルマルーヴル
戸田博文調教師のコメントは以下の通り。

(最終追い切りを振り返って)
「コンスタントに使っている馬なので、そんなに強い調教はいらないかなと思っていました。相手も調子が良くて、この馬も調子が良いのか、ポリトラックコースなので時計が速いのは心配ないと思います。動きが良くて、気合いも良い感じに乗っていました。非常に良かったと思います。あとは芝スタートを想定して、たまたまポリトラックコースと芝コースが半分になっているところを上手く利用して、芝からスタートさせました。繋ぎ目も気にすることなくスムーズに走れていたので、その辺も予行練習できたかなと思っています」

(前走の川崎記念3着を振り返って)
「やはりGIでしたし、オイシン・マーフィー騎手も交流レースを勝てていなかったので、勝ちたいという気持ちが出ていました。内容は悪くなかったのですが、勝った馬はさすがにダートのベテランというか最有力馬ですから強かったなという印象でした。負かしにいった分、最後は少し脚が上がって3着になりましたが、内容としては悪くなかったと思います。ジョッキーもすごく良く乗ってくれました。オイシンが乗ると馬がすごく良くなるので、非常にレース後も良い感じは保てていました。負けはしましたが、内容的には良かったかなと思っています」

(前走後の調整について)
「この馬はすごく偉い馬で、どこの競馬場へ行っても、去年UAEダービーに行った時も動じることなく、しっかり自分のコンディションを整えることができる馬です。レース後もすぐ疲れが取れます。去年の今頃に比べるとすごく芯がしっかりしてきたので、回復力もすごく早いです。当初使おうかどうか迷っていたのですが、オーナーがせっかくなので状態が良ければ行こうかということになりまして、使う方向に向かってきました。今は良い意味での安定期というか変動がなく、非常に安定した状態でレースを迎えるような感じです」

(この馬の長所は?)
「どんな競馬場に行っても大崩れすることなく、環境の変化にも対応できます。久しぶりのマイルの距離になるのですが、2歳の頃からで言えば1400mの重賞を勝っていますし、名古屋の小回りの2500mも勝っています。そういうところではすごくオールマイティーなところがこの馬の良いところではないかと思います」

(今回のレースに向けて)
「正直に言って1年ぶりのマイルのレースですし、しかも芝スタートというのも1年ぶりです。一線級を相手にマイルだと少し忙しいかもしれませんが、いつも相手なりにしっかり走れる馬ですので、展開とか流れ次第では十分対応できると思っています。

相手は歴戦の馬が揃っていますし、今までのメンバーよりもさらに強力な感じがします。距離的にもここを狙ってきている馬が多いと思いますので、いろいろなことを考えるとやはり不利な部分もあるとは思います。その辺は馬の調子の良さと、この馬の特徴であるどんな競馬場、コース、距離でも対応できる能力を信じています。あとはジョッキーに上手く乗ってもらえれば良い結果が出るのではないかと思っています。

強いて言えば、手前を替えるようにはなったのですが、替えるのがまだ非常に不器用な馬です。その辺がスムーズに行くともう一段パワーアップできるのかなというのはずっと思っている課題です。2歳の頃は一回も手前を替えないで競馬で勝ってしまったという馬でしたが、最近は替えるようにはなってきました。まだ替えたり替えなかったり、浦和記念の時はコーナーで逆手前に替えてしまうとか、そういう不器用なところを見せています。そういうところが残っている分、まだ伸びしろがあるのかなと思っています。

(デムーロ騎手には)まだ会っていないので、これからゆっくりお話できると思います。2歳の時に川崎のGIで乗ってもらっていますし、すごく良い競馬をしてくれています。その頃よりもパワーアップしているのを競馬で感じてもらえればいいと思います。ミルコ(デムーロ騎手)の場合は逆に川崎の1600mのレースしか乗っていません。長いレースに乗っていないので、変なイメージがなく良いイメージで乗ってもらえるのかなと思っています。
何とかこの馬の、相手なりに一生懸命走るひたむきなところを見てもらって、それが結果に繋がってくれたら良いかなと思います」

M・デムーロ騎手のコメントは以下の通り。

(2018年の全日本2歳優駿で跨った印象は?)
「結果的に負けて残念でした。あの時はまだ馬が若かったですね。最初は1コーナーまで少しハミを噛んでいました。その後は落ち着いていました。直線に向いてから手前を替えるのがまだ下手でしたが、最後まですごく良い脚を使ってくれました。負けましたが、すごく印象は良かったです」

(最近の成長ぶりについて)
「最近はずっと見ていますが、いつもすごく頑張っていますね。
いつも重賞でいろいろな強いメンバーと走っています。能力がありそうです。
スタミナはやはりありますね」

(今回のレースに向けて)
「何回も走ったことがある東京です。スタートが芝なのも慣れていますし、大丈夫だと思います。
どんなペースになるかもまだ分かりません。インティが行くかもしれませんが、まだ分からないですね。枠順も大事です。どうしてもワンペースなところがある馬ですが、いつも直線で伸びるので前向きに考えています。調教師とも馬主ともまだ話していませんのでこれからです。
今回も頑張ります。いつも応援していただいてありがとうございます」


【フェブラリーS】栗東レポート モズアスコット
矢作芳人調教師のコメントは以下の通り。

「(前走の根岸Sは)力が違ったとしか言いようがないと思います。出遅れましたが、いい脚を長く使ってくれたのかなと思います。(ダート戦を選択したのは)大きく分けて3点あり、普段の調教の動きや脚さばきからダートが向くのではないか、ということ、血統がダートは間違いなく向くだろう、ということ、年を経て馬体がパワー型に変わってきたと思った、ということで、どちらかといえば満を持してのダート出走でした。うまく行きすぎかもしれませんが、自分の見立てが間違ってなくて良かったと思います。自信があるとは言っても、結果を見てみないと、ということがあったので、言うことがない結果だったのではないかと思います。レース後すぐに、馬の状態さえ良ければすぐにフェブラリーS、ということは決めました。モズアスコットという馬は連闘でGIを勝ってくれるし、初ダートは克服してくれるし、非常に喜びをもたらしてくれる馬で感謝しています。

レース後の1週間は疲れをとることに専念して、身体のあちこちにガタが来やすい馬なので、そこのケアを充分にして、先週の金曜日に1週前追い切り、今日が最終追い切り、ということで順調に来たと思います。(先週の時点では)疲れが取れてここから上がってくるかな、という感じでした。(今日は)リードホースがだいたい4ハロン54秒くらいの予定なので、52秒くらいで、ということで、あとは乗ったルメール騎手の判断に任せる、ということでした。時計はやや速くなりましたが、前走時よりは反応が良かったと思います。今日については全く問題ないですが、この馬は追い切りが終わって安心できるタイプではないので、日々細心の注意を払って、いい状態に持っていきたいと思います。

今回は芝スタートにもなりますし、距離は全く心配していません。

(年末に厩舎がGIを連勝、好調の秘訣は)僕があまり余計なことを言わないことじゃないですか。任せるからには全面的に任せる、という主義をとっています。風通しの良い厩舎だと自負しています。(追い切りを受けて、スタッフとは)あれだけの追い切りをすると多少のダメージが残りますので、どうやって、超回復の状態でレースに臨めるかを話し合うと思います。

力を出し切れば必ずいいレースをしてくれると思いますし、今後に向けて楽しみになるレースを期待しています。皆さん、馬券をいっぱい買って応援してください」

クリストフ・ルメール騎手のコメントは以下の通り。

「(GIシーズンは)ちょっと興奮しますね。毎年、GIシーズンは楽しみです。いい馬でいい競馬がしたいから、ちょっとエキサイトします。(今シーズンも)いい馬がいますね。

(前走の根岸Sで)モズアスコットはいい競馬をやってくれました。ダートは初めてでしたが、良く走れていました。最後は楽勝でした。100%じゃない状態でいい競馬をしたので、今週はトップコンディションで改めて、いい結果を出すことが出来ると思います。前走のレース前に追い切りをやった時は、ちょっと重たかったと思います。反応が遅かったですし、息の入り方を見てもまだトップコンディションじゃなかったと思いました。それで重賞を勝てたので、素晴らしかったです。(驚いたか、といえば)半分半分ですね。ダートが初めてでしたが、彼の血統にはダートホースがいるので、行けると思いました。矢作先生は彼の馬を良く分かっているので、(調教師の判断で)ダートを使ったら行けると思っていました。矢作先生はグッドチョイスだったと思います。

(今日は)パワーアップしていたと思います。自分から動いて加速していましたし、楽に追い切りが出来ましたから、トップコンディションになったと思います。(前走の根岸Sを100だとしたら)120です。根岸Sで80%だと思いましたが、今回は100%になったと思います。

(芝の)この距離でも勝ったことがありますし、ダートでも前回は強かったです。ずっと芝で走ってきましたから、芝のスタートも問題ないです。

GIではいつも、スタートは大事です。前回は残念ながらスタートで出遅れたので、彼のウィークポイントだと思います。ゲートでたまにチャカチャカして、スタートでは遅れます。今回はゲートの中で、よく注意していきます。1600mのコースは向こう正面も最後の直線も長いし、馬のリズムは大事です。スタートの後、馬がリラックスしなければなりません。3コーナーでいいポジションにいることが必要です。

(長所は)力です。スピードがあります。2年前は短い距離でも走っていましたし、前回も1400mでした。道中でいいリズムで走れたら、最後はいい力を出してくれると思います。瞬発力はないですが、ストライドがパワフルです。長く脚を使います。

(ライバルになる馬では)インティのコンディションが戻ってきたと思います。前回は良い結果でした。東京コースで強いです。去年はこのレースを勝ちましたし、一番のライバルだと思います。

今週はフェブラリーS、今年最初のGIです。このレースでモズアスコットには、ビッグチャンスがあると思います。皆さん応援してください。よろしくお願いします」


【フェブラリーS】栗東レポート インティ
野中賢二調教師のコメントは以下の通り。

「(前走の東海Sは)58キロを背負っていること、それで控える競馬を選択したことを考えれば、できれば結果も伴えば良かったですが、悪くない結果だと思います。(控える競馬は)選択肢のひとつとしてはありました。武豊騎手とも話し合って、枠順が外になって、内に行きたい馬がいて、みやこSの件もありましたからオーバーペースにならないよう、ペースだけは考えて、出来るのであれば控える選択肢もあるのかな、とは言っていました。

(レースの)幅、というか、この馬のリズムで走らせれば大崩れしないのかな、という内容ですし、チャンピオンズCはレベルがかなり高い中で、直線までは"おっ"というところを見せてくれましたし、自分のリズムで行くことが大事だと確信できました。

(前走は)前哨戦で、本番に向けての造りで、58キロということもありました。位置としては想定よりは後ろでも、折り合いはついていました。58キロを背負っているといっても、結果を伴いたかったというところで、後ろから差されたのは残念ですが、次に向けてはいい内容だったのでは、という話はしていました。レースを使った後もダメージは昔ほどないですし、(今回に向けての)立ち上げもスムーズに出来ていますし、東海Sよりはいい状態で行けるのではないかと思います。

レース後は馬の状態をしっかり把握して、疲れを抜くところから始めました。思ったよりも早く立ち上げもできたので、当初の予定通り順調に来ていると思います。(先週の追い切りは)負荷をかけすぎず、追い込みすぎることのないよう、今週は輸送もありますので、東海Sの調子をキープできれば、と調整を進めています。

(今日の追い切りは)1度使って馬の中身も出来ていて、調子も上昇していますから、それをキープしていこうということで、リズム重視で終い1ハロンだけ流すように、と言いました。思ったより時計が速くなりましたが、以前は坂路で動けるタイプではなかった馬が、それだけ動ける身体になっているのかなと思います。このひと追いで整ったと思いますし、レースに向けていい状態で臨めると思います。

(昨年のフェブラリーS制覇から)1年経って、本当にトレセンでの振る舞い、調教であり、馬房であり、そのあたりでの成長はすごく感じます。馬体も惚れ惚れするくらい逞しくなりました。競馬を使ってもへこたれなくなりました。競馬に行って、少し気性的に繊細なところはありますので、平常心で臨めればと思います。

(長所は)自分でペースを作って、上がりもかなり速い脚で上がれます。そういう馬は珍しいと思いますし、だからこそGIを勝てたんだと思います。いかに自分のリズムで行って、最後も自分の脚で行けるか、というところだと思います。

(武豊騎手は)この馬と相性が良いですし、前走を見ても分かるように、彼のこぶしの柔軟性というか、あの位置で折り合わせるところは、みやこSであれだけ難しい面を見せたことを考えれば、すごいと思います。気性であったり口向きであったり、前向き過ぎるところに、彼の当たりの柔らかさは合っていると思います。

枠順も関係してくると思うので、最終的には枠順が出てから武豊騎手と相談しようと思いますが、できればハナに行ってペースを作っていければと思います。枠順が出れば、それぞれの陣営が勝つために作戦を考えるでしょうし、自分がメンバーを見た中では、ある程度ペースを作っていけるのではと思っています。

連覇に挑戦できるのはこの馬しかいないですし、そうなると歴史に残る、数少ない馬の中に入れるんだと思います。彼に成し遂げさせてあげたいと思って、一生懸命やってます。応援よろしくお願いします」


【フェブラリーS】栗東レポート ヴェンジェンス
大根田裕之調教師のコメントは以下の通り。

「前走は自分の競馬に徹しようと思って臨みましたが、ラップも展開も勝ち馬に向いていたかなと思います。ヴェンジェンス自体は自分の競馬をして、最後は伸びてくれましたから納得のレースです。みやこSを勝った時よりペースは遅くなると思って、私も幸騎手もみやこSのイメージではなくもう少し前でもいいかな、と思って、中団くらいにいきました。その通りペースは遅くなって、追い上げていったんですが、勝った馬がしぶとかったということでしょうね。1800mでも大丈夫だということがわかりました。折り合いもつきやすいです。1600mでも大丈夫だと思います。

秋から冬にかけて激走して良く走っていましたし、前走を使った後に、腰の筋肉の疲れが抜けきらなかったんですが、いつもは3日で抜けるところに1週間かかった、という程度のもので、それほど影響はないと思います。

(1週前の追い切りは)ジョッキーが乗っているのでいつも通り、馬の体調だけどんなものか見てくれたらいいよ、という指示をしました。あまり無理せずガンガン追わないで、素直な馬なのでジョッキーに任せていましたが、思った通りのタイムで来てくれました。

(今日は)先週と同じように、という指示だけです。(先週とタイムがほぼ同じで)ピッタリですね、という感じです。馬が太くて走れない、ということはまずないので、あまり前日輸送の経験がないので、行った先で入れ込んだり、環境の違いでソワソワしたりしたら困るので、目一杯という感じではやっていません。体調維持に努めました。それで充分だと思います。

(初めてのマイル戦ですが)1400mを使って、1800mを使って、1600mなので、程よいかなと思います。若い時は力んで走っていたので、左回りだと外に行きたがる素振りもあったんですが、中京のチャンピオンズカップではそんな気配もなかったですし、折り合いもつきますしシャカリキに行くわけではないので、無難に回ってこられると思います。東京の方が決め乗りというか、直線が長く、脚があったらジワジワ追い上げてくるかな、と思います。レースはどちらかといえばやりやすいと思います。

(輸送は)大丈夫だと思います。前日にしたことがあまりないので、やってみないと分かりませんが、7歳ですし何とか落ち着いてくれると思います。ほかの馬の枠順と脚質との兼ね合いはあると思いますが、(枠順は)真ん中くらいが無難ではないでしょうか。

3歳時は期待していたんですが、骨折でかなり休みました。身体が弱かったこともありましたが、あの馬には1年8か月くらいの休養が成長期になり、今となってはかなり良かったかなと思います。7歳ですが、身体の中身はまだ若いと思いますし、力を出してくれると思います。

GIですし、相手も強いんですが、ヴェンジェンスらしいレースをしたいと思います。頑張ってくれると思います」

幸英明騎手のコメントは以下の通り。

「前走はちょっと外めの枠ということもあって、いつもよりは意識的に前で競馬をしました。マークしていたインティは捕まえてくれまして、上手に走ってくれたと思います。勝った馬とは通ってきたところの差、というか、自分の馬は外を回ってあそこまで詰め寄ってくれて、力差はなかったかなと思います。最近の雰囲気はずっといいです。

前走が終わって疲れが出たと聞いていたのですが、先週の追い切りに乗った時点でそういうところはあまり感じませんでしたし、今週の追い切りもいい動きだったと思います。(前走と比べて、出来は)いい意味であまり変わらないかなと思います。

距離は1400mでも1800mでも走れていますから、問題はないと思います。左回りは経験数が少ないことと、外に張る面があるのでプラスではないのかな、と思っています。克服するプランは......馬にお願いしようかなと思っています。上手に回ってくれ、とお願いするしかないと思っています。

(この馬の強みは)以前は1400mで前に行く競馬をしていましたが、前に行っても後ろに行っても終いまで脚を使ってくれます。揉まれ弱いところはあるので、課題としてはそのあたりをクリアできれば、もっとこれから良くなってくると思います。今回は外めの枠が欲しいと思っています。

今は力がついてきて、一番、馬のピークの時期かなと思いますし、GIを獲れるなかなかないチャンスなので、一緒に頑張りたいです。全力で頑張るので、応援していただけたら嬉しいです」
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