栗山求さん

東京11R ヴィクトリアマイル(G1) 芝1600m OP 定量

◎12アーモンドアイ
○5プリモシーン
▲16ノームコア
△1ラヴズオンリーユー
△18サウンドキアラ
△9セラピア

<見解>
◎アーモンドアイは
「ロードカナロア×サンデーサイレンス」
という組み合わせで、
母フサイチパンドラは
エリザベス女王杯(G1)を勝ったスタミナタイプ。

その影響もあって2000mを超える距離も苦にしないが、
ロードカナロア産駒は
基本的にはマイル戦がベストで、
距離別の重賞勝利数も芝1600mがトップ。

◎アーモンドアイ自身、
マイル戦では4戦3勝で、
唯一敗れた昨年の安田記念(G1)は
スタートで致命的な不利を被りながら
タイム差なしの3着と健闘している。

この距離でまともに走れば今後まず負けないだろう、
という内容だった。

9着と大敗した昨年暮れの有馬記念は、
香港国際競走を熱発で回避した影響に加え、
走りに力みがあり本来の実力を発揮できなかった。

年明け緒戦となるはずだったドバイ戦が中止となり、
仕上げが難しくなったのは確かだが、
たとえ100%の調子でなかったとしても、
力の違いを見せつける可能性が高い。



田中正信さん

ヴィクトリアマイルの追い切り注目馬

■5月17日(日)
東京競馬場 芝1600m 定量
ヴィクトリアマイル(GI)


■1枠1番ラヴズオンリーユー
厩舎:矢作芳人(栗)
騎手:M.デムーロ
馬主:DMMドリームクラブ(株)
生産:ノーザンファーム

間違いなくトップクラスの競走馬である。それは間違いない。だが、今回は今年初戦。調整面からこの状況を打破できるほどのセールスポイントは見つからなかった。まずドバイからの旅行帰りであることが既にマイナス。確かにレースがなかった分の消耗は避けられていよう。ただ。それでも慣れない輸送に環境と心身にかかるストレスというのは相当だったはず。あの名牝ウオッカですら初めてのドバイからの帰国初戦は取りこぼしていたのだ。それを、ここまで使い込めていないように決して健康優良児でもない同馬がアッサリとクリアできてしまうものなのか。甚だ疑問。そして、そもそも回復が間に合っているのか、というのもある。前述したように、ただでさえ回復が遅いのに過度なストレスを抱えている状況。どう考えても立ち直るまでに、いつも以上に時間がかかるのでは。そして、その不安に拍車をかけるように、この中間の調整もこれまでとは違いすぎる。なぜ、今まで1週前だった本負荷を直前へと変更したのか。ただただギリギリまで回復を促したからでは。その直前も時計こそ出たが、いつもより内目を回ってのものだけに価値は今イチ。どうも信用できぬ。素質でどこまでが正直なところ。


■3枠5番プリモシーン
厩舎:木村哲也(美)
騎手:D.レーン
馬主:(有)シルクレーシング
生産:ノーザンファーム

イメージとしては常にイレ込み寸前ぐらいの牝馬。同馬はそんなタイプである。だからこそ強い調教を必要としてこなかった。故に調教では基本的に4F追い。ただし、何度かスパルタに耐えられる心身の時が存在した。それが一昨年の関屋記念時、昨年の同レースに次走の中京記念、今年の東京新聞杯もそれに該当する。では、その時の調整はいつもとどう違うのか。至ってシンプルである。単純に距離を延ばしてくる。4F→6F追いへと変更して、ここぞとばかりに鍛えてくるのである。もちろん、その場合でも週末のメニューである坂路での4F55秒程度というのは維持したまま。要は長めからの調教を積んできた時というのは心身共にフレッシュ、加えて研ぎ澄ますことまでできている最高の状態が期待できるのだ。それを踏まえて今回の調整を見てほしい。まさしく前述した最高の調整が施されていないか。入厩期間が僅か1週間であることは気にする必要はない。これは外厩でギリギリまで心身のフレッシュさを求めたからこそ。むしろ、だから直前で長めから行かせても最後まで高い操縦性を保つことができていたのだ。いざ追っての反応もシャープの一言。これは勝ちにきたか、考えうるベストの仕上げでの臨戦に成功。


■6枠12番アーモンドアイ
厩舎:国枝栄(美)
騎手:C.ルメール
馬主:(有)シルクレーシング
生産:ノーザンファーム

まずは今回の状況を頭に入れておく必要があろう。ドバイまで行った上での中止、つまりレースこそなくなったが、その他の輸送を含めた全ての負担はもれなくかかっていたということ。更に帰国後は、すぐに思うように移動ができない。しばらくは検疫で慣れない環境にて軟禁に近い状態。そこからようやく外厩先へ放牧可能に。そう、いつものルートへ戻るのにも一苦労なのだ。そこからダメージを抜き、いつものように基礎工事を終えての入厩。もちろん、この影響はこの中間の動向にも露骨に響いている。単純に回復と基礎作りという外厩作業に思いの他、時間を取られたのだろう。その影響で入厩期間がいつもよりも短くなってしまった。故にハッキリ言えば、今回は急仕上げである。ただ幸いなことに完全回復だけは成った様子、もちろん心身共に。だからこそ、同じ急仕上げでも前走よりも負荷をかけた調教本数を2→3本と増やすことができているし、そして何より直近2本で実戦並みのスピードに乗せ、何を遠慮することなく整えにいくこともできた。結果、フットワークも加速振りにも問題は見当たらず。与えられた状況の中で最高の状態に導けたのでは。少なくとも前走以上、ならば、この相手に恥ずかしい競馬はしまい。


■7枠14番スカーレットカラー
厩舎:高橋亮(栗)
騎手:石橋脩
馬主:前田幸治
生産:(株)ノースヒルズ

4走前に圧倒的なパフォーマンスで完全な本格化を示したこと。これにより陣営が色々と戸惑ってしまったというのがエリザベス女王杯に有馬記念と調整段階からチグハグとしてしまい力を発揮させられなかった理由。では何に戸惑ったのか。単純に精神面が急激に逞しくなったのだ。これまでは繊細な牝馬。それこそ体質だって弱いし、何かあれば馬体が大きく減ってしまうようなナイーヴなタイプ。実際の調整も普通に動かすと調教駆けしてしまうので本負荷にあたる1週前も加減気味に行い、直前は4Fからとこれまたハッキリとセーブするのが常であった。でこれが変わるのである。その府中牝馬S前後は自信を得たこともあり気が大きくなったのか、少々のことでは動じなくなってしまう。で何が起きたかというと調教の強度不足。要は繊細な馬仕様のこれまでのパターンでは響かなくなってしまった。それが2、3走前の敗因。だが、それも前走で設けた1週前に6Fから目一杯、直前も5Fから気分のままに走らせるという新基準で結果が出たことでクリア。もちろん、今回は完全に前走の調整を踏襲する形。放っておくとどこまでも伸びてしまいそうな勢いで、もはやデキの良さを疑う余地すらなし。これなら更に上昇まであるか。


■8枠16番ノームコア
厩舎:萩原清(美)
騎手:横山典弘
馬主:池谷誠一
生産:ノーザンファーム

ほぼ2週で4本というのが今回の乗り込み量。前回が4週で7本だったことを思うと物足りなく感じてしまうかもしれない。だがデビューからこれまで全ての同馬の調整を見ていくと例外なのは、むしろ前走時のほうである。外厩で基礎を作り、入厩後は2-3週鍛えてレースへというのが完全に確立されていた今までのパターン。つまり前走というのは、不測の事態が起きていたに過ぎないのだ。考えられるとすれば香港帰りであったこと、これに尽きる。おそらく大ダメージでの帰国だったのではないか。これまで鍛えてきたことを全てリセットしてしまうぐらいの…。故に回復こそ成ったものの、ベースが大幅ダウン→鍛える時間をいつも以上に確保しての臨戦というのが前走だったのでは。実際にどこまで取り戻せていたのかは前走が極悪馬場でまともなパフォーマンスを見せれなかっただけに何とも言えない。ただ、この中間を本来のパターンに戻せていることは朗報以外の何ものでもなかろう。もし、まだ中身が伴っていないのであれば、今回も鍛える時間を多めに確保しただろうから。そして、それを裏付けるように牝馬らしからぬ力強いアクションで駆ける姿が頼もしい。これなら大丈夫、勝った昨年と遜色ないデキとみる。




坂井千明さん

【ヴィクトリアマイルの追い切り診断】ドバイ帰りのアーモンドアイが今まで見せたことのない動きを…

■アルーシャ【B】
直線だけしか見られなかったけれど、体は使えていたし首の動きも良かった。

■アーモンドアイ【A】
相変わらずいい動き。唯一気になる点が、4コーナーあたりまで脚を高く上げて走っていること。併せてからはしっかり前に脚を伸ばしていたけれど、これまで見られなかった動きだった。

■コントラチェック【A】
四肢をしっかり伸ばして、体全体を使った走りができている。走法からは、短い距離のほうがいい。

■サウンドキアラ【A】
リラックスして気分良く、素軽い走りができている。順調そのものだね。

■サトノガーネット【C】
体は使えていたけれど脚を高く使っている。手前を替えるのも嫌そうな動きをしているところはマイナスだね。

■シゲルピンクダイヤ【C】
相変わらずトモが今ひとつ。跳びが大きいから余計にそう見える。状態も今ひとつかな。

■シャドウディーヴァ【C】
少し頭が高い走りは相変わらず。全体的に走りが詰まっている感じで、走りに伸びがない。

■スカーレットカラー【A】
ゆったりリラックスして走れている。首の使い方、脚の運びもスムーズで、動きも素軽い。順調そうだね。

■セラピア【C】
ずっとトモが開く走りになっているし、追われてフラついていた。時計は出ているけれど、いっぱいいっぱいになっているように見える。

■ダノンファンタジー【A】
前回は重苦しい動きだったけれど、それに比べて今回は体をしっかり使って走れている。少し首が高いところは気になる。

■トーセンブレス【B】
霧で直線だけしか見られなかったけれど、力強い動きをしているし、順調そう。

■トロワゼトワル【C】
体をしっかり使った走りはできていたけれど、終始力んでいて、追ってからの反応が今ひとつ。

■ノームコア【B】
霧であまり見られなかったけれど、まずまず体は使えていた様子。ただ、脚の出がしっかりしているともっと良かった。肩の部分の動かし方が今ひとつ。

■ビーチサンバ【A】
前回の追い切りでは手前を替えなかったけれど、今回は問題ない。力強い動きで、すごく状態は良さそうに見えるね。前回は坂路だったから、やはり坂路が上手ではないんだろう。

■プリモシーン【A】
四肢の運びがスムーズで、しっかり体が使えていた。追ってからの反応も良く、首をしっかり使って動きもダイナミック。順調そのものだね。

■メジェールスー【C】
抑えていることもあるけれど、首が高くてあまり使えていない。ずっと力んで走っているあたり、マイルの距離だと厳しいだろうな。

■ラヴズオンリーユー【A】
日曜に速い時計を出していることもあって、感触を確かめるだけの軽め調整。リラックスして気分良く走れている点はいい。体はできあがっているから、走りが素軽いね。

レベルの高いメンバーが集ったね。仕上がりのいい馬も多かった。その中でまず挙げたいのはサウンドキアラ、それからスカーレットカラーだね。前走の阪神牝馬Sは、かなり強い内容だった。ドバイ帰りのアーモンドアイは気になるところもあったけれど、まともに走れば負ける馬ではないと思う。同じくドバイ帰りのラヴズオンリーユーは、すんなりマイルに対応できればというところ。ほかに、状態でいえばコントラチェック、ダノンファンタジー、ビーチサンバ、それからプリモシーンも、ここを目標にしっかりピークに仕上げてきたように見える。


【A】=水準以上の動き。調整過程は良好
【B】=デキは平凡。特筆すべきポイントなし
【C】=状態面に不安アリ
【危】=好調時とくらべて著しく状態が悪い。危険な人気馬
【VIP】=先々が楽しみな素質馬





G1レース22勝の大騎手
安藤勝己


◎ ①ラヴズオンリーユー
○ ⑯ノームコア
▲ ⑫アーモンドアイ
☆ ⑤プリモシーン
△ ⑨セラピア
△ ⑭スカーレットカラー
△ ⑦ダノンファンタジー

今週は現役最強馬と目されとるアーモンドアイから触れなアカンやろ。ぶっちゃけると、オレ的には消える危険性もあると思っとる。有馬記念の9着はいくらなんでも負けすぎやろ。当時は香港遠征を熱発で回避してのスライド出走が影響したって言い訳はできるんやけど……。今回にしてもドバイまで行って、コロナの影響でレースが中止になって走らんままの帰国やろ。文字通り、誤算続き。流れが悪いわな。マイルはシンザン記念や桜花賞で圧勝しとるとはいえ、少なくとも今のアーモンドアイは2000m前後がベスト。地力ナンバーワンなんは言うまでもないけど、何か嫌な予感がするわ。今回は単穴に止めたい。

本命はラヴズオンリーユーにする。エリザベス女王杯で初黒星を喫したけど、オークスまでは無傷の4連勝。キャリアはまだ5戦。伸び盛りの4歳やで、さらに上昇する可能性を秘めとる。全兄リアルスティールは古馬になって初G1(ドバイターフ)をゲットしたくらいやからね。ドバイで走らんまま帰国って経緯はアーモンドアイと同じやけど、距離不足を懸念する必要はないと思っとるわ。兄リアルスティールのベストは1800mくらいやったし、母系自体がマイラーの血やからね。鞍上には先週然り、神懸かってきたミルコ。ここは新たな名牝誕生の予感がしとる。

対抗は昨年の覇者ノームコア。高松宮記念15着は明らかに距離不足やったと割り切ればいいこと。リピーターが多いレースやで、マイルに戻って一変があっても驚けん。リピーターと言えば昨年2着のプリモシーンもそう。前走も前哨戦とすれば悪くない内容だし、ジョッキー(レーン)の連覇があるかもしれないよ。ようやくオープン入りしたばかりでもセラピアのスピードはなかなかのもん。前走で1800mまでこなしたのもデカいし、展開的に気にしておきたい。この路線常連のスカーレットカラーとダノンファンタジーが安定の押さえやね。



水上学の血統トレジャーハンティング

日曜東京11R ヴィクトリアマイル(G1)

◎本命馬
⑯ノームコア
(牝5、美浦・萩原厩舎、横山典騎手)
府中は土曜に雨は降ったが、馬場を叩くほどのものではなく、日曜が好天なら影響は出ない。高速とまではいかなくても、通常の良馬場に回復しそう。となれば、中団あたりまでの位置で直線に入る馬でないと厳しいだろう。これが前提。

そして最も大きなテーマは、アーモンドアイとラヴズオンリーユーの扱いだ。アーモンドアイは久々には問題ないが、今回は望んで間隔を空けたわけではない。仕上げては緩めてまた仕上げというのは、なかなか酷だ。加えて昨年末以降の運の悪さも気になる。また血統から見ると、距離適性は母の血を出すロードカナロアという点から見ると、今はマイルは短いかも。

ラヴズオンリーユーは、アーモンドアイよりさらに間隔が空く。全兄を思えば、やはりマイルは短い。キャリアも浅い馬にG1でこの枠は痛い。

狙うは去年の覇者⑯ノームコア。このレースは過去10年で5頭が複数回3着以内に入っているリピーターレース。前走はいかにも叩き、ここを目指してしっかり仕上がった。

牝馬の方が出世する牝系、自在性と器用さあり。産駒のキャラクターは母の父に左右される傾向のあるハービンジャーだけに、この馬の資質はクロフネ寄りかもしれない。どんどん加速する脚で、中団やや前あたりからキッチリ差し切る。

$お宝馬
⑰コントラチェック
(牝4、美浦・藤沢和厩舎、武豊騎手)
本来は、ディメンシオンに最も期待していたのだが取り消し。そこで、同じディープインパクト産駒で、これも同じくこのレースで好走例が目立つ「母父欧州血統」との配合馬からこの馬を穴に指名。逃げる馬が見当たらず、外から武豊が主張すればすんなりハナだろう。前走は道悪と休み明けで度外視。今や完全にマイラーだ。

相手筆頭はやはり⑫アーモンドアイ。そして⑤プリモシーン。 押さえに ②ビーチサンバ、⑭スカーレットカラー。




競馬コラム「水島晴之の単複で買え」

中割りスカーレットカラーで勝負/ヴィクトリアM

東京11R ヴィクトリアマイルは、(14)スカーレットカラーで勝負したい。2、3歳時から重賞でも活躍していたが、440キロ前後の馬体で、非力な印象があった。それが前走の阪神牝馬Sでは490キロ。つくべきところに筋肉がつき、メリハリの利いたいい馬体になった。
昨夏のクイーンSから5戦中3戦で最速上がりをマーク。惨敗したのは2000メートル以上のエリザベス女王杯(7着)と有馬記念(15着)。1600~1800メートルの適距離では確実に33秒台の脚を使っている。府中牝馬Sでフロンテアクイーン、ラッキーライラックを差し切った時は33秒2だった。
中途半端に動くと甘くなるが、ぎりぎりまで追い出しを我慢すれば、しまいは切れる。馬群の中で闘志をかき立てた方がいいタイプで、できれば外差しより中割り。アーモンドアイを目標にどこまで迫れるか。逆転の可能性に懸ける。単3000円、複7000円。(ここまでの収支 マイナス7万7700円)
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結果

東京11R ⑭スカーレットカラー 15着




境和樹の穴馬券ネオメソッド

東京11R ヴィクトリアマイル(GⅠ)(芝1600m)

2020victoriamile01.png

ヴィクトリアマイルは、格下馬のためのチャンスレース。GⅠ実績で劣る馬、すなわち、GⅠ級の本質的な底力に欠ける馬にもチャンスがあるということ。

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過去、このレースでは圧倒的な実力差を持っているはずの名牝が苦戦しています。

昨年は、後に牡馬相手の大阪杯を勝つラッキーライラックが人気を背負って凡走。一昨年は、後の年度代表馬で、最強クラスが揃った有馬記念をも楽勝したリスグラシューも2着と苦杯を舐めました。

最強牝馬の呼び声高いブエナビスタですら、勝つには勝ちましたが明らかな格下であるヒカルアマランサスとクビ差の辛勝(翌年はアパパネの2着)。
牝馬として64年ぶりにダービーを制したあのウオッカですら、最初の挑戦では2走前まで条件戦を走っていたエイジアンウインズを捕らえ切れず2着に敗れています。
その他、前年のジャパンカップ勝ち馬ショウナンパンドラが3着に敗れたり、宝塚記念勝ち馬スイープトウショウが凡走したり……。

牡馬相手にGⅠを勝てるレベルの馬や、クラシック二冠を獲るくらいの世代最強牝馬が本来の力を発揮できない。それがヴィクトリアマイルというレースなのです。

距離適性がズレている、先に大目標があるため仕上げ切っていないなど、力を発揮できない要因は幾つか考えられます。
しかし、その他の好走馬、好走血統を見ると、そもそもこのレースが「名牝級の馬が持つ底力は邪魔になる」という本質的要素を秘めているのではないかと考えることもできます。

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2020victoriamile04.png

フジキセキとクロフネ。芝、ダート、馬場、距離を問わずコンスタントに活躍するものの、大レースに行くとディープやキンカメといった底力のあるA級血統に及ばない。そんな器用貧乏な側面を持つ2つの血統が複数回好走馬、穴激走馬を送り込んでいることが象徴的。

よくいえば万能型、悪く言えば器用貧乏というフジキセキやクロフネの特性と、先述した名牝レベルの取りこぼしは決して無関係ではありません。

このレース自体が、牡馬相手に勝ち負けするような底力を求めていないということ。
GⅠ実績馬より、これまでGⅠで少し足りない結果に終わっているような馬の方がパフォーマンスを上げやすい。冒頭に述べた通り、ヴィクトリアマイルは、格下馬のためのチャンスレースなのです。

今年でいえば……

②ビーチサンバ

④シゲルピンクダイヤ

⑤プリモシーン

⑭スカーレットカラー

このあたりがイメージに当て嵌まる存在。

⑭スカーレットカラーは、これまでGⅠに2度挑戦し、7、15着とともに凡走。成績だけ見ればGⅠでは一歩足りないように映ります。
しかし、こういったタイプが激走するのがヴィクトリアマイルの特徴。内有利の馬場設定を跳ね除け、道中後方2番手から直線外選択で2着した前走は、着順以上に価値のある内容。今年、番狂わせの主役になるのはこの馬です。
結果 ⑭スカーレットカラー 15着



採れたて!トレセン情報

関西事情通のちょっとイイ?話
伏兵が完全に本格化!有力馬斬りで戴冠へ!?


5週連続東京GI開催、2週目の今週は上半期の古馬女王を決めるヴィクトリアマイルが行われる。

昨秋のエリザベス女王杯を制したラッキーライラックの参戦は無いものの、何と言っても牡馬を含め現役最強と呼び声の高いアーモンドアイの参戦により、注目度は格段に上がっている。

さらに、昨年の1・2着馬ノームコアとプリモシーン、昨年のオークス馬ラヴズオンリーユー、重賞3連勝中、このコーナーでもお馴染みのサウンドキアラなど、例年のヴィクトリアマイルと比較して、出走馬の全体的なレベルは上がっている。

但し…

アーモンドアイとラヴズオンリーユーは、ご存知の通りドバイに遠征し、競馬をせずに戻ってきた経緯、特にアーモンドアイは、ここへの参戦予定は最初は無かっただけに、青写真通りの出走ではないことは確か。

ノームコアも、前走は高松宮記念に参戦し15着大敗後、プリモシーンの前走もハンデ戦とは言えオープン特別並みのメンバー相手に5着。

となるとサウンドキアラの勝つチャンスがより膨らむと見ていたが、何と18頭立ての18番枠を引かされてしまった。2000mよりは不利ではないものの、少し乗り難しいところのある馬で、この大外枠はややマイナス。

よって、見掛けに寄らず意外と波乱の可能性もありそうだ。

そんな中で注目してみたいのは…

この馬もある意味でこのコーナーでお馴染みのスカーレットカラーを取り上げたい。

昨秋、府中牝馬Sを見事な脚で差し切り勝ちを決め、その勢いでエリザベス女王杯、そして有馬記念と挑戦したこの馬。結果は残念ではあったが、若干距離も長かったようで、今期の復帰戦ではマイルに戻し阪神牝馬Sから始動、結果時計の速い差し難い馬場にも関わらず、後方待機から鋭く伸び2着を確保し存在感を示した。

しかも、かなり狭いところを割って来たように、今の充実度を物語る内容、完全に本格化した。

このスカーレットカラー、デビュー時の馬体重は438キロ、アーモンドアイに敗れた桜花賞の時は436キロだった。

当時は弱いところがあり調教も加減気味だったが、3歳の夏を越してから弱さが解消され調教もビシビシ乗れるようになり、そこから馬体もグングン成長、前走の馬体重は490キロまでになった。

桜花賞の時とは別馬と言っていいだろう。

鞍上は落馬で負傷した岩田康騎手に代わって石橋脩騎手が手綱を取る。石橋脩騎手と言えば、初GI制覇がビートブラックの天皇賞・春。この時も初騎乗での制覇だったが、勝負服も今回と同じだった。

そして、そのレースにはクラシック3冠馬で絶対的存在だったオルフェーヴルを筆頭に、前年の覇者ヒルノダムール、2年前の覇者ジャガーメイル、さらに前年秋の天皇賞馬トーセンジョーダンなどそうそうたる顔ぶれで、完全に伏兵的存在だった。

今回はそこまで人気薄ではないものの、伏兵扱いには間違いない。

アッと言わせる騎乗を期待したい!

競馬場から見た推奨馬券
馬場を味方に!

府中は土曜の1R始め、夕方過ぎまで雨。雨量はそれほどでもなさそうだが、シトシトと降り続く。日曜はかなり温度が上がるとのことで、回復は急と見る。気をつけなくてはならないことは、傾斜の関係で、芝もダートも、内側の方から乾いて行くとこと。芝は内枠、先行が有利。ダートは逆に外差しも利く馬場となる。


まずは東京3R。ここは脚抜きの良い馬場と好枠を引いたことで、先行力が活きそうな1番シュバルツイェガーが狙い目。
新馬戦、2戦目の内容から前走時はあまり期待していなかったが、距離延長が功を奏したようで、予想以上の渋とさを発揮。切れる脚がないだけに、この距離がかなり良いようだ。
相手が一息入っていたこともあるが、マイペースで逃げていたロドルフォブレインは競り落とした。今回は枠順的に、シュバルツの方が先手を取る可能性が高く、より渋とさを発揮するであろう。
午前中の3Rでは、馬場の乾きもそれほどでもないはず。それだけに先行有利と見て、連軸に指名したい。

馬連 1-14 1-9 1-5
3連複 1の1頭軸 相手 5.6.9.14

自信度 C

東京4Rは、今開催の初日の1400m戦の再戦模様。2、3、4着馬が揃って出走してきたが、ここは素直に最先着の12番クァンタムリープを中心視する。
まず2番人気で4着だったトルニは、最内のポケットに嵌り絶好の位置取り。直線で捌くのに手間取るロスはあったが、捌けてからも伸びは案外。久々を叩かれての出走だっただけに、2走ボケでない限りは、2、3着馬を逆転する可能性は低そう。
2着ホイッスルヴォイスは、前3頭が雁行の直後の4番手。こちらも位置取りとしては申し分なかった。ただ、早目に抜け出してしまっただけに、少し遊んだような印象はあった。
そして2着だったクァンタムは、18番枠ということもあったし、発馬ももう一つで中団に取りつくのがやっと。コーナーでも外を回るロスがあっての2着は立派。しかも、短期放牧明けであったし、芝の競馬も初めて。それだけに価値は高い。
今回は叩いた上積みが見込めるし、ダートを使われてきた馬だけに、渋り気味の馬場も良さそう。

馬連 12-18 8-12 12-15
ワイド 8-12
3連複 12の1頭軸 相手8.15.18

自信度 B








日曜メインレース展望・柏木収保

【ヴィクトリアM】歴史の頂点に名を刻む快走を期待したい

ここはまだ通過点


 近年の名牝の、海外成績を含むGI成績は次のようになる。

 ▽ジェンティルドンナ 【7-3-1-2】
 ▽ウオッカ      【7-2-3-5】
 ▽ブエナビスタ    【6-7-2-3】
 ▼アーモンドアイ   【6-0-1-1】
 ▽メジロドーベル   【5-1-0-3】
 ▽アパパネ      【5-0-2-4】

 男馬のGI最多勝はテイエムオペラオー、キタサンブラックなど4頭の7勝で、そのなかにはGIで2〜3回しか負けていないシンボリルドルフと、ディープインパクトが含まれるが、対して牝馬アーモンドアイの8戦6勝は破格のGI成績。牝馬限定戦は牝馬3冠の3勝だけで、男馬相手のジャパンC(驚異のレコード勝ち)、ドバイターフ、天皇賞(秋)を1分56秒2(JRAレコードと0秒1差)で制している。

 さらには、アーモンドアイはまだキャリアの浅い5歳初戦。他の牝馬は5-6歳時までの通算記録になる。また、国内だけでGIを7勝した男馬4頭に対し、この牝馬はすでに海外のGIドバイターフも制している。

 3走前の19年の安田記念は、秋の凱旋門賞挑戦を断念し、ならば…と方針を変えての一戦だった。前回の有馬記念も軽い発熱で香港遠征を回避しての一戦、明らかに勝負ごとに必要な運(ツキ)がなかった。流れが向いていなかった。

 そして今回もドバイターフが中止になっての方向転換なので、予定が変わってのヴィクトリアマイル出走は、過去2回と同様に自身のリズム、運気や流れに恵まれにくいという目に見えない不安はある。デキは絶好でも、これがアーモンドアイの死角。

 ただし、今回は牝馬限定戦。あれだけ不利のあった安田記念(スタートで挟まれ、直線で前がカベ)を上がり32秒4で突っ込み、「クビ、ハナ差」同タイムの1分30秒9だった。

 今回は、その安田記念と同じベストにも近い東京の1600m。自身に破綻が生じなければ負けられない組み合わせとしていい。

 ほかの歴代の名牝と異なり、アーモンドアイのここはまだ通過点。歴史の頂点に名を刻む快走を期待したい。土曜は雨だったが、一気に評価を上げることになった3歳春のシンザン記念1600mは冬場でタフなコンディションの稍重馬場。平気だった。

 相手は一長一短で絞り切れないが、このGIの典型的な波乱のパターンは、1番人気馬の相手に人気薄の伏兵が飛び込む形が、最近10年で4回もある。左回り巧者でやっと良くなってきたシャドウディーヴァは加えておきたい。
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