亀谷敬正さん

【オークス】ダービーよりも欧州血統が走りやすい

欧州的な末脚とスタミナが求められる


 オークスはダービーと同じ東京芝2400m。たしかに、どちらもディープインパクト産駒は強く、昨年もどちらのレースもディープインパクト産駒が1、2着。

 ただし、血統傾向がまったく一緒でもありません。オークスの方がダービーよりも「欧州型」や「ノーザンダンサー系」が優勢です(出走馬の国別タイプ、系統は亀谷HPのスマート出馬表で無料掲載中)。

 ダービーよりもオークスの方が欧州的な末脚やノーザンダンサーの馬力が活きるのは、牝馬限定のBコースで行われることも大きく影響しているのでしょう。

 先に書いたように、オークスもディープインパクト産駒は過去5年で6頭が馬券になっていますが、ミッキークイーン、シンハライト、ビッシュ、ラヴズオンリーユー、カレンブーケドールの5頭は母父が欧州型かノーザンダンサー系(大系統)。

 2018年は上位人気馬同士のカタイ決着でしたが、11番人気で4着に健闘したレッドサクヤは母父が欧州型ノーザンダンサー系のデインヒル。馬券にはなれなかったですが、適性を示しました。

 2017年は1着ソウルスターリングが父フランケル、2着モズカッチャンが父ハービンジャー。欧州型ノーザンダンサー系がワンツーでした。9番人気4着ディアドラもハービンジャー産駒。ハービンジャー産駒は2016年にもジェラシーが10番人気4着と人気薄で健闘しています。

 父欧州型で馬券になった6頭中4頭は母父もサンデー系(大系統)以外だったように、サンデーのスピードがなくとも、欧州的なスタミナが発揮できるレースともいえます。

 デゼルの母アヴニールセルタンはフランスの芝中距離G1勝ち馬。母父ルアーヴルは欧州型。母父レッドゴッド系、母母父ネヴァーベンド系は欧州指向の差しが決まる日本の芝レースへの適性が高い系統。母系にグロリアスソング、マキャベリアンを持つのもディープインパクトの成功パターン。同パターンの牝馬にヴィルシーナ、ヴィブロス姉妹。

 デアリングタクトは父も母父も欧州型。エピファネイア産駒はシーザリオの特徴を受け継いだ馬が多いのも成功した理由。そのシーザリオは超スローペースのオークスでスタート後不利を受けながらも、GI級の末脚を使うディアデラノビアが繰り出した33.7秒を上回る33.3秒の末脚を繰り出して優勝。

 また、シーザリオも距離延長のオークスで圧倒的なパフォーマンスを発揮しましたが、エピファネイアも距離延長で出走したジャパンカップでジェンティルドンナ、ジャスタウェイを4馬身以上突き放す圧勝。東京2400mと距離延長を得意とする馬。産駒も距離延長と広いコースは得意。芝レースで300m以上の距離延長は単勝回収率834%。複勝回収率も122%と標準値を大幅に上回るパフォーマンス。

 リリーピュアハートは父ディープインパクト。母父は欧州型ノーザンダンサー系のガリレオ。ディープインパクト×ノーザンダンサー系の配合はオークスでは特に好相性。昨年も同組み合わせの血統馬が1、2着。同じガリレオの孫に3年前の同レース勝ち馬ソウルスターリング。




単勝二頭流

新刊発売! オークス注目穴馬も公開中!

単行本『単勝二頭流』担当編集者(以下、編) 石橋さん、ついに新刊『「重賞」二頭流』(主婦の友社刊)が発売となりましたね。

石橋 武(以下、石) ありがとうございます! ちょうどAmazonや全国の書店に並び始めたところかな。このご時世で入荷が遅れるところもあるようなので、品切れ注意らしいです。見つけたらすぐに押さえていただければと。

編 そうですよね〜。意外と入手困難かも。さっきみたらまだAmazonでは在庫がありましたので、こちら↓からお申し込みいただければと。タイトルは『「重賞」二頭流』ということですけど、重賞に特化した馬券本という感じですか?

『「重賞」二頭流』(クリックするとAmazonへ飛びます)

石 ですね。JRAで行われているすべての重賞で穴馬の見つけ方なんかを解説した本。

編 たとえばオークスの穴馬だと……え〜、桜花賞で人気の負けからの巻き返しということか。

石 それがひとつの穴パターン。今年は桜花賞が道悪で力を出せない人気馬も多かったので、オークスは波乱があるかもな〜と。あとは別路線組の狙い方とか、ほかの重賞でもどういうタイプが穴馬になるとか、1年を通じて役立てていただければなと。

編 夏のローカル・マイナー重賞もきっちりと説明していて、いいですね、これ。

石 マイナー重賞って言うと怒られるから(笑)。夏の重賞って意外と高配当のメカニズムが知られていないので、けっこう獲りどころなんだよね。狙いやすいというか。

編 たしかに。石橋さん自身、夏競馬での高配当が多いですからね。あとよかったのが、実際の勝負予想で配信した見解を載せているレースがあるじゃないですか。具体的にイメージしやすかったですね。去年のオークスの△カレンブーケドールの見解があったり、ダービーだったら◎ロジャーバローズとか。

石 あれね。僕自身は載せない方向だったんだけど、編集の人に押し切られた(笑)。あったほうがわかりやすいということで。だから今に通じる期間かつ、ちゃんと狙い方がわかるような見解に絞って掲載したという感じ。

編 いや、同じ編集の立場から言わせていただくと、あったほうが断然いいですよ。石橋さんの見解はその場限りじゃなくて、勉強になることが多いので。

石 珍しく褒めるじゃん(笑)。

編 裏金もらってますから。

石 適当なことを言うのやめろ(笑)。

編 いや、でもこれ面白いわ。さっそく今週末から使わせていただきます。

石 ぜひ。あ、でもそれは返してね。まだ僕の手元にその1冊しかないので。

編 返すんかい!

石 はい、早めにAmazonかどっかで取り寄せて下さい(笑)。

編 え〜、この本あんまり面白くないです(笑)。

石 おいっ!

編 冗談です。自分が手掛けていないという点で悔しさはありますけど、ベテランファンにも重宝される一冊だと思いますよ。僕的にもこれは今さら聞けなかったな〜という内容もありましたし。初心者からベテランまで……なんか、こういうのってベタな言い回しになりますね(笑)。

石 編集のクセにな(笑)。

編 たしかに。まあ、他社さんの本で悔しいからもういいわ。

石 コラコラ(笑)。

編 で、オークスは波乱もあり得るってさっき言ってましたよね。

石 そうそう。例年、オークスで桜花賞好走組っていうのはそれこそ初心者でもわかることなんだけど、今年の桜花賞は道悪。

編 重発表でしたけど、不良に近いんじゃないかという馬場でした。

石 だよね。そもそも桜花賞はスロー→瞬発力勝負となるレースで、その瞬発力がオークスでも活きるという流れだった。ただ今年の桜花賞はその瞬発力を発揮しづらいレースになって、一方のオークスは例年通りの瞬発力が問われるレース。雨の心配がないからね。

編 そうなりますね。ということは桜花賞惨敗組の巻き返しが期待できるということか。

石 そういうこと。桜花賞で力を発揮できなかった馬を狙うというのが、今年のオークスのテーマだよね。人気になっちゃったからここでは詳しく触れないけどクラヴァシュドールなんかもそう。

編 あ、そうか。道悪だけじゃなくて、不利もそうか。石橋さん、桜花賞では本命に推していましたよね。

石 そうそう(苦笑)。それだけにあの不利は〜と思って、それでもオークスで人気を落とすならいいやと思っていたら、上位人気っぽい(苦笑)。まあ、わかりやすい巻き返し候補だから仕方ないか。

編 桜花賞から狙っていた人からすると悔しいところですけどね(笑)。じゃあ、それらを踏まえて現時点での注目穴馬を教えていただけますか?

石 まずはリアアメリア。

編 新馬、アルテミスSまでは衝撃的でしたけど、その後の2戦がなんとも残念な結果に終わっていますよね。

石 その負けた2戦は力を出せる状況じゃなかったからね。阪神JFはスローだったアルテミスSから一転してハイペース。アルテミスSの前半3ハロンは36.3秒、阪神JFは33.7秒。前半1000mはアルテミスSが60.6秒で、阪神JFが57.5秒。リアアメリアからしてみれば、スローで後方に抑えられる競馬しかしていないのに、その次走でいきなり前半1000mが3秒も速い流れに放り込まれたら、そりゃ戸惑うでしょという。

編 そうですよね〜。

石 むしろあの先行馬に有利な馬場で戸惑いながら6着に差してきたことを評価したいくらい。前走は道悪でまったく走れずだしね。

編 でも距離は大丈夫なんですか?

石 オークスに距離もへったくれもないから。そりゃさすがにスプリント戦しか勝っていないような馬は別だけど、マイルをこなせていれば問題ないのは例年のオークスが証明している。距離未経験のまま桜花賞からオークスを好走する馬なんてたくさんいるでしょ。

編 たしかに。

石 オークス同様の、スロー→瞬発力勝負で強い競馬をしてきた馬だし、ここ2戦からの条件好転で好走が期待できる。唯一懸念しているのはこの馬の早熟性だけど、まだ4戦しか走っていないし、走ってみないとわからない部分もあるしね。穴馬ならそこに目を瞑るのは全然アリでしょう。

編 続いてチェックするのは・

石 マジックキャッスル。

編 桜花賞は12着。ただ、それ以前はファンタジーS、クイーンCと重賞での連続2着していたんですよね。

石 そう。どちらも到底届かないようなところから追い込んできたよね。結果、差し届かなかったけど、能力の高さは疑いようがない。前走も後方で脚を溜めていたけど、追い出してからさっぱり。どう考えても道悪が敗因でしょう。

編 ですよね。この馬にしては伸びなさすぎですよね。

石 ファンタジー、クイーンCのときの見解に書いたかもしれないけど、1400、1600では明らかに距離が短くて、序盤は追走で手一杯。距離が延びるのは大きなプラスだと思うんだ。加えてスローなら中団からの競馬も可能でしょう。

編 ではあと1頭は?

石 ちょっと毛色を変えて、桜花賞好走組からスマイルカナ。

編 石橋さん、一貫してこの馬を評価していますよね。

石 いや、桜花賞では道悪のタフな馬場がどうかと思って評価下げちゃったんだよね(苦笑)。ただ、改めてこの馬の強さを認識したわ。

編 あの馬場、ペースで3着ですからね。

石 そうなんだよ。この馬のいいところは道中のラップを落とさずにスピードを持続して走れる点。オークスはスロー→瞬発力勝負って言っているから矛盾するように感じられるかもしれないけど、この馬が逃げ・先行から早め抜け出しとかされたらあの持続力でやられる可能性はあるからね。去年のカレンブーケヒルタイプだよね。まあ、こっちは完全にマイラーだけど。

編 それでも距離は大丈夫と。

石 オークスだからね。将来的には1400〜1600mでしょう。でもオークスはスタミナを問われるようなレースじゃないから。さっきから言っているけど。

編 なるほど。では現時点ではこの3頭に注目しつつ、あとは『「重賞」二頭流』と勝負予想の見解で、改めて検討します!

石 ……ホントに裏金貰ってるんじゃないだろうな(笑)。

編 どうでしょう(笑)。





編集部通信 5月21日号 〜直結理論のオークス注目馬の巻〜

皆さん、こんにちは。
Sportsmaster編集部・本田です。

先週予告した通り、今週の編集部通信は直結理論の奥田隆一郎さんをお招きして、オークスの注目馬についてお話しいただきます。
が、その前に先週のハイライト。
先週注目といえばやはりG1ヴィクトリアマイル。
アーモンドアイ、やっぱ強いわ。ただ、馬券的には……、まあ、しょうがない。あれは堅い。
一方、高配当といえばそのヴィクトリアマイルの前に行われた渡月橋Sですね。このレースでは石橋さんと織本さんが勝った◎アンリミット(8人気)を本命評価。8番人気馬が本命2名ってなかなかすごい(笑)。
織本さんは2着△スイーズドリームス(4人気)、3着▲ジュランビル(6人気)にも印を打っており、3連単9万6,680円(3連複1万4,400円)を的中!
石橋さんは惜しくも3着抜けでしたが、ハナ差4着の10人気コンパンダーを評価していただけに、実に惜しいところではありました。

結果的に、先週はヴィクトリアマイルを含め堅い的中が多かったですが、そういう日の翌週こそ荒れるもの。ですよね、奥田さん?

奥田隆一郎(以下、奥) そうですね。堅かった翌週が荒れるかどうかはしりませんが(笑)、東京は今週がBコースのラスト。雨も多い開催で馬場が荒れているのは確かですし、荒れる要素は多いですよね。

Sportsmaster本田(以下、編) おお、やっぱり! 楽しみですね〜。そういえば、奥田さんがスポーツマスター史上最高配当を的中したのもこの時期でしたよね。

奥 丹沢Sですよね。まさに去年のオークス週ですね。

編 まさに今週だ。

奥 今年の丹沢Sは少頭数でどうにもならないでしょうけど(笑)、ただそのぶんオークスはかなり楽しみなんですよ。

編 そうなんですね?

奥 ええ。例年は桜花賞組がそのままオークスで好走というパターンが多いんですけど、今年の桜花賞は道悪でしたよね。それがどこまでオークスに直結してくるかという点は考える必要がありますから。

編 なるほど。桜花賞は(道悪で)力を出せなかった馬が、巻き返してくる可能性があるのか。

奥 そうなんですよ。反対に、桜花賞を勝ったデアリングタクトが道悪だから走れたとは思いませんけど、パンパンの良馬場より道悪で着順を上げた馬もいますしね。

編 ではそのあたりを踏まえて、現時点での注目馬を教えていただけますか?

奥 はい。桜花賞で馬場が合わずに能力を発揮できなかった馬は多くいましたけど、そのなかからまずはミヤマザクラですね。

編 桜花賞ではそれでも5着に善戦していますよね。

奥 そうですね。桜花賞では3コーナーからノメっていながらの5着ですから。それも能力の高さですよね。それにこの馬は2歳時から長距離志向で、芝2000mの未勝利を圧勝後、直結コースの京都芝2000mで行われた牡馬相手の京都2歳Sを2着に好走していますよね。

編 “直結コース”というのは、今回の東京芝2400mと同じような適性を求められるコースということでいいんですよね?

奥 そうです。過去の似た適性が求められるコースで好走していれば、仮に初めてのコースでも好走が期待できるという理論です。ミヤマザクラの場合はそれが京都2歳Sにあたるというわけですね。

編 なるほど。

奥 さらに東京芝コースでは2走前にクイーンCを勝っていて、東京での経験、実績も高く評価できます。近2走は桜花賞路線でマイルを走っていますけど、2歳時の内容からも距離延長は好材料。馬場、東京実績、距離延長と前走からのプラス材料が揃っていますので、好走が期待できるんですよ。

編 よくわかります。

奥 続いてチェックするのはクラヴァシュドール。

編 こちらは桜花賞で4着でした。

奥 そうですね。この馬は直結コースの阪神芝1600mで阪神JFを3着に好走、さらにチューリップ賞でも2着に好走していますよね。

編 そうですね。似たような適性が求められるわけですから、当然オークスでも注目ですよね。

奥 ええ。直結コースのしかも重賞好走ですから適性だけではなく能力も高いんですよ。距離延長のオークスでも能力、適性ともに発揮できるという考えです。桜花賞は4着とはいえ、3〜4コーナーで大きな不利を受けていましたので。

編 あれがなければ馬券圏内は確実でしたからね。

奥 そうなんですよね。仮に桜花賞で不利がなければ……と考えると、牝馬の王道といえるローテーションを組んで、さらに結果を出し続けているわけですから、巻き返しが期待できるというわけです。

編 あと1頭挙げていただくとすれば?

奥 マルターズディオサでしょう。直結コースの阪神JFで2着、チューリップ賞1着ですからね。

編 そうか、この馬もクラヴァシュドールと同じレースを好走しているんですね。

奥 そうなんですよ。しかも両レースともクラヴァシュドールにハナ差先着しているわけで。当然ながら能力も適性も高いですよね。レシステンシアが出走しないメンバーなら実績上位ですし。

編 そのわりには人気がなさそうなんですよね。

奥 桜花賞8着が効いているのかもしれませんけどね。ただ、言い換えれば妙味があるということですから。それに桜花賞は重馬場が堪えて直線で脚をなくしたのが敗因ですし。

編 それなら直結コースの重賞激走を見直そうと。

奥 そうそう、そういうことです。週末は天気もいいみたいですし、良馬場で大駆けがあり得ますよ。現時点では以上の3頭に注目ですね。

ということでございました。
奥田さんのお話を聞いていて、同じような適性が求められるコースで走っているんだから、今回も好走できるという非常に単純明快な理論だからこそ、競走馬の適性の本質を捉えているんだなと改めて実感しました。
この3頭、ぜひ覚えておいてください。
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