データde出~た

第1456回 前走日本ダービー組の取捨は? セントライト記念を分析

3日間開催となる今週は、21日(祝・月)に中山競馬場でセントライト記念が行われる。この日は「JRAアニバーサリー」として、中山・中京の全レースを対象に払戻率が80%となる「JRAスーパープレミアム」が実施される。通常の払戻率が80%の単勝・複勝以外は、いつもよりお得になっており馬券的中に向けて頑張りたいところだ。

いつものように過去10年(新潟で行われた2014年は除く、以下同様)のセントライト記念のデータから、レースの傾向を分析、今年のレースを展望してみたい。 データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。


■表1 セントライト記念の前走レース別成績(2014年を除く過去10年)
前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複勝回収率
東京優駿G1 6- 4- 3-16/29 20.7% 34.5% 44.8% 173 127
ラジオNIHG3 1- 1- 2-11/15 6.7% 13.3% 26.7% 42 44
500万下 1- 0- 2-10/13 7.7% 7.7% 23.1% 47 109
いわき特1000 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 610 150
阿賀野H1000 0- 2- 0- 2/ 4 0.0% 50.0% 50.0% 0 342
松前特別1000 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0 60
信濃川H1000 0- 1- 0- 3/ 4 0.0% 25.0% 25.0% 0 65
青葉賞G2 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0 140
プリンシ(L) 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0 125

表1は過去10年のセントライト記念における前走レース別成績。前走日本ダービー組が【6.4.3.16】で出走頭数が最も多い。勝率20.7%、連対率34.5%、複勝率44.8%、単勝回収率は173%、複勝回収率は127%と成績も優秀だ。3着以内馬が13頭と好走馬全体の約半分を占めており、同組の取捨選択こそがこのレースの予想において最大のカギになると言える。よって、今回は前走日本ダービー組について深く掘り下げて考えてみることにする。


■表2 セントライト記念の前走日本ダービー組成績(2014年を除く過去10年)
年 着順 人気 馬名 前走レース名 前着 前人 前2角 前3角 前4角 前走上り3F
19年 1 1 リオンリオン 東京優駿G1 15 6 1 1 1 38.3
2 8 サトノルークス 東京優駿G1 17 8 3 3 3 37.6
5 2 ニシノデイジー 東京優駿G1 5 13 12 11 9 34.3
6 6 タガノディアマンテ 東京優駿G1 9 15 15 16 13 34.6
9 16 ナイママ 東京優駿G1 13 17 12 13 13 35.3
11 11 メイショウテンゲン 東京優駿G1 10 10 17 18 16 34.4
18年 1 4 ジェネラーレウーノ 東京優駿G1 16 8 2 2 2 36.2
3 6 グレイル 東京優駿G1 14 9 14 16 16 34.2
5 10 オウケンムーン 東京優駿G1 15 15 12 13 12 34.9
7 5 コズミックフォース 東京優駿G1 3 16 3 2 2 34.7
17年 2 1 アルアイン 東京優駿G1 5 4 3 5 5 33.7
9 4 クリンチャー 東京優駿G1 13 9 5 9 9 34.3
16年 1 1 ディーマジェスティ 東京優駿G1 3 1 10 8 10 33.3
3 3 プロディガルサン 東京優駿G1 10 11 4 4 3 34.7
7 4 マウントロブソン 東京優駿G1 7 10 17 17 14 33.5
9 7 プロフェット 東京優駿G1 17 18 2 3 3 36.0
15年 1 6 キタサンブラック 東京優駿G1 14 6 2 2 2 36.8
2 9 ミュゼエイリアン 東京優駿G1 10 10 1 1 1 36.0
6 5 タンタアレグリア 東京優駿G1 7 7 17 16 16 34.1
7 1 サトノラーゼン 東京優駿G1 2 5 9 9 7 34.2
13年 13 1 ヒラボクディープ 東京優駿G1 13 5 11 12 10 34.5
12年 1 1 フェノーメノ 東京優駿G1 2 5 7 6 7 33.9
4 5 エタンダール 東京優駿G1 8 13 10 11 12 34.0
11年 1 6 フェイトフルウォー 東京優駿G1 13 13 8 8 12 37.5
2 3 トーセンラー 東京優駿G1 11 7 7 5 2 38.1
3 1 サダムパテック 東京優駿G1 7 2 8 8 10 37.4
4 2 ベルシャザール 東京優駿G1 3 8 5 5 5 36.7
11 4 ユニバーサルバンク 東京優駿G1 10 11 3 4 5 37.9
10年 14 1 ゲシュタルト 東京優駿G1 4 12 5 5 4 33.4

表2は過去10年のセントライト記念に出走した前走日本ダービー組の成績。年によっては少ないこともあるが、毎年必ず出走馬がいる。2019年は6頭が出走して1着リオンリオン、2着サトノルークスとワン・ツー決着になった。リオンリオンは1番人気だったが、前走日本ダービーでは15着と大敗。2着サトノルークスも前走は17着と惨敗していた。セントライト記念で2番人気に支持されたニシノデイジーはダービーで5着と奮闘していたが、ここでは5着に敗れた。

このように前走日本ダービーで着順が悪かった馬が巻き返してくるのは、実はめずらしくない。逆にダービーで上位に入線した馬が簡単に好走できるほど甘くもない。

2018年のセントライト記念を振り返ると日本ダービーで16着と敗れていたジェネラーレウーノが4番人気で勝利を飾った。一方、日本ダービーで3着と好走していたコズミックフォースは5番人気で7着と敗れた。

17年は前走日本ダービー5着のアルアインが1番人気で2着と好走し、16年は前走日本ダービー3着のディーマジェスティが1番人気に応えて勝利した。ダービーで善戦した馬が地力をみせたわけだが、この両馬は皐月賞馬だ。中山でG1を勝つ力がある馬がセントライト記念で好走するのはむしろ当然かもしれない。

2015年のセントライト記念はキタサンブラック(前走日本ダービー14着)とミュゼエイリアン(同10着)によるワン・ツー決着。ダービー2着のサトノラーゼンは1番人気で7着と敗れてしまった。ミュゼエイリアンはダービーで逃げを打ち、キタサンブラックは2番手追走というレース運びをしていた。2019年に話を戻すと、リオンリオンもダービーで逃げており、サトノルークスは2~4角で3番手にいた。つまりダービーで4角3番手以内にいた馬がセントライト記念で巻き返したことになる。その意味で19年と15年の結果は、非常に似ているように感じる。

前述のジェネラーレウーノもダービーの2~4角の位置取りは2番手だった。16年3着プロディガルサンは前走日本ダービー10着だったが、4角は3番手だった。11年2着のトーセンラーは前走日本ダービーで4角2番手だった。「ダービーでの4角位置」という点は、セントライト記念を考えるうえで大きなカギになりそうだ。前走日本ダービー組のなかでは、前走4角3番手以内の競馬をしていた馬は要注意とみたい。

先行馬以外では、上がり3ハロンでメンバー中3位以内だった馬もマークしておきたい。16年ディーマジェスティ、12年フェノーメノが該当し、好走を果たした。あとは皐月賞優勝馬が出走してくれば有力となる。


■表3 セントライト記念で3着以内に入ったその他の馬(2014年を除く過去10年)
年 着順 人気 馬名 前走レース名 前着 前人
19年 3 3 ザダル プリンシ(L) 1 5
18年 2 1 レイエンダ 松前特別1000 1 1
17年 1 2 ミッキースワロー いわき特1000 3 1
3 3 サトノクロニクル ラジオNIHG3 6 1
16年 2 2 ゼーヴィント ラジオNIHG3 1 1
15年 3 10 ジュンツバサ 500万下 1 3
13年 1 3 ユールシンギング 500万下 1 1
2 5 ダービーフィズ 信濃川H1000 4 4
3 6 アドマイヤスピカ 青葉賞G2 7 5
12年 2 14 スカイディグニティ 阿賀野H1000 6 2
3 4 ダノンジェラート 500万下 1 1
10年 1 4 クォークスター ラジオNIHG3 2 2
2 3 ヤマニンエルブ 阿賀野H1000 1 3
3 2 アロマカフェ ラジオNIHG3 1 3

表3は過去10年のセントライト記念で3着以内に入ったその他の馬だ。前走日本ダービー以外の組ということになる。表1をみてもわかるが、ラジオNIKKEI賞組が4頭3着以内に入っている。そして、前走2勝(1000万)クラス組として一括りにすると5頭が3着以内に入っており、いわゆる夏の上がり馬にもチャンスが十分ある。さらに好走した馬のセントライト記念当日の人気をみると、3番人気以内が8頭、5番人気以内まで広げると11頭が該当する。前走日本ダービー組に混ざっても上位人気に支持される馬が有力だ。

それでは今年のセントライト記念を占っていくことにする。出走予定馬は表4の通りだ。

■表4 今年のセントライト記念出走予定馬
馬名 前走レース名 前着 前人 前2角 前3角 前4角 前走上り3F
ガロアクリーク 東京優駿G1 6 7 5 7 10 34.6
サトノフラッグ 東京優駿G1 11 4 14 12 12 34.7
ヴァルコス 東京優駿G1 14 6 5 5 4 35.5
エクセレントラン 1勝クラス 2 4 ー ー ― ー
フォワードアゲン 1勝クラス 2 4 ー ー ― ー
ラインハイト 1勝クラス 1 2 ー ー ― ー
バビット ラジオNIHG3 1 8 ー ー ― ー
ピースディオン 臥牛山特・1勝 2 2 ー ー ― ー
リスペクト 開成山特・1勝 1 1 ー ー ― ー
フィリオアレグロ 青葉賞G2 3 1 ー ー ― ー
ココロノトウダイ 猪苗代特・2勝 1 2 ー ー ― ー
サペラヴィ 猪苗代特・2勝 5 5 ー ー ― ー
ダノンファスト 天の川賞・2勝 1 1 ー ー ― ー
エヒト 白百合S(L) 6 5 ー ー ― ー
アイブランコ 未勝利 1 2 ー ー ― ー
マイネルソラス 利尻特別・1勝 1 2 ー ー ― ー

まずは前走日本ダービー組に注目だ。今年はガロアクリーク、サトノフラッグ、ヴァルコスの3頭が登録してきた。前走着順はそれぞれ6着、11着、14着と振るわなかったが、巻き返してくる可能性は十分あると考えたい。前走の2~4角での位置取りを調べると、前からヴァルコス→ガロアクリーク→サトノフラッグという順番だった。ヴァルコスは4角4番手と前目ではあるが、3番手以内ではなかった。この点がどうかだが、一応この3頭の中では前で競馬をしていたことは間違いない。皐月賞馬(コントレイル)も不在で、ダービーで上がり3ハロン3位以内の脚を使った馬もこの中にはいなかった。ヴァルコスがダービーのような積極的な競馬をできるなら楽しみだ。

前走ダービー組以外では前走ラジオNIKKEI賞を逃げ切ったバビットや、青葉賞3着のフィリオアレグロあたりが注目されるだろうか。いずれにしてもセントライト記念当日の人気に注目したい。前述したダービー組の3頭は上位人気に支持される可能性が高そうなので、別路線組が割って入るのは容易ではないはずだ。





栗山求コラム「血統の裏庭」

​ローズS(G2)血統的考察

​先週のセントウルS(G2)は
好位追走の◎ダノンスマッシュ(1番人気)が
力強く抜け出して快勝。

通算重賞勝利数を「6」とした。

すべてG2とG3で、G1は6戦未勝利。

今回の勝ちっぷりから
10月4日のスプリンターズS(G1)では
上位人気での出走となるだろう。

ただ、グランアレグリアは
1200~1600mにおける現役最強馬の1頭で、
モズスーパーフレアも手ごわい。

ここからさらに調子を上げて行って名勝負を期待したい。


さて、今週はローズS(G2・芝1800m)

G1レースとトライアルの関係のなかで、
かつては秋華賞とローズSの結びつきはきわめて深く、
秋華賞好走馬はそのほとんどローズS出走組だった。

しかし、紫苑S(G3)が重賞に昇格し、
調教技術の進歩で久々でも
力を発揮できる馬が増えた影響か、
ここ4年は秋華賞連対馬8頭中7頭が
ローズS以外からの参戦だった。

その間、紫苑S組は4頭、
オークスからの直行組が2頭連対している。

本番で好走できないということは、
要するにメンバー構成が小粒になっているということ。

そのせいか過去4年間のローズSは少々荒れ模様。

16年は1番人気と11番人気、
17年は8番人気と6番人気、
17年は5番人気と2番人気、
19年は1番人気と6番人気での決着だった。

今年は中京競馬場で行われ、
しかも距離が1ハロン延びて2000m。

過去のレース傾向からは狙い馬を絞ることができない。


【デゼル】

デゼルは
「ディープインパクト×ルアーヴル」
という組み合わせ。

母アヴニールセルタンは
仏1000ギニー(G1・芝1600m)、
仏オークス(G1・芝2100m)、
ノネット賞(G2・芝2000m)の勝ち馬。

その父ルアーヴルは仏ダービー馬で、
種牡馬としても成功している。

アヴニールセルタンのほかに、
現役時代8戦全勝の成績を残した
名牝ラクレッソニエール(仏1000ギニー、仏オークス)、
わが国でフィリーズレビュー(G2)を勝った
プールヴィルなどを出している。

本馬は母の初仔で、
父はディープインパクト。

11着と敗れたオークスは、
経験不足に加えて相手が強く、
さらには短期間で二度の長距離輸送ということで
体調面が落ちていたのではないかと思われる。

経験馬相手のデビュー戦、
2戦目のスイートピーS(L)で見せた
才能のきらめきは決して幻ではないだろう。

ギアが入ってからのシャープなフットワークは
超一流馬のそれで、
リフレッシュ効果が望める今回はおもしろい。


【クラヴァシュドール】

クラヴァシュドールは
「ハーツクライ×ジャイアンツコーズウェイ」
という組み合わせ。

母パスオブドリームズが
3×4で持つストームバードは父と相性が良く、
このパターンからウインバリアシオン(青葉賞、日経賞)、
ゴーフォザサミット(青葉賞)、
コレクターアイテム(アルテミスS)などの
活躍馬が出ている。

配合的には高く評価できる。

2歳時のサウジアラビアロイヤルカップは2着とはいえ、
のちに朝日杯フューチュリティS(G1)を勝つことになる
サリオスに食い下がった。

その後、阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)は3着、
チューリップ賞(G2)は2着と、
トップクラスに交じって崩れることなく
好勝負をしたものの、
クラシック本番の桜花賞(G1)は4着、
オークス(G1)は15着と敗れた。

桜花賞は3コーナーで
進路が狭くなって後退する致命的な不利があったが、
オークスはスローペースの好位を進みながら
直線は見せ場なく後退。

体調がイマイチだったのか、
そうでなければ距離に
問題があったとしか思えない。

2000mに距離短縮となる今回は狙いが立つ。


【フアナ】

フアナは
「ルーラーシップ×ディープインパクト」
という組み合わせ。

母イサベルは現役時代10戦4勝。

母の全弟アドミラブルは青葉賞(G2)を勝ち、
日本ダービー(G1)は1番人気で3着となった。

母の半妹エスポワールはターコイズS(G3)2着、
中山牝馬S(G3)3着という成績がある。

バレークイーンに遡る一族からは
フサイチコンコルド(日本ダービー)、
アンライバルド(皐月賞)、
ヴィクトリー(皐月賞)といった
クラシックホースや、
リンカーン(重賞3賞)、
アンブロワーズ(函館2歳S)といった
重賞勝ち馬が出現し、
活発に勢力を伸ばしている。

「ルーラー×ディープ」は
菊花賞馬キセキを筆頭にイシュトヴァーン、
ヴィッテルスバッハ、アンティシペイトなど
コンスタントに活躍馬が出ており成功している。

本馬はトニービン3×4なのでおそらくは晩成タイプ。

これから強くなる余地があるので期待できる。

春はフローラS(G2)で3着という成績があるが、
休み明け初戦の前走(1勝クラス)は
+28kgの馬体重で快勝した。

既成勢力を逆転してもおかしくない。


【リリーピュアハート】

リリーピュアハートは
「ディープインパクト×ガリレオ」
という組み合わせで、
青葉賞(G2)を勝ったヴァンキッシュランの全弟。

母リリーオブザヴァレーは
オペラ賞(仏G1・芝2000m)など仏重賞を3勝。

その半弟には
オーサムアゲンS(米G1・ダ9f)や
UAEダービー(首G2・ダ1900m)を勝った
ムブタヒジがいる。

母の父ガリレオは
英愛サイアーランキングで
トップの座に計11回就いている大種牡馬。

「ディープインパクト×ガリレオ」は
英2000ギニー(G1)を制したサクソンウォリアー、
2018年のローズS(G2)の覇者カンタービレなどが出ている。

前走のオークスは相手が強く9着と敗れたが、
3歳2月のゆりかもめ賞(3歳1勝クラス・芝2400m)を
牡馬相手に勝ったように基本的に長めの距離は合う。

母の父ガリレオは成長力があるので、
ひと夏を越した今回は不気味な存在。

多少馬場が渋っても問題ない。


2012年以降、
中京芝2000mで産駒が20走以上した
48頭の種牡馬を連対率順に並べると以下のようになる。

1位ジャスタウェイ(27.3%)
2位ロードカナロア(25.0%)
3位フジキセキ(23.3%)
4位ディープインパクト(23.0%)
5位キングカメハメハ(21.8%)

キズナは規定打席に足りていないので
上記の表には出てこないが、
11回出走して連対率27.3%なので
首位ジャスタウェイと並ぶ好成績。

コース適性は上々だ。

枠順と脚質、調教の動きなどを加味しつつ、
週末に最終結論を出したい。
スポンサーサイト