データde出~た

第1458回 無敗の二冠馬が始動! 菊花賞トライアル・神戸新聞杯を展望する

今回は菊花賞トライアルの神戸新聞杯を分析する。注目馬はもちろん、無敗の二冠馬コントレイル。無敗の三冠に向けて、秋初戦を飾ることはできるだろうか。また、今年は通常の阪神芝2400mではなく、中京芝2200mが舞台となることもトピックのひとつだ。そこで、当欄の前回(「第1457回 初めて重賞が行なわれる中京芝2200mを分析!」)も一部参考にしつつ、過去10年のデータからレースを展望してみたい。データ分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。


■表1 人気別成績
人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 7- 2- 0- 1/ 10 70.0% 90.0% 90.0% 118% 100%
2番人気 2- 3- 2- 3/ 10 20.0% 50.0% 70.0% 57% 87%
3番人気 1- 1- 3- 5/ 10 10.0% 20.0% 50.0% 80% 87%
4番人気 0- 0- 1- 9/ 10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 24%
5番人気 0- 0- 1- 9/ 10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 22%
6番人気 0- 1- 1- 8/ 10 0.0% 10.0% 20.0% 0% 71%
7番人気 0- 1- 1- 8/ 10 0.0% 10.0% 20.0% 0% 89%
8番人気 0- 2- 0- 8/ 10 0.0% 20.0% 20.0% 0% 104%
9番人気 0- 0- 1- 8/ 9 0.0% 0.0% 11.1% 0% 96%
10番人気~ 0- 0- 0- 45/ 45 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表1は人気別成績。過去10年の勝ち馬は、1番人気7勝、2番人気2勝、3番人気1勝という内訳。また、3着以内に入った全30頭のうち21頭を1~3番人気が占め、好走率も4番人気以下とは大きな差がついていることを考えても、神戸新聞杯は上位人気馬が強いレースとみて差し支えないだろう。


■表2 キャリア別成績
ダービー キャリア 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
出走 5戦 3- 1- 2- 2/ 8 37.5% 50.0% 75.0% 60% 105%
6戦 3- 0- 0- 5/ 8 37.5% 37.5% 37.5% 88% 43%
7戦 1- 4- 0- 9/14 7.1% 35.7% 35.7% 16% 45%
8戦 1- 1- 0- 4/ 6 16.7% 33.3% 33.3% 28% 111%
9戦 1- 0- 0- 3/ 4 25.0% 25.0% 25.0% 40% 27%
10戦~ 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
不出走 2戦 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
3戦 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 170%
4戦 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 43%
5戦 0- 0- 1- 4/ 5 0.0% 0.0% 20.0% 0% 174%
6戦 0- 2- 1-10/13 0.0% 15.4% 23.1% 0% 56%
7戦 1- 1- 3-13/18 5.6% 11.1% 27.8% 44% 89%
8戦 0- 0- 1-19/20 0.0% 0.0% 5.0% 0% 11%
9戦 0- 1- 0- 6/ 7 0.0% 14.3% 14.3% 0% 54%
10戦~ 0- 0- 0-23/23 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表2はキャリア別成績で、ダービー出走馬と不出走馬に分けて表している。まずはダービー出走組から見ていくと、好走率を示す3項目すべてでキャリア5戦の馬が最高の数値を記録(※勝率はキャリア6戦と同率)。また、連対率と複勝率はキャリアが少ない馬ほど数値が高い関係が成立しており、ダービー出走組に関してはレースを使っていない馬ほど有利なようだ。

一方のダービー不出走組に関しては、キャリア7戦と8戦の間に好走率の溝があることが見て取れる。キャリア8戦以上で好走したのは、10年3着のビッグウィークと16年2着のミッキーロケットの2頭だけ。そして、この2頭はいずれも前走1000万下(現2勝クラス)で1着という共通項を持っている。


■表3 前走クラス別成績
前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
未勝利 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1勝 0- 0- 0- 23/ 23 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
2勝 0- 3- 3- 31/ 37 0.0% 8.1% 16.2% 0% 61%
3勝 1- 0- 0- 4/ 5 20.0% 20.0% 20.0% 160% 48%
オープン特別 0- 0- 1- 5/ 6 0.0% 0.0% 16.7% 0% 61%
リステッド競走 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 130%
G3 0- 1- 2- 6/ 9 0.0% 11.1% 33.3% 0% 108%
G2 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
G1 9- 6- 3- 29/ 47 19.1% 31.9% 38.3% 37% 57%

表3は前走クラス別成績。前走G1出走組が好走馬の6割にあたる18頭を占め、そのうち17頭の前走は日本ダービーと、まずはこの組が中心となる。次いで好走が多い前走2勝クラス出走組に関しては、表5の項で関連するデータを後述する。前走G3出走組の好走馬3頭はすべてラジオNIKKEI賞組で、そこで1着だったのが2頭、ディープインパクト産駒が2頭という内訳となっている(※11年3着のフレールジャックが重複)。そして、前走3勝クラス・オープン特別・リステッド競走から好走した計3頭には、いずれもノーザンファームの生産馬という共通項がある。


■表4 日本ダービーにおける着順別成績
レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1着 4- 1- 0- 0/ 5 80.0% 100.0% 100.0% 164% 112%
2着 3- 1- 0- 1/ 5 60.0% 80.0% 80.0% 112% 94%
3着 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 100%
4、5着 2- 2- 0- 2/ 6 33.3% 66.7% 66.7% 61% 85%
6~9着 0- 0- 1-10/11 0.0% 0.0% 9.1% 0% 21%
10着~ 0- 1- 1-13/15 0.0% 6.7% 13.3% 0% 48%

表4は、日本ダービーの着順との関連性を示すデータ。なお、表4ではダービー後にレースを挟んだ馬も集計の対象としている。その傾向は一目瞭然で、ダービーで1~3着に入っていた馬の好走率は極めて高い。同じく4、5着でも連対率66.7%と、ダービーで掲示板に乗っていればかなり有望だ。

一方でダービー6着以下馬の好走率は決して高いとは言えず、神戸新聞杯で好走したのは26頭中3頭だけ。その3頭、14年2着のサウンズオブアース、16年3着のレッドエルディスト、17年3着のサトノアーサーに共通するのは、皐月賞には出走していないことと、ダービーの前走で重賞2着に入っていたことである。


■表5 前走2勝クラス出走馬の各種データ
前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
着順 1着 0- 3- 1-15/19 0.0% 15.8% 21.1% 0% 65%
2着 0- 0- 2- 5/ 7 0.0% 0.0% 28.6% 0% 145%
3着~ 0- 0- 0-11/11 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
タイム差 勝0.3秒~ 0- 0- 0- 6/ 6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
勝0.1~0.2秒 0- 2- 1- 6/ 9 0.0% 22.2% 33.3% 0% 81%
勝0.0秒 0- 1- 0- 3/ 4 0.0% 25.0% 25.0% 0% 130%
負0.0秒 0- 0- 2- 2/ 4 0.0% 0.0% 50.0% 0% 255%
負0.1秒~ 0- 0- 0-14/14 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表5は前走2勝クラス出走馬に関して、前走の着順別とタイム差別の成績を示したもの。まず着順に関しては、2着以内に入っておくことは必要条件と言える。そして、興味深い傾向となっているのがタイム差だ。前走2勝クラス1着の場合、0秒3以上の差をつけて勝った馬は1頭も好走できず、むしろ0秒2以下とタイム差が小さかった馬のほうが好走している。また、前走2勝クラス2着の場合は、0秒1以上負けていた14頭は1頭も好走に至っておらず、好走した2頭はいずれもタイム差なしの僅差負けだった。


【結論】
以上の分析に加えて、前回の当欄で分析した中京芝2200mの傾向を参照に、今年の神戸新聞杯でデータから有力視できる馬を挙げていこう。

もちろん、最初に取り上げるべきは二冠馬のコントレイル。圧倒的な人気も予想されるが、1番人気が非常に強いのは表1の項で確認した通り。また、ダービー1着馬も勝率80.0%、複勝率100.0%を誇り、ダービー出走馬でキャリア5戦という点も申し分ない。また、前回の当欄で確認したデータによると、鞍上予定の福永祐一騎手、父のディープインパクトともに中京芝2200mで好成績を収めている。データ上からも不動の存在とみなせそうだ。

ほかにダービー出走組では、掲示板に載った3着のヴェルトライゼンデ、5着のディープボンドはともに有力。ダービー6着以下からは、このケースで好走した馬の共通項である「皐月賞不出走」「ダービーの前走で重賞2着」を満たすマンオブスピリットの名前を挙げておく。

ダービー不出走組はキャリア7戦以内を基準に、前走ラジオNIKKEI賞出走のディープインパクト産駒であるディープキングと、前走2勝クラス1着でタイム差が0秒1だったターキッシュパレスの2頭をピックアップ。なお、前走2勝クラス2着でタイム差なしのエンデュミオンはすでにキャリア9戦というのが気になる点で、表2の項で述べた通り、ダービー不出走かつキャリア8戦以上の場合は前走を勝っておきたかった。

最後にもう1頭、前走1勝クラス出走の好走例がないことは承知のうえで、前回の当欄で掲載した表5を参照に、中京芝2200mの好走率が非常に高い「前走京都芝2400mで1~3着」に該当するアイアンバローズを加えておきたい。




栗山求コラム「血統の裏庭」

​神戸新聞杯(G2)血統的考察

​先週のローズS(G2)は
2番手を追走した
△リアアメリア(3番人気)が早めに抜け出し、
後続に2馬身差をつけて完勝した。

レースが行われたのは
左回りの中京コースだったが、
本番の秋華賞(G1)と同距離で、
なおかつ余力十分の勝ちっぷりだったことは大きい。

もともとデビュー前から
ノーザンファームの一番馬と評判だった大器で、
復活したとなれば牝馬三冠を目指す
デアリングタクトもうかうかできない。


さて、今週は神戸新聞杯(G2・芝2200m)。

例年であれば阪神芝2400mで行われるが、
今年は変則開催のため中京芝2200mで行われる。

過去のデータは通用しない。

そもそも施行レース数が少ない条件なので
種牡馬データの信頼性も乏しい。

スタミナ豊富で決め手のある馬が有利なコースだ。


【コントレイル】

コントレイルは
「ディープインパクト×アンブライドルズソング」
という組み合わせ。

母方にアンブライドルズソングを持つ
ディープインパクト産駒はニックスで、
ほかにダノンプラチナ(朝日杯FS、富士S)、
リアアメリア(ローズS、アルテミスS)、
レッドベルジュール(デイリー杯2歳S)などが出ている。

JRAで出走した28頭中24頭が勝ち上がっており、
勝ち上がり率は85.7%。

尋常でない数字だ。

2代母フォークロアは
米2歳牝馬チャンピオンとなった名牝。

母ロードクロサイトは未勝利馬で、
ファピアノ3×4、インリアリティ5×5と、
ニックス同士の関係にある2つの血を強化した配合構成。

これらは現代アメリカ血統の大きな活力源であり、
それを強化しているので配合的に高く評価できる。

この配合の中京芝における連対率は25.0%。

東京芝の37.5%には及ばないものの
中山芝の20.5%を上回っている。

まったく問題ないだろう。

これまで左回りでは2戦2勝。

東京スポーツ杯2歳S(G3)では
2歳レコードを樹立し、
日本ダービー(G1)では
サリオスを寄せ付けず完勝した。

ディープインパクト産駒の
ベストとなりうる逸材であり、
死角はほぼない。


【ヴェルトライゼンデ】

ヴェルトライゼンデは
「ドリームジャーニー×アカテナンゴ」
という組み合わせで、
ワールドエース(マイラーズC、きさらぎ賞)、
ワールドプレミア(菊花賞)の半弟にあたる。

父ドリームジャーニーは
オルフェーヴルの全兄で、
現役時代に有馬記念(G1)、
宝塚記念(G1)、
朝日杯フューチュリティS(G1)などを制覇。

産駒のサイズが小さめなのと
気性の激しさがネックだが、
本馬は490kgと大柄で、
道中の折り合いもスムーズなので
父の欠点を受け継いでいない。

父の代表産駒となる
可能性も十分あるだろう。

ホープフルS(G1)で
コントレイルの2着に食い下がり、
スプリングS(G2)でも2着と健闘。

中山適性を買われて皐月賞(G1)では
4番人気に推されたが道悪に泣いて8着と大敗した。

しかし、人気が落ちた日本ダービーでは
3着と好走し、
世代トップクラスの実力馬であることを証明した。

熱発によりセントライト記念(G2)を回避し、
神戸新聞杯にスライドする形となったので、
追い切りの動きには注目したい。

道悪の新馬戦を勝ったとはいえ、
皐月賞でノメっていたことを考えると、
一線級相手では乾いた馬場のほうが
戦えるタイプなのだろう。

馬場コンディションにも注意したい。


【ディープボンド】

ディープボンドは
「キズナ×キングヘイロー」という組み合わせ。

母ゼフィランサスは3勝馬で、
ダート1800mの勝ち馬。

母の4分の3同血に
ローレルゲレイロ
(スプリンターズS、高松宮記念)がいる。

新冠の村田牧場の看板牝系である
モガミヒメのファミリーだ。

この春、京都新聞杯(G2)を勝って
日本ダービーに臨み、5着に食い込んだ。

父キズナは日本ダービー馬で、
初年度産駒が大ブレイク。

マルターズディオサ(チューリップ賞、紫苑S)、
ビアンフェ(葵S、函館2歳S)、
アブレイズ(フラワーC)、
クリスタルブラック(京成杯)、
キメラヴェリテ(北海道2歳優駿)が重賞を勝っている。

これが初年度産駒なので
3歳夏以降の伸びしろについては分からないが、
ディープボンドの母の父は
晩成型のキングヘイローなので期待できそうだ。

日本ダービーを見るかぎり左回りも問題ない。


【グランデマーレ】

グランデマーレは
「ロードカナロア×ネオユニヴァース」
という組み合わせ。

母グランデアモーレは
現役時代に4勝を挙げて準OPまで出世した。

本馬はその初子。

「ロードカナロア×ネオユニヴァース」は
ジョーカナチャン(アイビスサマーダッシュ)、
ニューポート(3勝クラス)などが出ており、
連対率23.9%、1走あたりの賞金額244万円。

この数字はロードカナロア産駒全体の21.6%、
236万円を上回っている。

昨年11月の葉牡丹賞(2歳1勝クラス)を勝って
2戦2勝としたあと、
骨折のため春シーズンを全休した。

しかし、配合的なレベルは高く、
葉牡丹賞がJRAの
2歳レコード(芝2000mで1分58秒9)だったことからも、
無事ならばクラシック戦線で
上位争いをしていた可能性はある。

少なくともコントレイル以外の有力馬とは互角だろう。

サンプルは少ないものの
ロードカナロア産駒は中京芝2200mで
10戦4連対(連対率40.0%)と好成績を挙げている。

しかも、当コースで2勝を挙げているのが
前出のニューポート
(グランデマーレと同じ「ロードカナロア×ネオユニヴァース」)
なのでコース適性も問題なさそうだ。

あとは仕上がり具合だけ。

長期休養明けなので追い切りに注目。


調教の動きを含めて総合的に判断し、
週末に最終結論を出したい。
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