水上学の血統トレジャーハンティング

【アメリカJCC】今年の大望へまず一歩

【今週のポイント】
アメリカJCCは、大物G1馬が始動戦に選ぶという昔からの定番の構図と、G1未勝利馬が挑戦への手土産にここを勝ちに来るケースとに分かれる。今年は後者の様相となる。

菊花賞2着アリストテレス、ダービー3着ヴェルトライゼンデ、菊花賞3着サトノフラッグ、オークス2着ウインマイティーなど、前年クラシックのメダリストたちがここまで顔を揃える年も珍しく、なかなか豪華な顔ぶれだ。また去年の2、3、4着馬も出走。人気は割れそうだ。

目標は先とはいえ、G1シーズンには間があるので、1回ピシッと仕上げておきたいところ。特にアリストテレスは、重賞での賞金が菊花賞2着だけなので、収得賞金の少なさを考えるとぜひとも勝っておきたいだろう。

週末はあいにく雨の予報が出ている。例年より荒れた芝、パワーの要る馬場への対応力、外回りで加速していく力が問われそうで、その辺を考慮しつつ組み立てたい。カギはアリストテレスの扱い。菊花賞とは逆にマークされる側に回る今回のレースぶりは見ものだ。

★土曜中京11R 愛知杯(G3)
◎本命馬 シゲルピンクダイヤ 4番人気9着
4角までに5番手以内にいた馬は、すべて掲示板を外してしまった。数字上のラップはそれほど厳しいものでもなく、道中息の入る箇所もあったが、かなり縦長になっていたので、好位追走組が早めに捕まえに行ったことが、前総崩れを招いたのかもしれない。結果論になるが、脚質転換して安定味のある馬になったことが、今回に限っては裏目に出てしまった。かつてのような後方一気なら届いたかもしれないが……。

$お宝馬 ウラヌスチャーム 8番人気3着
こちらは、ある程度前に行くことを想定していたら、まさかの最後方付近から直線に賭ける競馬となり、完全にこれがハマった。流れの読みが本命馬でハズレ、お宝馬で当たったという感じ。チグハグだったが、届いてくれたのがせめてもの救い。

★日曜中山11R 京成杯(G3)
◎本命馬&お宝馬 ディクテイター 7番人気12着
位置取り的には悪くなかったが、終始外から被せられて馬が窮屈な感じ。直線は前が詰まってしまい、空いた内へ進路を切り替えたが、坂下から下がる一方になり、1頭だけ大きく遅れてゴール。騎手が追わずに流しており、何か異常が出ていたのかもしれない。また、陣営は大きく減った馬体重を敗因に挙げ、長距離輸送の反動ではという趣旨のコメントをしており、意外とメンタルの難しい馬だった可能性もある。いずれにせよ、全く能力を出していない。陣営はもちろん、買った側にもかなり不本意な一戦。

【次回の狙い馬】
土曜 小倉11R 2着
ミスニューヨーク
道中は上手く外へ出せた。距離ロスを覚悟で終始外を回していたあたり、被せられるのが嫌なタイプかもしれないが、さすがGⅠ掲示板馬だけあって難なくマクり上げ、直線は先頭へ接近。勝ったかというところで、1頭内をド人気薄アーデントリーにすくわれてしまった。運がなかっただけ。このクラスはすぐに勝てる。外目の枠だとなお良いだろう。

土曜 中京4R 6着
ホッコーカリュウ
勝ったカレンロマチェンコが好タイム逃げ切りの独り舞台となったレース。これを3番手で追走し、直線は完全に2番手に上がったという態勢、そこからカレンを追おうとしたが、坂登って一杯になり沈んだ。ただ2着とは0秒2差。他の追走組がもっと失速していることを考えると、直線で伸びかけての6着は数字以上に評価できる。次走も同じ1400mで。1200mだとスピード負けしそうだ。




回収率向上大作戦・須田鷹雄

【東海S予想】斤量加増の馬が複数いる年は!?

該当馬中の○○が好走している


 東海ステークスでは、4歳牡馬55キロ・5歳以上牡馬56キロ、牝馬2kg減をベースに、GIとGIIの優勝歴に応じて1キロないし2キロが加増される。

 施行時期が1月に移った2013年以降で見ると、2キロ加増されていた馬は[1-0-1-1]、1キロ加増は[2-1-0-9]、加増なしは[5-7-7-85]で、2キロ増組の頭数が少ないにしても勝率複勝率は2キロ加増>1キロ加増>加増なしとなっている。

 今年2キロ加増組はいないが、1キロ加増はアナザートゥルースとインティが該当する。

 1、2キロ併せて過去8年で15頭いた加増組だが、複数存在したのは5回。うち該当馬が全く馬券に絡まなかったのは2017年だけで、残りの4回は該当馬のうち1頭が連対している(1着3回・2着1回)。

 該当馬が好走した4回を見ると、2013年は4、7、12番人気の3頭で4番人気グレープブランデーが勝利。2014年は1、2、15番人気の3頭で1番人気ニホンピロアワーズが勝利。2015年は1、5番人気の2頭で1番人気コパノリッキーが勝利。2019年は2、3、10番人気の3頭で2番人気チュウワウィザードが最先着ということで、いずれも該当馬中の人気最上位馬が好走している。

 となると、配当妙味には薄いがインティを軽視できないということになる。前走はよいところがあったし、東海Sは一昨年優勝、2キロ加増の昨年でも3着のレース。無理に逆らわないほうがよいのかもしれない。






重賞データ分析・小林誠

【AJCC予想】中穴重視のスタンスで適度に攻めろ!

■アメリカJCC(GII・中山芝2200m)フルゲート17頭

★3行でわかる! アメリカJCC 攻略の糸口

1.ふたケタ人気が大不振のコース&レース。狙いは中穴!
2.展開は完全に「前」優勢。前走チョイ負け組が巻き返す。
3.5歳以下馬は高信頼度。大型馬や乗り替わりもプラス。

データ特注推奨馬
 ★該当なし

 別定戦で、GI級の実績馬もコンスタントに出走してくるアメリカJCC。このレースと、開催コースである中山芝2200mに共通するのが「中穴の好走率は高いが、ふたケタ人気はメチャクチャ弱い」という点だ。多頭数になったとしても、ふたケタ人気馬はバッサリ「消し」勝負がオススメ。よほど強い買い材料でもなければ、手出し無用といえる。

 そして、共通するもうひとつの傾向が「先行勢の強さ」である。この時期特有のタフな馬場が影響しているのか、後方からの競馬となった馬は惨憺たる成績。中団待機組も意外なほど差せておらず、2~3着に食い込むのが精一杯という結果だ。ある程度は前のポジションが取れないと、勝ち負けできないレース。具体的には、4コーナーを5番手以内で回れそうな馬を重視すべき一戦である。

 レース傾向から重視したいのが、前走が「着差0秒5以内での負け」だった馬がよく巻き返してきていること。逆に、前走で1秒0以上の着差をつけられていた馬は、かなり厳しい。あとは、5歳以下馬が高信頼度であること、大型馬の活躍が目立つレースであること、鞍上の乗り替わりがプラスに働くこと、ステイゴールド系が高いコース適性を見せていることなども、注目すべきポイントだ。

 出走予定馬の評価は一長一短というところで、データ特注推奨馬は今週も該当ナシ。上位拮抗の混戦模様で多少は波乱含みというのが、1週前時点での見立てである。


【コース総論】中山芝2200m Cコース使用
・コースの要所!
★中穴の好走率が高いコースで4~6番人気が絶好調。ふたケタ人気は期待薄か。
★内枠が高信頼度で外枠はやや不利な傾向。勝つには真ん中よりも内が欲しい。
★ハッキリ先行勢優勢で後方からでは届かない。好位が取れる馬を重視すべき。

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 4コーナーから直線に入った地点からスタートする、中山芝2200m。ホームストレッチをフルに使う形態なので、最初のコーナー進入までには十分な距離がある。使用するのは外回りコースで、しかも直線の急坂を2回も上るなど、起伏の大きさもかなりのもの。タフな馬場となりやすい時期でもあり、スタミナもかなり要求されそうだ。

 まずは人気別成績だが、目立っているのが「中穴」の強さ。4~6番人気が14勝をあげる大活躍で、単勝適正回収値は135.2という高さとなった。同様に7~9番人気もけっこう馬券絡みしているが、ふたケタ人気になると信頼度は一気にダウン。極端な大荒れはないので、ここはチョイ荒れを狙うのがもっとも効率がいい。

 枠番データからは、内枠有利の傾向が見てとれる。とくに大きいのが勝率の差で、単純に内外を比較したデータにおいても、なんと2倍以上もの大差が出ている。単勝適正回収値についてもハッキリと「内>外」であり、勝ち負けに持ち込むには「真ん中よりも内」の枠番がほしいところ。外枠を引いた馬は、少し評価を割り引きたい。

 そして脚質面は、イメージ以上に「前」優勢。逃げた馬の成績はイマイチだが、4コーナーを5番手以内で回った先行勢は、圧倒的なまでの強さを見せている。中団から差した馬は、届かず2~3着に敗れるケースが多い様子。最速上がりをマークした馬でも意外に勝てておらず、後方からの追い込みはまったく届いていない。馬場バイアスにもよるが、基本的にはかなり前重視の姿勢で、馬券を買うべきコースといえる。


【レース総論】アメリカJCC(GII) 中山過去10回
・レースの要所!
★人気サイドの信頼度はなかなかのもの。穴では7~9番人気の活躍が目立つ。
★コースデータほど内枠有利ではないが、脚質はやはり圧倒的に先行勢優勢。
★高齢馬の好走も多いが信頼度が高いのは5歳以下馬。前走の「格」も重要。
★前走着差が0秒5以内の「チョイ負け組」が狙い目。大型馬の強さも要注目。

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 レースの平均配当は、単勝939円、馬連4099円、3連複1万1071円と、やや低めの水準。少頭数での開催も多いので、そこを加味すると波乱傾向は強くも弱くもない「並」程度といったところだろう。人気サイドの信頼度はけっこう高く、3番人気以内馬はなかなかの好内容。人気薄では、7~9番人気が複勝率16.7%、複勝回収値104という素晴らしい結果を残している。ふたケタ人気は、全滅に近い惨状だ。

 枠番データは判断が難しいところだが、もっとも内容がいいのは「やや外」である馬番09~12番。外枠がいいわけではないが、コースデータほどには内枠有利ではない──というのが結論となるか。ただし、脚質面はコースデータと同様にハッキリと先行勢優勢。連対馬の80.0%を4コーナーを5番手以内で回った馬が占めているのだから、もう「差せない」くらいの前提のほうがいい。

 6歳以上馬もけっこう馬券絡みしているレースだが、信頼度が高いのはやはり5歳以下馬。なかでも5歳馬はたいへん優秀で、高く評価してしかるべきだ。また、前走で出走したレースの「格」が重要であるのも、アメリカJCCの大きな特徴。前走がGIII~自己条件だった馬も2~3着にはくるが、勝つのは前走で有馬記念や菊花賞、金鯱賞に出ていた組。当然ながら今年も、前走GI組が中心となる。

 前走での着順や着差からの分析では、前走が「勝ち馬から0秒5以内の着差で惜敗」していた組が狙い目といえそう。前走重賞組でこの条件を満たす馬は、トータル[6-2-5-21]で連対率23.5%、複勝率38.2%、単勝適正回収値111.0、複勝回収値117という、文句なしの好結果を残している。また、前走での着差が1秒0以上だった馬は期待薄で、とくに近年はこの傾向が強まっている。前走大敗からの巻き返しは、期待薄だ。

 タフな馬場での開催となりやすいのが影響しているのか、大型馬の強さも目立っているところ。昨年は2着ステイフーリッシュ、3着ラストドラフトと、当日の馬体重479キロ以下馬が好走しているが、これはレアケースなのである。勝ち負けするにはある程度以上の馬格が欲しいところで、当日520キロ以上ならば文句なし。馬体重の増減については、ほとんど気にする必要ナシだ。

 最後に騎手関連データ。関東所属騎手が[5-5-7-79]と多く馬券に絡んでいるが、これは出走数の多さに起因するもの。内容的には、関西所属騎手や外国人騎手のほうが、はるかに優秀といえる。あとは、鞍上の乗り替わりがマイナスどころかプラスに働いているのも、注目すべきポイントといえそうだ。


【血統総論】

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 血統面は、ディープインパクト産駒、ルーラーシップ産駒、ドリームジャーニー産駒、オルフェーヴル産駒をプラス評価の対象とした。中山芝らしく、ステイゴールド系が高いコース適性を発揮。御大であるステイゴールドの産駒も、信頼度はさほど高くはないが、回収値はきわめて優秀だ。ルーラーシップ産駒が見せている強さも要注目で、おそらくはベスト条件。このコースに出走してきた場合、ノータイムで「買い」が正解だ。


★出走予定馬 総論×各論

 本稿執筆時点で、出走の意向が把握できているのは15頭。これならば少なくとも、少頭数での開催とはならないだろう。注目が集まりそうなのは、菊花賞の2着馬アリストテレスや、3着馬のサトノフラッグ、2番人気に推されていたヴェルトライゼンデなどの、明け4歳馬。5歳以上馬では、この路線の安定勢力であるステイフーリッシュ、ラストドラフトなども侮れない。先行勢もそれなりに揃って、ピリッとした流れになりそうだ。

 トップ評価はアリストテレス。無敗の三冠馬にクビ差まで迫ったというのは、やはり高く評価してしかるべきだ。また、コントレイルがジャパンCで2着と結果を残したというのも、本馬がここで通用する能力を有していることの証明となる。競馬センスのいい馬で、スッといい位置が取れるのは大きな魅力。成長により馬体重がさらに増えて、当日480キロ以上になっていれば、さらに期待できる。あとは、初の中山がどうかだけだ。

 二番手評価に、昨年の2着馬であるステイフーリッシュ。詰めの甘さは相変わらずだが、昨年も芝の中長距離路線で存在感を発揮したように、その力は侮れないものがある。中山芝ではすべて馬券圏内と好相性で、父ステイゴールドという血統も強み。鞍上が石橋脩騎手に乗り替わる予定であるのも、このレースに関してはプラスに働く。予定通り年明けに帰厩して、このレースに向けての調整も順調なようだ。

 三番手評価にラストドラフト。こちらも昨年の好走馬で、今年はアルゼンチン共和国杯2着からの臨戦となる。鞍上は、三浦皇成騎手に乗り替わる予定だ。5歳馬であるのは大きなプラスで、前走が0秒2差の2着であるのも強調材料。有馬記念を除外されて、目標をこちらに切り替えたカタチだが、在厩での調整でいい状態を保っているようだ。中団よりも前のポジションが取れるならば、ここでも面白い。

 四番手評価に、陣営が「前に行く」とコメントした場合のタガノディアマンテ。気性的な乗り難しさがある馬だけに取捨が難しいが、逃げた前走のステイヤーズSのように、積極策ならば上位争いできる可能性を秘めている。しかし、中団~好位でうまく流れに乗るような競馬はできないので、それ以外の場合は「消し」が適切か。後方からの競馬になると期待薄のコース&レースであるのは、前述したとおりだ。

 以下はウインマリリン、ジェネラーレウーノ、サトノフラッグ、ヴェルトライゼンデという評価の序列。現在の中山芝は外からの差しが届くバイアスにあるので、外枠に入った馬でも評価は割り引かない方向でいきたい。また「中穴重視」のスタンスも、忘れないようにしたいところ。そういう意味では、アリストテレスよりもステイフーリッシュやラストドラフトから入ったほうが面白いと思われる。
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