田中正信さん

若駒Sの追い切り注目馬

■1月23日(土)
中京競馬場 芝2000m 別定
若駒S(L)


■3枠3番レヴェッツァ
厩舎:斉藤崇史(栗)
騎手:池添謙一
馬主:早野誠
生産:ノーザンファーム

初戦時がCWコースで5F66秒台、前走時の直前にもCWコースで余力を持って5F65秒台を叩き出せていたように典型的な調教駆けするタイプ。ただ、これを踏まえると今回の中間内容に物足りなさを覚えないだろうか。最速が2週前の5F67秒台、しかも全体的に遅れが目立ってしまっている。これは一体どうしたことなのか。動ける状態にない? 否、それならば4週で8本とこれだけ順調に乗り込めていることが既に不自然。仮に加減して時計をセーブしているとすれば、それはそれで全てを併せ馬のメニューでこなさせている時点で辻褄も合わない。併せ馬というだけで心身にかかる負担はそれなりに高いのだから。となれば答えは一つしかない。意図的に時計を出していないということ。恐らく前走のレースで行きたがる仕草を見せたこと、これを早々と矯正するために我慢を教えることを今回の中間のカリキュラムの中心に据えたのでは。だからこそ先導させて僚馬に突かせたり、はたまた抜かせたり、時には追走して追いつかせなかったりと色々な状況を経験させてきた。その結果が今回の調教欄。直前でピタリと指示に従えたようにコントロール面は格段に良化。これなら、よりポテンシャルを活かせよう。着実に前進中。


■4枠4番アドマイヤザーゲ
厩舎:友道康夫(栗)
騎手:武豊
馬主:近藤旬子
生産:ノーザンファーム

デビュー時にはCWコースで週2本ペースとそれこそ友道式のスパルタメニューを早くも取り入れられていた馬である。だが11月に復帰するとまるで別馬のような調整に。坂路の頻度が増え、それを補うかのようにプール調教も目立ってくる。挙句に前走では直前を最も負荷のかかるCWコースではなく、最も負荷のかからないDPコースへと変更されていた。こうなってくると近2走は何か問題を抱えながらの調整であったことは間違いなかろう。年齢的なことを踏まえれば、ソエを痛がるので調整を加減しているといったところか。それならGIも終わったことだしタイミング的に休ませてきそうなものだが、何とそこから中3週でここへと起用してきたのである。これが並みの厩舎なら、やぶれかぶれの強行軍の可能性が高い。だが友道師ぐらいになると調教欄にしっかりと理由が書いてあるのだ。この中間の動向を見て欲しい。ここ2戦であれほど頻繁に使用していたプールがすっかりなくなり、目に見えてCWコースを使用しての調教が増えているではないか。つまりソエは落ち着いてきたということ。直前で遅れたとはいえ目一杯に終えていたように少なくとも健康面は明らかに上向き。これなら前走のようなガス欠だけは起こすまい。


■5枠5番タイセイドリーマー
厩舎:矢作芳人(栗)
騎手:坂井瑠星
馬主:田中成奉
生産:グランド牧場

初戦時は基礎構築を完全に外厩任せ、入厩すると1週前にCWコース、そして直前は坂路でと立て続けに追ってスイッチオン。アッという間に臨戦態勢を整えて初戦勝ちを決めてしまうのだから、さすがは矢作師。外厩の言いなりとなって使われているだけの厩舎も少なくない昨今だが、この厩舎だけは使いこなしている印象がある。嫌な言い方をすれば、外厩は使いこなしているつもりでも実際は矢作師が良いように利用している、そんなところ。話を同馬のモノへ戻そう。そこから中1週とあわただしく使い込んでくるのも、これまた、この厩舎のカラー。レースに使える状態にあるのなら容赦なく使う。まさしく馬優先主義とは真逆の考え方だが、厩舎経営としてどちらが効率的かと言えば間違いなく矢作師であろう。それでいてGI馬も続々と輩出してきているのだ。どこの誰にも文句を言われる筋合いはあるまい。とはいえ、馬の精神面には相当な負担のかかる起用法ではある。それだけに直前の気配に注目していたのだが、気負いもなければヘコたれた様子もなく淡々と登坂してくるのだから驚く。まだボーとしているのか、それとも大人びているだけなのか。何はともあれ奥は深そうな馬。気配も引き続き良く、ここも侮れない1頭。


■6枠6番ヴァリアメンテ
厩舎:中内田充正(栗)
騎手:藤岡佑介
馬主:(株)G1レーシング
生産:(有)社台コーポレーション白老ファーム

レース後にジョッキーがカッとしやすい気性なので注意して乗ったとコメントすれば、スタッフもヤンチャな面があるので…とデビュー前から異常に心配していた馬。なるほど、陣営的には気性面にかなりの危さを感じていたのだろう。どんな馬でも1度実戦を使うとテンションは少なからず上がるもの。それだけに、この中間は慎重にソロリと立ち上げてきた感が強い。初動などは坂路で4F60秒台とほぼ運動程度、それだけ余計な刺激をせぬよう注意して接してきたということ。1週前にあたる1/11、1/15もソロッと流した程度で済ましている。ただ、見た目には陣営が恐れていたほどテンションがどうにかなっているようには全く感じられなかった。この遅い時計でもムキになることなく、むしろリズム良く気持ち良さそうに走れているのだから当然であろう。そして、どうやら陣営のイメージも変わってきたよう。だからこそ前走時ではラスト重点で止めた直前追いの内容を今回はコントロール重視のジワッと全体に負荷のかかるものへと強度を上げてきたのでは。大きなフットワークこそ変わらないが、一つ一つのアクションに力強さが出てきたように使っての上積みも大。ともかく精神面に異常なし。この性格、意外と大物の可能性も…。


■7枠7番グロリアムンディ
厩舎:大久保龍志(栗)
騎手:福永祐一
馬主:吉田和美
生産:ノーザンファーム

勝ちこそしたが、初戦時というのは決して満足のできるような状態でなかった可能性が高い。というのも中間に一度再放牧へと出されていたのだ。もちろん、よくあるゲート試験だけ早めに受からせて成長を促すといった類のものではない。一旦、完全に仕上げにいっているにも関わらず2カ月近くも時計が止まっているのだから只事ではなかろう。明らかに何か異常事態が起こっていたはず。その辺りのことはハッキリと発表されていないだけに何かまでは分からない。ただ急仕上げ気味で8分程度の仕上がりにも関わらず勝った、これが初戦時の真実であることは確か。福永騎手が早くから重賞級だと褒めちぎっていたのも納得と言えよう。前走にしても荒れた内へ押し込まれてのもの。決して評価を落とすような内容ではなかったのだ。そこから一間隔あけて仕切り直してきたのが今回である。年末年始の変則馬場開場の影響で若干のバラつきはあるものの、週1本はキッチリと負荷をかけれているのであれば問題はあるまい。少なくとも初戦時よりは遥かに順調。だからこそ1週前、直前と今までになくスピードに乗ることができている。無駄のない綺麗なフットワークも惚れ惚れとするものでデキは休養前以上間違いなし。



栗山求さん

中山11R 初富士S 芝1800m 3勝クラス ハンデ

◎7ニシノカツナリ
○14ドナアトラエンテ
▲3ハーメティキスト
△6ウイングレイテスト
△13ムジカ
△10ワールドヘリテージ

<見解>
◎ニシノカツナリは
「ルーラーシップ×アグネスタキオン」という組み合わせ。

母ニシノマナムスメはマイラーズC(G2)2着馬で、
2代母ニシノフラワーは桜花賞(G1)、スプリンターズS(G1)など
6つの重賞を制した名牝。

「ルーラー×タキオン」は中山芝1800mで[2-3-0-6]。

連対率45.5%と抜群に走っており、
フェアリーポルカが中山牝馬S(G3)を制覇している。

血統的な適性はきわめて高く、
本馬も前走の常総S(3勝クラス)でアタマ差2着と健闘した。

3歳春にアーリントンC(G3)で4着となった実力馬で、
基本的な能力が高く、多少雨が降っても問題ないタイプ。

休養明けを一度叩いた今回はおもしろい。



競馬コラム「水島晴之の単複で買え」

気持ち入ったエクセレントランを狙う/中山12R

中山12R (10)エクセレントランを狙う。間隔が空いた分、馬体には余裕があるが、2週連続で追い切りに騎乗した柴田善騎手は「気持ちが入って前向きさが出た」と評価する。体質の弱さがあって下級条件に低迷しているが、実が入ってくればクラスの壁はない。単勝2000円。

中山9R (6)ルトロヴァイユの連勝に期待だ。前走の立志賞は好位の内で脚をため、直線もしっかり伸びた。まだ「切れ」という点では物足りないが、坂路調教で少しずつ瞬発力も出てきた。昇級戦になるが少頭数で競馬はしやすい。前走のようにスタートが決まればチャンスはある。単勝3000円。

中山10R (5)ペイシャキュウが差し切る。前走は3角から馬群の外を進出する競馬でゴール前苦しくなった。それでも勝ち馬とは0秒2差。好枠からうまく立ち回れば勝ち負けになる。単勝2000円、複勝3000円。(ここまでの収支 マイナス3万3000円)





水上学の血統トレジャーハンティング

土曜中京11R 豊明ステークス

◎本命馬
⑧ムーンチャイム
(牝6、栗東・千田厩舎、川田騎手)
土曜の中京は、お昼前から雨が降り出し、午後に入ると一気に強まる予報(金曜夕方現在)。金曜深夜にも一度降ることになっており、メインレースの時間帯にはもしかしたら重馬場にまで悪化する可能性も。芝が使い込まれていることもあり、いずれにせよ適性を問われる馬場にはなりそうだ。

軸は人気どころから⑧ムーンチャイムだ。差し届かないレースが続いているが、土曜の馬場なら届くことが想定される。アドマイヤムーン産駒で渋った馬場は得意だし、かつては現オープンのロケットを破り、重賞勝ち馬メイケイダイハードやサウンドキアラとは小差の競馬をしている実績もある。牝馬6歳で上積みは小さいと思うが、能力自体は衰えておらず、状況さえ整えば現有の力で勝ち負けになるとみた。

$お宝馬
④トウカイオラージュ
(牡5、栗東・長谷川厩舎、松若騎手)
右回りでも走れるが、気勢が良いのは明らかに左回り。さらにオルフェーヴル産駒は当該コースで異様に勝ち切っており、この3年は勝つか消えるかの産駒成績となっている。母方が重賞勝ち馬で道悪得意の牝系。前に行く馬には少しツライ馬場かもしれないが、単騎で息が入れば結構しぶとい。

相手上位は ②トウケイミラ、⑬メイショウチタン。 押さえに ⑮キアロスクーロ、①アプルーヴァル、⑥シトラスノート、⑦ショウナンマッシブ、⑨オールザゴー。





採れたて!トレセン情報

美浦『聞き屋』の囁き
【アメリカJCC】
今年も牝馬優勢の時代が続く!?


ダービー3着のヴェルトライゼンデ、菊花賞2着のアリストテレス、菊花賞3着のサトノフラッグ、オークス2着のウインマリリン。昨年のクラシック戦線を盛り上げた明け4歳馬たちが始動戦として選んだのがアメリカJCC。

ここから天皇賞・春、大阪杯、宝塚記念を目指していくことになる。

年明け初日、5日の競馬で菊花賞4着のディープボンドが中山金杯、菊花賞5着のブラックホールが万葉Sでともに見せ場なく大敗したことで明け4歳世代のレベルが低かったのではないか、とささやかれ始めている。

一方、チューリップ賞と紫苑Sを制したマルターズディオサが阪神カップ2着、秋華賞2着のマジックキャッスルが先週の愛知杯を勝利。

今年も牝馬優勢の時代が続くのかもしれない。


関西事情通のちょっとイイ?話
【若駒ステークス】
クラシック戦線を占う重要な一戦!
鞍上が惚れ込む素質馬とは!?


2021年の正月開催、変則日程が漸く終わり今週から通常日程、今週も中山・中京、そして先週から開幕した裏開催の小倉の3開催場で競馬が行われる。

その先週、日曜日の日経新春杯には、小倉を主戦場として騎乗する団野騎手が、ショウリュウイクゾのために中京へスポット参戦する話をお伝えしたが、今週土曜日にも同じような動きがある。

先週は土日とも小倉で騎乗、今週も日曜日は小倉で騎乗、もちろんこの後も小倉を主戦場とする藤岡佑介騎手、この土曜日だけ中京で騎乗する。

1Rからメインレースまで計6鞍騎乗するが、一番のお目当ては…

若駒ステークスで騎乗するヴァリアメンテ、この馬のために中京でスポット騎乗すると言っていいだろう。

まだ新馬を勝ったばかりだが、その新馬戦が前半の半マイル49秒5というスローペース、必然的に後傾ラップとなり後半の半マイルは46秒5、しかも当時の阪神競馬場の芝コースは、外から差し難いバイアスだった。

そんなレースを、道中は後方を追走、4コーナーから直線でその不利なバイアスの大外を進出し、坂を上がってさらに豪快に伸び、見事差し切り勝ちを納めた。

その新馬戦では、調教で動き切れなかった事もあって9番人気の低評価だったのだが、実際まだ余裕のある状態だった。当然、1回レースを使った事で上昇度も大きい。

半姉アンドラステは4勝を上げバリバリのオープン馬、血統的な期待も十分にある。

藤岡佑介騎手が、スポット参戦するのも理解できるというもの。

ここで勝って賞金加算すれば、クラシックを見据えてローテーションも組みやすくなるというもの。陣営にしても、そのクラシック戦線を占う重要な一戦に間違いない。

是非、注目してみたい。







土曜メインレース展望・柏木収保

【初富士S予想】良血馬ドナアトラエンテのOP入りに期待

馬体もしっかりしており、調子も問題なし


 5歳牝馬ドナアトラエンテ(父ディープインパクト)は、2歳夏の新馬デビューから前々走までの7戦、2カ月半以内のレース間隔で出走したことは一度もなかった。

 この、海外を含めGIを7勝もしたジェンティルドンナの7歳下の全妹は、超良血馬とあって大事に使われてきたことに加え、最初は小型馬。ハ行での出走取り消し例もあり無理のできない体質だったためだろう。

 だが、8戦目だった前回時のレース間隔は約2カ月。今回も約2カ月。出走距離が比較的ゆったり流れる1800mに限られているのは同じだが、かなり体質がしっかりし、以前ほどレース間隔を空けずに出走できるようになった。

 デビュー時は418キロだった馬体も、前走は454キロになっている。ずっと1番人気の支持を受け続け通算【3-4-1-0】。それまで前半ゆったり行ける左回りでコーナーの少ない「東京、新潟」だけに出走していたが、前々走は格上がりの3勝クラスで、初の右回り1800mとなった中山もこなしてみせた。

 初の右回りでコーナーが連続したためか、勝負どころからの反応が悪く、一旦は並んだコスモカレンドゥラに競り負けたが、前走のユートピアSも2着して、このクラスで連続2着。

 55キロのハンデなら、強敵の少ないここはオープンに出世のチャンスだろう。Cコースでフルゲートが14頭に制限されている。今回の外枠は必要以上にもまれたくない牝馬ドナアトラエンテに不利ではない。スパッとは切れないが、前回よりは反応も良くなると思える。ルメール騎手とのコンビは【2-3-0-0】。

 ハンデ戦で相手は一長一短。中山なら先行策が取れるシングフォーユー、好調教のウイングレイテスト、ショウナンバビアナなど伏兵を本線にしたい。
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