「虎の子」の一頭・馬場虎太郎

【シルクロードS予想】中京開催のシルクロードSは例年と異なるトラックバイアス

 今年のシルクロードステークスは例年と異なり中京芝1200mで施行。中京芝は年末に行われていた3回中京開催を含めると、実質的に2ヶ月近くに亘る開催。

 中京は元々、ローカル開催場のため、これだけ長い間の開催が続いたことがない。馬場管理も手探りだ。厳しい馬場整備の中、追い打ちをかけるように、先週は雨により緩んだ路盤で行われた。

 今週から仮柵設置でBコース替わりにはなるものの、昨年末の3回中京時にも2日間はBコースを使用。馬場はあまり保護されていない。馬場の回復は難しいだろう。重い馬場状態になるのではないか。

「中京芝1200mのBコースで行われる重賞」だけの条件は高松宮記念と同じ。参考までに、高松宮記念は過去5回のうち4回でトラックバイアス「内有利」もしくは「超内有利」と判定。位置取りは様々だが、内を通る馬が有利になりやすい傾向がみられる。

 ただし、馬場の傷み具合は高松宮記念とは異なる。土曜の開催で馬場状況を見極める必要があるだろう。

 馬場がタフになる可能性は高いが、内、外や脚質の有利不利は読み難い。現時点では近走トラックバイアスによって力を出し切れていない馬。中でもタフな馬場を得意とする馬に注目する。

 ライトオンキューの前走スプリンターズステークスはトラックバイアス「外有利・差し有利」。開催最終日でハイペース。後方待機馬、外を通ってきた馬が恵まれたレースにもかかわらず、内枠から積極的な先行策。トラックバイアスは最悪の不利を受けた。

 トラックバイアスが先行不利だったことに加え、ライトオンキューは積極的な競馬が合わない馬。自身の能力も出せないペースになった。

 ライトオンキューのベストパフォーマンスは2019年の京阪杯。このレースが行われた京都芝1200mは中山芝1200mとは真逆の上りスタート。ペースが緩みやすいコース構造のため1200mにしてはゆったり追走できる。

 一方で能力をまったく発揮できなかった中山芝1200mは下りスタート。必然的に前半のペースが速くなる。ライトオンキューが好走した京阪杯とは真逆のペース配分になりやすいコースだ。

 今回の中京芝1200mは最初のコーナーまでの距離が近く道中のペースは緩みやすい。少なくとも中山よりは能力を発揮しやすいコースだ。







水上学の血統トレジャーハンティング

【根岸S】異質のダート重賞

【今週のポイント】
舞台替わって、4週間の東京開催がスタート。開幕週を飾る重賞はフェブラリーSの前哨戦、本番より1ハロン短い距離で争われる根岸Sだ。

このレースは、数あるダート重賞の中でも、馬場状態にかかわらず、最もスピードと切れを問われる、いや軽さを問われるレースと言えるのではないだろうか。ワンターンでスピードの落ちにくい形状、平坦部分の多い長い直線、そして東京特有の軽い砂質。前が速くなり、追い込みも決まりやすいが、中山ダート1200mと違い上がり3Fのラップが速いので、差し込む場合はそれを上回る瞬発力が必要となる。

こうした特性が求められるからか、7歳以上の高齢馬はとにかく勝てない。ヒモには来ても、近10年で1勝のみ。それも芝マイルG1好走歴のあったゴールスキーだった。

去年は初ダートの芝G1馬、モズアスコットがここを勝ってフェブラリーSへの連勝へつなげたが、母が純然たるダート血統で、以前からダートを使いたかった馬と陣営が豪語していた。今年は同じく芝マイルG1馬ステルヴィオが初ダート。血統には砂の要素が見当たらず適性に不安はあるが、スピードや切れはもちろん一枚上だ。問題はどこの枠を引くかに懸かってくる。砂を被せられる恐れの高くなる内枠なら、かなり厳しい戦いをしいられるはずだ。

一方、マイル以上で戦ってきて今回距離を詰めるタイムフライヤーやアルクトスも気になるところ。これらを1400mのスペシャリスト的なレッドルゼルやテイエムサウスダン、サクセスエナジーらが待ち受ける。

1800m以上の距離から短縮してきた場合は、以前にこの距離での好走経験があった方がいいという傾向は出ているが、果たしてどうなるか。個人的には、スペシャリスト組を重視したいと考えているのだが……。あとは週末の天候にも注目だ。

★土曜中京11R 豊明ステークス
◎本命馬 ムーンチャイム 1番人気6着
内目で好位も、馬場を考えるとかなりハイペース。内を通った逃げ、先行勢が増崩れになってしまった。外目へ出すスペースもなかった上に、直線は前をカットされて万事休す。

$お宝馬 トウカイオラージュ 3番人気16着
ということで、大崩れした先行勢の中で最もバテバテになってしまったのがこの馬。バテたのは仕方ないにしても、あまりにも負け過ぎで、1頭だけ遅れてゴール。4角で、他の前にいた馬がまだ手応えがあった時点で早々に手が動いており、体調面の問題かもしれない。人気にもなりすぎた。

★日曜中山11R アメリカJCC(G2)
◎本命馬&お宝馬 サンアップルトン 9番人気10着
好走していたのは470キロ台。それが今回、若駒でもないのにまさかの12キロ増で、486キロだった。3か月ぶりとはいえ、前走が長期休養明けで増えていたことを思えば、乗り込み量からも5歳馬だけに今回は多少減らしてくると思ったが……。道悪よりもこの調整を敗因に挙げたい。もし次走春の中山で、絞れてきたら今度こそ。

【次回の狙い馬】
日曜 中京3R 5着
セイブロッケン
新馬戦だった。ダート1200mの道悪、前半35秒5、後半37秒6の前傾ラップで飛ばして逃げ、最後一杯になりながら掲示板は守った。自分の作ったペースで差し追い込み勢を呼び込んでしまった形だが、もっとバテてもおかしくない展開。これなら次走は良くなりそうだ。場を問わず同じダート1200mで。

土曜 小倉2R 1着
トーホウバロン
前走はスタートミスで後方一気、今回は普通に出て好位の競馬。それでも難なく立ち回り、あっさりと勝てた。懐がかなり深いタイプ。これなら昇級戦でも通用しそうだ。





回収率向上大作戦・須田鷹雄

【シルクロードS予想】1着馬と3着馬で全く傾向の違うシルクロードS

複穴を出してきた馬たちは…


 シルクロードSはハンデGIII。私がよくハンデ戦で主張する、「ハンデ戦は敢えて背負う馬、斤量増になる馬を」が、半分当てはまり半分はあてはまらないレースだ。

 当てはまるのは勝ち馬についてである。この時期の定量相当(1月に実施されるケースと2月で短距離は4歳馬の扱いが変わり、説明が長くなるので省略)に対してプラスマイナスゼロかそれ以上のハンデを背負った馬が過去10年のすべてで勝っており、それ未満の斤量だった馬はのべ105頭いて勝っていない。

 勝ち馬に関しては「背負う馬が強い」の傾向が生きていることになる。短距離のほうがダッシュに効いてくるぶん斤量の影響が大きいという説もあるが、ともあれ勝ち馬については背負う組優勢だ。

 ちなみに今年の登録馬では10頭があてはまる。例年より多く馬の絞り込みには寄与しないかもしれないが、一応傾向として書いておく。

 一方で、複穴を出してきたのは前走から斤量減となる馬たちだ。この組は[1-3-7-59]と勝ってはいないものの3着はそこそこいる。しかも馬券に絡んだ11頭のうち実に8頭が10番人気以下なので、複勝率は15.7%と低いが複勝回収率は141%にも及ぶ。

 馬券に絡んだ11頭のうち昇級によって前走より斤量減となった馬は2頭のみ。つまり前走オープンかつ持ちハンデが軽いという状態、一見強いとは見えない状態で馬券に絡んだ馬が9頭いたことになる。

 今回、前走オープンで今回斤量減は7頭。こちらも該当頭数は多いが、例えば3連単フォーメーションの1、2着部分を人気サイドでコンパクトにまとめておいて、3着に該当馬をずらりと並べるような網の張り方も面白いと思う。





重賞データ分析・小林誠

【根岸S予想】速い上がりを繰り出せる馬が勝つレース!

■根岸S(GIII・東京ダ1400m)フルゲート16頭

★3行でわかる! 根岸S 攻略の糸口

1.適度に荒れるのが特徴のレース。4~6番人気は特注級!
2.センター枠番を重視。速い上がりを使える馬が勝つ一戦。
3.人気薄の高齢馬が「3着」を量産。斤量増となる馬も強い。

データ特注推奨馬
 ★該当なし

 根岸Sは、簡潔にいえば「適度に荒れる」レース。ガチガチに堅い決着になるケースはほとんどなく、それでいて極端な波乱にもならないので、うまくいけば少ない点数でオイシイ配当を仕留められる。小波乱~中波乱あたりを前提に買い目を構築することで、かなり効率のいい馬券が買えそうなイメージだ。

 過去10年の勝ち馬はすべて6番人気以内なので、極端な人気薄を1着で狙うのはナンセンス。コースデータとレースデータの両方が好内容である、4~6番人気を重視するスタンスをオススメしたい。枠番は、馬番05~08番や09~12番といった「センター枠番」が好内容。内枠の成績がやや冴えないというのも、覚えておいて損はない。

 注目すべきは、きわめて「差し優勢」の傾向が強いレースだということ。過去10年の勝ち馬は、すべて最速~3位の上がりをマークしていた。最後方から一気の追い込みを決めた馬が出ているほどで、速い上がりが繰り出せるかどうかが超重要。前走での上がりが最速だった馬は、それだけで「買い」といえるほどだ。

 そして、高齢馬がやたらと「3着」にくるのも、根岸Sの大きな特徴。勝率や連対率は5歳以下馬のほうが格段に高いのだが、こちらはなぜか3着はほとんどない。人気薄の高齢馬を3着固定で狙うようにすれば、いい配当を簡単に的中できる可能性もありそうだ。ここは大混戦で人気もサッパリ読めないので、データ特注推奨馬はナシ。あえて1頭だけ名前をあげるならば、高齢ながら末脚がキレるワンダーリーデルか。


【コース総論】東京ダ1400m
・コースの要所!
★人気サイドが強いが狙い目なのは4~6番人気。少しだけひねる買い方を推奨。
★大きな差はないが内枠はイマイチ。馬番01~04番は少し評価を割り引くべき。
★ダート戦らしく前が優勢も、速い上がりの要求度はかなり高い。決め脚必須。

210122_01.jpg
210122_02.jpg
210122_03.jpg

 バックストレッチの、やや2コーナー寄りの地点からスタート。オールダートの1400m戦で、最初のコーナー進入まで約440mと、十分な距離がある。クセのないコースなので、実力のある馬がその能力をキッチリ発揮しやすい舞台といえるだろう。展開の紛れが起こりづらい部類のコース形態といえる。

 クセのないコースであるのは、人気別成績からも見てとれる。1番人気は[76-33-33-99]としっかり勝ちきっており、人気サイドの信頼度もなかなかの高さ。1着馬のじつに80%以上を、5番人気以内馬が占めている。極端な人気薄は狙いづらいだけに、積極的に買いたいのが中穴ゾーンの4~6番人気。信頼度、回収値のいずれも優秀で、狙ってみる価値が十分にある。

 枠番の内外による成績差は小さめで、1レース単位ではそれほど気にする必要ナシ。ただし、内枠である馬番01~04番の内容がイマイチであるのだけは、しっかり覚えておきたいところだ。とくに気をつけたいのが「人気馬が内枠に入ったケース」で、この場合は評価を少し割り引いたほうがよさそう。少なくとも、内枠がプラスに働くコースではない。

 脚質面は、ダートの短距離戦らしく「前」が優勢。ただし、中団待機組や後方から追い込んだ馬が馬券に絡んでくる確率は、他のコースと比較するとかなり高い。また、最後の直線が長いコースらしく、上がり上位馬が好成績であるのも大きな特徴。鋭い決め脚のある馬ならば、中団からでも好勝負に持ち込める。


【レース総論】根岸S(GIII) 東京過去10回
・レースの要所!
★堅くはないが勝ち馬はすべて6番人気以内。人気薄を1着で狙うのは避けたい。
★内枠や外枠がイマイチでセンター枠番が好内容。脚質は極端なほど差し優勢。
★連対率が高いのは5歳以下も高齢馬の3着が非常に多い。距離短縮組も好成績。
★前走東京&中京組の強さが目立つ。前走から斤量増となる馬もプラスに評価。

210122_05.jpg
210122_06.jpg
210122_07.jpg
210122_08.jpg
210122_09.jpg
210122_10.jpg
210122_11.jpg

 レースの平均配当は、単勝667円、馬連3162円、3連複1万6463円。そう堅く決まることはなく、かといって大波乱もないというカンジで、適度に荒れている印象だ。とはいえ、過去10年の勝ち馬はすべて6番人気以内。ふたケタ人気馬も連対例もないので、ホームラン狙いでブンブン振り回すのには適していない。小波乱~中波乱あたりを狙うのが、もっとも効率がいいスタンスだろう。

 人気別成績では、中穴ゾーンである4~6番人気が好内容。回収値が高いのはもちろん、トータル[4-1-4-21]で複勝率30.0%と、信頼度の高さもなかなかのものだ。あとは、3着紛れが非常に多いというのも、このレースの特徴。思い切った人気薄を狙うならば、1着でも2着でもなく「3着固定」が面白い。

 次に枠番だが、コースデータ同様に内枠である馬番01~04番はイマイチ。また、外枠である馬番13~16番も冴えない結果に終わっている。となれば、狙うべきは馬番05~08番や09~12番といった「センター」枠番。取捨に迷った場合には、この枠番データを積極的に活用したいところである。

 そして、脚質面は完全に差し優勢。ここまで差し・追い込み勢が強いというのは、芝重賞でも珍しいほどだ。過去10年の勝ち馬はすべて「上がり3位以内」で、今年も決め脚の鋭さが求められるのは間違いなし。前が速くなる組み合わせになれば、差し・追い込み勢はさらに強さを増す。前走で速い上がりをマークしていた馬が非常に強いのも、その証明といえるだろう。

 年齢別成績から、信頼度が高いといえるのは5歳以下馬。しかし面白いことに、人気薄の激走例が多い3着には、6歳以上の高齢馬がくることがメチャクチャ多いのだ。昨年に9番人気で3着に突っ込んだスマートアヴァロンも、8歳の高齢馬。「高齢の人気薄はすべて3着付けでいい」といっても過言ではないほど、3着率だけが高い。1着候補や2着候補は5歳以下馬を重視、3着候補は高齢馬を重視という狙い方が面白そうだ。

 前走距離別成績では、ダ1600m以上からの距離短縮組が好成績。2018年などは、この組が1~3着を独占している。チャンピオンズCや武蔵野Sからのローテで出走する馬は、前走が大敗だったとしても要警戒である。そして前走競馬場別では、「左回りで最後の直線が長い」という共通項がある、東京組と中京組が好成績。逆に、勝ち負けに末脚のキレ味があまり求められない中山からのローテは、低調な結果に終わっている。

 そして最後に、斤量について。別定戦で斤量が軽くなる馬も多い一戦だが、今回が斤量減だった馬は2~3着にはくるが、勝ったのは過去10年で2017年のカフジテイクだけ。トータル勝率は、たったの1.9%である。逆に前走から斤量増となる馬は好調で、単勝適正回収値も195.2という高さ。勢いよりも「格」が問われるレースといえるだろう。


【血統総論】

210122_12.jpg

 血統面からは、ヘニーヒューズ産駒、ロードカナロア産駒、クロフネ産駒、カジノドライヴ産駒、ダンカーク産駒をプラス評価の対象とした。いずれも甲乙つけがたい優秀な内容だが、ロードカナロア産駒が見せているコース適性の高さは要注目。回収値の高さもかなりのもので、爆発力十分だ。同様に、ダンカーク産駒も侮れない存在。産駒数こそ少ないが、今後もこのコースでの活躍馬登場に期待がもてる内容である。


★出走予定馬 総論×各論
 本稿執筆時点で出走の意向が把握できているのは、フルゲート以上となる19頭。収得賞金が2400万円以下であるアヴァンティストやスリーグランドなどは、このままだと出走できない可能性が高そうだ。前走チャンピオンズC組からは、タイムフライヤー、アルクトスの2頭が出走を予定。それ以外では、すばるSやギャラクシーSからのローテで出走する馬が多くなりそうだ。

 確たる中心が見当たらない一戦で、かなりの混戦模様であるのは間違いなし。例年以上に荒れる結果になっても、不思議ではなさそうな気配である。前走で短距離戦を使われてきた組が多いので、道中のペースはけっこう速くなりそう。やはり、最後の直線で速い上がりを繰り出せるかどうかが、勝敗の大きなカギとなることだろう。

 現時点で上位に評価しているのは2頭だけ。その1頭が、昨年11月の武蔵野Sからのローテで出走するワンダーリーデルだ。昨年のこのレースは8着と凡走したが、相手関係は今年のほうが格段に楽。8歳という高齢ながら衰えたという印象はなく、末脚のキレ味も健在である。展開待ちのタイプで安定感には欠けるが、軽視は禁物。馬券で狙うならば当然、1着でも2着でもなく「3着」である。

 もう1頭の上位評価組がタイムフライヤー。再びルメール騎手が騎乗予定というのもあり、上位人気の一角となることだろう。前走のチャンピオンズCは8着という結果に終わったが、立て直された効果もあり、なかなかいいデキでレースに臨めそう。距離短縮がどうかはなんともいえないが、気性的な前向きさがある馬なので、いい方向に出る可能性もありそうな印象だ。

 そして2番手グループだが、こちらはスマートダンディー、レッドルゼル、テイエムサウスダン、メイショウテンスイ、ブルベアイリーデ、デザートストームがズラリと横並び。ただし、「高齢馬は3着主体、それ以外は1~2着主体で狙う」ことや「4~6番人気を重視」する方針と組み合わせれば、買い目はそれほど多くはならないと思われる。

 いずれにせよ、順当に決まる気がまったくしないレース。人気というファクターをいつも以上に重視して、納得のいく配当になるようなフォーメーションを組むなり、オッズフィルタで買い目を絞り込むなりしたほうがいい。あとは、メチャクチャ差し優勢のレースだけに、どういった展開になるかも要注目。速い上がりを繰り出せる馬でなければ勝てないレースであるのを、最後まで忘れないようにしたい。
スポンサーサイト